4.4月18日。
翌日。
4月18日。
何も覚えていない時だったら、唯の一日。
全てを覚えている今だったら、大きな分岐の一日。
今ならまだ、止められるから。
※
「あ、やっと来た!」
登校途中の学生の波に逆らって、やってきたのは天。
わざわざこっちに来る必要性はないと思うんだが。
「遅いよ、何? コンビニ寄ってたの?」
「ああ、昼飯買ってきた。」
「え~、かっわいそ~。 お兄様はパンですの~?」
すっげえ聞き覚えがある台詞。
少しだけ懐かしくも感じる。
「そういや母さんの飯全然食ってねーな。」
「帰ってくればいいじゃん、近いんだし。」
「あー、そうだな、気が向いたら。」
とぼとぼと、或いはてくてくと。
歩いて行けば、顔を覗き込む天。
「ん~……?」
「どうした」
「いや、なんていうか。」
「何だよ」
「雰囲気、微妙に変じゃない?」
「変とかいうお前のほうが変だが」
「傷付くからやめろ。 私意外とナイーブなんだぞナイーブ。」
はいはい。
そんな会話をしながらの登校。
別の枝の記憶でも、こいつはこんな事に気付いていたように思える。
妙に鋭いというか、細かいところに気が付くというか。
……こいつにも、いつかは話しなきゃいけないんだよな。
そう思うと、憂鬱感が増してくるんだが。
「ごめんね」と。
「さよなら」と。
「あ、あの……その、え、と……すいません、ごめんなさい……。」
視線の先、いつものように春風……げほん、香坂先輩とその他大勢。
能力の暴発というか、コントロールが上手く行ってないからというか。
無意識化でのが発動しちゃってるだけと言えばだけなんだが。
「凄いね~……お姫様?」
「本人は困ってるっぽいけどな。」
「えー、贅沢じゃない?」
「何処がだよ、お前知らない奴等にああいう風に囲まれたいか?」
「え、絶対嫌。」
「だったらンな事いうなって。」
「兄やんも私をああいう風に扱ってくれればなー。」
「は?」
少しずつ、距離は近付いていく。
「いや、そんな真顔で言われると私も困る。」
「仕方ねえな……お嬢様、口を閉じて下さりますか?」
「よろしくてよ。 ってふざけんなよ丁寧でも傷付くんだからね!?」
前の集団に近付いて。
「追い抜くぞ。」
「はいはい。」
集団を追い抜いて。
その上で、同じように繰り返す。
「あの。」
「ちょ、にぃに。」
振り返り。
困った表情を浮かべる先輩へ、声を掛ける。
「すみません……その、すみません……。」
声には気付かない。
自分に向けられたものだと思っていないから。
特に、先輩の恐怖症もあるから周囲に気を配れていないのも明白なんだろうし。
「あの。」
だからこそ、もう一度話しかける。
切っ掛けを作る。
もう一度、仲良くなりたいから。
また、話をしたいから。
「……え?」
「大丈夫ですか? 困ってるなら、何とかしましょうか?」
「ぇ……ぁ、ぅ……」
石化。 というか固まった。
唐突すぎて暴走したのか何なのか。
まあ、今はこれでいいか。
「……急に声かけてすいません、それじゃ。」
背を向けて、歩き出す。
それを慌てて追いかけてくる天を横目に見ながら。
「びっくりした……。 急にどうしたの? 昨日といい今日といい。」
「人助けに唐突に目覚めた。」
「うわ似合わねー。 彼女でも欲しいから全方位いい格好してんの?」
「……。」
溜息。
「だから冷たい態度やめろってば!」
いや、まあ。
……こいつの内心考えれば、切れたくもなるわな。
希亜の部分スキップしたのは前の枝の衝撃が未だ抜けきれていないから。
つまりは引きずったままなので話の内容の大部分が抜け落ちてしまった故。
※5/13追記
後々の展開考えたら書いたほうが良さそうなので2話と3話の間に2.5話として書いておきます。
別視点(ヒロイン視点×2)なので読む際はご注意ください。
二人目のインストールは?(参考程度)
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新海 天
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香坂 春風
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結城 希亜