9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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近くて遠い、遠くて近い。
たった二人のきょうだいで。
たった二人の男と女で。


4/23(土)
51.ふたりで。


 

熟睡した。

熟睡しすぎた、と言い換えても良い。

目を覚ましたら妙にご機嫌な天の顔が目の前にあって。

それを無視して時計を見ればもう10時を回っている。

 

「おはよ。」

「……普通だったら寝坊ってレベルじゃねえ寝坊だな。」

「別にいいと思うよ、休みだし。」

「ゴールデンウィークとかがこえーよな……。」

 

スマホに手を伸ばしつつ、明らかな違和感。

身体を起こそうとすれば妙な違和感。

腕が完全にロックされてる、というかもう片腕に纏わり付かれてた。

 

「暑いとか以前に邪魔なんだが?」

「え、折角サービスしてるのに?」

「サービス。」

「そうだよ? にぃににしかしてあげないことー!」

「せめてもう少しおとんに優しくしてやれよ娘……。」

 

にへへ、じゃないよ妙な笑い方すんな。

はぁ、と溜息を吐いてされるがままにしておいた。

どうせその内飽きるかなんかで離れるだろうし、起きたばっかでそんなに動きたくないし。

 

「で、お昼はナインボールだっけ?」

「そうだな、ちょっとだけお昼からズラしていくけど。」

「へ、なんで?」

「あの辺客は早々いないけど、学生が遊べる場所なら別だろ。」

「ああ、ゲーセンとか。」

 

なので少し遅めに動いたほうが都合上良かったりする。

たまーに混んでて迷惑掛けることあるし。

本当に珍しいけど。

 

「え、ならどうすんの?」

「十秒で食える飯を流し込むか少し耐える。」

「……私は我慢でいいかなぁ。」

 

そうか。

まあ俺も然程減ってないから耐えるつもりだったが。

 

「そういや明日の予定は聞いてたけど、春風とか都は何してるか知ってるか?」

「ん~、私が聞いてる限りだと……なんだったかなぁ。」

 

両腕を離して、開放された腕がちょっと痺れた。

殆ど動けないくらいに抱きつかれてたってことになるんだがいつからしてた此奴。

ぽちぽちとスマホを弄ること少々。

 

「あ、あったあった。 春風先輩は宿題片付けた後で結城先輩の手伝いに今日も行くみたいだね~。」

「あの二人、一気に仲良くなったな……。」

 

ゲームの趣味……というか好き嫌いは微妙に噛み合わないが。

まあ希亜が誘えばなんだかんだで遊ぶし、二人プレイで暴れてる姿は見える気がする。

その内猫カフェでも行くのかね……ああそうだ、ペット飼っていいかは確認しとかないと。

 

「でー、みゃーこ先輩は……お家のなんかがあるみたい。」

「流石ご令嬢。 パーティーとかありそう。 で、同年代の男子が妙に参加しそう。」

「確かに参加しそうだし狙われてそうだけどさぁ……。」

 

じっ、と見るな。

湿気を帯びた目、流行ってんの? お前等の中で。

 

「それ本人の前で言ったら泣くからね? 分かってる?」

「言うと思うか?」

「思わないけど一応ね~。」

 

逆玉の輿っつーか、なんというか。

奇跡的に出会えた相手をそんな粗雑にする馬鹿は知らんわ。

 

「まあ、それなら何にしても合流は無理か。」

「というか用事があるのにナインボールはやってんの?」

「やってるらしい。 まあ流石に夜は用事で閉めるみたいだが。」

 

昨日の朝、都当人から聞いたことだ。

まあ閉まってたらモックでも行けばいいし。

 

「ふーん。 じゃあ基本的に予定通り?」

「だな。 ゴールデンウィークの予定でも立てるかね、予定通り。」

「なんか変な言い回し~。」

「うっせ。」

 

よいしょ、とベッドから体を起こして。

なんだか妙に乾いた喉を水で潤しに台所に向かう。

それに付き従ってくる天も、大体似た用事だろう。

 

「兄貴ー、私にもー。」

「ん。」

「同じコップでいいよ?」

「昨日買ってきたばっかなんだから自分の使え!」

 

既に四人分のセットの定位置は決まっているらしい。

自分の預かり知らないところで……とまでは到底言えないが。

ただ段々都が使いやすいように色々位置を動かされていたりする。

メインで使ってるのはもう彼女で、半分以上通い妻みたいな感じだから良いのだが。

 

「良いのかなぁ……。」

「何が?」

「いや、なんかどーしても良心が咎め続けててな。」

「あったんだ、良心!」

「よしそこに直れ。 愛の鉄拳制裁をくれてやろう。」

「愛ってつければ何でも良いわけじゃないってばー!」

 

ぎゃいぎゃい、きゃいきゃい。

これが兄妹のスキンシップと言われれば首を傾げるが。

どっちかと言えばこれ兄弟のほうだろ。

知り合いには一人もいないけど。

 

「の、脳細胞は守りきったよ……!」

「誰に言ってるんだよ。 ほれ、どうせお前も座るんだろ?」

「あ、うん。 ありがと。」

 

天に隣を譲り、座布団を差し出して普通に此奴も座り。

……人数分の座布団くらいは買ったほうが良いのか?

安いのなら俺でも手が届くよな? 多分。

この辺り、親に買ってもらった物だからよく分からん。

 

「と言うか、さ。」

「おう。」

「折角スペースあるんだしもう少しちゃんとしたテーブル買わない?」

「金があればな!」

 

結局そこに行き着くのだが。

かちり、とマウスをクリックした。




ぐおお、背景CG見返してきたらパソコン用のテーブル的なアレなんか取り違えて覚えてた……!
丁度いい、ネタにする……!

結局本編二回見返しても周囲になんにも無さそうだったので行き先を生やそう。

  • 山:温泉
  • 海:水族館とか
  • ちょっと都会:遊園地
  • その他:民宿とか
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