「温泉!!?」
「うん。お父さんにアイナさんの事を話したら、一緒に行かないかって」
連休の二日前、ジュエルシード探しをしてる時になのががそう切り出した。お誘いの相手は高町 士郎。喫茶翠屋の店長で、一番つらかった時にお世話になった恩人である。そしてまぁ解ってた事だが、なのはの父親でもあるらしい
「…………………………悪いお友達と付き合うなって言われなかった?」
「アイナさんって時々すごく卑屈になるね」
どちらかというと、常に卑屈なのを無理矢理隠してるんだが………………
「にしても温泉かぁ…………………知識としてはあるけど、行った事はないなぁ」
「え〜!! 温泉に行った事無いの!?」
信じられないとでも言いたげだなオイ。こちとら徹夜風呂なし上等の根っからの研究者だぞ。温泉なんて時間の無駄をしてる暇はない。さらに言うと、まともに風呂につかった経験なんて数えるほどしかないぜ。具体的な数は38回
「アイナさん………………」
「アイナ……………」
「な、何でアタシをだめな子を見る様な目で見つめてくる!!」
「実際、研究以外の事はだめな子ですし」
「ひどいや!!」
しかし温泉か………。今の研究テーマもひと段落したし、行ってもいいかもしれない。
「なら行くか」
「あら珍しい。マスターアイナが人の誘いに乗るなんて」
「藍はアタシをなんだと…………………。まあいいや
なのはも、旅行中はジュエルシードや噂の新しい魔導士の事は忘れて楽しむんだぜ」
「そうだよなのは。なのははいつも頑張り過ぎなんだから」
「う、うん。じゃあ今回は、魔法の事は忘れて楽しむ事にするね」
そんなこんなで、アタシこと相坂 愛奈の高町家となのはのお友達ご一行様の旅行に参加が決定したのだった。
して温泉地。夢の温泉である
そして生まれて初めて、羞恥心と言うものを感じていた
「全員裸でお湯に浸かるとか正気じゃないと思うね」
「今、この世の日本人に喧嘩売りましたね」
いや露天風呂とか特に有り得ないと思うね。全裸で外だぜ、風邪ひくわ。うん、意味解らんね
まぁ単純にアタシが風呂嫌いなだけなんだけど
「ユーノ君。いいかげんに観念してお風呂入ろうよ〜」
「い、いやだから。僕は恭也さんたちと男湯に〜〜〜!!」
そしてあの駄フェレットは一体何を叫んでる? オスメスで言ったらオスだからって人間様の裸を見て照れてるのか?
「あ、わ、わわあ〜〜〜!!」
そして哀れユーノはなのはの友達のバニングス家のお嬢様に連れて行かれて全身をくまなく洗われていた。動物って水が嫌いの多いよね
「つーかなのはの友達って何気に凄い子多くね? バニングスのとこのお嬢に忍の妹さんだろ? 変な小学生は特殊な奴を引き寄せる傾向にあるのか? 類は友を呼ぶ?」
「なのは達はごく普通の小学生です!!」
「自分で自分の事を普通って言う奴に普通な奴はいねぇ」
「ふふ、ならアイナさんは普通の人ってことになるわね」
なのはとお互いを蔑み合ってると、月村さんとこの忍さんが会話に入って来た
「安心しろー。アタシは自分の異常性なんか欠片も認知してねぇ」
「それはそれで問題ねぇ」
「というか私は忍さんとアイナさんが知り合いだったが意外で仕方ないよ」
ちなみに接点はメカいじりなのは言うまでもないだろう。共同開発も少なくない
「にしても………………相変わらずデカいな、それ」
「うん。大きいね」
「あら、なのはちゃんは大きくなったらきっとこれくらいには成るわよ」
「雑にアタシを飛ばしてんじゃねぇ!!」
泣くぞ!? 結構本気で泣くぞ!? 身体の一部分がほんの少しも成長しないアタシに向かってなんて事を言うんだ!!
「アイナ主だったらホルモン調整剤とかでいくらでも大きく出来るでしょうに」
「それしたら負けた気になるんだよ!! 余計な茶々入れんじゃねぇ」
藍は一礼すると、高町 美由希の背中を流しに行った
「あいつはアタシに喧嘩を売りにわざわざこっちまで来たのか。あいつって本当にアタシのメイドなのかよ」
「にゃはは…………」
「何とも言えないわねぇ」
「てめぇら纏めて新薬の実験台にしてやる!!」
そして始まるお風呂での追いかけっこ。そして露呈するアタシの体力のなさ。くそぅ、ドーピング薬かなんか作って忍の胸となのはのケツを揉みしだいてやる
しかし、人並み程度でいいから胸が欲しい………
そしてのぼせた
「くっそ〜。誰だ温泉に入れば疲れがとれるなんて言ったバカは。逆に疲れるに決まってんだろうが…………。だいたい風呂なんてのはわざと身体を疲れさせて効率よく体力を回復させるもんだろうが。アタシは基本3日に1回しか寝ないから風呂なんか入る意味ねんだよ………………」
「何をぶつくさ言ってるのよ。お風呂で走り回ってたアンタが悪いんでしょ!!」
「甲高い声で叫ぶなバニングスのお嬢。あー頭いてぇ…………」
「なにぉう!!」
つーかアタシは年下にどうしてこうも舐められる傾向にあるんだろうか………お嬢にはいきなり、ユーノにはいつの間にか呼び捨て。なのはやフェイトもアタシにツッコミを暴力で入れるのに躊躇なくなってきてるし
「まぁまぁアリサちゃん。アイナさんも抑えて抑えて……………」
「あー、すずかは忍に似ずにいい子だねぇ。忍も最近はレンチで殴ってくるし」
「なのははどうしてアイナさんが生きてるのか疑問です」
閑話休題
さて、ちびっ子どもの面倒を見る様にと藍に言われ眠気で朦朧とする頭をどうにか起動させつつ廊下を歩いている。藍? あのバカアタシをそっちのけで高町 恭也と美由希の二人と剣道ごっこしてる。あの子には一回本気でキレてもいいと思う
「アイナさんはお土産巡りと卓球。どっちがいいですか」
「なんで風呂はいって疲れた後にさらに運動すんだよ…………。つーわけで土産もの見るぞ」
「えーーー」
うっさい金髪。土産物屋見るのだって面倒い事この上ないんだぞこら
「研究バカのもやし」
「よっしゃ表に出ろやエセ金髪!! てめぇのその髪が地毛かどうか確かめてやる!!!」
「なぁ!! そうゆう事言う!? 喧嘩売ってんなら買うわよ!!」
「なのはちゃん。もうやだよこの人のお守り」
「が、頑張ろうすずかちゃん!! 私たちが諦めたら良識派ツッコミ係がいなくなちゃう。言ってて悲しくなって来た」
茶色と紫のお子様二人に凄く心外な事言われた様な気がするが、アリサとの
「はぁい。おちびちゃん達」
なんかすっごい見覚えのある赤髪に声をかけられた
ーアルフ視点ー
やっちまったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
なんでアイナがこんな所でフェイトの邪魔した奴と一緒にいるんだい? やっぱジュエルシードの関係者でフェイトの敵だったのか? でも、だけど…………………
「なんでアルフがこんな所にいんだよ」
「そして何事もなく話しかけてきやがった!!」
あぁ、もう!! フェイトの邪魔になりそうなおちびちゃんに脅し兼忠告に来たらなんでこんなややこしい事になってるんだい。というか、アイナの立ち位置が解らなければあたしからは動きようがないじゃないか!!
「えっと……………どちら様かな」
「このアホもやしの知り合いみたいだけど人の事をいきなり子供扱いはひどいんじゃない?」
「だれがもやしだキーキー声のエセ金髪。これは本物の金髪少女のお姉ちゃんという無理のある設定をゴリ押しで未だに押し通してる居候」
「えっと………………ごめんなさい。なに言ってるか全く解らない」
うん。あたしもその説明でむしろ解らなくなった
えっと……とりあえず
『あんた!! いい子でないとガブッといくからね!!』
『ふえぇ!? いいなりテレパシーで何を…………』
最後まで聞いてる余裕はなかった。何故ならば顎にアイナの有り得ないくらい固い拳が直撃したからだ
「な、なにすんのさ!!」
「なにすんのさ………だと? その台詞、フェイトの前でも言えるのかゴラァ!!」
あ、やばい。なんかハマった
「アタシは、ううん‘私’は信じてたんだぜ!! アンタが本当にフェイトの事を大事にしてるって、あん悲しい目をした女の子の事を大事にしてるって!! なのに、一人で、優雅に温泉旅行とはどういう了見ダァアアアアアア!!!!」
「なんか伏線っぽい一人称までネタにしてきた!?」
「ごちゃごちゃうるせー!! 今すぐフェイト連れて来なさい!! 風呂入り直します。家主命令、異議申し立ては認めません。お土産?なもん知るか!!」
ーフェイト視点ー
ジュエルシードの反応があったから来たはずなのに、なぜか私はお風呂にいます。というか連れてこられました。アイナに
「えっと、フェイトちゃんっていうんだね」
「う、ん………………」
そして数日前にジュエルシードを取り合った女の子とそのお友達も一緒です。どうしようもないくらい気まずい
「フェイト。本当にごめん…………あたしじゃ暴走したアイナを止めきれなかったよ……」
「うん。しかたないよ」
アイナはたまに………結構おかしくなる。食事中でも寝ている時でもおかまいなしに。そしてアハハハハハハハなんて笑いながら鉈を振り回したり、きひひひひひひひとか言いながら魔方陣(後で聞いたらエネルギー伝導装置とかの設計図らしい)を書き出したり……………
そして今回は止める藍もいなくてこうなったようだ。さらにその肝心のアイナは
「きゅう……………」
のぼせて脱衣所で目を回していた。よって事態は収集に向かうはずもない
「えいっ」
「ひゃあっ」
少しアイナの心配をしていると、私と似た色の髪をした女の子が髪を触って来た
「むぅ。確かに綺麗な髪ねぇ………。アイナが本物って言うだけの事はあるわ」
「え、えっと………」
「もうアリサちゃん。初対面で不躾だよ
初めまして、私は月村 すずか。アイナさんとは少し前からの知り合い………というかお姉ちゃんと混ぜるな危険というか………まぁそんな感じです」
「私はアリサ。アリサ バニングスよ。こっちは………」
アリサと名乗った女の子を制して、茶髪の子………………ジュエルシードを集めてる女の子が言った
「こんな形になっちゃったけど……………。私はなのは。高町 なのはです」
「…………………………………………フェイト、テスタロッサ」
これで、お互いの名前を知った。………………………だからどうだと言うんだ。この子が、ジュエルシードを集める限り、私たちは敵同士だ
そう思ったとたん、ここでお風呂に入ってるのが馬鹿馬鹿しくなって来た
「アルフ、出よ」
「あ、フェイト!!」
湯船を出て、脱衣所の扉を開ける
そして一言だけ、私の敵に伝えなければならない事を伝える
「もう、出来るなら私たちの前に現れないで…………私は………」
「全裸でかっこつけても締まらないぜガール」
そしてその瞬間、胸に妙な感触
「む…………少しある。私なんか下と顔隠したら男と間違えられてもおかしくない体型してるのに………」
「きゃ………」
「何を大絶賛セクハラしてんですかこのロリコン&ド変態!!」
そして凄まじい音とともに私の胸を揉んでいたアイナは、藍のラリアットの餌食になった
「く、首……………首と身体が離れる………。どっかの顔が濡れたら力が出ないヒーローみたいになる」
「なれバカ。全く、油断も隙も無い。いい加減にしないと全身の関節外しますよ?」
「………………ごめんなさい」
この人たちはこのやり取りに飽きないんだろうか
「さて…………フェイトさん、アルフさん。このバカご主人は私がとっちめときますので行ってください。踏み込む気はないけど、事情があるんでしょ?」
………………ここはお言葉に甘えておこう
そう思って、私とアルフは温泉を出た。後ろは振り返らずに
ーアイナ視点ー
*あまりにも凄惨な光景なので、音声のみで御送りします。良い子は真似しちゃだめだぞ♡*
「さて、アイナ。どこの間接から外されたいですか?」
「………………あの、藍さん? つかぬ事を御伺いしますが、本気でやるつもりですか?」
「私、冗談は嫌いです」
「いや、やめて、お願い、許して」
「さすがマスター。これが噂の‘フリ’と言うやつですね。押すなよ、押すなよ、みたいな♪」
「んなわけな、ちょ、やめ………ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「ふふふふ、まだ脚が反対を向いただけじゃないですか。そんないい反応されるとテンション上がりって仕方ありません」
「いやもうやめて、マジで痛いから。泣くよ、つーか泣いてるよってNOOOOOOOOOOOOOOOOOoooooooooooooooooo!!」
「大丈夫、大丈夫。骨はまだまだありますよー具体的には後300個ありますから」
「おかしい!! 骨の数と間接の数が間違ってる!!」
「折れた骨も間接に入れました」
「もうやだこのメイド!!」
「まだまだ3個目ですよーどんどんいきますよーふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「だれか助けてぇぇぇぇぇえぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
「しぬ。本当に死ぬかと思った」
「本気で殺そうと思いました♪」
「………」
閑話休題
目指せギャグ100%を合い言葉に書きました。反省も後悔もしている
原作より早い原作メンバーの自己紹介になりましたが…………原作沿い入れたままでもいいのかな?
感想、ご指摘、お待ちしております