途中、コンビニで飲み物と軽食を購入。
以前と同じ流れなら必要ない可能性もあるけど、最悪は明日の昼飯に回せばいいだけだから。
その後、二人で公園へと向かえば。
まだ待ち合わせる時間には早いだろうに、既に二人の姿。
「悪い、待たせちゃったか。」
「問題ない。」
「ううん。 私達が早く着きすぎちゃっただけだから。」
二人は、見慣れた――と言って良いのか――私服姿。
希亜は、黒いフリルの付いた服装。
都は、ケープのような物が肩についた白い清楚な服装。
幾度も見た覚えのある、その格好。
「それで……メールでは伝えたんだが。」
「もう一人……という話ね。」
「その後ろの……彼女さん?」
都。 馬鹿が目を輝かせるからやめてくれ。
しかし、後勘違いされるほど距離が近いのだろうか。
「違うよ、そんなのいないし。」
胸がずきり、と痛みながら。
「妹の天。 こいつもユーザーになってたらしい。」
「妹さん……。」
「妹、ね。」
俺の影に隠れるようにして、二人を見ている天。
初対面の相手に対して距離を測りかねているのは、まあいつも通りのことで。
ぽかんとした表情。
何かを考え込むような表情。
相反した二人。
一人っ子。
元は姉妹――――今は一人。
そんな二人であるからこそ、態度も明らかに違っていた。
「……ええと、にぃに。 女の子の知り合いなんて作れたの?」
「馬鹿、お前と俺と同じ仲間……お前風に言うなら魔法使いの仲間だ。」
別の枝では
「そっか……。 え~と、初めまして。 お兄ちゃんの妹の、
「はい、初めまして。
「
「天でいいですよ、兄貴と同じじゃ呼びづらいでしょうし。」
同性は同性同士、仲良くなるのが早いということだろうか。
挨拶もそこそこに、先輩だの後輩だのって言葉が聞こえてくる。
時計を見れば、丁度19時に差し掛かったところで。
「そろそろ動くか……あ、これよければ。 コンビニで色々買ってきた。」
「私のは兄やんのと一緒ということで!」
「私も用意してきた。 あんぱんと牛乳の待ち伏せセット。」
いや、妙に楽しそうですね希亜さん。
まあ、探偵って言えばその2つみたいなイメージが無いことはないけど。
「私……そうなると、重すぎたかも。 お弁当作ってきちゃった。」
「弁当?」
これも、変わらないか。
だからこそ軽めに、それこそおやつ程度で済ませておいたんだが。
「要らないなら持って帰るから……。」
「あ~いや。 貰う。 ちゃんと夕飯食べた訳じゃないから。」
「なら。 私もいただこうかしら。」
「私……は、少しだけ貰っても良いですか?」
「あ、うん。 私が勝手に作ってきただけだから……。」
わいわい、と。
がやがや、と。
気付かれにくい、照明灯の光が木の陰になった場所。
以前と同じ、複数人で。 公園が見回せる場所へと移動した。
「ここでいいか?」
「私、レジャーシートも持ってきたから……。」
「あ、手伝いますよ!」
一気に懐いたらしい天が都の持ってきたレジャーシートを広げる。
その上に置かれる、鞄やコンビニの袋に弁当。 そして人数分の紙皿や紙コップに割り箸。
「……ピクニックみたいね。」
希亜の台詞通りの風景が広がっていた。
「なんか場違いでごめんね。」
「いや、ずっと緊張したままよりは良いと思うぞ?」
「そうですよ~、どれも美味しそうだし!」
お前夕飯食ったばかりだよな?
まだ食えるのか、と目線を飛ばせば。
余裕ですぜ、と笑顔。
……食った分、何処に消えてるんだ彼奴。
「……美味しい。」
「うん、俺これなら幾らでも行けそうだ。」
各々が自分の好きなものを取っての食事。
何度も味わったはずの手料理。
けれど。 味が何処か滲んでいた気がするのは何故だろう。
「……?」
心配そうな目を向けられて。
「……。」
何かを確信するかのように、じっと見つめられ。
「……。」
けれど、それらを気にしないように。
努めて、笑顔を作って料理を口に運ぶ。
一度ならず、二度、三度。
失われた料理の味に。
それが。
今日の朝までは、想像もしていなかった。
また、料理を一口。
動揺していたのか。
或いは、震えていたのか。
迷い箸と。
迷い箸。
かつん、と。
触れ合った。
けれど記憶は持たぬまま――――その筈、だったのに。
(アンケートは本日15時で打ち切ります)
(14:05 誤字修正:報告ありがとうございました)