それが叶った今だから。
「あ゛あ゛…………。」
「ふふーん!」
「おっま、馬鹿かよ!?」
「私だって策略は考えるんですぜい?」
頭を抱える俺。
ドヤ顔になりながら
何方も妙に疲労している理由は割と明白で。
ついでに言えば大分アホらしい。
「もう一回入りに来るとか何考えてんのお前!?」
「そうじゃなきゃ逃げそうだったしぃー。」
「しぃーじゃねえよ紙袋!」
「今回は紙袋じゃないですぅー!」
風呂場の戸を開けての割と大声での会話。
俺は風呂掃除しながら。
彼奴はぐったりしながら人のベッドで寝転がってる。
「本気で何が良くて襲いかかったんだお前……。」
「じゃあ逆に聞くけどね。 私がその辺のテキトーな男で済ませようとしたらどう?」
「相手次第で多分お前をぶん殴る。」
「愛されてるなぁ……いや愛してるって思ってもらっていいんだよねこれ!?」
「自分の受け取り方次第じゃないか?」
よし、掃除終わり。
風呂場に湯を張るのも早々多いわけでもないから、掃除回数は何方かと言えば適当。
カビとかが生えてこないかはチェックしてるから、その辺りはまだ大丈夫なんだろうが。
今日風呂張ろうと思ったのは……何でだったか。 たまにはゆっくりしたかったからか。
欠片も出来なくなったが。 どっかのバカの乱入のせいで。
「夜になってやるもんじゃねえよな……。」
「お母さんだいたい夜にやってない?」
「今になってちょっとだけ尊敬の念が出てきた……。」
「現金だねえ。」
お前に言われたくねーわ。
ベッドの方に向かえば、転がってスペースを開ける。
アザラシかお前は。
「呑まなきゃやってらんねえ……。」
「そう言われると流石に傷付くんだけど。」
「此処暫く全部引っくるめてだよ!」
押入れの中に隠した、以前に買い溜めてしまった
抜き取って、天の方に一本放り投げる。
「ほらよ。」
「投げてから言わないで?」
「取れただろ。」
そう思いつつも、隣に腰掛けてプルタブを起こして一気に流し込んだ。
冷やしていない時特有の生温い感じと、喉に突き刺さる炭酸。
「いやもう済んだことだから特に言わないけどな?」
「え、何急に。」
「いいから聞け。 お前マジでアレで良かったの?」
「そりゃまあシチュは妄想したけどさ。」
そんな事を呟きながら。
昔見た、親父が酒を呑んだ時を思い出すような飲みっぷりで飲みやがった此奴を見て。
……多分もう何言ってもブーメランというか。
最後に踏み込んだのは俺なわけだし。
「……あれ、都の返信来てる。」
「え、ほんとに?」
ギャーギャーやってる間に気付けば11時近くになっていて。
そろそろ寝るかな、と思いながらスマホを覗けば、一つの返信。
アイコンと名前が、都を指していた。
『遅くなってごめんなさい。』
そんな文章から始まる、そこそこ長い彼女なりの推測。
覚悟を決めた後、或いはこうする、と決めた後。
そうなった後の彼女は、何があってもやり遂げる意志に溢れている。
それは、血縁から学んだものかも知れないが――――
「うっわ、みゃーこ先輩本気出しすぎでは?」
「元々こう……というより凝り性な位だからなぁ。」
「うわ彼氏気取りでなんか言ってやがる。」
「悪いか?」
「今日だけは駄目ー!」
飛びつくな、邪魔くさい。
「……成程ねえ。」
気付けば、そんな言葉を漏らしていた。
今ある情報から、彼女が得ている知識から。
考え方自体はさっきまで俺達が話していた内容に酷似している。
ただ、一つだけ重要視せざるを得ない内容が最後に付随していた。
『今日の帰り際なんだけど。 車だったから確実とは言えないんだけど、深沢くんみたいな姿を見たの。』
『場所は……学校の近くかな。 明日会った時に大体の場所は教えるね。』
それを見て。
少しして読み終えた天も、俺の方を見て視線が重なった。
「ね、にぃに。」
「お前もなんか思うか?」
「いや、流石にこれは思うでしょ……。」
多分、俺達の脳裏に浮かんでいるのは同じような考え。
この一週間姿を消していた相手が、学校周辺で見つかる?
……見られることを前提で、或いは見つかりたくて動いていた気がしないでもない。
その理由は?
「此処にいますよ~、っていう挑発とか。」
「挑発……までは分かんねーけど、存在を示そうとしたような気はするんだよな。」
「何の目的で。」
「そこまで分かれば苦労しねーわ。」
つまり、この街にいたまま何かの目的で動いていた。
見間違いの可能性もあるが――――。
「レナに、警戒段階上げるように言わねーとな……。」
「その辺全部合わせて明日集まった時にやる?」
「だな。 つーわけで、明日希亜達が動けるように頑張ってこい肉体労働。」
「藪蛇だったか……。 あ、だったらやる気頂戴。」
これ以上何を要求するというのか。
「そんな警戒しないでも。 ほら、一緒に寝るでしょ?」
「お前の要望というか欲望の結果だがな。」
「その時さ、昔みたいにしてくれればいいよ?」
「昔、ねえ……。」
一体何を求めているのか分からんが。
歯を磨き。
電気を消して。
ワクワクした顔をしている此奴の頬に、顔を寄せた。
慌てだした妹を無視して、そっちに背を向けて目を瞑った。
不思議と、夢は見なかった。
in不思議空間。
※
「お盛んねえ。 そうは思わない? ナイン。」
『……貴女は?』
「もう千年も生きてるのだし。 ちょっとは羨ましいとは思うけど、枯れちゃってるのよ。」
『……。』
※
4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です
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九條 都
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新海 天
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香坂 春風
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結城 希亜