9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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一人増え、二人増え。


10.三人+一人の。

途中、コンビニで飲み物と軽食を購入。

以前と同じ流れなら必要ない可能性もあるけど、最悪は明日の昼飯に回せばいいだけだから。

その後、二人で公園へと向かえば。

まだ待ち合わせる時間には早いだろうに、既に二人の姿。

 

「悪い、待たせちゃったか。」

「問題ない。」

「ううん。 私達が早く着きすぎちゃっただけだから。」

 

二人は、見慣れた――と言って良いのか――私服姿。

希亜は、黒いフリルの付いた服装。

都は、ケープのような物が肩についた白い清楚な服装。

幾度も見た覚えのある、その格好。

 

「それで……メールでは伝えたんだが。」

「もう一人……という話ね。」

「その後ろの……彼女さん?」

 

都。 馬鹿が目を輝かせるからやめてくれ。

しかし、後勘違いされるほど距離が近いのだろうか。

 

「違うよ、そんなのいないし。」

 

胸がずきり、と痛みながら。

 

「妹の天。 こいつもユーザーになってたらしい。」

「妹さん……。」

「妹、ね。」

 

俺の影に隠れるようにして、二人を見ている天。

初対面の相手に対して距離を測りかねているのは、まあいつも通りのことで。

ぽかんとした表情。

何かを考え込むような表情。

 

相反した二人。

一人っ子。

元は姉妹――――今は一人。

 

そんな二人であるからこそ、態度も明らかに違っていた。

 

「……ええと、にぃに。 女の子の知り合いなんて作れたの?」

「馬鹿、お前と俺と同じ仲間……お前風に言うなら魔法使いの仲間だ。」

 

別の枝では()()()けれど。

 

「そっか……。 え~と、初めまして。 お兄ちゃんの妹の、新海天(にいみそら)です。」

「はい、初めまして。 九條都(くじょうみやこ)です。 新海くんのクラスメイトで……仲間、かな?」

結城希亜(ゆうきのあ)。 玖方女学院の二年よ。 宜しく。」

「天でいいですよ、兄貴と同じじゃ呼びづらいでしょうし。」

 

同性は同性同士、仲良くなるのが早いということだろうか。

挨拶もそこそこに、先輩だの後輩だのって言葉が聞こえてくる。

時計を見れば、丁度19時に差し掛かったところで。

 

「そろそろ動くか……あ、これよければ。 コンビニで色々買ってきた。」

「私のは兄やんのと一緒ということで!」

「私も用意してきた。 あんぱんと牛乳の待ち伏せセット。」

 

いや、妙に楽しそうですね希亜さん。

まあ、探偵って言えばその2つみたいなイメージが無いことはないけど。

 

「私……そうなると、重すぎたかも。 お弁当作ってきちゃった。」

「弁当?」

 

これも、変わらないか。

だからこそ軽めに、それこそおやつ程度で済ませておいたんだが。

 

「要らないなら持って帰るから……。」

「あ~いや。 貰う。 ちゃんと夕飯食べた訳じゃないから。」

「なら。 私もいただこうかしら。」

「私……は、少しだけ貰っても良いですか?」

「あ、うん。 私が勝手に作ってきただけだから……。」

 

わいわい、と。

がやがや、と。

気付かれにくい、照明灯の光が木の陰になった場所。

以前と同じ、複数人で。 公園が見回せる場所へと移動した。

 

「ここでいいか?」

「私、レジャーシートも持ってきたから……。」

「あ、手伝いますよ!」

 

一気に懐いたらしい天が都の持ってきたレジャーシートを広げる。

その上に置かれる、鞄やコンビニの袋に弁当。 そして人数分の紙皿や紙コップに割り箸。

 

「……ピクニックみたいね。」

 

希亜の台詞通りの風景が広がっていた。

 

「なんか場違いでごめんね。」

「いや、ずっと緊張したままよりは良いと思うぞ?」

「そうですよ~、どれも美味しそうだし!」

 

お前夕飯食ったばかりだよな?

まだ食えるのか、と目線を飛ばせば。

余裕ですぜ、と笑顔。

……食った分、何処に消えてるんだ彼奴。

 

「……美味しい。」

「うん、俺これなら幾らでも行けそうだ。」

 

各々が自分の好きなものを取っての食事。

何度も味わったはずの手料理。

けれど。 味が何処か滲んでいた気がするのは何故だろう。

 

「……?」

 

心配そうな目を向けられて。

 

「……。」

 

何かを確信するかのように、じっと見つめられ。

 

「……。」

 

()()を見るような目を、俺へ向けて。

 

けれど、それらを気にしないように。

()()()()()()()()()()

努めて、笑顔を作って料理を口に運ぶ。

 

一度ならず、二度、三度。

失われた料理の味に。

それが。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()一番大きな切っ掛けになるなんて。

今日の朝までは、想像もしていなかった。

 

また、料理を一口。

動揺していたのか。

或いは、震えていたのか。

 

迷い箸と。

迷い箸。

 

かつん、と。

触れ合った。

 




けれど記憶は持たぬまま――――その筈、だったのに。

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(14:05 誤字修正:報告ありがとうございました)
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