十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。これはSF作家のアーサー・C・クラークが定義した法則の三つ目の文章だ
アタシはロボット物以外の小説や物語は見ないし読まないが、無性にこの言葉に共感したことを覚えている
このクラークの三法則、昔々にふと思った事がある。それはもし本当に魔法があったらこの法則はどうなるのかだ
その時は他の研究にかかりきりに成ってたのでシカトしたが、再び考察をしてみよう
論点は、発達した科学=魔法なのかと言う所だ
そもそも、何を置いて魔法と言うのか………
「アイナさん」
……魔法の定義として、常人には使うことが出来ない超常の現象とある
しかし科学はどんな人間であっても等しく適用されるシステムだ
また科学技術と言う点を見たならば、やはりどんな人間であっても使用可能なものである。それについて詳しい知識が……
「アイナさんってば!!」
「ダメですねコレは。なのは様、少し後ろに下がっていてください」
……あるかないか別にしてだが
では人にない知識を持ち、その上で科学によって超常の現象を起こすことができるアタシは魔法使いではないのだろうか? 魔法少女アイナ、爆誕!! うん無いな
「お客様が来てんのに無視してんじゃねぇキィイイイック!!」
「ミゾオチ!!?」
鳩尾に藍の鉄脚が突き刺さる
呼吸不全、意識混濁が同時に起きて死にかける
「ら、らららら藍さん!? アイナさん死んじゃうよ!!」
「こんなもんで死ぬほど柔な体してません……………多分」
「普通に……死ぬわ……ボケェ」
そして体が言うことを聞かなくなり、アタシの意識は闇に沈んで行った
アタシが気絶していた時間は5分程度だった様だ。アタシの夢のひとつである気絶がこんな形で果たされることになろうとは……軽く鬱だ
「そこんとこどう思うよ、藍」
「気絶なんてしたがる方がおかしいんですよ。つーか気絶なんてのはどうしたってロクなもんじゃないですよ」
それもそうかと納得
「さて、高町なのはちゃんだよね。士郎さんから聞いてるよ。とってもいい子だって」
「え? お父さんと知り合いなんですか?」
「知り合いというか翠屋によく行くというか……。まぁそんな感じ
アタシはアイナ。悪の……ってこれはもういいか
まぁ見ての通りしがない天才科学者やってます。以後お見知りおきを」
「海鳴小学校三年生、高町なのはです。知ってるみたいだけど、高町家では末っ子さんです。」
「僕はユーノ・スクライア。ジュエルシードを探して地球にやって来ました」
おう、異世界のフェレット。喋るし宝石集めるスペックの高さ
アタシの処理能力は限界を迎えようとしているよ
「じゃ、キチンと自己紹介を終わらした所で……」.
「私は、まだしてません」
藍が文句を言ってきた。当然ですが意図的に無視しました
「ご主人に向かって飛び蹴りをかますようなメイドが自己紹介なんておこがましいです」
「私は藍。好きなものはマスター。大好きなものはマスター。超好きなものはマスターです,マスターのメイドをしてます」
「ごめんなさい。恥ずかしくて火が出そうなのでやめて下さい」
つーか藍も恥ずかしがってるじゃねぇか。なんで自滅覚悟でアタシの陥れようとする
「にゃはは。すごい仲良しさんなんですね」
「なのは、すごい仲良しさんはあんな威力の飛び蹴りをしたりしないと思うよ」
閑話休題
「じゃ、いい加減に本題に入りますか。ジュエルシード、音以外による救助要請。そしてあの化け物。全部答えてもらうぜ」
「……………わかりました」
そう答えたのは意外というかそうでないのか、なのはの肩の上の小動物だった
いわく、ジュエルシードとは人の願いを叶える力を持った、ロストロギアなんて呼ばれるオーバーテクノロジーの産物である
いわく、ジュエルシードを地球にばら撒いてしまったのは自分で、責任を取るためにジュエルシードを集めていた
いわく、その最中に負傷してしまい、やむなくテレパシーによる救助信号を発信した
いわく、それを、聞き取るためには魔法の資質が必要不可欠である
いわく、救助信号をたまたまキャッチしたなのはに助けてもらった
いわく、なのはの好意に甘える形で今、ここに至る
箇条書きにすればそんな感じだ
なんでもなのはの魔法使いとしての資質は凄まじいらしい。それこそ、願いを叶えるために暴走したジュエルシードを無傷で倒せるくらいに
「僕としてもなのはに手伝ってもらうのは凄く心苦しいんだけど……」
「ユーノ君、そんなこと言わないで。困ってる人がいて、それを助けることができる力が私にはある
だったら助けることを迷ったりなんてしないよ
お父さんに教えてもらった大事な事、護らせてよ。ユーノ君」
「な、なのは……!!」
ぶあっと涙腺を緩ませるフェレット……もといユーノ
そしてお互いの目を見つめ合って抱き合った
………どうやってだよ
「やべぇ。このやり取りに入り込む隙がねぇぜ」
「私とマスターのやり取りも似たようなものだと教えてあげる」
マジでか。それは知らなかった
「ま、状況は理解した。魔法って結局なんじゃコラボケとか言いたいことは多数存在するが、理解した
その上で聞くぜ。あんたら2人でジュエルシードを全て集めきる算段はあるのか」
その言葉に2人は沈黙する。特にユーノの方は本気で深刻そうな顔をしていた
「……それは」
「マスター。意地の悪い事を言うのはやめなさい
どうせ手伝う気満々なんですから最初っから協力を名乗り出なさい」
「………-…あの藍さん。時々わからなくなるんだけどあんたってアタシのメイドよね?
なのになんで主人のすることを邪魔するの?」
「ひとえに楽しいからです」
「最低だこのメイド!!」
そう言い合ってるのを見て、なのはとユーノは目を丸くする
「えっと………手伝ってくれるの?」
可愛らしく小首を傾げながら、なのははアタシに聞いて来た
く、渋りに渋りまくって最後の最後にしゃあなしで手伝ってやるみたいな空気を出そうぜ大作戦が台無しだ
「はぁ………
一つ条件、今アタシの手元にはジュエルシードがひとつある。それを全て回収し終わるまでアタシの手元に置いておくこと。それがアタシがあんたらを手伝う条件だ」
ユーノはアタシがジュエルシードを持ってると言う所に反応し、そしてアタシの申し出に関しては声をあげて反応した。まぁ当然だろう
アタシとユーノが言い合ってると、藍がアタシに耳打ちをしてくる
「解析ならもうほとんど完了してますよ」
この瞬間、アタシがジュエルシードを手元に置いておく意味がなくなった
藍の入れたココアをみんなで飲んでいると、なのはが口を開いた
「気になってたんだけど……、アイナさんって科学者なんだよね」
「んー? どっからどう見ても科学者でしょ」
見ただけで科学者とわかる人はいませんとと藍が言う
それを無視してなのはは言葉を続けた
「あ、あの……この部屋色々見て回ってもいいですか!!」
「ダメ」
当然のことながら即答した
「あ、あう……」
「色々と世に出したらヤバイのとか有るしねー。。アタシの技術を狙って世界の各機関が動いてるなんて話もあるくらいだし」
本当かどうかは別の話だけど
つーか我が研究施設の内部に入れたのってこの子達が初めてじゃ………
「マスター。そろそろ小学生には辛い時間です。これにてお開きにしては…?」
「ん、それもそだね。じゃあ取り上げこれを」
アタシはそう言いながらポーチからジュエルシードを取り出す
そしてそれをなのはに向かって差し出した
「あ……」
「早くしな。気が変わるぞ」
そう言うとなのはは慌てたように赤い宝石を取り出す
「レイジングハート!! お願い」
なのはがそう言うと、赤い宝石は桜色に輝き杖の形になる
どういう理屈でこんな事がおきているんだか……
「リリカルマジカル。ジュエルシードシリアルVIII。封印!!」
その言葉を引き金に、アタシの手の中のジュエルシードはレイジングハートの中に封印された
「いったいどういう風の吹きまわしですか? 研究素材を自分から手放すなんて」
なのは達が帰ってからジュエルシードと解析結果を見ていると、藍がそんな事を言ってきた
「あんたがそういう事を言いますか……
……………別に、ただ魔法なんてのを研究するのは少し早いかなって思っただけ」
魔法。アタシのこれまでの研究成果を全て無に気してしまうような異常なテクノロジー
アタシの当面の課題であった、エントロピーをいとも簡単に凌駕する。しかも魔法の適性なんてものまで存在する。この技術を収集するには、‘まだ早い’
「今、いったいいくつの題材を同時に研究してると思ってんのよ。少なくとも、魔法の研究はしばらくは無しだぜ」
「………わかりました。ではこの話を終了して、ジュエルシードの解析結果をアタシの方から説明させていただきます」
「ん、頼んだ」
結局、ジュエルシードの材質が何かは分からなかった
ならば異世界由来の物質であろう
そして特筆すべき点として、願いを叶えて力が有るいうことだろう
厄介な事に人間以外の存在にも反応してしまうが、意思を読み取って起動する。成る程間違いなくオーバーテクノロジーだ
まぁアタシも昔、脳から伝わる微弱な電気を読み取って起動するなんて装置を作ったことがある。たぶん倉庫でほこりをかぶってら
「このジュエルシードもその辺は同じ様ですけどね
さてアイナ、一番下項目を見てもらえますか」
「アタシの事をマスターって呼ぶのかな前で呼ぶのかはっきりしろよ……
………………なんだこの数値。人間の赤血球の数が?」
「そこまでトンデモな数値はしてませんが……
マスターは昔、エネルギーを数値化する装置を作りましたよね。運動エネルギーだろうと熱エネルギーだろうと何であれ
アレが使えたんです」
「…………………なるほど、今の状態って思ってたよりヤバいのかもしれないな」
そこに書かれていた数値は、核融合を起こしているのとと同等のエネルギー値
わかりやすく言うならば、あの小さな宝石の中では常にトンデモな爆発が起きてるのだ
そしてそれが、色んな所にばら撒かれている。うんやべぇなんてレベルじゃないくらいにやべぇ
「つーわけで。こっちでも全力を持ってジュエルシードを捜索します」
「では、そのように。捜索に当たって必要なものはありますか?」
アタシは藍にあるものを作る材料を言う
そして成る程と言った顔になって、倉庫に行った
「んじゃまぁ作るとしますか。ジュエルシードセンサー」
もう頭の中では理論や設計図は完成している。完徹でやれば一日で出来るだろう
暫くは寝れないなぁ……
原作のキャラって動かしにくくてなのはやユーノのキャラが壊れてないか心配です。他の作者さまってすげぇ……
今回は原作の二話終了間際の夕方から、その日の夜に掛けての話になります。ちょっと短め
暫くはなのはとアイナのデコボココンビでやって行きます?