9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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夜が終わり、朝が来る。


4/25(月)
73.夜明け。


 

結局俺の部屋で話し始めようとした二人を追い出して一安心。

その際になんだか言いたげで、それでも言えないような希亜と。

明らかに文句を連呼してきてる天が相対的だなぁとは思った。

 

「久々にのんびり出来る……!」

 

いや、こんな事してて良いのかという感覚はあるが。

ほぼ毎日を共に過ごしてる関係上。

折角の一人の時間のはずだった、今日の午後がああなってしまった以上。

天と希亜が女子会とやらを開いている今の時間が引き続きの時間と相成ったわけで。

随分と広いような感じがする部屋で、一人横になる。

気付けば、うつらうつらとし始めて。

目を閉じたのは――――自分でも理解出来ないうちにだった。

 

夢のようなものも見ずに。

今週で大きく変わった、変わりすぎた日常に。

四人の、知り合うことになった少女達に。

失うことになった、一人の友人に。

そんな思いに、呑まれるように。

 

 

ぴん、ぽーん。

 

「……ん?」

 

次に目を覚ましたのは、玄関口からのインターホンの音だった。

薄目を開けながら時計を見れば、現在時刻は朝の五時。

学校だからとは言え、明らかに起きるには早すぎる時間帯。

そんな時間帯に?

 

少しだけ背筋に冷たいものが走り、LINGの連絡を覗く。

何度か連絡はされていたようだが、時間帯としては昨日の深夜。

だが、個人枠としてつい先程から希亜から幾度かの連絡が来ていた。

生唾を飲み込みながら、通話のボタンをタッチした。

電話に出るまでのコールは、普段よりも長く感じた。

 

『……もしもし?』

「ああ、悪い俺だ。 何度か連絡してくれてたみたいだが。」

『そう。 ……扉開けられる?』

「別にいいが……こんな朝早くからか?」

『うん。』

 

……うん、と来たか。

何をする気なのかは分からないが、チェーンを掛けたままで扉を少しだけ開く。

少しだけラフな、制服の上着を脱いだだけの格好をした希亜がそこにいた。

チェーンを外し、中に招き入れる。

 

「……おはよう。」

「ちょっと遅いけどな。 ……んでどうした?」

「朝ごはんどうするかな……って。」

「それならメッセージで良かったんじゃねえか……?」

「折角近くにいるんだから、顔見たくて。」

 

真正面からそういう事を言われると。

少しだけ目線を逸らして、一度軽く咳をして自分の感覚を落ち着かせた。

 

「なら……あー、天は?」

「まだ寝てる。 シュバルツも丸まってたから。」

「人んちだっつーのに……。」

「大分遅くまで話ししてたから、ね。」

 

何時までしてたのかをふと聞いてみれば。

彼女自身も細かい時間を覚えているわけではないけれど、二十四時は確実に回っていたとか。

……それだけ話すことがあったのか?

こう言っては悪いが、一対一だと余り話が弾まない相手だと思ってたんだが。

 

「仲良くなれたのか?」

 

そんな事を、聞いてみれば。

 

「うん。 ……皆の後輩だし、妹みたいなものだもんね。」

 

その妹の頭には義理の、が入るのだろうか。

まああのウザさも聞かないでいれば少しばかり耳が寂しく感じなくもない。

仲が悪いよりは、良いほうが良いに決まってる。

そんな意味合いで、薄く頬を緩めた。

 

「ねえ翔。」

「ん?」

「その顔、見慣れてないと怖いと思うよ?」

「朝からストレートな言葉をどうも……!」

「……冗談。」

「冗談に聞こえねえよ!?」

 

朝方からそんな言葉を叫べば。

彼女特有の、凛とした態度から崩れたようなふにゃっとした笑顔を浮かべている。

それを言わせたいがために……というのは流石に考えすぎだと思うけれど。

 

「まあ良いや……話戻すぞ。 朝飯だっけ?」

「そう。 翔は?」

「俺普段はこう、ゼリーで済ませてるんだが……。」

「それで持つの?」

 

キョトンとした顔。

いやまあ、実家にいた時はある程度まともにというか。

用意されたものを残す気にもならずにちゃんと食べてたが。

 

「持つっつーか、まあ朝用意するのも面倒でな~。」

「ふぅん。 食べるなら用意しようと思ったんだけど。」

「用意……って、希亜がか?」

「意外?」

「正直に言って。」

「失礼……だけど、まあ私も分かるよ。」

 

自分でいうのかよ。

 

「……まあ、作ってくれるなら食べるが。」

 

そんな言葉を絞り出すのに、少しばかりの時間を要した。

話が途切れて、妙な感覚に包まれた雰囲気を壊すのに掛かった時間だ。

それはまるで、この枝で初めて希亜と結ばれた時の雰囲気のようで。

自分がそれ程までに猿なのかと、自己嫌悪するのに必要だった時間でもあった。

 

「いいの?」

「それは此方が言うべき台詞じゃないか?」

「そうかな。」

「そういうもんだよ。 ご馳走に預からせて貰う。」

 

だったら、と彼女は改めた様子で。

 

「招待させて貰うね。 私の、新しい家に。」

「一度行ってるけどな。 ……ま、かなり早いがお呼ばれされるとするよ。」

 

何しろ、普段ならまだ寝ている時間帯だし。

戻る時に天も引き取ってこないといけないし。

それに、何かこう言うのは憧れる。

作りに来てもらうんじゃなく、呼ばれるというのは。

……あれ?

そういや、女の子の部屋行くのって希亜が初めてか?

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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