9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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アンケート引き続き実行中。
とは言っても多分今日のどこかで打ち切りますが。


9.始まりの事件の前の。

 

「おなかすいた~」と小五月蝿い天と適当に軽い食事をしながら。

基本的な事柄の再度説明……一日に二回することになるとは思ってなかった。

特に今回はどうなるか分からないのもあって、駅前のモックでの簡単なものに落ち着いた。

まあ、事前に言っていたからか。

或いは後で母さんからせしめる気なのか、余り文句を言わずに自分で出していたのはちょっとした進歩だとは思うが。

 

「で、兄貴。」

「何だよ。」

「何処向かってるの? こんな時間に。」

「用事って言ったろ……あ~、まあある程度は言ってもいいか。」

 

ただ……いつかは直面することとは言え。

出来ればこいつを関わらせたくはなかった、と思いながら。

 

「俺の能力については言ったな。」

「聞いたね。」

「で――――俺達が止めないと、最悪の結果が待ってる。」

「最悪ぅ……?」

 

いまいち、理解しきれていないような。

或いは、()()()()()()()()()()

本質的に臆病だからな……天は。

 

「まあ、動かなけりゃ不味いってことだけは覚えとけ。 ああ、指示には従えよ? マジで。」

「う~わ、にぃにが珍しくガチってる。」

 

それだけ大事なんだよ……!

……と、そうだ。

一応確認しておくことに越したことは無い、か。

 

「なぁ、天。 ちょっと頼みがある。」

「お兄様のお頼みですの~?」

「明日以降、お前のクラスメイトで……こう、十字架のアクセっぽいの持ってる男子生徒がいたら気をつけといてくれ。」

「え、何急に。 あ、分かった。」

「ふざけたこと抜かしたら天罰が下るぞ。」

「美少女の妹が目をつけられてないか心配になったの~?」

 

有言実行。

 

「痛~……ちょっと、デコピンでもやめてよ! 痕残ったらどうしてくれるのよ兄上!」

「いや、真面目な話してるときにふざけるのほんとやめろな? 久々に切れそうになった。」

「あ、はいすいません……って言っても、クラスメイトなんかあんまり気にしてないから分かんないかもよ?」

 

こいつ()が見知らぬ相手には引っ込み思案なのは一番俺が知ってる。

それがクラスメイトにまで及んでいるとは思っていなかった。

……けれど、天の本質。

心でどう思い続けていたか、まで知ってしまっている今なら笑い話でも済まない。

どうするかも、考えておかないとなぁ……。

 

「分かれば、でいい。 ああ、後見つけたからって近付くなよ。」

「なんかヤバいの?」

「超やばい。」

「ふ~ん……近付かないほうがいいの?」

「ああ、割とマジで。」

「ん。 念の為気をつけとく。」

 

何しろ、暴走……火事の切っ掛けになる相手だからな。

何が切っ掛けで最後の線を踏み越えたのかすら、分かっていない状況下。

最終的には都に頼ることにはなるけど……希亜にも念の為話通しておいたほうがいいか?

実際、前の枝では起こったの放課後だったけれど。

今までの枝では、昼休みに起こっていた。

事前に食い止めることが出来れば必要はないが――――。

 

「……そろそろ行くか。」

「あ、水飲んできていい?」

「おう。 じゃあ先外出てる。」

 

ゴミを片付け、天より先に店の外へ。

時間的にも、余裕を持って公園まで行けるくらいの時間帯。

 

「……色々うるさい子ね。」

 

そんな折。

タイミングを見計らったかのように、ソフィが現れる。

 

「まあ、色々口には出すけど内心は、な。」

「私は苦手ね……。 まあいいわ、これ。 頼まれてたものよ。」

 

手元に落とされる、銀のアンプル。

――――頼んでいた、アーティファクト。

 

「悪い、助かる。」

 

そのまま、口を切って服用。

何度行っても変わらない、身体に染み渡る妙な感覚と知識。

 

「躊躇いなく行くわね……少しばかり感心しちゃった。」

「知識だけはあるからな。」

 

念の為、スマホを耳に当てての偽装を実行。

遅い気もするが、念の為というやつだ。

 

「何してるのよ。」

「別の枝でも同じこと言われたな。 偽装だよ偽装。」

「まあいいわ。 攻撃系のアーティファクトは期待薄、くらいに考えておいてもらえる?」

「そこも変わらない、か。 頼んでたもう一つは?」

 

ふよふよ浮くぬいぐるみ。

……見えないからいいが、シュールだよな。

 

「駄目ね、侵食が早すぎる。 何もしなければ暴走は確実……と言ったところかしら。」

「前回の対策がそのまま通用すればいいんだがな。 一応、天にも注意してみておいて貰うようには頼んだが。」

 

こればかりはどうなるかわからない。

成功例が存在しないから。

 

「まあ、改めて言うことでもないけれど。 注意しなさいよ? これから魔眼のユーザーと会うんでしょう?」

「ああ。 対策……というか、魔眼の制限は理解してる。」

 

()()()()()()()()()

視線を合わせるだけで石化が発生する。

ただ。

誰かが、或いは何かが横切るだけで中断される。

そのための保険を兼ねての、複数行動だ。

 

「ならいいけど。 明日の朝でいいのね?」

「ああ。 名前とか教えてもらっとけば動きやすくなるし。」

「はいはい……それじゃあね。」

 

そうして、再び消えていくソフィ。

スマホから耳を外して一息おけば、水を飲んできたのか天が店を出るところ。

 

「あれ、誰かと電話してた? ……ぬいぐるみみたいなのも見えた気が。」

「ちょっとな。 その内紹介もする。」

 

さて。

以前と同じように進むなら――――。

公園には先に二人が揃っているはず。

行くぞ、と声を掛け。

少しだけ足早に、移動を開始した。

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