のか
のいろ。
何も始まらず。何も終わらず。二人は、共に――――。」
ごめん、と。
ごめんなさい、と。
共に言い合うように。
箸が触れた相手は、都だった。
「もう、にぃに。 折角可愛い女の子達と楽しく過ごしてるのに上の空なんて。」
「あ、ああ。 ……お前今自分のこともさり気なく入れなかったか?」
「え~、どう思うの~?」
珍しく、でいいのか。
天のフォローもあって、その場の妙な雰囲気は霧散した。
互いに謝って。
作り笑いのような、妙な笑顔を浮かべながら。
少しだけ顔を赤くした都が、唐揚げを一つ食べて。
そこからは、少しだけ変わった。
見た覚えのある光景。
ミニトマトを食べて、顔をしかめた希亜と。
吐き出して、と慌てる都と。
それを見ながら、笑っている天と。
共に、見張りという名の平和な時間を過ごす。
ぱくり、と。
卵焼きを一つ、
※
ニア 記憶をインストールする。
※
「――――ッ!」
それは、ある種唐突に。
結局食べられなかったのか、涙目になりながらお茶で流し込んだ希亜。
分かる分かる、と笑う天。
それを眺めながら、ちらりと都に視線を向けた時だった。
何かに苦しむような表情を彼女が浮かべたのは。
「……先輩?」
「九條さん!?」
からり、と皿と箸がレジャーマット上に落ちる。
無意識に、だろうか。
左手で頭を抑え、片目を瞑るその姿。
幾度も、幾度も自分で経験してきた。
どくん、と胸が跳ねる。
心臓が痛いほどに鼓動している。
それを、何処か他人のような視点から理解している俺がいる。
「どうしたの!?」
「お兄ちゃん、ぼーっとしてないで!」
「お、おう!」
ごくり、と口に含んでいた卵焼きの欠片を飲み込んで。
慌てて近寄ろうにも、既に二人が介抱に近いように抱えている。
もし、こんな状況で与一が来れば。
そういった思考もあって――――動きも取れず。
公園を見回し、彼女を見る。
そんな単純な動作な筈なのに、妙に時間がゆっくり進んでいる気がした。
大丈夫だから、と告げる都。
けれどとても大丈夫そうには見えない、と不安そうな二人。
そんな彼女の視線が見るのは、慌てて動き始めた俺の顔。
言葉にならない、唇だけが変わっていく。
乾いた、言葉にならない声が読み取れた。
幾度も、幾度も聞いた
殆ど聞いた覚えのない。 けれど、懐かしい
自然と目が開いていくのが、自分でも分かった。
その呼び名一つに、どれだけの感情が込められているかを理解出来たから。
何故、どうして。
そんな風に考えても、浮かぶ答えは推測でしか無く。
今、確実に理解できるのは。
彼女が。
「もう、大丈夫だから。」
「平気……?」
「うん。 ありがとう、結城さん。」
「無理しないでくださいね、先輩……?」
「心配掛けちゃってごめんね。 でも、もう大丈夫だから。」
心配そうな二人。
礼を言う一人。
固まり続ける、俺。
トイレ行ってくるね、と。
小声で告げ、がさがさと離れていく都。
ある程度離れた後で、二人から叱られた。
「もう少し気を使いなさい」と。
「まあ女の子相手だから難しいとは思うけどさ~」と。
ああ、分かった、悪かった。
戻ってきたら謝る。
それは間違いなく本心の一端で。
だからこそ、二人も追求を取りやめたのだろうけど。
けれど。
――――どういうことなんだ、相棒。
そんな風に心の中で思っても、相手と意思疎通が出来るわけでもない。
だからこそ、悩んだ。
けれど。
ぷるる。
ぷるる。
スマホに、簡単な着信。
一度二人に断って、確認してみれば。
LINGを通じた、端的なメッセージ。
「久しぶり――――翔くん。」と。
それだけで。
それを見てしまっただけで。
今は、考えるのをやめようと。
そんな風に、思ってしまった。
時間は、少しずつ進みながら。
与一は、未だ姿を見せない。
アンケートありがとうございました。
引き続き第二弾を張っておきます。
■一応発動理由の解説■
■興味がない人は無視してください■
■当然ですがネタバレ全開です■
眷属化の条件は原作で示されているように
「■■、或いは■■の摂取」です。
この際のデメリット、不具合に関しても原作で示されているとおりなので割愛します。
で、今回発動した理由。
それは「既に一度別の枝で記憶のインストールを経験した」相手というのが最も大きいです。
また、今回の場合は「微量ではあるが一方的な摂取でなく、双方向での摂取」という形をとっています。
これに寄って(ここのつ都)→(にじいろ翔)→(にじいろ都)という超めんどくさい経由をしてのインストール。
何でそんなことを(ここのつ都が)実行しようと思ったのか?
……愛しい人が苦しんでるのに、助けない彼女達ですか?という返答をしておきます。
当初は眷属化を実行する時、「与える/受け取る」意志を持つことも鍵かなぁ……?と思ってましたがそんな描写は無かったので。
(記憶を送る送らないの判断は当人/「■■■」に委ねられてるっぽいのでそこはいい感じに)
恐らく「取り入れてしまえば」発動してしまう、一種の強制効果的なモノかなぁと思って作者は書いています。
(実際向こうの世界じゃ考えられないけど献■とかしたらどうなるんだ……?)
また、原作内で「どの程度摂取する」旨の記載がなかった事と合わせての実行です。