今回少し短めです。
ぐぅ、と誰かのお腹が鳴って。
苦笑いを誰ともなく浮かべて。
「……もうこんな時間だもんね。 カレー作ってあるから、食べよう?」
「あ、手伝うねみゃーこ先輩!」
二人が立ち上がるのを、座ったままの目で追いかけていた。
「……。」
「大丈夫だから、希亜ちゃん。」
「そうね、そう……だよね。 ありがとう、春風。」
文字通り、
……そちらを優先させてくれた、二人にもその内返さないとな。
「あー……希亜、さっきもああ言ったが、何かあれば全力で手伝うからな?」
「うん。 そこは、心配してないから。」
何と言ったら良いのか。
猫に逃げられた時のように目に見えて落ち込んでいるわけではない。
ただ、言葉の一つ一つに力がない。
心配の度合いを一段階上げた。
特に、同じ学校でないのだから気を使えるタイミングも少ないし。
「翔さん、ちょっと。」
「……ああ。」
目を向けていれば、少し手を招かれて。
ベランダの方での簡単な話。
以前のように吃りが消えただけで大分話しやすくはなったけれど。
趣味の分野とかに踏み込むと圧が加速するのは変わってないはずだ。
気をつけよう。
「希亜ちゃんは、私の方でも見ておきます。」
「いや、正直全員が見てくれるとは思うんだが……。」
「お二人の方にも何か影響があるかもしれません。 そちらも注視してあげて下さい。」
「まあな。 ただ、誰も大事なのは事実なんだ。 俺が出来る全力で動くぞ?」
「はい。 それでこそ、ですから。」
どうにも調子が狂うやり取り。
強気での方が好き、とか。
春風自身の好みもあるんだろうが、キャラを作らなきゃいけない感じもあって。
少しだけ、今日相手するには気が重かったりする。
「暫くは希亜ちゃんは自宅で荷物整理になるとか。
私は日曜に用事がありますので……それが済んだら、お手伝いに行こうかなと。」
「ああ……高峰とオフ会だっけか。」
「天ちゃんから聞きましたか?」
「そうだ。 与一のやつから接触が難しい以上、春風の方から行くしか無いと思ってたしな。」
そうですか、と彼女は呟いた。
実際、直接会いに行ったら唯の痛いやつ。
それを回避するには少しだけ遠回りする必要があった。
「でしたら――――。」
「……ああ、オフ会には同席させて貰いたい。 構わないか?」
「はい、それはもう。 ですが、その後の荷物整理は少々……。」
「だよなぁ……。」
休みの日、という事情もある。
いつかは挨拶する必要性が出てくるとは思ってるが、父親がいるであろう家に俺が行くのはどうなんだ?
そんな思いがどうにもこびりついて離れない。
「結局は希亜の希望次第っつーか、考え次第になるんだろうがなぁ。」
「でしょうねぇ……。 私は、まあ。 友人としても挨拶しておきますから。」
「俺もうちの両親には誰か会わせておいたほうが良いんかな~……。」
なにかがあった時、という言い方になってしまうが。
泊まっている相手先、という名目での同性の紹介自体は悪くないと思ってる。
希亜には春風、春風にも希亜と……俺もか?
天はまあ特に必要性無い気もするが。
都はナインボールでお爺さんに世話になってるし……ってそうだ。
「後で都にも確認しねーとなー。」
「?」
「ああいや、こっちの話だ。」
日雇いでバイト出来る場所があるなら別なんだが。
無いだろうしな~……高校生じゃ大分場所も限られるし。
コンビニか知り合いのところに頼むくらいしか思いつかない。
「あ、出来たみたいですよ。」
春風の声に反応して、窓のカーテン越しに部屋の中を覗けば。
やはり紙の皿と割り箸で運ばれてくる、米と大きめの具材が見えるカレー。
そして、俺達の方を見て手招きする
「なんかカレーも思い出すなぁ……。」
「えっと、その……。 あ、愛情を込めていたので!」
「まあ、俺も余り言えないけどさぁ。」
もう少し何とかしたいな、お互いに。
空を見上げ。
何時ぞやと似た、月が睥睨するこの晩に。
何事もなく――――このまま、全員で過ごせる事を強く祈った。
これで(閑話含め)合計50話、そろそろ累計十万文字。
色々と有難うございます。
GW何しようね……?
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日変わりでデート
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全員で旅行
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ヒロインペアでイベント
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お泊りとかしようぜ