9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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初っ端からネタバレしかないです。


「にじいろ」。
1.繰り返し。


 

※

 

 

ニア 記憶をインストールする。

 

 

※

 

 

 

頭痛と。

頭痛と。

頭痛と。

頭痛と。

そして、少しばかりの吐き気。

 

脳裏に落とし込まれた知らない記憶。

 

フェスの帰り際に落とし込まれた記憶は、そんな吐き気から始まった。

 

 

4月17日。

地震と、神器の破損と、AF。

けれど、もう魔女は存在しない。

 

そんな筈なのに、何故俺はまたこうして繰り返しているのだろうか。

「相棒」に問い掛けても、返事が返ってくるかは不明。

 

「兄やん、絆創膏持ってきやしたぜー? ……ん、なんか頭抱えてるけどどうしたん?」

「ああ、悪い。」

 

そんな何度も繰り返したような覚えのある会話をしながら。

何よりも。

 

全(・)て(・)の(・)記(・)憶(・)が(・)引(・)き(・)継(・)が(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)こ(・)の(・)状(・)況(・)に違和感を感じながら。

目の前で困っている都を見。

隣で心配してるんだか良くわからない天を見。

沙月ちゃん――”普通”の彼女を見。

 

そして、未だ知り合わない二人を思い。

 

どういうことなんだ、と心の中でずっと戸惑いを浮かべていた。

 

 

 

まず、何より最初に確認したのは自分の記憶の存在。

 

全ての枝の記憶。

都が死に。

都と結ばれ。

天が消え。

天と……その、なんかなり。

イーリスに騙されて、全員が石化して。

春風と、世界の眼を破壊して。

幾度も記憶をインストールしながら。

希亜と共に撃退し。

けれど、開発されていた同じ手段で与一と何度も敵対し。

幾度も、幾度も彼女たちを失って。

最後に、裏技で魔女を魂ごと消し去って。

眠って、気付けば、この時間。

 

俺が望んだ事を聞き遂げてくれなかったのか?

そう心の中では思ったけれど、多分少し違うのだろう。

 

 

「あ、あの……ごめんなさい。 今は写真撮影はご遠慮していただけると……。」

 

 

視線の先、都――九條 都。 ……ああ、彼女は覚えてないだろうけど。俺は覚(・)え(・)て(・)る(・)。――が、コスプレ姿で避難誘導を行っている。

魔眼のイーリス。 輪廻転生のメビウスリング。

その名前を思い出すと、元になった姿が浮かんで苦笑しか浮かばなくなるのだけど。

 

「天、少し待ってろ。」

「え、うん」

 

それだけ声を掛けて、都の元へ向かい。

 

「すみませ~ん。 非常時なので、避難誘導に従ってもらえますか?」

「え、新海くん……?」

「ご協力ありがとうございま~す。」

 

彼女の反応に、少しだけ胸を痛めながら。

幾度も繰り返した覚えがあるその誘導を済ませる。

ここから、彼女との親交が始まった。

ここで、何もしなかったから。

俺は一度、彼女を失った。

 

枝の記憶が、そう告げている。

 

「平気か?」

「え、ええ……。 ありがとう。」

「俺、もう先帰るから。 お先。」

 

カメラマンたちを追い払い。

それだけを告げて、天達の元へ。

 

「おうおう、兄貴。 カッコつけてるじゃないっすかー!」

「うっせ、帰るぞ。」

「へいへい。 沙月ちゃんまたねー。」

「はいはい、また今度。」

 

確か、この次は。

数少ない記憶の中、思い出したのは。

希亜と親しくなった枝の記憶。

 

「? ねえにぃに。」

「どうした?」

「何か考え事?」

「かもな。」

 

そんな、他愛もない会話の中。

話が出来る幸福を、少しだけ実感していた。

 

 

 




※間違い部分を修正

二人目のインストールは?(参考程度)

  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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