失ったからこそ得た大切なもの。
それら全てが、君を彩る。
「それじゃ……また放課後にね。」
「ああ。 ……早めに希亜のも解決しねーとな。」
「そうね。 こうしてるのも、悪くはないと思うけど。」
少しだけ、一緒に歩く。
駅前までの短い距離。
多少不自然に歩く希亜の手を引くように、ほんの少しだけ。
駅前まで来れば、何方ともなく手を離し。
「またね」と、各々の学校へと別れていく。
太陽が妙に眩しく感じるような。
身体の疲労を引き摺りながら、コンビニへ。
今日の昼飯を抜いたら、多分倒れる。
そんな直感があった。
「あ。 何してたの? 買い物?」
コンビニから出た所。
こんなところにいるとは思えない顔を見かけた。
天と春風。
学校への通学路から少しだけ外れたそんな場所に、二人。
「いや、こっちの台詞だぞそれ。 何してるんだお前。」
「今日暑くなるって言うから飲み物多く買っておこうと思ったの。」
「あー……暑くなるの? マジかよ。」
普通では買わない栄養ドリンクとエナジードリンクが入った袋が音を鳴らす。
その場で口を切り、栄養ドリンクを流し込んで即ゴミ箱。
そんな行動を、天は怪しさ半分、羨ましさ半分の目で。
春風は、朝から少し頬が赤く染まっていた。
「わ、私は……その、付き添い?みたいな感じ、です。」
「あぁ……あの取り巻き対策もあってですか?」
「は、はい。」
言ってしまえば、あの集まってくるのは無意識での理想のイメージ。
自分でコントロールできるようになれば、そんな事もなくなるはずなんだが。
……まあ、天と一緒なら取り敢えずは安心できるか。
何方も電車通学だから、比較的すぐに合流できる二人だし。
「それで、にぃに?」
「何だ妹。」
「朝からナニカお疲れみたいですけど、希亜先輩は?」
「彼奴女子高だろ。 途中で別れたわ。」
明らかにイントネーションというか。
露骨に何かを言ってくるのを受け流す。
……こいつも、私不機嫌です!ってのを隠さねえなぁ。
「ふ~~~~~~ん。」
「露骨だなお前……。」
「別に良いけど。 誰か一人ばっかりと一緒はやめてよ?」
「何の話かは分からんが分かったことにしておく。」
買いに行かなくて良いのか、というのを目線で向ければ。
ちょっと待ってて、と込む前に駆け出していく。
店前で残された俺と春風は、何方ともなく苦笑を浮かべていた。
「妹の面倒見させてるようで、すいません。 ご迷惑はお掛けしませんでしたか?」
「い、いえ。 寧ろ、私が色々と……。」
「そうですか?」
「は、はい。 新海さんの事を色々聞いたり……い、いえ何でもないです!」
……余計な口を聞いてしまうというか。
色々漏らしてしまう、以前と変わらない彼女を見て苦笑いで返す。
「……恥ずかしいこと聞いてないといいですが。」
「そんな事ないです! む、寧ろ……ってなんでも!」
「落ち着いて下さい……って言っても難しいですかね。」
何か色々と、言語にならない言葉を漏らしている様子。
この人の、俺への評価の高さだけは未だに納得できないんだよな。
当たり前のことを当たり前にしたり、色々気を遣うくらいだってのに。
「お待たせ~。」
「おう、待ったぞ。」
「いや、兄貴に言う権利ないでしょ。 先輩ならともかく。」
そんな会話を繰り広げていれば、やや大きめの袋に入った飲み物。
……お前それ本当に飲み切れるの?
「なぁ天、何でそんな大きいの買った?」
「え、お昼に皆で飲まない?」
「それかー……。 お前に気を遣う精神が残っているとは。」
「おう其処に直れにぃに。」
ぎゃーぎゃー、わーわーと。
朝から騒がしい天を構っていれば。
少しずつ、春風も落ち着いてきた。
「ま、そろそろいい時間だし行きますか。」
「いい時間……ってあれ、今日出てくるの早かったの?」
「そりゃ早く出るだろ……。」
一人なら多分惰眠貪ってた気もするが。
「寧ろお前がこの時間にいる事に驚いたんだぞ、こっちは。」
「先輩と少しお喋りしたくてぇ~。」
「うわうっざ。」
「あの、ストレートに言わないで。」
お前が変な声出すのが悪い。
普通にしてろ。
俺としては、それが一番好きなんだから。
「香坂先輩、行きましょうか?」
冗談交じりで左手を伸ばせば。
「は、はい! ふ、不束者ですが……!」
思いっきり手を握られて。
「あ、ずるい! じゃあ私はこっち!」
もう片方を天に奪われる。
「くっそ歩きにくいんだが!?」
「いや、明らかに今のは自分のミスでしょ。」
「…………。」
あの、春風?
そこで黙られると正直困るっていうか。
「つーか学校行く途中だって分かってるか?」
「でも目立つのにぃにだけじゃない?」
「いいから離せや!」
そんな。
苛つくくらいに暑い、4月の半ば。
一日休んだ後に行く学校は、少しばかり面倒で。
でも、少しだけ楽しみで。
――――けれど。
「え~、最近行方不明事件が起こってるみたいだから皆気をつけてね。 朝のホームルーム終わり~。」
与一の姿は、その日にもなかった。
GW何しようね……?
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日変わりでデート
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全員で旅行
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ヒロインペアでイベント
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お泊りとかしようぜ