ある程度進めたら緋弾のアリアの方も更新するつもりなので気長に待っててくれると嬉しいです。
体が全く動かない………
指の一本すら動かすこともできない………
体中がめちゃくちゃ痛い………特に左胸
アリアが叫んでるのが聞こえる………
てかシャーロックの奴、まだ動けたのかよ………
状況を確認したいけど起き上がれない………
意識もどんどん薄れてく………
キンジの声が聞こえてくる………
キンジ「剣護!」
自分を呼ぶ親友の声を最後に剣護の意識は完全に途絶えた。
途絶える寸前、剣護は自分の体がゆっくりと床へ沈んでいく感覚に包まれた。
幻想郷
そこは人間を含めて多種多様な種族が暮らす、博麗大結界によって現実世界から隔離された土地。
今は夏真っ盛りであり、太陽の光が照りつけ、セミの鳴き声がやかましく響いている。
「はぁ………あっつ……」
そんな夏日の中、神社の境内を掃除している赤い巫女服に身を包んだ1人の少女。
少女の名は、博麗霊夢。
この博麗神社に勤める巫女である。
霊夢「相変わらずあっついわねー……なんでこんな日に宴会なんてやらないといけないのよ」
今日は彼女の友人の思いつきで神社で宴会をすることになっており、その準備として境内を綺麗に掃除していたのである。
「魔理沙さん、いつも唐突に思いつきますからねぇ」
霊夢の後ろから話しかけたのは、博麗神社に住む狛犬、
その手には水の入った桶を持っていた。
霊夢「全く……まあいいわ。あうん、水撒いておいてね」
あうん「はーい」
霊夢「そう言えば萃香とピースは?」
あうん「萃香さんは今日は見てませんよ?ピースさんは他の妖精達の所に行くとか」
霊夢「ふーん……まあいいわ。さっさと宴会の準備を終わらせましょ」
あうん「わかりました!」
箒を仕舞いに神社の裏に行ったところで霊夢は足を止めた。
霊夢「……………………」
霊夢は箒を仕舞うと早足で神社の中に戻ると、お祓い棒とお札を持って出てくる。
あうん「霊夢さん?」
霊夢「あうん、ちょっとお願いね」
あうん「わ、わかりました」
神社をあうんに任せ、霊夢は森の中へと入っていった。
霊夢「この辺りだったわね。人の気配があったのは……全く宴会の準備で忙しいってのに…」
森の中を歩いていくと、微かな血の匂いが鼻をついた。
霊夢「血の匂い……近いわね」
匂いを辿って森の中を進んでいくと、1人の人間が木にぐったりともたれかかっていた。
霊夢はその人間に近づくと状態を確認する。
霊夢「これは酷いわね…ボロボロじゃないの……一応生きてるみたいだけど……それにしてもこいつ何処かで見たことがあるような……………あっ」
霊夢はすぐさま肩を貸すとその人間を神社へと運ぶ。
霊夢「まさかあんたが幻想郷に来るなんてね……とりあえず手当てしないと……」
森を抜けて神社へと出ると、あうんが駆け寄ってくる。
あうん「あ、見つかりましたか……ってその人怪我してるじゃないですか⁉︎」
霊夢「えぇ、手当てするから手を貸してちょうだい」
あうん「は、はい!」
剣護「………………ん…」
剣護が目を覚ますと目の前に見知らぬ天井が映った。
剣護「……どこだ、ここ…」
霊夢「あら、案外早く起きたのね」
剣護「?」
声のした方に振り向くと赤い巫女が横に座っていた。
剣護「………あれ、お前は確か…」
霊夢「久しぶりね」
剣護「………なんでここに…?てか何処よここ」
霊夢「ここは幻想郷にある博麗神社。私の家でもあるわ」
剣護「幻想郷……博麗神社…」
霊夢「あんた森の中で気を失っていたのよ。あのままほっといたら妖怪の餌になってたわよ」
剣護「そうか………っ」
霊夢「まだ寝てないとダメよ。応急の手当てしかできてないんだから」
剣護「そうか………てか体に全く力が入らん」
霊夢「本当なら永遠亭に入院させるのが良いんだけど……何があったのよ?」
剣護「……まあ…ちょっとな」
霊夢「そう…まあ話したくなければ良いわ」
剣護「あー……そのうちなそのうち」
霊夢「それにしても参ったわね……この後宴会があるのよ」
剣護「……宴会ねぇ…なら俺は寝てるとするわ」
霊夢「そうしてなさいな。何かあったら呼びなさい。それと」
剣護「……それと?」
霊夢「あんたの名前。あの時はまだ聞いてなかったから」
剣護「あぁ……剣護。月島剣護だ」
霊夢「剣護ね。博麗霊夢よ」
剣護「あぁ、よろしく頼む……霊夢」
霊夢「えぇ、こちらこそ」
「おーい!霊夢ー!来たのぜー!」
神社の境内から呼ぶ声がして、霊夢は立ち上がる。
剣護「今のは……?」
霊夢「魔理沙ね。それじゃあ私は準備に戻るわ。なるべく誰も入らないようにするけど……もしもの時は呼びなさいよ?」
剣護「あぁ………わかった」
霊夢が境内に出るとそこには、いかにも魔法使いといった格好をした金髪の少女とうさ耳を付けた赤目の少女が来ていた。
魔理沙「よう。手伝いに来たぜ」
霊夢「鈴仙も来てたのね」
鈴仙「お師匠様に手伝ってこいって言われてね」
魔理沙「袖無いけどなんかしてたのか?」
霊夢「ちょっとね。魔理沙は会場の準備してちょうだい」
魔理沙「おう、わかったのぜ」
そう言って魔理沙と呼ばれた金髪の少女は神社の倉庫へと走って行った。
鈴仙「霊夢、私は何をしたらいいかしら?」
霊夢「……あんたが来たってことは永琳も来るのよね?」
鈴仙「えぇ、お師匠様や姫様も来るわ。どうかした?」
霊夢「………ちょっと頼みがあるの」
鈴仙「えらく真剣ね……何かしら?」
陽も傾いてきた頃、博麗神社の境内には宴会に招待されたのか大勢の人が集まっていた。
集まってる人のほとんどが吸血鬼や天狗、亡霊に妖精、鬼など様々な種族であり、その中で人間は少ししかいなかった。
霊夢「……どんだけ呼んだのよ」
魔理沙「あはは……手当たり次第に声かけたらこうなっちゃったぜ」
霊夢「絶対料理とかすぐ無くなるでしょ……妖夢、咲夜頼むわね」
妖夢「幽々子様もいますからね」
咲夜「元々、そのつもりだから任せてちょうだい」
妖夢と呼ばれた白髪の少女と咲夜と呼ばれたメイドはそう答える。
魔理沙「よし、それじゃあ……ちゅうもーく!」
魔理沙は賽銭箱の前に立つと大声で呼びかけると、会場にいる全員が魔理沙に注目する。
魔理沙「えー……今日は集まってくれてありがとな!まだまだ暑い日が続くけど、暑さに負けずに楽しんでくれ!」
そう言って魔理沙は杯を頭上に掲げる。
魔理沙「それでは既に何人か始めてるけど……かんぱーい‼︎」
『かんぱーい‼︎』
魔理沙の音頭に全員一斉に飲み物の入ったコップや杯を鳴らす。
真夏に負けないくらい騒がしく楽しい宴会の始まりである。
魔理沙「よっしゃ!飲むのぜー!」
霊夢「はいはい」
剣護「んん………」
宴会の騒がしさで剣護は目が覚める。
剣護「宴会ねぇ……キンジ達、今頃何してんだろ……」
思い出すのは寮の部屋に皆で集まって、一緒にご飯を食べたり、ゲームをしたりと、今の宴会のように騒いでいる光景。
剣護(………なんか虚しいなぁ)
剣護が気を紛れさせるようにゴロンと縁側の方に寝返りをうつと……
「ばあっ!」
突然、青い髪の少女が剣護の寝ている布団の真横に現れた。
剣護「うおあああああああああ⁉︎」
うおああああああああああああ⁉︎
霊夢「ブフッ⁉︎」
突然、神社に絶叫が響き渡り、酒で潰れている者を除いたほとんどの者が絶叫のした方を向いて、霊夢は盛大に酒を吹き出した。
魔理沙「な、なんだぁ?」
霊夢「ゲホッ!ゲホッ!」
アリス「ちょ、ちょっと大丈夫?霊夢」
霊夢「っ!」
霊夢は立ち上がるとすぐさま縁側の方に走っていった。
霊夢「何やっとんじゃああああああ‼︎」
「あ、霊m…ぐほぁ⁉︎」
縁側に来るやいなや霊夢は青髪の少女にチョップを喰らわせ気絶させた。
霊夢「ハァ…ハァ……大丈夫?」
剣護「あぁ……びっくりしただけだ…ハァ……」
霊夢「ごめん…気をつけてたつもりだったんだけど……ホント気が抜けないわねこいつ…」
剣護「ハァー………あ……霊夢…」
霊夢「あー…?何よ?」
剣護「………………………後ろ」
霊夢「へ?後ろ?…………………あっ」
振り返ると魔理沙を始め、さっきまで騒いでた人達がこちらを覗いてた。
魔理沙「ん?……あー!お前は⁉︎」
咲夜「え、知り合い?」
妖夢「はい、外の世界でお会いしたんです」
アリス「私にとっては恩人にあたるわね」
「外の世界から来た人ですか⁉︎」
「あややー興味深いですねー」
剣護「ちょっ……………」
ぞろぞろと集まってくる人達の前に鈴仙と銀髪の女性、鈴仙が師匠と呼ぶ女性が割り込んでくる。
鈴仙「お師匠様連れてきたわよ」
永琳「はいはい、彼は重傷患者なんだから話は今度にしてちょうだい」
そう言うと魔理沙たち4人以外は宴会場の方へと戻っていった。
鈴仙「ふぅ………何があったのよ?」
霊夢「チルノがいたずらしてたのよ」
剣護「…そいつチルノって言うのか……」
アリス「…大丈夫?ちょっとふらついてない?」
剣護「……んー………」
アリスの言うように布団から体を起こしたままフラフラしてる剣護。心なしか少し顔色も悪い。
鈴仙「手当てしかしてないからね。輸血がまだなのよ」
永琳「念のために器具は持ってきてあるから、すぐ取り掛かるわね」
その後、永琳の処置を受けているといつの間にか宴会場から縁側の方に人が料理や酒を持って集まってきていた。
剣護「いつの間にこんなに集まってたんだよ」
魔理沙「流石に仲間外れは可愛そうだろ?」
鈴仙「お酒飲ませちゃダメだからね?」
魔理沙「わかってるって」
アリス「それにしても人がいるなら言ってくれればよかったのに」
霊夢「言ったらさっきみたいなことになるでしょうが」
妖夢「まあ…確かに……」
つい先程の光景を思い返して目を逸らす3人。
鈴仙「ところで外の世界から来たのよね?」
剣護「そうだけど?」
鈴仙「結構ボロボロだったけど、向こうでは何してたの?」
アリス「えーと、なんだっけ…確か探偵みたいなのだったような…?」
剣護「武偵な」
アリス「あ、それそれ」
剣護「武装探偵っていって、まあ…何でも屋みたいなものかな」
鈴仙「何でも屋でどうしてそんな重傷負うのよ……」
剣護「……ちょっとクッソ強え奴とやり合っただけだよ」
魔理沙「で、負けたと」
剣護「負けてねえよ。勝ったに決まってんだろ。2人でギッリギリな」
妖夢「2人でギリギリって…どんだけ強い人なんですか…」
剣護「世界一の名探偵……とでも言っとくかな」
霊夢「なんか本で読んだような……」
魔理沙「そういやそんな本あったな」
剣護「ん……ふわ………」
クシクシと目を擦り、小さく欠伸をする剣護。
アリス「剣護?」
鈴仙「今になって麻酔が効いてきたのね。よくよく考えてみれば少し前まで戦っていたんだから疲労も溜まってて当然よね」
霊夢「そろそろ宴会もお開きにしましょうか」
魔理沙「そうだな。もういい時間だし」
妖夢「私、片付けしてきますね」
アリス「手伝うわ」
剣護「んー……」
鈴仙「あなたは寝てなさいな」
剣護「…あぁ………」
鈴仙「霊夢、薬はここに置いておくから。食事の後にのませるようにしてね」
霊夢「えぇ、わかったわ」
霊夢達の話を聞きながら、瞼が重くなってくるのを感じる剣護は布団に横になる。すると一気に疲労と眠気が押し寄せてきて、剣護は微睡みの中へと落ちていった。