ついに恐れていた事が起きてしまった。日本のハマダ博士が、くの一忍者ロボットのナイトバードを開発したのだ。そしてメガトロンがそれに興味を持った。そして今、俺たちジェットロン部隊は、ロボット発表会の会場上空にやって来ている。
ロボットの発表会会場では、既にメガトロンたちが乱入して大騒ぎになっている。その隙に、ジェットロン3人のレーザーでドーム状になっている会場の天井を切り取り、ひっぺがした。
「司令官、天井を見てください!」
「サンダークラッカーだ!」
「それにスタースクリームです!」
「そんなに心配しなくても、こんな所に長居する気はない!このお友達を迎えに立ち寄っただけよ!」
俺はそう叫ぶと、ワイヤーフックを伸ばしてステージの檀上に置かれているナイトバードを吊り下げる。そしてサイバトロンどもを
そして俺たちは、新しい臨時基地へと戻って来た。そこでインセクトロンの心理工作兵ボンブシェルが、メガトロンの命令でナイトバードを改造強化し、洗脳する事になった。
「こりゃあ俺達のトランスフォームの回路に比べりゃあ、まるでキャラメルのオマケだな!」
まあ、そうだろうな。俺たち超ロボット生命体のボディからすれば、いかに最新テクノロジーとは言え地球の人間が造ったロボットでは、比べ物になるまい。しかし……。
改造と洗脳は、あっと言う間に終わった。インプットされた命令は、地球のエネルギー資源データを全てインプットした、サイバトロンのエネルギーチップを奪取する事。そしてその後、サイバトロン戦士を抹殺する事。
そしてナイトバードは動き出す。様々な武術の型を披露し、デモンストレーションを行っているのだ。
「……多少動きはぎこちない様ですが、スピードは
「わかった様な口を利くなあ、スタースクリームよ。では試してみるか?」
「うわっ!?冗談はやめてください。やめさせてくださいよ!」
俺はナイトバードの攻撃を、慌てた様子で躱す。その様子を見て、メガトロンは笑った。いや、
そしてナイトバードは、サイバトロン基地へと出撃して行った。
数時間後、俺たちは偵察ドローンやナイトバードから送られて来た映像を見つつ、サイバトロン連中を
メガトロンやボンブシェルが楽し気に語る。
「なあるほど、サイバトロンの司令官殿は、ナイトバードに愛用のライフルを盗られてお困りってわけか。ついでに右腕ももぎ取ってくれば、もっと困ったのに。」
「こんな事なら、もっと早く
ここでアニメ本編では、「
「確かにな……。人間、侮りがたし。地球人、侮りがたし。人間に俺たちの技術を与えてやれば、けっこう役に立つかも知れませんな。もっとも、人間の中でも頂点にいる者たちだけでしょうが。
人間は、なにしろ数が多い。ピラミッドの底辺が多くなれば、必然的に
「フハハハハハ、まあその辺にしておけ。ナイトバードがエネルギーチップを持って帰って来るのを、楽しみに待とうではないか。」
……メガトロンは、ご機嫌だ。『あの台詞』がメガトロンから出てしまうのは、止められそうに無い……。
そしてエネルギーチップを盗られた事に気付いたサイバトロン連中は、必死になる。だがその必死の猛攻を、ナイトバードは受け流し、反撃をする。そして……。それをモニター画面で観ていたメガトロンが、『あの台詞』をついに口にした。
「まさに完璧だ、フハハハハハ。どうやらこれで、お前の現役引退も決定的になったようだな、スタースクリーム、フハハハ。お前に代わって今日からはナイトバードをわしの右腕にしよう。」
ついに言いやがった。メガトロン……。俺が純粋に元の世界からの憑依者『だけ』であったのなら、なんとか我慢ができたかも知れない。けれど俺は、かつての『
そうだ、確かにナイトバードは強いさ。けどな、副官やNo.2としての仕事が、喋る機能すらない、命令にただ従うだけの脳足りんに務まるとでも言うのか?俺のこれまでの仕事っぷりが、戦闘能力だけの玩具みたいな頭脳しか持って無いナイトバードに、劣ると言うのか!?
「それは、ナイトバードを軍団のNo.2になさる、と……。そう言う事でしょうか。」
「当然ではないか。奴は余計な口を挟まず、ただひたすらに従順だ。貴様などと比べるべくもないわ。」
周囲のデストロン兵士が
いや、サンダークラッカーだけは何か言おうとしてる。だが、俺はサンダークラッカーに目を遣って、首を左右に振った。そして俺はメガトロンに向かい、言葉を発する。
「わかりました。それではわたしはこれにて。おさらばです、メガトロン様。」
俺は自分の身体に着いている、デストロンのエンブレムを破り取り、放り捨てる。そして基地の出口に向けて歩き始めた。そして横っ飛び。今まで俺の居た場所に、エネルギーネットが張られていた。
「……なんのおつもりです、メガトロン様。」
「貴様はデストロン軍団の機密を多数、知っておる。引退したからと言って、自由の身になれるとでも?」
「……。」
「これまでの働きに免じ、生け捕りにして、閉じ込めておくだけで許してやろうと思っていたのだがな。デストロン軍団!スタースクリームを破壊してしまえ!ファイヤー!!」
俺はトランスフォームし、臨時基地を脱出するため出口へと飛翔する。後ろからデストロン兵士たちの撃つレーザーやビームが
「やれやれ。……
俺の翼には、もはやデストロンのエンブレムは無い。悔しい。ひたすらに悔しかった。
メガトロン率いるデストロン軍団と、コンボイたちサイバトロン軍団が、
そしてナイトバードが、コンボイを葬らんと
キュキュン!!バジィッ!!
ナイトバードの
「な!?だ、誰だ!」
「俺ですよ、メガトロン様。」
そう、先ほどのレーザーは、俺が撃ったんだ。俺は岩陰から歩み出る。
「スタースクリーム!何故お前がわたしを……。」
「コンボイ司令官!見てください、やつのボディを!デストロンのエンブレムがありません!!」
よく見てやがる、マイスター。コンボイの副官だけはある。でもそこを突かれるのは、まだ気持ちが痛いんだ。勘弁してくれ。そしてメガトロンが叫ぶ。
「す、スタースクリーム!この裏切り者めが!」
「……裏切りにはあたらないな、メガトロン様、いやさメガトロン。お前は俺を首にしたじゃないか。もう俺はデストロン軍団じゃあ無い。そして、先に俺を裏切ったのは、お前だメガトロン!」
「く、詭弁を……!」
俺はメガトロンから顔を逸らし、ナイトバードに向ける。
「ナイトバード!貴様に決闘を申し込む!……ああ、ナイトバードは強いさ。地球の人間が造ったとは思えない高性能だ。けれどな。喋れもしねえ!自由意志もねえ!何よりもただ命令の内容を考えもせず愚直に従うだけの脳足りんに!自らの
副官はおろかNo.2の座を奪われ!引退に追い込まれる!こんな屈辱が!許せるか!?赦せるか!?そんなわきゃ無え!冗談じゃ、冗談じゃねえんだよォ!!」
ナイトバードは無言で手裏剣を投擲して来る。俺はその手裏剣を、全てレーザーで撃ち落とす。そして
「ええい!デストロン軍団!あの
「させるな!サイバトロン戦士、決闘の邪魔をさせるな!」
「感謝する、コンボイ!む!?」
ナイトバードは竜巻の様に高速回転すると光を放ち、姿を消す。だが対策はある!俺はその辺に転がっていた、ナイトバードの
うん、ナイトバードの奴には、自分の武器である
キシャアアアァァァ……。
「ああっ!ナイトバード!おのれスタースクリーム!」
崩れ落ちるナイトバードを、サイバトロン戦士のクリフが抑え込む。それを見たメガトロンは、激昂して俺に向かい融合カノン砲を撃ち込んで来た。怒るのはわかるさ、うん。けどなあ……。
「怒りたいのは……こっちなんだよォ!!」
地面に転がって融合カノン砲を避けつつ、冷静さを失ったメガトロンめがけナル
はたしてナル
「ああっ!!」
「メ、メガトロン様!!」
「今だ、サイバトロン戦士!撃て撃て撃てーい!!」
アニメでの『
今ここには、サイバトロン戦士たちが大勢居る。この状況下で、一時的とは言えどメガトロンが麻痺してしまえばどうなるか。答えがこれだ。
「さ、サウンドウェーブ!まずいよぉーーー!!」
「メガトロン様ガ指示ヲ出セナイ……。カセットロン部隊、
「あ、ど、どうすりゃいいんだ……。メガトロン様は気絶、スタースクリームは裏切った……。」
「スカイワープ、逃げるしかねえだろ!それとスタースクリームは裏切ったんじゃねえ……。デストロン軍団が、スタースクリームを裏切って切り捨てたんだ。……スタースクリーム。」
少しばかり名残惜しそうに、サンダークラッカーがこちらを見る。俺は少し微笑んでやった。サンダークラッカーは、
どれだけ突っ立っていただろうか。コンボイが話しかけて来る。
「スタースクリーム。とりあえず、礼は言って置こう。ありがとう。」
「いいさ。俺は俺の私怨を晴らしただけだ。」
「だが……。お前はこれまでの戦争で、大勢のサイバトロン戦士を倒している。」
「ああ、そうだな。」
そしてコンボイは、俺に背中を向ける。
「今回味方をしたからと言って、流石にお前を
「わかってるさ。第一、そんな事ぁ俺も望んじゃいない。」
「ならばいい。わたしが見ていない内に、立ち去ってくれ。しかし、地球の人間に何か悪事を働くのであれば、その時は……。」
「そいつぁ保証できんが、ま、あんまり派手な事はしねえよ。じゃあな、あばよコンボイ。トランスフォーム!!」
俺はその場を飛び立つ。そして省エネの巡航速度で飛び続けた。いや、デストロンの基地にはもう帰れない。だからエネルギー
その後、俺はあちらこちらのスクラップ置き場から、まだ使えそうなスクラップを盗んで水車と発電装置を組み上げた。一度1,500年前の世界でやってるからな。今度はホイストの助け無しでも、簡単だった。それを山奥の急流に仕掛け、俺は自分をエネルギー
「……どうしたもんかなあ。」
デストロン軍団にはもう戻れない。戻る気もさらさら無いが。いや、やるべき事は無くも無いんだ、実は。と言うか、本当であれば何を置いてもやらなきゃならん事がある。しかし、俺がデストロンに身を置いている間には、絶対にやっちゃいかん事があった。
「またスクラップ盗みに行って来ないとな。使える部品、ありゃいいんだが。」
アニメ本編ではフレンジーのハンマーアームがあってこそ、成し遂げられた事だ。だが今度は、俺一人でやらにゃならん。メガトロンが、地球コアのエネルギーを奪う作戦を思い付く前に。
「なんとかして、砕氷用の土木作業機械を造らねえとな。しかも高性能な奴を。強力な金属探知機も必要だ。
……待ってろよ。かならず助けてやる。」
なんとしても、メガトロンに先んじてあの地へ行かにゃならん。絶対に。そう、北極へ……。
やはりデストロン軍団とは、袂を別ちました。しかしだからと言って、サイバトロンにも行けるわけもない。デバスターとは違うのだよ、デバスターとは!いやデバスターも洗脳(!!)されないとサイバトロン入りはできなかったですが。
そういや、TFプライムでもあっちのスタスクが、自陣営放り出されて放浪してましたな。でも、あれとも微妙に事情違いますけどね。
そして次回は、たぶん分かる人には分かると思います。北極とか、「かならず助けてやる」とか、デストロンに居る間はダメとか。いえ、本人は色々悩んでたんですよ?デストロン入りさせたら不幸になるか反逆して手切れになっちゃうかですし。