9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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体調不良……。
ちょっと生活リズム崩れつつあるので日曜以降はペース落ちます~


私ならきっと。

 

もし、貴女が好きな人と結ばれたら?

 

ある人は、夢を叶えたいと言うだろうか。

ある人は、二人で過ごしたいと言うだろうか。

ある人は、自分の装身具(アクセサリー)として見せつけるだろうか。

 

私は――――なんだろう。

そう言われても、浮かぶものは見当たらない。

したいことがあるから。

二人で過ごしたいから。

自分を飾りたいから。

そのどれもがなんだか違って。

 

憧れて、好きになって。

それが、お互いにそう思っていたことに逃げ出して。

その結果が……思いを伝えあった、恋人という結末で。

石化事件が終わりを告げても。

何かが、心に引っ掛かっても。

手の刻印(スティグマ)が、大きくなって。

けれど、ソフィさんがそれに対して動いてくれて。

終わった後の、唯の時間なのに。

彼の姿を見ていると。

何かが、喉に閊えている。

 

 

「最近、どうしたんだ?」

 

翔くんに、そんな声を掛けられたのは。

夏も超えて、秋にも成り始めた頃。

朝に、夜に。

毎日のように来ることにも慣れて、二人でいるのが当然にも思い始めた頃だった。

 

「え、何のこと?」

 

その時、私はシャワーを借りたばかりで。

時期外れの雨に降られて、制服もずぶ濡れになってしまって。

乾くまでは、と好意に頼って服……というより、シャツを羽織っただけのような姿だった。

それ以上を当然のように見せているのに、こうした姿をしていると。

単純な、そういう姿より。恥ずかしくなってしまうのは何でだろう。

 

「自分で気付いてないのか?」

「……だから、何のこと?」

「最近、妙に顔が沈んでるようだったから。」

 

そうかな。

自分の顔に、手を触れる。

毎朝、家を出る時には見ている鏡。

汚れたりした姿で、翔くんには顔を合わせられないから。

 

「……?」

「自分じゃ分かんねえって言うけど、それ本当なんだな。」

「そんな沈んだ顔してる?」

「多分、天も気付くだろうな。 クラスの奴等だと……ちょっと分からん。」

 

天ちゃん。

翔くんの、大事な妹さん。

仲良くさせて貰ってる、私としても可愛い後輩。

でも、何でか。

少しだけ胸がチクリとして。

 

「……そっか。」

 

そんな想いを、心の中に沈めて笑った。

気付かれるかもしれないけれど。

ううん。

多分、私は気付いて欲しい。

自分でもわからない、この気持ちの正体に。

 

「相談なら乗るぞ?」

「大丈夫。 多分、疲れてただけ。」

「……本当か?」

「本当だよ。」

 

そうやって言った言葉で。

私は、笑えただろうか。

私は、自然に振る舞えただろうか。

妙な想いは、膨らむばかりで。

 

その正体を知るのは。

もう少し、後のこと。

結局、彼は――――

  • その声の、手を取った。
  • その声を、振り払った。
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