9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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疑問が一つ片付いて。
疑問が二つ浮かび上がり。
そんな謎に、覆い潰され。


64.不明。

 

存(・)分(・)に(・)良(・)い(・)話(・)し(・)合(・)い(・)だ(・)っ(・)た(・)、と。

高峰は演技を崩すこと無く、ファミレスを立ち去った。

それから遅れること十分程。

互いに理由は少し違うけれど、顔を青くした俺達は。

その場を立ち去り、駅前へ。

 

「……。」

 

春風は、普段とは少し違って話し疲れて。

 

「…………。」

 

俺は、高峰から得た情報を考え過ぎて。

肉体と精神、何方にしても。

疲労してしまったことに変わりはなく。

 

「……とりあえず、昼飯食って解散でいいか?」

「あ――――はい、そう、ですね。」

 

反応が鈍い。

吃るとかそういうのではなく、純粋に処理速度が落ちている。

それはまあ、俺も同じで。

互いの会話に、ほんの少しの遅延(ラグ)が発生しながらも。

別の店――――駅前のモックへと足を運んだ。

 

「なんというか……。」

「……予想通り、でしたか?」

「半分以上予想外だよ……。」

 

正確に言えば、信じたくなかったことが真実だったと言っても良い。

今の、学生内で起こっている騒動には関わっておらずに。

なにか別の理由があって……まあ、そんなものは儚い幻想に過ぎなかったわけだが。

だが、それが事実だということで。 俺達も動く方向性がある程度固まった。

 

「半分、でしょうか?」

「想定じゃ……ああいや、これも俺の想定が甘かったんだけどな。」

「お聞かせ下さい。」

 

照り焼きセットと、チーズバーガーセットを持って二階の席の端へ。

休みだけあって、私服の学生らしき姿がチラホラ見受けられたが。

食ってすぐに遊びに行こう、という意識が見えて。

此方に興味を向けてこない事に、少しだけ安堵しつつ。

 

「あ(・)の(・)レ(・)ベ(・)ル(・)ま(・)で(・)高(・)峰(・)が(・)踏(・)み(・)込(・)ん(・)で(・)る(・)と(・)思(・)っ(・)て(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)。」

「……? え、それでも、以前のリグ・ヴェーダでは。」

「彼奴等はまあ、悪役を自認してるけどな……。 そういうんじゃなく、何と言えば良いんだ。」

 

ポテトを一つ齧って。

塩分を感じることを、確かに理解する。

緊張や混乱で五感がどうかしてるってことは無さそうだ。

それに。

これ以上恥ずかしいところは見せたくもない。

 

「前は何処かお遊び感覚があった……のは間違いないと思うんだが、どうだ?」

「……それは今もそうだと思いますが。」

「被害の幅が冗談じゃ済まないレベルになってるのは事実だろ。」

 

夜に生きる者たち、みたいな。

そういう、ある種のお(・)約(・)束(・)を踏まえた活動方向だった……と俺は思ってる。

自分達みたいな、ユーザー同士の。

組織間の争いみたいなのを本当に心底楽しんでいた印象があったのに。

 

「今日の高峰はなんか違った。」

「……確かに、ネットの時とは違うように思いましたが。」

「多分、与一の行動を全力でフォローしてるんだろうな。」

「……あの、高峰くんが。」

「ちょっと自由にさせれば何をするか分からない怖さ……にセーフティが掛かったとも言えるけどな。」

 

利点であり、欠点であるとも言える。

一人であれば、文字通りに何(・)を(・)し(・)で(・)か(・)す(・)か(・)分(・)か(・)ら(・)な(・)い(・)奴だというのは。

――――希亜の枝の時に、散々理解させられた。

それに高峰が純粋に手伝う形、と見ればどうしようもない感覚も覚えるが。

ま(・)だ(・)常識を持つのが彼奴だ。

……まあ、これも願望混じりだが。

 

「まあ何にしても、皆に報告はしねーとな。」

「ですね。 その前に食べちゃいましょうか。」

「……行儀は悪いが、食いながら先に打ち込んどく。 後で適時フォロー頼んでいいか?」

「私は構いませんが……翔さん、何か急ぐようなことでも?」

 

そういうわけでもないが、と前置きして。

 

「今昼食時なら皆も見てるかもしれないだろ、反応するかは分からんけど。」

「ああ。 ……九條さんとかが見れば怒りそうですけども。」

「真摯に頭下げるよ、都に頭上がらないのは間違いないんだし。」

 

苦笑いを浮かべれば。

ですよね、と合わせるように小さく笑った。

一番世話になっているのは間違いなく俺だとしても。

多かれ少なかれの部分では、全員世話になっているのだから。

まあ、全員が協力するからこそのヴァルハラ・ソサイエティな気もするけど。

 

「だが、一応警戒だけはしといてくれ。」

「警戒……彼等に対してですか?」

「多分俺等に構うつもりがないのは間違いないとは思う。」

 

食事を進めつつ、定期的に文章を打ち込み。

その合間を見ての春風との話……忙しい。

もう少しゆっくりする時間があれば、話をしていたいのだが。

希亜の移動を先に終わらせて、拠点みたいなのを二つ作りたいというのもある。

 

「彼奴が何処までの記憶があるかは分からんが……多分、俺と同じくらいにはあるっぽいしな。」

「構うだけ無駄、というのがそういう意味合いだと?」

「一回体験しておいて繰り返すようなやつじゃないからなぁ。 後は、彼奴が探してるアーティファクトを持ってないのもあるのかもな。」

 

何を探しているのか。

それが分かれば、先回りできそうな気もするが……。

 

「何にしても、間接的に皆が被害に合う事も考えられる。 一人じゃ絶対に動かないでくれ。」

「あら。 ……なら、私はどうしましょう?」

「都と一緒に行けばどうだ? 午前中バイトだったって話だし……ほれ。」

 

丁度LINGに帰ってきた、都の返信を向けて。

了承の意味を、目で追い掛けた春風は。

 

「騎士様に送って欲しかったですけどね。」

「悪いがまた今度な。 ナインボールまでは送っていく。」

「……それで我慢するとしましょう。」

 

そんな、笑みを浮かべた。

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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