「それが、私。相坂 アイナに作られた人工生命です」
画面に映るアイナの語り。そして藍の言葉。そこから語られるのはとんでもない事実だった
「だから私はフェイト様に憤りを感じるし、マスターもきっとどうしようもない感情にさらされて行ってしまったんでしょう。別に私たちはこの状況にいい訳するつもりはありませんし、少なくとも私は逮捕されて罪を償う気でいます」
ただ、と藍は続ける
「フェイト様。あなたは私です」
ビクンッとフェイトの肩が震える
「細部は違えどきっと根底は同じものです。私はアイナが大好きで、あなたはプレシア テスタロッサが大好きで、きっとその気持ちに違いはありません」
フェイトは恐る恐る首をあげて、藍の顔を見る
「だから私は、あなたの境遇を知った今、あなたを蔑む。どうしてこんな所で下を向いているんですか? どうしてプレシアに文句の一つも言ってやらなかったんですか? あなたと私の違いはそこだけです。私はナナカにはなれないって、アイナに言いました。それでお互いに泣きわめいて前に進みました
あなたにそれが出来ないなんて言わせません」
そこまで言った瞬間、アースラの機能が回復する。藍がウロボロスのワクチンソフトをアースラに流したのだ
「でも、まだ遅くない。まだフェイトとプレシアはなにも始めてない。あなたが始めるのを恐れていたからだ
だから、今から始めましょう。プレシアに会って文句を言ってぶん殴ってやりましょう」
「わ、たしは………」
フェイトは下を向いて、しかしその後、前を向いて
「始めます。本当の私をこれから始めに行きます」
確かにそう言った
アタシが過去を言い終わった時、プレシアは確かに動揺してた。しかし数秒もしない内に平静に戻る
でもなにも言えない。そんな様子だった
「………ッ……………!」
「これで全部だよ。アタシって言う最低最悪のバカの過去は。テメェの話があまりにも聞き覚えがありすぎてこうしてやって来た次第だぜ」
プレシアはギリッと歯を鳴らす。血走った目を向けてやっと言葉を紡いだ
「それが本当だとしたら…………私はあなたを許せないわ」
「あぁ。お互いにな」
私は
「あなたは所詮、お人形を愛でて満足するしか出来なかった負け犬よ」
「……………藍をそんな風に言うな。殺すぞ」
斬城を飛行省エネモードから高速戦闘に変える。プレシアも杖を構えてこちらを向く
「死になさい」
「テメェがな。紫ババア」
アタシとプレシアは同じ存在だから、最後の選択だけが違う同じ存在だから、だからお互いを認める事が出来ない。プレシア テスタロッサとアタシはお互いの存在を否定すべく。全力で殺し合いを始めた
斬城には大きく分けて三つのモードがある。飛行省エネモード、重戦闘モード。そして高速戦闘モードだ。元々戦闘用に作っていた一面が強いので戦闘モードが2つなのはご愛嬌。シュミレーション以外でまともに使った事がなかった程に戦闘特化なのだ。そんな倉庫でほこりを被っていた代物だが今はどうでもいいだろう。ちゃんと動くし
飛行省エネモードは名前の通り、飛行する為だけのモード。まぁそれだけでもとんでもない電力を消費するんだが‥…。重戦闘モードは省エネを解除して、全てのエネルギーを砲撃や重力操作に当てる。発動するだけでこの機体の全エネルギーの1/10は持って行く代物だ。時の庭園の全ての人形を倒したのはこれ。単樹な破壊力なら核兵器にも匹敵するだろう。そんな背景があるからアタシは自分の技術を世に出せないんだ。
そして今の高速戦当モード。これは作った用途で使用する事は絶対にないと思っていたモードだ。ぶっちゃけ、スーパーサイア人がいると仮定して対等に戦う為のモードなのだ。人型の敵が気合い一つで地球を壊せる程戦闘力を持っている。それを仮定して、対抗する為の兵器。それが斬城、高速戦闘モード
音速の壁を軽く突き破って、ソニックウェーブを撒き散らしながらプレシアに接敵する。振りかぶった大刀の接触まで0、000023秒
「ッアァア!!」
ギンッ音がして、斬城の大刀が止められる。薬で強化した知覚でプレシアの行動を見る。この女、化け物だ。音速を超えて本気で切り掛かったのに魔力剣で合わせてきやがった。そのまま鍔迫り合い、お互い言葉を発する余裕はない
刹那の間を置いて、同時に後ろに飛ぶ。プレシアは魔力球。アタシは腰のレールガンを構える
「「ブチ抜け!!」」
言葉が被る。本当にアタシ達は似てるな、ムカつく程
36ミリ口径と言う頭のおかしい弾丸を毎分2万8千発の弾丸をバラまくレールガン。最も弾丸自体8000発しか積んでないから18秒で弾切れ起こすんだけど。対してプレシアはなのは対フェイト戦でフェイトが見せたフォトンランサー・ファランクスシフトのさらに強化版。斬城の解析によれば150発の魔力球から秒間10発魔力砲を発射する。計、秒間1500もの弾丸を発射してるのだ。アタシのも大概バカスペックだけど全然負けてるなぁ。こっちは砲門一つしかないからしょうがないけども
身体に何十発もの弾丸が直撃。しかし斬城の真価は防御こそにある。豆鉄砲がいくら当たった所で問題ない。それは向こうも同じようで難なくシールドで防いでいた。ったく、これを現代戦に持ち込んだらめちゃくちゃになるってのに、このババア。本当に人間かよ
「はぁ、はぁ………駆動炉を全開で稼働させてドーピングしてもやっと互角……。ありえないわね」
「どっちがだよ………。全部が全部アタシが相手の命度外視で殺しにいってるのに全部凌ぐとか……………本当に人間かよ」
戦略兵器ぶつけられて生きてる様なものだぜ? ありえねぇ………………。そして、エネルギーがヤバい、半分きった。省エネモードにしとけば回復するけどそんな余裕あるわけないがない。相手の魔力がどうなってるのか知らないが、ジリ貧で負けるかもしれねぇぜ
「…………………………本当に、本当に私たちは似てるわね」
プレシアが言う
「……………………………」
「あなたはきっと私と同じ絶望を抱えてる。なのになんでよ……………なんでお人形なんかで満足出来るのよ」
ギリッ
歯が、自然に鳴った
「私はアリシアの、アリシアの為に生きて来たわ。だからアリシアを無くしたら生きて行けない…………………だから作ったお人形は出来損ない。なのにあなたは…………」
プレシアはそこで一旦言葉を止めて
「なんで、
チャンスだろう。今のうちに省エネモードにして回復すればプレシアを圧殺する事は容易い。でもそんなのを考えたのは叫んでからだった
「ふざ……けんなぁ!! 偽物も本物も関係ない!! 藍は藍なんだ!! 私が作った、ナナカの娘だ!! あぁ解った。やっと解ったぜ!! なんでこんなにもアタシがあなたの事をムカつくのか、なんでアタシはこんなにもあなたを救いたいのか!! テメェはまだあの地獄にいる。アタシがあの日いた地獄にずっといるんだ!! アタシは藍に引きずりだされて抜け出せたけど、あなたはまだそこにいるんだ!!」
一息
「あんたはきっとフェイトとまともに会話した事がないんだ!! あの優しくていい子とまともに向き合った事が無いんだ」
「……あんなお人形の、なにと向き合えと言うのよ」
「テメェの傍にいてくれたのは誰だよ!!? ずっと傍にいてくれたんじゃないのか? テメェの地獄はそこなんだよ。引きずり出してくれる存在がいるのに見もしないで!! そんな奴が被害者ぶってんじゃねぇ!!」
「言わせておけば……………。私から見ればあなたの方がありえないわ。……………あぁわかったわ、そう言う事ね。あなたにとって
「ぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!? ふざけんなぁ!!」
残りのレールガンをぶちかます
「あ、はははははははははははははははは!! 図星をつかれてキレるなんてやっぱりガキね。もういいわ、あなたの器は見切った。消えなさい」
結局平行線。しかも自分でも折り合いのついてない所を突っ込まれて泣きそうだ。しかしそれでも
「それでも、アタシはあなたを救う」
「あはははははははははははははははははははははははははははははは!! 出来るものならやって見なさい!! 綺麗に消滅させてあげるわ!!」
プレシアを殺す事から目的を変更。ぶん殴ってフェイトの前に引きずり出す。ぎくしゃくしても、今のフェイトならプレシアに声を届けられると信じてる
大刀を振り回して、プレシアのシールドを削る。重力を操って行動を阻害する。殺せなくなった今、アタシの不利は目に見えて出て来た。もともと斬城は大量破壊兵器。殺さずに制圧なんて芸当はガンダムで米にお経を書く行為に等しい。だからなのはとの戦闘シュミレーションで全敗してた訳だ
さて、重力を操って行動を阻害しても殺さない様にと言うのが足を引っ張る。また、電撃を打ち込んで気絶と言うのもやっぱり不殺がねっくになる。あぁ、さっきみたい何も考えずにブチカマしまくっていたのが懐かしい
「消えろ消えろ消えろぉぉぉおおおお!!」
「ふざけんなボケ!!」
榴弾をブチカマスもやはり無傷。もう最後の直前までは本気で攻撃してもいい様な気がして来た
「死ね、死ね死ね死ねぇええ!!」
うん、もういいや
大刀を構えてコンマ0秒以下で突撃する。痛み止めが切れて来て、骨が折れている部分が悲鳴を上げる。電気信号で斬城に追加の薬を要求。これ以上の投与は後遺症が出る恐れがあります? 藍め勝手に警告プログラムなんて組み込みやがって…………当然無して投与。少しの衝撃があって痛む箇所はなくなった。正確には感じなくなった
シールドで大刀は受けられて、魔力砲の餌食になった。痛みに気を取られたのと指示出しで一瞬気が抜けたからだ
『警告。出力60%低下。撤退を申告します』
そんなの却下に決まっている
「あははははははははははははは!! 動きが鈍くなって来たわよ。もう終わりかしら。あはは、あはははははははははははははははは!!」
向こうも大概いかれて来たなぁと思いつつ、もう手が無い事をアタシは感じていた
はっきり言ってもうどうしようもない。少なくとも殺さずには無理だ。こうなったら一か八か………
そんな事を思っている時だった。プレシアが大量の血を吐いたのは
アタシは人間を作る為に医学も学んでいるし、修めている。それですぐに理解した。あの血はこの戦闘のせいじゃ無い。いや、悪化はさせたかもしれないが
アレは病気だ。末期と呼ばれる程手遅れな
「プ、レシ、ア」
「ぐ、がぁ…………はぁ、はぁ。私のは時間がないの。もう時間がないの。手遅れなのよ、何もかも。フェイトとの時間? そんなの作れないわ。だってもう、私は死ぬのだから」
あぁそうか、そう言う事だったんだ。アタシとプレシアの決定的な違いがもう一つあったんだ。プレシアは、狂気に飲まれるしかったんだ。時間がない。それは、知らなかったなぁ
「えぇあなたの言う通りよ。私はフェイトとまともに向かい合ってこなかったわ。だってあの子はアリシアじゃないんだから。アリシア以外のものに関わってる時間なんて私にはないの。あぁ、でももう終わりね、全部終わり
最後に私を否定した目の前の同類を消そうと思ったけどもう終わり。どうしようもないわ」
刹那、時の庭園の各地で爆発が起きた
「ッ!! なにを!!」
「駆動炉を暴走させたの。ジュエルシードの数は足りないけれど、これでアルハザードへの道は開かれるわ」
「て、めぇ!!」
「だからこれで終わりにしましょう…………」
プレシアは杖を構えてこちらに向ける。魔法の才能ゼロのアタシでも解る程の膨大な魔力
「………………そーだね、ぶっちゃけ私も限界だし」
重戦闘モードに切り替え。身体を浮かす最低限の重力操作を除いて他は全部右腕に
「最後に言っておくわ。あなたの事、受け入れられないけれどそこまで嫌いじゃなかったわ」
「お互い似た者同士なんだ。きっとそんなもんだろうさ」
一瞬の静寂そして
「ラグナブラストッ!!!!!! フルパワーーーーー!!」
「フォトンランサー、ブラスタードシフト!!」
お互いの全力の砲撃が発射された
ミシミシと音がする。あぁもう斬城は限界か………………。ホントよく頑張ってくれたよ、スペックの限界ギリギリまで出しちゃったしね。身体も痛いなぁ、何度も何度も無茶な動きしたから全身の骨が折れてやがる。斬城がメディカルチェックの結果を表示してるけど、正直見たくないなぁ………………うわ、これは直すのしんどいぞ(誤字にあらず)。ホント、ここまでボロボロになったのって始めてじゃないだろうか? 第一私は前線に出で戦う人間じゃないんだよ。ラスボスを倒された後に『私は誰にも殺せんのじゃー』とか言って塔の上から自決する役だろうに
「……………………生きてるか?」
土煙に向かって言う。ちょうど晴れるタイミングを見計らって声をかけた。そこにはボロボロになって、杖を支えにかろうじて立っているプレシアの姿
「…………………………………えぇ、生きてるわ。そう、私は負けたのね」
「あぁ」
最後の砲撃。アタシが放ったのは真空を使った爆宿の砲撃転換、そしてプレシアは雷の超砲撃だった。詳しい理論は省くが、真空状態を発生させた際、そこを通ってアタシの斬城のみに電撃が伝わったのだろう。アタシ本体にはダメージが無く、斬城が半壊したのはそのせいだ。車の中にいれば場合によっては雷の直撃を防げるのと同じだろう。そしてプレシアはアタシの砲撃をまともに受けた。その差が今、この瞬間だ
「本当に、本当にムカつくガキね…………。ほんと、こんなはずじゃなかった事ばかりよ」
「ふざけんな。畜生め………。だぁ、これ修理にいくらかかんだよ」
適当な事を言って、空を見る。駆動炉の暴走とアタシの重力攻撃。そして最後の砲撃の余波で崩れ掛かっていた
「…………………………行きなさい。あなたにはまだ、大切な者があるんでしょ」
「テメェにもあるはずだ」
「ないわ。私の大切なのはアリシアだけ。その他の全てはいらないわ」
「嘘だぜ」
プレシアはピクンと震える
「きっとそれは嘘だぜ。会ってみたらいい。話してみたらいい。だってアンタらはまだ、なんにも始めて無いんだから」
「…………………………………………………………そう、ね。なにも始めてないわ」
もう一言
「いま、そんな悪い気分じゃないだろ? 自分に味方がいるかもしれないって思うのは?」
「…………………………………ええ、きっとそうなのね。今なら
フェイトの事を、愛せるかもしれないわ」
あぁ、そうだ。アタシはその言葉が聞きたくて、自分の道が道が間違ってなかったって思いたくて、ここまで来たのだ
戦いが終わって数秒後(ってまぁ、この戦闘自体全体で5分もかかってないんだが……………)聞き覚えのある声が聞こえて来た
「母さん!! アイナ!!」
あぁ、なんだやっぱり来たのか藍。フェイトになのは、アルフにユーノ。クロノ君までご一緒とはね
「母さん!!」
フェイトはぼろぼろのプレシアに駆け寄る。って今のアタシって母親をボコボコにした悪役っぽくない? ………………いつも大体そうか
プレシアはフェイトに向かって手を伸ばす
「……………………フェイト」
「母さん。…………………………………母さん、お話が合ってきました」
フェイトは大きく息を吸い込んで
「私は、アリシア テスタロッサではありません」
プレシアは歯ぎしりをしながらも、話を聞き続ける
「私はフェイト。あなたに産み出された、アリシア テスタロッサのクローンで、あなたの娘の、フェイト テスタロッサです!!」
プレシアは黙って話を聞き続けそして言葉を咀嚼する様に時間をかけて、そしてゆっくり声を出した
「フェイト、こっちに来なさい」
「ッ!! はい」
彼女はゆっくりとプレシアに近付く
「顔を見せて」
「………………………」
無言でその通りにする
「……………………………………アリシアにそっくり。でも、違うのね」
「はい」
即答だった。自分はフェイト テスタロッサであると言う様に
「そうなのね………………。本当に私は気付くのが遅過ぎる……………………」
プレシアはそう言うと、自分の足で立ち上がる
「フェイト、私に言いたい事は山ほどあるでしょうでも、私に二つ言わせてちょうだい。一つはごめんなさい、あなたには辛く当たったわ」
「ッ!! そんな事…………」
余りにも予想外の言葉だったのだろう。フェイトは面食らって喋ろうとする。しかしそれをプレシアは片手で制して言葉を続ける
「そして、いままで一緒にいてくれて、ありがとう。それは、私の今の本心よ」
そう言って、プレシアはフェイトに微笑みかけた。きっと彼女の本来の、フェイトが望んでやまなかった笑顔なのだろう
「母………さんっ!!」
フェイトはもうなにも言えなかった
(やっと叶ったんだ。やっと届いたんだ!! 母さんは昔の母さんに戻ってくれた。優しい母さんに戻ってくれたんだ!!)
フェイトは確信しているのだろう。これで元の生活に戻れると、時間はかかるだろうけど、それでも幸せな未来が来ると。そう確信してるのだろう。横から見ていて、その事がありありと伝わって来た
「でも、さよならね」
アタシもフェイトの、全く反応が出来なかった。だって全部解決したと思っていたからアタシもフェイトも、プレシアの狂気は地獄は終わったのだと思っていたから。だから全く反応出来なかったんだ
ゴンッ
そんな音がして、プレシアの近くにいたアタシとフェイトは吹き飛ばされる。何の魔法を使ったのか、斬城の補助も薬のドーピングも切れたアタシには解らない。ただ、吹き飛ばされてなのは達とは引き離された
「テ、メェ!! プレしアァア!!」
「アイナ。だったわね名前」
不意に、アタシの名前を呼び、言葉を続ける
「あなたは正しいわ。きっと今ならフェイトを愛する事が出来るし、この地獄からも抜け出せるでもね」
言葉を切り
「私の、アリシアを生き返らしたいって思いは。なにも変わってないわ」
…………………………………………………あぁ、畜生。そうだよなぁ、その通りだよなぁ。アタシは結局『アリシアの代わりにフェイトがいるじゃない』って言ってるだけだもんなぁ。その言葉がどれほどプレシアの心を傷つけているか、解っていたのになぁ
あぁ畜生。ナナカがいなくなった気持ちを理解してるのに、なぁ
「私は、私たちはアルハザードに行く!! そこで全てを取り戻すの!! ううん、取り戻すじゃ足りない。幸せになるの!! アリシアとの幸せを取り戻す!! フェイトとの幸せを手に入れる!! 私は、私たちは!! アルハザードへ行くの!! はは、あはは。あーーーーははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
プレシアはどこから取り出したのか、ジュエルシードを持っていた。その全てがとんでもない魔力を放出している。発動して、共鳴して、きっとこのままじゃ取り返しのつかない事になるだろう。でも、アタシの頭を占めていたのは、ただただプレシアへの共感だった
「………………………そう、だよなぁ。その通りだよなぁ
アタシだって、ナナカが生き返って、藍がいる。それ以上の幸せなんて、思いつかないもんなぁ」
なんど想像したか解らない。研究所には藍がいて、アタシに学校に行けと口を酸っぱく言う。それで学校に行ったらナナカがいて、バカみたいな話に花を咲かせる。まるで普通の中学生みたいに誰々が好きとか言い合って喧嘩になる。でもすぐ仲直り、一緒に家に帰ったら藍がいて、晩ご飯を作ってくれている。あぁ、想像しただけで幸せだ。幸せすぎて死にそうな程に。でも………………
「それでも、そんな未来は来やしない。アルハザードなんて都合のいい幻想だ」
アタシは駆け出した
「アイナ!! やめろ。もう次元震が起きる!! 止められない!!」
クロノが叫ぶ。大方、アースラから通信でもあったのだろう。でも、もう次元震で誰かが死ぬとかアタシが死ぬとかどうでもいいんだ。アタシは、アタシは!!
「プレシアァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「あはははははははははは!!はははははははははははははははははははははははは!!!」
自分でもなんで飛び出したのか解らない。斬城を無理矢理動かして、プレシアに向かって飛ぶ。魔力の壁が厚くて吹き飛ばされそうになるけれど、意地で到達する。プレシアの傍には、いつの間に持ってきたのだろうか? 例のアリシアの遺体が入った試験管の様な瓶があった
「行くの。行くのよ!! アルハザードへ!!」
「うるせぇよ。お互い、主義も主張も言い終わった!! 思いも力もぶつけ終わった!! だからこっからは私のエゴで押しつけで、それでもアタシはきっとあなたをぶん殴る!!」
凄まじい魔力のなか、突き進む。そしてアタシがジュエルシードに手を触れた瞬間、アタシの視界は光に覆われた
プレシアや斬城の過剰スペックは完全に作者の趣味です。空気中で真空状態とかどうやってつくるんでしょうねぇ………………やり過ぎたと少し反省はしている。後悔は無い。もっと言うとプレシアの最後の砲撃は完全にオリジナルです……………だってプレシア原作でほとんど魔法使ってないんだもの‥…。そして打ち合いはしたかったし…………(いい訳)
次回は独自理論や独自解釈。さらには御都合主義のオンパレードになっています。それでも読んでくださると言う方には、多大な感謝を申し上げます
後、少しで完結です。こんなつたない文章にお付き合いくださり、本当にありがとうございます
感想、ご指摘、お待ちしております