どれくらいの間そうしていたのか。
戻っていく時には、もう顔は元に戻っていて。
早く早く、と引っ張るくらいになっていた。
「お前さぁ……移り変わり早すぎない?」
「だって。 もう一回、おにーちゃんと
「お前ほんとそういうとこさぁ。」
切り替わりが早いというか。
自分のしたいこと、感情にまっすぐというか。
まあ、それくらいでいてくれる方がこっちとしてはやりやすい。
しおらしいのは、天らしくはない。
……まあ、勿論。
その部分のギャップも込で知っている人数が少ないというのもあるのだけど。
「今までは隠してきたけど、表に出すよ?」
「恥ずかしいことだけはやめろ本当に。 後知り合いの前でもやめろよ!?」
「またまた~。」
そんな会話をしながら扉を開けた。
途端に漂ってくる空腹に突き刺さるような香り。
「あ、おかえりなさい。 話、終わった?」
「何とかな……。 都も悪いな、夕食作ってもらっちゃって。」
「ううん。 好きでしてくることだし、私の分も一緒に作ってるだけだから。」
制服姿の上にエプロン。
何度か見たけれど、男の浪漫だよなぁと思う反面。
不思議と違和感がないというか、うまく着こなしているというか。
恐らくは、都の性格的な面と実際に着てきた歴史の両面が理由なんだろう。
「ああ、後でで良いからレシート貰えるか? 精算しちゃうから。」
「うん。 でも、今日は皆で分けるから、ね?」
「任せた。」
何かが焼けるようないい音と。
白い煙は上がっているけれど、沸騰はしていなさそうな味噌汁。
和食というか、何というか。
「みゃーこ先輩、今日何作ったんです?」
「今日はね~。 内緒、かな?」
「え~! 教えて下さいよぅ!」
「もうすぐ出来るから待ってて?」
そんな母親と子供みたいな会話を繰り広げている二人。
「と、そうだ。」
「どうかした?」
「耳貸してくれるか、都。」
まあ、その前に都と希亜には報告しとかないといけないことがあるんだが。
「天も記憶取り戻した。 ただ、こいつの場合はお前たちとは少しばかり違うから、あんまり引かないでやってくれ。」
「……ん。 天ちゃんは、天ちゃんだもんね。」
こそこそと隠れるような話はあんまり好きではないんだが。
今日の場合はまだ記憶を取り戻せていない春風もいるのだから致し方ない。
……どうすれば良いんだ? あの人の場合。
頭の中が大分ピンクだしそういう意味では楽そうに見えなくもないが。
そんな手段は絶対にやりたくない。
「はいはーい。 何の話かわからないけど、近いですよーっと。」
「おっと。」
「そ、天ちゃん……。」
若干無理に離されて、頭を少し掻いた。
照れくさそうに、都は笑みを浮かべた。
天は……目に見えて膨れているというか。
嫉妬してるな。
「じゃあ先に中に戻る。 幾つか共有しておきたいこともあるから、少し遅くなっても大丈夫か?」
「うん。 お祖父様が……その、応援してくれてるから。」
「応援って……。」
ナインボール経営者、というか趣味で運営してるコロナグループのトップ。
幾つかの枝で言われたけれど、その人に好かれているらしい俺。
実感は、全くない。
「気にしないでいいよ?」
「いや、気にしないってのも無理じゃないか?」
「そう?」
「家族だからそう思えるんだと思うんだけど。」
何しろ、生活の何割かを彼処の食事に頼っているような学生だったのだから。
実際今でこそ都が出張して夕食を作ってくれているが、そうでもないならかなりのペースでまた通っていた。
……なのに、彼処でバイトしてることに全く気付かなかったんだよな。
希亜ですら気付いてたってのに。
「にぃに、中行こう、中!」
「引っ張るな。 離そうとすんな。」
「私言ったじゃん!」
「はえーんだよ!」
というか露骨過ぎるんだよ!
もう少し隠せ!
そんなめんどくせーという感情を隠しもせずに天の行動に全力で抵抗する。
「むぎぎぎぎ……。」
それなりの力で引っ張られ続ける。
が、まあ。
ほんの少ししか動かない。
「男女の筋力差を考えろよお前。」
「だったら譲ってくれたっていいじゃん!」
「後ちょっとしたら行くから無駄なことすんなよ……。」
本当に、これから大丈夫なのか。
そう思いを馳せながら。
「今日はもう無理だが、近いうちに食器くらいは全員で揃えよう。 それくらいは出させてくれ。」
「え、でも……食器って言っても結構するよ?」
「
「……まあ、そうかな。 ただ、無駄遣いは駄目だからね? 私の心臓、止まっちゃうから。」
分かってるよ。
冗談めかして言ったら。
照れる顔と、寂しそうな顔が同じ空間に生まれたので。
片側の頭に手を置いて、部屋の中へと戻っていった。
ふっつーに寝過ごしました。
ヒロインたちが付けてて違和感がないアクセサリー形状?
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ブレスレット
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ネックレス
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髪留め
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指輪