9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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話し合い、知り合いとの楽しい休日。
――――そんなものになるとは、誰が信じたのか。


62.会談。

 

ファミレスの奥の席。

奥から数えて二番目のテーブル席。

 

「やあ。 香坂くんに……もう一人。」

 

手を上げて、自分の居場所を示すように。

いつものように、何かを演技するように。

高峰蓮夜――――自称”司令官”は、いつものような笑みを浮かべていた。

 

「……そちらも、知っていらっしゃったのですか?」

「それはお互い様だろう? ……まあ。」

「……何ですか?」

 

今日、集まったメインである『エデンの女王』ではなく。

俺の方を見て、何かを理解するように頷く光景に不信感を抱いて。

若干強く、問い掛けてしまう。

こういう所が良く無いのは分かっていても、だ。

 

「いや、何。」

 

けれど。

 

「与(・)一(・)が(・)言(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)通(・)り(・)、(・)君(・)も(・)来(・)た(・)の(・)だ(・)な(・)――――と思ってね。」

「…………な。」

 

それに続いた言葉に、息が止まった。

与一と高峰。

幼馴染ではあったが、殆ど接点もない二人。

異常者であると自覚する男。

彼の唯一の味方であると宣言する男。

そんな、二人に……既に、繋がりがある?

希亜の枝での彼等の出会いというか再会は。

俺が与一に話を通してくれるように頼んだから、だった筈。

 

「与一、から?」

「……ふむ? 少し想定と違う反応だが……まあ、致し方ないことか。」

 

先に来て頼んでいたらしい、ドリンクバーの飲み物を呷る姿。

其処に、戸惑いは見受けられても。

違和感や、何かを隠そうとする姿は見られない。

 

「……ええと。 どういうことでしょうか、高峰くん。」

「司令官……と呼んで欲しいところだがね。 まあ、関係ない者が一人いるのだ、無理は言うまい。」

 

俺の代わりに、春風が問い掛ければ。

致し方無いとばかりに、肩を竦めて。

まるで何か舞台の上にでもいるように、話を続ける。

 

「まあ、今更私と与一の関係は説明するまでもないだろう?」

「幼馴染……でしたっけ。」

「ああ、香坂君も彼から聞いていたかな?」

「……そうですね、簡単には。」

 

枝について。

高峰が知っているのかはわからないから。

言葉を選んで、春風は呟く。

 

「まず、私の立ち位置を明確にしておく。」

 

その会話すらも楽しむように、高峰は言葉を紡ぐ。

 

「私(・)は(・)、(・)与(・)一(・)の(・)味(・)方(・)で(・)君(・)達(・)の(・)敵(・)だ(・)。 ――――だが、今此処で君達と争うつもりもない。」

「それは、どういう……?」

「文字通りの意味だよ。 私は与一から一通りの話を聞いている……というだけのな。」

 

君達は何か頼まないのか?

そんな至極当然な言葉を言われて。

……どう対応していいか分からず、二人共ドリンクバーを頼む。

小休止、という言い訳を兼ねた飲み物を二人で入れに出て。

その場で極短時間の相談。

 

「……どういうことだと思う?」

「今の話から考えるなら……深沢さんも、記憶を持っているということになりますが。」

「でも……あの時の彼奴の反応は、そんなことはなかった――――ようにも思う。」

 

俺(・)を(・)魔(・)眼(・)で(・)見(・)よ(・)う(・)と(・)し(・)た(・)あ(・)の(・)日(・)の(・)夜(・)。

そして、あの反応。

演技をしていたのだとしても……いや。

もしそうだとしたら……そちらのほうがよっぽど。

 

「……直接見たわけではないので、推測にはなりますが。」

「?」

「希亜ちゃん達から話は聞いています。 ……深沢くんは、演技をしている様子はなかったと。」

「ああ、だが……。」

「ですから、彼が……枝の記憶を持っていると仮定して。 其処から浮かぶことは二つです。」

 

二本の指を立てる春風……と、視界に入っている高峰。

彼奴を待たせている形にはなるが、向こうも此方を見て薄く笑っている様子。

余り客もいないようなファミレスだからか。

少し隅に移動すれば、店員も余り此方に目を向けることも無くなった。

 

「ど(・)う(・)や(・)っ(・)て(・)記(・)憶(・)を(・)得(・)た(・)の(・)か(・)。 そ(・)し(・)て(・)、(・)い(・)つ(・)得(・)た(・)の(・)か(・)。 大事なのは……この辺り、ですよね?」

「……得たとか得てない、で混乱してる場合じゃないってことか。」

「……ごめんなさい、友人なのに。」

「いや……俺一人じゃ多分混乱したままだったと思う。 助かった。」

 

これも、さっきも。

ずっと流されっぱなしだったのは否めない。

俺は、得た知識を生かして動くことは出来ても。

積極的かどうかは……悩ましいところ。

 

「この際、得た記憶の量は一旦置いておきます。 別の可能性の有無を知っているだけでも違うでしょうから。」

「……最大でも、イーリスが滅ぶ直前まで……だよな?」

「滅んでいなかった場合は違うでしょうけれど……。」

「それなら、相棒が何かしら教えてくれてると思う。 ……頼りっきりにするのも不味いとは思うが。」

 

大きく深呼吸をして、可能性を羅列する。

時間は、そうあるわけでもない。

 

「どうやって……に関してはまず間違いなくイーリス絡みだと思う。 彼奴が介入したかどうかまでははっきりしないが。」

「オーバーロード、ですね。」

「ああ。 だからこっちに関しては後で皆で話し合おう。」

「はい。 そしていつ……ですが。」

「まず間違いなくなかった、って言えるのはフェス前までだからな……。」

 

俺と同条件。

彼奴が得られる可能性も。

俺が得られる可能性も。

適正の有無なんかを除けば、条件はイーブン。

 

「……これも、話すだけ無駄かもしれませんね。」

「それなら、どうする?」

「決まっています。」

 

少しだけ、顔が強張って。

けれど、目の前の少女は何かが変わった。

 

「……私が、聞いてみます。 翔様は、フォローを。」

 

……ああ、と答えて。

無意識に、手を握りしめた。

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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