9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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約二ヶ月ぶりデース。
暫くは別作品とかもあるので超絶不定期デース


74.少しだけ。

 

入って最初に感じたのは幾つかの違い。

部屋の中は片付いている、というよりも物が少ない。

それは当然だ、引っ越してきたばかりというのもあって奥に幾つかの段ボールがあるのが見える。

周囲に漂う匂い、というか香りは俺の部屋とは明らかに違って。

生活臭……とでも言うのだろうか。 確かに「女の子」らしい雰囲気を感じて少しだけ赤面する。

押し入れが空いていて、中身の幾つかが見える……というのは一旦無視するとして。

隅の方で丸くなっている、ブランケットらしきものを被った天を冷めた目で見つつ。

蹴飛ばしてでも起こすことを固く決意する。

……シュバルツって言ったか、あの子猫が天の上に乗ってるのは何だあれ。

 

「幾ら知り合いとは言えいつまで寝たままなんだこいつ……?」

「……普段起きる時間どうなの?」

「電車があるとは言っても学校までの距離が距離だからなぁ、春風と同じ電車なんだし……まあ普段なら未だ寝てる時間ではあるか。」

 

具体的には後十分程でおかんに叩き起こされる時間である。

まあ我が家の恥に成りかねない事は一旦黙っておくことにする。

朝に強い弱いで言えば、俺はまあ普通で天は弱い側だし。

 

「だったら、もう少し寝かしてあげる?」

「いや、もう叩き起こしていいだろ……家主が起きてるんだし。」

「うん。 ……だったら、準備してるね。」

 

キッチン、というには狭い場所へと向かう彼女の背中を視線で追った後。

一度溜息を漏らして全然違うもう一人を眺める。

俺だけだったら下手すれば寝かしていたかもしれんが。

此処は飽く迄希亜の家。

なら起こさない理由のほうが無い。

 

「つー訳で……起きろ!」

「わひゃあ!?」

 

まず子猫を被害が及ばない場所へ移動して。

物理的に丸くなっていた駄妹のブランケットを引き剥がす。

借り物だろうから破れないようには注意するのは当然だが。

ある程度強引でもなければ多分後何分、とか言い出して二度寝モードに入るだろうから。

完全に、完璧に目が覚めるように無理にでも動いたほうが良い。

 

「え、何!? 何事!?」

「何事じゃねーよいつまで寝てんだよ!」

「え、いつまでって……まだこんな時間じゃん!」

「まだじゃねーよ今何処だと思う!?」

 

へ、と言葉を漏らした。

……俺の部屋にいる時ならまず間違いなく深夜帯にも起きるだろうし俺より早く起きる癖に。

他人の部屋、というよりは()()()()()()()()()だからか?

実家みたいな状態になりやがって。

 

「あれ……此処、結城先輩の部屋?」

「そうだ。」

「にぃにの部屋で寝てたと思ったんだけどなー。」

「仮に俺の部屋だとして、何で寝てて良いことになる……?」

「いやだって兄やん、普段この時間なら寝てるじゃん。」

 

……?

…………?

良し、落ち着いて天語を解読しよう。

つまり、俺が普段なら寝てるからもう少ししたら起きれば良いと。

間違ってはない、間違ってはないんだろうが。

 

「何にしろデコピン一回でいいか?」

「やだよ痛いじゃん!」

「だったらとっとと顔洗ってこい!」

「うー……はーい。」

 

……全く、でいいのか何なのか。

それらの被害を受けて、黙って見ていたらしい黒い毛玉は。

なーう、と小さく鳴いて何かを催促していた。

 

……これで良いのか?

4/25のヒロイン誰が良いよ? 一位が25,二位が26です

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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