9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

90 / 114
新たに増えた隣人に。
よく見知った隣人に。


70.唐突。

 

彼女達と合流したのは、マンション前。

何方かと言えば学生マンションじみた俺の住む場所に、車が出入りしているのも余り見る光景ではない。

勿論大学生ともなれば、持っているような人物もそれなりにはいるようなのだが。

駐車場は空いているのが常だった場所に、見知らぬ車が一台。

その車の近くに佇んでいたのが、天と春風だった。

 

「他に問題なかったか?」

「心配くらいしてもいいのに~。」

「寧ろ俺を心配してほしいくらいなんだが?」

「え、いつでもどんな時でも心配してるよ?」

 

冗談を真顔で返すな。

照れ臭くなって困るから。

 

「で……これ、希亜の家の?」

「です、ね。 お父様が他の用事を全て切り上げたようで。」

「まあ、妙な事件に母親がのことも重なればそうもなるか……。」

「ねえ、私が言うのもおかしな気はするけど……翔くんのお家、入らない?」

 

それもそうだ、と全員で部屋へと向かう。

一人だけこの場にいないわけだが、後で親が帰った後で向かえばいいか。

部屋番号を尋ねる連絡だけは先にしておいて、三人を部屋へと招き入れる。

 

「今日一日で変わりすぎだろ本当に……。」

 

全員が座り込み、落ち着いたのを確認して。

今の状況、この枝に関しての文句をついつい口に出してしまう。

次から次へと起こる内容。

介入できたものはほんの一部で、それらを除けば流される一方。

これが続けばマシな結果にはならない……というのは、今までの経験上で学んだ一つだった。

 

「誰が動いてるのかが分かるだけ、どんな感じで動くのか分かるだけ良いんじゃない?」

「気楽だなぁお前は……。」

「これでも慌ててるっていうか混乱中なのは事実なんですけど~?」

「まあ、お前がそこまでしおらしくしてると俺もなんか違う感じするしなぁ。」

「お? 兄貴喧嘩売ってる? なら買うけど?」

 

近い近い、唯でさえ最近暑苦しくなってきてんだから来るな。

手で頬の辺りに支えをすれば、それ以上は進めずに変な顔で待機する事になる。

ぬぐぉ~、と妙な声を上げながら手をジタバタする天に、溜息を吐いた。

 

「こういう時でも変わらんな、お前は……。」

「変わる必要もないし! てゆーかいい加減離してよっとっとぉ!?」

「お望み通り外してやったぞ。」

「一声掛けるくらいしてもいいじゃん!」

 

望み通りに手を外してやれば、此方に向かおうとしていた反動で倒れ込んでくる。

下手に頭をぶつけたりするのも危険なので、その場で受け止めてやれば出てくるのは文句。

なんか最近口悪くなったか? 天。

 

「……でも、そんな天ちゃんだからこそって気はするな。」

「そうですわね。 変わらないから、というのは。」

「……褒められてます? それ。」

「半分はね。」

「どうせなら全部褒めてくださいよぅ!」

 

緊張か、それとも怯えか。

何にしろ後ろ向き、マイナス方面への意識が見えていた二人だったけれど。

緊張が抜けたのか、やっと普段どおりの柔らかい笑みを浮かべ始めていた。

それを知っていてわざと動いたのか。

真正面から聞いたところで、どうせ妙な答えしか返って来ないから聞くことはないが。

 

「で、だ。 色々予定が変わっちゃった以上確認しておきたいんだが。」

「へ?」

「今日のこの後とかその辺。」

「ああ……。 本来は希亜ちゃんの家でお別れでしたものね。」

 

そういうことだ、と頷いた。

夕食の予定だって有るだろうし、その後の予定だって有る。

相談だけ済ませて帰るというのなら当然送っていくつもりだし。

それぞれの都合を順に聞いていけば。

 

「そうだね、今日は……お父様とお母様に話しておきたいこともあるから。」

「私は言われた通りかな~? おとんとおかん、早く帰ってくるかわかんないし。」

「私は……そうですわね。 少々、用件を済ませておきたいので。」

 

その結果は天だけが残る、という結果に。

と、なれば……。

 

「頼めるか、レナ。」

「相変わらずこういう時はオレ頼りなのな、大将。」

「お前が一番安心できるのも確かだしな。」

「ハッ、ご機嫌取りなんか必要ねーっつーの。 ん。」

「えーっと……これで足りるよな。 余ったら春風に預けといてくれ。」

 

呼び出したレナに、春風の護衛を依頼する。

都は俺と天で送りつつ、帰り際に何かしら食料を買ってくる感じだろうか。

ついでに希亜の分も用意する……そんな感じか。

 

「基本的に明日以降は一人で動くのは厳禁、ただどうしようもない時はLINGで常に連絡で頼む。」

「少し大変そう……だけど、仕方ないかな?」

「まあ万能サポーターなにぃにがいることですしぃ。」

「お前それ酷使する気満々じゃねえか……まあ、するけど。」

 

誰であろうと、失わせるつもりはない。

それだけは、心の中に決めている。

 

「学校の中でもそうだが……何か見かけたら直ぐに対応してくれ。 与一の影響が何処まで広まってるか分からん。」

「出来れば、動ける人と補助の人は分けたほうが宜しいですよね?」

「となると……私は香坂先輩とは分かれたほうが良いのかな?」

「そこまで考える必要はまだないとは思うが……二手に分かれる、とかになったら意識したほうが良いかもな。」

 

喧々諤々。

暫く、情報共有と話し合いはそのまま続いた。

恐怖を、隠すように。




段々本筋から大きく分岐し始めてますがオユルシヲ……

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。