そう言い切れるのは、きっと物語だからこそ。
二人で並んで席へと戻れば。
入れ替わるようにして、高峰がドリンクバーへと立ち上がる。
飲み物が無くなったのだから当然のこと。
けれど、その行動が此方との齟齬を産み出していて。
(……元々、少し苦手な相手ではあったが。)
その背中を見ながら、手に力を込めて握り締める。
目の前に、情報があるのに届かない。
「何か、前よりも……。」
気付けば、口から漏れていた言葉。
心配そうに向けられる視線にも反応出来ず。
ジリジリとした時間を過ごし。
「やあ、悪いね。 私も君達と一緒に向かえば良かったかな?」
「どうでしょうね?」
「ふん。 まあ、相談は出来たようで何よりだが。」
多分何かと何かが混じったような奇怪な色をした飲み物を一口。
「私達としては、君達に然程用があるわけでもないのだよ。 まあ、今回はオフ会だがね。」
「用が……?」
「もう少し言い換えよう。
そちらから来るのなら迎え撃つまでだがね、と。
目の前の、正体が理解できているとは言い難いアーティファクトユーザーは。
口元だけを歪めた、独特の笑みを浮かべた。
「……関わるつもりがない、ですか?」
「信じられないかね?」
「いえ、その是非は今は。 ……何故、ですか?」
ふむ、と顎に手を当てて。
至極当然のように。
「これは与一の受け売りだがね。 君達……特に、翔。」
「……俺?」
「
「不安要素…………?」
一体何を、と。
身を乗り出して問い掛けようとして、裾を掴んだ春風の存在に頭を冷やす。
「おや。 別に私は構わないのだがね。」
「お戯れを。 ……分かっていて、煽りましたね?」
「ヒーローがどの程度なのか、この目で見ておきたかったのでね。」
失礼、と言いながら頭を下げるが。
その顔色は、面白いものを見た時の笑みそのもの。
それを見て――――大きく溜息を吐いて。
遊ばれていたのか、と朧気ながらに理解する。
「反応を見たかった、と?」
「事実を告げたつもりでもいるのだがね。 我がリグ・ヴェーダの副リーダーの言葉なのだから。」
「……そうかよ。」
「ああ、そうだ。」
口調、声色、反応の仕方。
それら全てで演技を交えた喜色を浮かべ。
けれど、その言葉は嘘を付いているような様子は欠片もなく。
だからこそ、与一が言ったというその言葉は事実なのだと実感させられる。
「……では、翔さんが貴方に遊ばれたというのなら。」
「む?」
「私からも、反撃しても宜しいですか?」
「ほう。 香坂……いや、失礼。 エデンの女王に護られた騎士という訳だ。」
ええ、と浮かべた笑みの裏は。
多分、混乱と怯えがあるだろうに。
初めてイーリスを撃退した、あの時のように。
彼女は、静かに立ち向かっている。
あの時の光景を。
俺は、
「女王が騎士を護ってなにか問題でも?」
「いいや、無いさ。 それで?」
「そうですね……まずは。」
その光景を、幻視してしまう。
「貴方方の目的は、なんですか?」
「黙秘させてもらう……と言ったら?」
「……そうですわね。 目的不明のまま、止めようとし続けるでしょうね。」
「それはそれは。 厄介極まりない……が、まあ。 当面の目的程度が限界かな。」
「それでも構いませんよ。 本当の目的は、調べるうちに分かるものでしょう?」
ほぼ同時に笑う二人。
少しだけ、空気が置換したと言うか。
こういう、演技を交えた会話を楽しんでいる……のか?
希亜ならまだ分かるんだが。
何方かと言えば遊ぶ方、見る方専門だったはずの春風の。
少しだけ違う側面を見ている気がする。
「
「そのモノにも依りますけれど、ね。」
「かも知れないがね。 既に君達には迷惑を掛けているようだし。」
「迷惑…………いえ、まさか。」
「おっと、口が滑った。 聞かなかったことにして貰えると有り難いね。」
絶対に意図的だと。
それを分かっていて、告げた理由。
「……つまり、後始末を押し付けたいと?」
「何のことだか分からないが……目的が叶うまでは、続けざるを得まい?」
ただ、その目的に関しては今は言うつもりはないと。
……今の言葉で、確定した。
つまり、暴走したユーザー……どうやっているかは分からないが。
何らかの手段で、彼等に関わっているのは高峰たちだ。
「さ、まだ話はあるのかな? 私としても、こういう機会だ。 中立で話し合える時に話しておきたいからね。」
その笑みは、更に深く。
切りどころに悩んで此処まで~。
味方が強化されてる? 敵もするよね。
4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です
-
九條 都
-
新海 天
-
香坂 春風
-
結城 希亜