9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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誰の味方で誰の敵。
そう言い切れるのは、きっと物語だからこそ。


63.立場。

 

二人で並んで席へと戻れば。

入れ替わるようにして、高峰がドリンクバーへと立ち上がる。

飲み物が無くなったのだから当然のこと。

けれど、その行動が此方との齟齬を産み出していて。

 

(……元々、少し苦手な相手ではあったが。)

 

その背中を見ながら、手に力を込めて握り締める。

目の前に、情報があるのに届かない。

い(・)つ(・)か(・)も(・)味わったような――――妙な、感覚。

 

「何か、前よりも……。」

 

気付けば、口から漏れていた言葉。

心配そうに向けられる視線にも反応出来ず。

ジリジリとした時間を過ごし。

 

「やあ、悪いね。 私も君達と一緒に向かえば良かったかな?」

「どうでしょうね?」

「ふん。 まあ、相談は出来たようで何よりだが。」

 

多分何かと何かが混じったような奇怪な色をした飲み物を一口。

 

「私達としては、君達に然程用があるわけでもないのだよ。 まあ、今回はオフ会だがね。」

「用が……?」

「もう少し言い換えよう。 君(・)達(・)と(・)、(・)そ(・)の(・)周(・)囲(・)に(・)関(・)わ(・)る(・)つ(・)も(・)り(・)は(・)一(・)切(・)な(・)い(・)。」

 

そちらから来るのなら迎え撃つまでだがね、と。

目の前の、正体が理解できているとは言い難いアーティファクトユーザーは。

口元だけを歪めた、独特の笑みを浮かべた。

 

「……関わるつもりがない、ですか?」

「信じられないかね?」

「いえ、その是非は今は。 ……何故、ですか?」

 

ふむ、と顎に手を当てて。

至極当然のように。

 

「これは与一の受け売りだがね。 君達……特に、翔。」

「……俺?」

「君(・)に(・)あ(・)る(・)以(・)上(・)踏(・)み(・)込(・)む(・)こ(・)と(・)は(・)目(・)的(・)上(・)不(・)安(・)要(・)素(・)に(・)し(・)か(・)な(・)ら(・)な(・)い(・)か(・)ら(・)、だそうだ。」

「不安要素…………?」

 

一体何を、と。

身を乗り出して問い掛けようとして、裾を掴んだ春風の存在に頭を冷やす。

 

「おや。 別に私は構わないのだがね。」

「お戯れを。 ……分かっていて、煽りましたね?」

「ヒーローがどの程度なのか、この目で見ておきたかったのでね。」

 

失礼、と言いながら頭を下げるが。

その顔色は、面白いものを見た時の笑みそのもの。

それを見て――――大きく溜息を吐いて。

遊ばれていたのか、と朧気ながらに理解する。

 

「反応を見たかった、と?」

「事実を告げたつもりでもいるのだがね。 我がリグ・ヴェーダの副リーダーの言葉なのだから。」

「……そうかよ。」

「ああ、そうだ。」

 

口調、声色、反応の仕方。

それら全てで演技を交えた喜色を浮かべ。

けれど、その言葉は嘘を付いているような様子は欠片もなく。

だからこそ、与一が言ったというその言葉は事実なのだと実感させられる。

 

「……では、翔さんが貴方に遊ばれたというのなら。」

「む?」

「私からも、反撃しても宜しいですか?」

「ほう。 香坂……いや、失礼。 エデンの女王に護られた騎士という訳だ。」

 

ええ、と浮かべた笑みの裏は。

多分、混乱と怯えがあるだろうに。

初めてイーリスを撃退した、あの時のように。

彼女は、静かに立ち向かっている。

あの時の光景を。

俺は、「(・)相(・)棒(・)」(・)の(・)記(・)憶(・)か(・)ら(・)も(・)受(・)け(・)取(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)か(・)ら(・)。

 

「女王が騎士を護ってなにか問題でも?」

「いいや、無いさ。 それで?」

「そうですね……まずは。」

 

その光景を、幻視してしまう。

 

「貴方方の目的は、なんですか?」

「黙秘させてもらう……と言ったら?」

「……そうですわね。 目的不明のまま、止めようとし続けるでしょうね。」

「それはそれは。 厄介極まりない……が、まあ。 当面の目的程度が限界かな。」

「それでも構いませんよ。 本当の目的は、調べるうちに分かるものでしょう?」

 

ほぼ同時に笑う二人。

少しだけ、空気が置換したと言うか。

こういう、演技を交えた会話を楽しんでいる……のか?

希亜ならまだ分かるんだが。

何方かと言えば遊ぶ方、見る方専門だったはずの春風の。

少しだけ違う側面を見ている気がする。

 

「探(・)し(・)も(・)の(・)だよ。 簡単な話だろう?」

「そのモノにも依りますけれど、ね。」

「かも知れないがね。 既に君達には迷惑を掛けているようだし。」

「迷惑…………いえ、まさか。」

「おっと、口が滑った。 聞かなかったことにして貰えると有り難いね。」

 

絶対に意図的だと。

それを分かっていて、告げた理由。

 

「……つまり、後始末を押し付けたいと?」

「何のことだか分からないが……目的が叶うまでは、続けざるを得まい?」

 

ただ、その目的に関しては今は言うつもりはないと。

……今の言葉で、確定した。

つまり、暴走したユーザー……どうやっているかは分からないが。

何らかの手段で、彼等に関わっているのは高峰たちだ。

イ(・)ー(・)リ(・)ス(・)本(・)人(・)、(・)た(・)だ(・)一(・)人(・)で(・)は(・)な(・)く(・)。

 

「さ、まだ話はあるのかな? 私としても、こういう機会だ。 中立で話し合える時に話しておきたいからね。」

 

その笑みは、更に深く。




切りどころに悩んで此処まで~。
味方が強化されてる? 敵もするよね。

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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