――――そんなものになるとは、誰が信じたのか。
ファミレスの奥の席。
奥から数えて二番目のテーブル席。
「やあ。 香坂くんに……もう一人。」
手を上げて、自分の居場所を示すように。
いつものように、何かを演技するように。
高峰蓮夜――――自称”司令官”は、いつものような笑みを浮かべていた。
「……そちらも、知っていらっしゃったのですか?」
「それはお互い様だろう? ……まあ。」
「……何ですか?」
今日、集まったメインである『エデンの女王』ではなく。
俺の方を見て、何かを理解するように頷く光景に不信感を抱いて。
若干強く、問い掛けてしまう。
こういう所が良く無いのは分かっていても、だ。
「いや、何。」
けれど。
「
「…………な。」
それに続いた言葉に、息が止まった。
与一と高峰。
幼馴染ではあったが、殆ど接点もない二人。
異常者であると自覚する男。
彼の唯一の味方であると宣言する男。
そんな、二人に……既に、繋がりがある?
希亜の枝での彼等の出会いというか再会は。
俺が与一に話を通してくれるように頼んだから、だった筈。
「与一、から?」
「……ふむ? 少し想定と違う反応だが……まあ、致し方ないことか。」
先に来て頼んでいたらしい、ドリンクバーの飲み物を呷る姿。
其処に、戸惑いは見受けられても。
違和感や、何かを隠そうとする姿は見られない。
「……ええと。 どういうことでしょうか、高峰くん。」
「司令官……と呼んで欲しいところだがね。 まあ、関係ない者が一人いるのだ、無理は言うまい。」
俺の代わりに、春風が問い掛ければ。
致し方無いとばかりに、肩を竦めて。
まるで何か舞台の上にでもいるように、話を続ける。
「まあ、今更私と与一の関係は説明するまでもないだろう?」
「幼馴染……でしたっけ。」
「ああ、香坂君も彼から聞いていたかな?」
「……そうですね、簡単には。」
枝について。
高峰が知っているのかはわからないから。
言葉を選んで、春風は呟く。
「まず、私の立ち位置を明確にしておく。」
その会話すらも楽しむように、高峰は言葉を紡ぐ。
「
「それは、どういう……?」
「文字通りの意味だよ。 私は与一から一通りの話を聞いている……というだけのな。」
君達は何か頼まないのか?
そんな至極当然な言葉を言われて。
……どう対応していいか分からず、二人共ドリンクバーを頼む。
小休止、という言い訳を兼ねた飲み物を二人で入れに出て。
その場で極短時間の相談。
「……どういうことだと思う?」
「今の話から考えるなら……深沢さんも、記憶を持っているということになりますが。」
「でも……あの時の彼奴の反応は、そんなことはなかった――――ようにも思う。」
そして、あの反応。
演技をしていたのだとしても……いや。
もしそうだとしたら……そちらのほうがよっぽど。
「……直接見たわけではないので、推測にはなりますが。」
「?」
「希亜ちゃん達から話は聞いています。 ……深沢くんは、演技をしている様子はなかったと。」
「ああ、だが……。」
「ですから、彼が……枝の記憶を持っていると仮定して。 其処から浮かぶことは二つです。」
二本の指を立てる春風……と、視界に入っている高峰。
彼奴を待たせている形にはなるが、向こうも此方を見て薄く笑っている様子。
余り客もいないようなファミレスだからか。
少し隅に移動すれば、店員も余り此方に目を向けることも無くなった。
「
「……得たとか得てない、で混乱してる場合じゃないってことか。」
「……ごめんなさい、友人なのに。」
「いや……俺一人じゃ多分混乱したままだったと思う。 助かった。」
これも、さっきも。
ずっと流されっぱなしだったのは否めない。
俺は、得た知識を生かして動くことは出来ても。
積極的かどうかは……悩ましいところ。
「この際、得た記憶の量は一旦置いておきます。 別の可能性の有無を知っているだけでも違うでしょうから。」
「……最大でも、イーリスが滅ぶ直前まで……だよな?」
「滅んでいなかった場合は違うでしょうけれど……。」
「それなら、相棒が何かしら教えてくれてると思う。 ……頼りっきりにするのも不味いとは思うが。」
大きく深呼吸をして、可能性を羅列する。
時間は、そうあるわけでもない。
「どうやって……に関してはまず間違いなくイーリス絡みだと思う。 彼奴が介入したかどうかまでははっきりしないが。」
「オーバーロード、ですね。」
「ああ。 だからこっちに関しては後で皆で話し合おう。」
「はい。 そしていつ……ですが。」
「まず間違いなくなかった、って言えるのはフェス前までだからな……。」
俺と同条件。
彼奴が得られる可能性も。
俺が得られる可能性も。
適正の有無なんかを除けば、条件はイーブン。
「……これも、話すだけ無駄かもしれませんね。」
「それなら、どうする?」
「決まっています。」
少しだけ、顔が強張って。
けれど、目の前の少女は何かが変わった。
「……私が、聞いてみます。 翔様は、フォローを。」
……ああ、と答えて。
無意識に、手を握りしめた。
4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です
-
九條 都
-
新海 天
-
香坂 春風
-
結城 希亜