9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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「もしも」。
そう思うことが、実現されてしまうとしたら。


34.空想。

 

公園。

 

本来であれば石化事件の事件現場で。

何度か行われた、ユーザー同士の争いの場。

けれど、今は。

 

にゃーご。

なーう。

にゃー、にゃー。

 

「ね、猫……!」

「わぁ……!」

「いっぱいだねー……。」

 

妙に興奮した女性陣三人。

それを眺める俺と天。

そして周囲に大量に集まる野良猫で構成されていた。

 

「ふわふわ……あはは、舐めちゃ駄目だって。」

「あ、ほら。 希亜ちゃん、この子も撫でて欲しいって。」

「君は……茶トラの!」

 

勿論猫も可愛いが。その周囲の三人の方に目が行く。

こうして見てるこっちの気力が回復していく気がする。

……しかし、何でこの街野良猫多いんだろうな。

 

「ねえにぃに。」

「どうした妹よ。」

「写真撮っても良いと思う?」

「後でLINGに上げれば大丈夫だと思うぞ。 多分。」

「フラッシュは切っておこう……。」

 

そんな。

猫と遊んでるんだか実験してるのだか分からない光景から暫く。

 

「はふぅ……。」

 

以前と同じように倒れる――――とまでは行かなくても。

色々と摩耗したように、深い息を漏らす春風の姿が一つ。

 

「ある程度で区切って貰いましたけど、それでもやっぱり負担は大きいですか?」

「……そう、ですね。 普段なら、そうでも……ないの、ですが。」

「落ち着いてでいいですよ。」

 

目線を彼女に合わせ、しゃがみ込んで話しかける。

色々な枝を渡る中で、イーリスやソフィさえ超える才能を得ていたのが春風。

完全に自分の心の色にスティグマを染め上げ、一時的にとは言え圧倒さえ出来る。

……というより、いなければ倒すのは不可能だったと断言しても良い。

だからこそ、万が一に備えておいて欲しいのだけど。

 

「希亜ちゃん、大丈夫……?」

「……たのしかった。」

「我を忘れる、ってこういう事言うんですねー。」

 

そんな事を言いながらグループに写真をアップしまくる天。

去っていく猫たちを寂しそうな目で見ている希亜。

はしゃぎすぎた子供の面倒を見るように色々と動き回る都。

まあ、前の時は希亜と春風だけだったからなぁ……。

 

「まあ、先輩には自分で感覚掴んでもらうしか無いです。 こればっかりは申し訳ないんですが。」

「そう、ですか……。」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ただ、それを同じように扱えるかはまた別問題だし。

――――恐らく。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺が、春風のアーティファクトと契約してしまったのは最後の時で。

否が応でも、あの感覚が吹き出してしまうから。

同じように、魔眼も殆ど使えないだろう。

石化させる……石化した、遺体を何度も見てきたから。

 

実際。

俺が扱えるのは炎と幻体(レナ)、そして転移くらいだろうか。

 

「俺、飲み物買ってきます。 先輩は何飲みますか?」

「え、でも……。」

「良いんです。 知って貰うためとは言え、無理させたんですから。」

「そ、それでしたら……お茶、を。」

 

はい、と呟いて立ち上がる。

三人の方を見れば、写真を見てまた楽しそうにしている少女たちがいて。

取り敢えずは、向こうは向こうで任せよう。

そんな事を考えつつ、近くの自販機へと移動した。

 

 

(――――ん?)

 

その違和感というか。

呼ばれているような感覚に気付いたのは、少し離れて。

自販機のある、中央の公衆トイレ辺りに移動してからだった。

 

『でよー。』

『マジで?』

『そうそう! めっちゃ俺好みでさ!』

 

自販機の前辺りで騒ぐ、見慣れない制服姿の男子高校生が二人。

ただ、片方は何処かで見た――――。

 

(……あの、襲いかかってきたクラスメイト?)

 

春風と結ばれた世界で。

全身をスティグマに覆われた。

そして、ゲームセンターで絡んできた。あのクラスメイト。

 

慌てて周囲を見回せば、木の陰で手を招いているレナの姿を発見。

慌ててそちらに近づけば、開口一番罵倒が飛んだ。

 

「バッカ、お前が頼んだことなのに呼ばねえで何してたんだよ。」

「それは悪かった……彼奴等、こんなとこにいたのか?」

「みたいだぜ。 流石にこの格好じゃ学校の中までは入れねえが。」

 

レナの話を纏めれば。

与一の存在を探して、一日中歩き回って。

やはり見つからない状況に舌打ちしながら、一度合流しようと俺の家へと向かっていたらしい。

その途中、駅前辺りから見た覚えのある顔を発見。

何か変化がないか追跡して調べていた、と。

 

「まあ、見る感じあっちのバカはアーティファクト持ってるかすら分からなかったけどな。」

「あっちっつーと……。」

「絡んできた方だよ。 オレが問題視してんのはどっちかっつーともう片方だ。」

「彼奴が?」

 

遠巻きに見る限り、眼鏡を掛けた少しばかり小太り気味の男。

年齢までは分からないが、あの話の砕けぶりからすると恐らく一つ上……か?

 

「あっちは多分()()()()ぜ。」

「……理由は?」

「彼奴等に絡んでたチンピラがいたんだがな。」

 

曰く。

駅前から公園までの移動途中、裏道でチンピラが絡んできた。

ただ、それに怯えるどころか一人だけ余裕の表情で。

警察の名前を叫んだと思えば、チンピラが()()()()()を見せて逃走した、と。

 

「ケーサツ?呼ばれたところで、そこまでビビり散らかすのもおかしな話だからよ。」

「そうか……。」

 

警察。

怯え。

 

……まだ、繋がりは見えないけれど。

その場から、離れることが難しくなってしまった。

出来れば――――少しでも、何かを得るために。

GW何しようね……?

  • 日変わりでデート
  • 全員で旅行
  • ヒロインペアでイベント
  • お泊りとかしようぜ
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