9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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一人が一人と結ばれて。
一人が四人と結ばれて。


40.枝分かれ。

 

「お待たせ。」

「……すいません、時間がかかってしまって。」

 

結局二人が戻ってきたのは、それから更に30分後。

何度も同じことをやってきた宿題だ、答えは大体覚えてる。

……いや、宜しくないことは分かってるが。

 

「いや、全然大丈夫だ。 それより……簡単に都から聞いたが、大丈夫なのか?」

「うん……と言えれば、良かったんだけど。」

 

全員が自然と固定席のようになりつつある、自分の場所に座り込む。

俺はベッドを背中にした方向。

五人、と座りが悪いのもあって希亜と都の二人はだいたい隣り合っている。

身長的な意味合いで、小柄な二人が並ぶしか無いからだが。

……少し大きめのテーブル買ったとしても、置ける場所の問題もあるしな。

 

「まずは、ごめんなさい。 色々と心配掛けて。」

「良いんですよ、結城先輩!」

「そうだよ、希亜ちゃん。 ……こういう時は頼ってもらって良いからね?」

「はい……私が出来ることは少ないと思いますが、出来ることなら。」

 

希亜の謝罪に、順に返して行く全員。

ある程度の信頼関係が結ばれたからか。

各々と初めて出会った時の、不穏な雰囲気は欠片も見当たらなかった。

 

「先に結論だけ言うなら、暫くは一人暮らしになりそう。」

「……そうなったか。」

「お母さん、やっぱり少し不安定みたいで。 私が近くにいると……妹のことがあるから。」

「父親が面倒……じゃないが、暫く世話をする感じになるのか?」

 

小さく頷いた。

母親がそうなっている以上、希亜が母親に関わるのも中々難しい問題になってしまっている。

そうなると、父親の判断次第――――結果的に、一人暮らしか。

 

「……そうか、そうなったか。」

「とは言っても、多分翔の部屋で殆ど過ごす気がするけど。」

「おい、女子。」

「まだ不安だから。 それで……このアパート、確か空きあったよね?」

「……まあ、学生街っつーか、就職には少し不向きだからな。 白巳津川市(このまち)。」

 

必然的に、春の辺りは人の入れ替えが激しい。

2月3月辺りは特に入れ替えが多かったが、時期が少しだけズレた今。

ぽつりぽつりと、空きが見え始める時期でもあった。

 

「多分、来週くらいかな。 もしそうなったら、宜しくね。」

「なんつーか。 色々有りすぎて頭がごちゃごちゃになりそうだ。」

「そう、ですね。 アーティファクトに操られていたとは言っても……。」

「春風は……大丈夫なのか?」

「はい、私はそこまで。 色々と思い出せて、少しばかりホッとしてるくらいですから。」

 

一人なら、自罰的に何処までも沈んでいたかもしれない。

無論俺もフォローはするが、出来ればそういった意味では友達。

春風や都辺りに任せたいところではあった。

……天に任せると、何処まで飛んでいくか分からないから取り敢えず除外だな。

 

「さて……と、だ。 俺からも一つ相談がある。」

「あ、さっき言い掛けてたやつ?」

「そうだ。 ただ……あんまり気分のいい話じゃない。 だから後回しでもいいが、どうだ?」

 

周囲を見回せば。

早く話せ、と言いたげな表情が4つ。

……精神的に脆い二人が少し心配だ。

後でフォローは必須だな。

 

「分かった。 ただ、これはレナのやつが言ってたことで確証がある訳じゃないってことを先に言っておく。」

 

そう前置きして、可能性のある話。

つまり、イーリス。 そして、石化事件がある種の抑止になっていたのではないか、という話を全員にする。

そもそも、どれだけの数のアーティファクトが流出したのかも分かっていない現状。

ソフィ達、セフィロトの管理外のモノ……直接的に危害を与えるものすら流出しているのだから。

彼奴が巻き起こした、全身をスティグマで覆われた人々の暴走。

偶然、殆どいなかっただけかもしれない。

その内のどれだけがユーザーで、彼奴に奪われたのかも分かっていないのだ。

 

「つまり、纏めると。 他にも、私達が知らないユーザーは潜んでるかもしれない……ということね?」

「そうだ。 実際、悪用して動いているやつがいるのは間違いないからな。」

 

悪用、をどの程度まで指すかは人次第だが。

俺達には、間違えたとしても止めてくれる仲間がいる。

それだけでも、良かったと思う。

 

「どうするの? その人達。」

「私達で、何とか出来るのかな?」

 

天や都の疑問も最もだが。

 

「ソフィに協力してアーティファクト回収をする、って目的は変える気はない。 何より、それなら。」

 

ちらり、とベッドの上辺り。

耳のようなものだけを覗かせている、ぬいぐるみを見る。

 

「お前も手伝ってくれるんだろ? ソフィ。」

「手伝う……というよりは、貴方達が私に協力する、が正しいのだけれど。」

「変わんねーだろ……。」

「どちらが主体かは大事な違いよ、カケル。 それに皆も……改めて、宜しくお願いするわ。」

 

ええ、と。

ああ、と。

各々が肯定の意志を示し。

 

こうして。

イーリスだけでなく、本来の目的に。

俺達は立ち返った。

 

そして。

彼女達に、俺がどうしてやれるのか。

少しだけ、覚悟を決め直した。

 




アンケート更新します。
アクセが出てくるのは大分後な気がしますが……。

GW何しようね……?

  • 日変わりでデート
  • 全員で旅行
  • ヒロインペアでイベント
  • お泊りとかしようぜ
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