女の子だってにんげんだもの。
「多分それは……アレだろうなぁ。」
翌日のこと。
学校で。
翔くん以外の……女の子の友達と、話になった。
彼氏の話。
好きな人の話。
いつからか、私達の関係は皆に知られていて。
けれど、不可侵みたいに。
余りそこに触ってくる事は、無くて。
「え、分かるの?」
「そりゃ分かるよ、というか都は気付かないんだ?」
「う、うん。」
「まあどっちかって言えば選ぶ側だもんね~。」
へ?と目を丸くした気もする。
気持ちの理由を理解すれば、そんな事も分かるのかな。
再度、教えて欲しいと聞いてみれば。
何かを理解したような顔で、彼女はこう言った。
「それはね。 ■■って、■■■って感情だと思うよ?」
言葉では、知っていたけれど。
そういうものなのだ、というのは。
初めて、知った気がした。
※
からから、からから。
車輪が回る。
放課後、二人で。
今日はアルバイトもなかったから。
その脚で、翔くんの家へと向かう。
いつも通りに、校門前で待ち合わせて。
今日は二人で。
来れる時は、天ちゃんも当たり前のようにいて。
けど、悪いことだと思っているけれど。
今日は、それで
「それで……。」
「うん?」
夕暮れ時。
同じように歩く生徒の姿の一つに、私達が紛れていて。
「考え事は解決したのか?」
「どう、かな……。」
「相談になら乗るんだが。 ……その、俺だって力になりたいんだし。」
違うの。
そうじゃなくて――――頼れるようなことじゃなくて。
私自身が、折り合いをつけなければいけないことなの。
けれど。
それを直接言ってしまうのは、なんだか。
言ってしまえることでも無かった。
「……う~ん。」
「なんだ?」
「女の子の秘密、じゃ駄目かな?」
「そうまで言われたら返す言葉はねーけど……。」
ごめんね。
そんな風に謝りながら、言葉を紡ぐ。
頭と口。
言うことと考えることが、別のこと。
「本当になんでもないんだな?」
「うん。 元気いっぱい。」
「ならいいんだけどさ……無理とかさせて無いか心配になるから。」
そんな、心配されることじゃないよ。
もっと一緒にいたい、とか。
私をもっと見て欲しい、とか。
そんな、浅ましい感情。
私が、そんな事を思っていいのかは分からなくて。
でも、言葉には出来なくて。
……翔くんも、同じように思ってくれているのかとか。
感情ばかりが、一人でいると。
ぐるぐる、と回っている。
そう思うことが、良いことなのかと言われれば……どうなのかな。
想えている、私には分からない。
思われている、翔くんじゃなければ分からない。
……いつか、聞ける日も来るのだろうか。
そう思っても――――。
怖くて、中々。