9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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誰の味方だ、なんて言葉もあるけれど。


72.夜闇。

 

食事後。

とは言っても適当な野菜を乗せたサラダと買ってきた揚げ物。

それと家から持ってきた米を炊いたお手軽セット。

これでもまぁ中の上辺りの筈なのに、何処か物足りなさを感じるのは。

随分と舌が肥えたと言うべきか、色々と胃を掴まれていると言うべきか。

 

「さてご馳走様。」

「ご馳走様。」

「ご馳走様でしたぁ~。」

なーお。

 

まあ、今までの生活に戻っただけでもあるし。

寧ろナインボールでの食事回数が減った分、彼処の味が少し恋しくなったりもする。

まあ都の料理のあちこちにそんな成分が見えるから。

余計に胃を持っていかれてるのだろうけど。

 

「しかしこの子猫、妙に大人しいな……。」

 

誰が飼い主なのか分かっているのか。

それとも単純にそういう性格なのか。

現状は希亜の膝の上で丸まっているその毛玉を突付いてみれば。

特に動くこともなく、指先にふわりとした毛の感覚。

あ、ちょっと面白いと言うか……良いなぁ、何かこう言うの。

 

「あれ、兄やんが楽しそうだ。 そんなに動物好きだっけ?」

「あ~……いや、元はそうでもなかったんだが……。」

「だよね、気が変わった?」

「こうして身近に感じるとな~。」

 

まあ、俺の場合はそんな伝手があるわけでもないからペットショップとかか。

飼う以上、ちゃんと注射やら……その、去……とか、ちゃんとしてからじゃないと。

そんなくらいの知識しかないが。

 

「翔も飼いたいの?」

「俺の場合は両親の許可いるだろうけどな。 そういう部分で掛かる費用も考えないといけなくなるし。」

「でもなんか似合わない……。」

「オイコラ何か言ったか!?」

「なんでも無いですゥー!」

 

うるせえよ俺に似合わないのは俺自身が一番分かってるわ!

ただ興味憶えただけでそこまで言われる覚えねえぞ天……!

 

「まあまあ……。」

「まさかにぃにがここまでマジで切れるとは……。」

「お前微妙にチキンレースしてねえ? 怒っていいか?」

「ステイステイ。」

「まだなんか舐められてる気がする……。」

 

天の方を見ながら、猫の方へ手を伸ばせば。

先程までいた辺りで感じたのは柔らかい感覚は感覚でも、毛のものでなく。

もう少し硬質というか、人肌の感覚で。

 

「んっ……。」

 

目線を向ければ、

妙に艶めかしい声を出す希亜の姿。

その手が触れていたのは太腿の辺り。

子猫は移動していたのか、床辺りを肉球で突付いていた。

 

「……悪い。」

「……別に、良いけど。」

「お二人さーん。 私を置いといて世界作るのやめてくれますー?」

「あ、いたんだ。」

「最初からいたっしょぉ!?」

 

冗談なんだから分かって受け止めろよ。

いやまあ、最近スキンシップが過剰になってる気はしてるが。

俺からだけじゃなく天からも、双方向に。

 

「……なんていうか。」

「ん?」

「二人って普通の兄妹……って言って良いのかな?」

「え、どうしたんですか急に。」

「距離感が良く分からないの。 ゲームとかだと二人くらいの感じはよく見るんだけど。」

 

自然と天を見た。

まあ、距離感が独特だという希亜の言い分もよく分かるからこそ口籠った、というのはある。

何方から話すか少しの間譲り合いがあって。

結局、話し始めたのは天からだった。

 

「え、っと……。 まあ、まず私達は()()()()()()とは思います、よ?」

「自覚はしてるんだ。」

 

なーおう。

猫の鳴き声が間に入り、緊張感なんて言葉は初めから無かったように。

自然と話が続いていた。

明らかに内容は、インモラルな事なのに。

 

「結城先輩の事情は……貴女から直接聞いたわけじゃないから置いとくとして。」

「うん。 直接言ったのは、翔と……あれ、他に誰か教えたっけ?」

「俺に聞くなよ……。」

「まあいいです。 私の事は多分何となーく理解してるでしょーし。」

「あの時に召喚された全員の共通点が同じだとしたら……まあ。」

 

俺を睨むな。

どの枝の記憶も主体験としてあるのは俺だけなんだから、どの枝の選択も理解してるし。

それに多分、禁断の関係性がなければ此奴もっと積極的に襲ってきてた気がするぞ。

 

「物心付いたくらいから、見てた視点が違うので。

 多分質問には答えられない……というのが正しいんでしょうけど。」

「そっか。」

「結城先輩が知りたいのって、そんな答えでいいですか?」

「ええ。 私と妹は同性だったから……って。 ちょっと思っただけだから。」

 

そういう台詞一つ一つが、彼女にどんな影響を与えているかは。

外部から見ている俺には理解しきれるものではなかったけれど。

 

「……だったら、ですけど。」

「?」

「今日、話聞かせてもらってもいいですか? その……女子会? みたいな。」

「おい、そんな急な。」

「……良いよ。」

「!?」

 

意識の通じる部分でもあったか!?

二人は何かを理解したような顔で頷きあっているわけだが。

……俺にはよく分からん。

 

「希亜、良いのか?」

「ええ。 ちゃんと話は、してみたかったし。」

「そう言えばあんまり話したことなかったですもんね~。」

 

まあ、当人がそう言ってるならそれでいいが。

……部屋には戻れよ?

俺の部屋に居座るなよ? 折角引っ越してきたんだし。

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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