ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
森の中へ一人向かっていったひなた。そこで見たものは・・・?


第104話「記憶」

 

「ひなた!! どこにいくんだよ!?」

 

「こっちに・・・こっちに、何かいる気がするの・・・!!!!」

 

頭痛で何かの映像が甦ったひなたは他に何かを思い出せると思い、何かがいるんだと思い、森の中をひたすらに走っていた。

 

自身が失われている記憶があると察したひなたは先ほどから図書館の絵本を持って行ったりもしていた。幼い頃に友人と読んでいたはずなのに、思い出せない。だから、持っていけば思い出せるかもしれないと、そう感じたのだ。

 

さらにビョーゲンズを追うために図書館の中を彷徨い、違う入り口を出てしまった。しかし、ここでもこの森っぽい場所を見て、過去の記憶の映像が甦った。

 

だから、この先を行けば・・・・・・何かを思い出せるような気がする・・・・・・。

 

そんな思いを胸に、ひなたは森の中を駆け出していく。

 

「っ・・・!!」

 

やがて、明るく開けた場所が見えてくる。あそこに何かがあると思い、ひなたはそれを信じて駆けていく。

 

そして、光の中を抜けていく・・・・・・。

 

「・・・・・・っ!?」

 

「うぉ!? 結構蝕まれてるぞ!! この辺!!」

 

「うぇ!? この辺にメガビョーゲンがいるってこと!?」

 

その出た先には発電所があり、その建物が赤い靄に侵されているのが見えた。

 

「っ、おい!! あそこ見ろ!!」

 

「? っ、イタイノン!!」

 

ニャトランが見つけた先には、イタイノンと発電機のような頭にロボットのようなボディをしたメガビョーゲンがいた。

 

「メッガメガァ!!!」

 

メガビョーゲンは頭についている2本のアンテナのようなものから電気を放って痺れさせながら、病気で蝕んでいく。

 

「っ、ちょっと!!」

 

「? なんだ、お前なの」

 

ひなたは駆け寄ってイタイノンに怒鳴ると、彼女は振り返ってそう言った。

 

「また何てことしてくれてんの!?」

 

「・・・・・・相変わらず、うるさいやつなの」

 

ひなたの咎めるかのような声に、イタイノンは不快感を露わにする。

 

「メガメガァ!!」

 

その間にメガビョーゲンは電気を放って病気に蝕んでいく。

 

「ニャトラン! 行くよ!!」

 

「ちょっと待てよ!! のどかたちをここに連れて来た方がいいって!!」

 

「で、でも・・・・・・そんなことをしている間に、この場所が・・・・・・!!」

 

ひなたはステッキを構えて変身をしようとするが、ニャトランが制止する。ここはグレースたちも連れて来て共に戦った方がいいと、そう提案したのだ。

 

そうしている間にこの辺一帯が病気で取り返しのつかないことになると思い込んだひなたは戦おうとしたが、以前ゆめポートで一人立ち向かってボコボコにされた過去を思い出して震える。

 

「そ、そうだね・・・・・・のどかっちたちを連れてこなきゃ・・・!!」

 

ひなたはそう思いながら今来た場所を引き返そうとしたが・・・・・・。

 

「メッガメガ!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

逃がさないと言わんばかりに、メガビョーゲンはひなたが逃げようとしている方向に電気を放ち、ひなたは動きを止めてしまう。

 

「何をする気か知らないけど、余計なことはさせないの・・・!!」

 

イタイノンがこちらを険しい表情で見つめていた。

 

「うっ・・・・・・!!」

 

「っ、仕方ねぇ・・・やるしかねぇよ!!」

 

「うん!!」

 

この場を離れさせてくれないと見た二人はなんとか自分たちでやり遂げようとする。

 

「スタート!」

 

「プリキュア、オペレーション!!」

 

「エレメントレベル、上昇ニャ!!」

 

「キュアタッチ!!」

 

ニャトランがステッキの中に入ると、ひなたは光のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

ひなたは、肉球にタッチすると、星をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまとい、黄色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もイメージをしたようなものへと変わり、黄色へと変化する。

 

キュン!

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

ひなたは光のプリキュア、キュアスパークルに変身した。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「メッガメガメガ!!!」

 

スパークルの蹴りと、メガビョーゲンのロボットハンドのような手がぶつかり合う。

 

「メガメガメガァ!!!」

 

「っ・・・!!」

 

メガビョーゲンはそこへ頭部のアンテナから電気を放ち、スパークルは前に転がって避ける。

 

「やぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「メガァ・・・!? メガ、メガ・・・!!」

 

スパークルは素早く動いて、メガビョーゲンの腹部に蹴りを入れてよろけさせる。

 

「少しはやるみたいなの・・・・・・」

 

イタイノンはその様子を無表情で見つめる。

 

「メッガメッガァ〜!!!」

 

メガビョーゲンは頭部のアンテナから電撃を上空に目掛けて放つ。すると、スパークルの上から雷のように降り注ぎ始めた。

 

「うぇ!? うぁ!? うわぁぁぁぁ!?」

 

スパークルは悲鳴を上げながら、雷を間一髪で避けていく。

 

「〜〜〜っ、こっちも〜!!!!」

 

あんまりな不意打ち攻撃に怒ったスパークルは火のエレメントボトルを取り出す。

 

「火のエレメント!! はぁっ!!」

 

スパークルはステッキにボトルをセットして、火を纏った黄色い光線を放つ。

 

「メッガメガ!!」

 

メガビョーゲンは頭部のアンテナから電撃を放って光線を相殺する。

 

「ふっ!! やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルはその隙に木へ飛んで蹴って勢いをつけると、そのままメガビョーゲンの顔面にパンチを食らわせて押し倒す。

 

「・・・・・・あいつに手こずってる場合じゃないの」

 

イタイノンはそう呟くとその場から姿を消す。

 

キュン!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

スパークルはステッキの肉球を一回タッチしてメガビョーゲンに向ける。ニャトランの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。

 

「雷のエレメントさんだ!!」

 

エレメントさんは右肩にいる。スパークルはそれを確認して浄化しようとエレメントボトルを取り出そうとしたが・・・・・・。

 

「っ、あぁぁ!?」

 

いつの間にかそばに移動していたイタイノンが肩を蹴って、横に突き飛ばす。

 

「相変わらず、私に対しては鈍いやつなの」

 

イタイノンは無表情のまま淡々とした様子で話した。そして、電気を纏わせてスパークルへと飛び出していく。

 

「っ・・・!!」

 

スパークルは体勢を立て直して着地するも、そこへイタイノンが電気を纏わせた手を叩きつける。スパークルはとっさに飛び退いて避ける。

 

「・・・・・・・・・」

 

「っ・・・やぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

間髪入れずにイタイノンはスパークルへと飛んでパンチを食らわせようとし、スパークルも負けじと拳を繰り出し、二つの拳がぶつかり合う。

 

それからスパークルとイタイノンは拳や蹴りを出し合い、防ぎ合いの応酬が続く。

 

「なんで、こんな、酷いこと、すんの!? 毎回、毎回・・・!!!!」

 

「私は、一人になりたいだけなの。自分の場所を作りたいだけなの。それをお前たちプリキュアに邪魔されることが、腹立たしくてしょうがないの・・・・・・!!!!」

 

「そのせいでみんなが苦しんで、迷惑を被ってるってわかんないの!?」

 

「誰かがどうなろうと関係ないの!!!! 私以外の奴らなんか、一生苦しんでればいいの!!!!」

 

スパークルとイタイノンはラッシュを繰り広げながら言い合いを繰り返す。

 

「なんでよ!! あんたはクルシーナと同じで、元々人間じゃないの!!??」

 

「っ、黙れなの!!!!」

 

ひなたのこの反論に怒りを大きくしたイタイノンが拳をスパークルの腹部へと叩き込む。

 

「うっ・・・きゃあぁぁ!!」

 

スパークルは吹き飛ばされて地面に転がり、その表紙に一冊の本が落ちた。それはひなたが図書館で探していた懐かしいとされる絵本『弱虫おばけと少女』だった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・??」

 

イタイノンは息を荒くしていたが、落ちた絵本に気づくとそれに近づいていく。

 

「これは、何?なの」

 

「あぁ!? それは・・・!!」

 

イタイノンが本を拾い上げると、スパークルは取り返そうとするかのように手を伸ばす。

 

「お前、こんな幼稚なものが好きなの? 全くもって笑えてくるの」

 

「っ!? やめて!!」

 

イタイノンはあざ笑うかのように言うと電気を持っている手に帯電させる。スパークルは彼女が本を灰にしようと考えたのか、悲痛な声で叫び出す。

 

「ふん、お前の言うことなんか誰がーーーー」

 

ズキン!!

 

「っ!?」

 

電気で絵本を灰にしようとしたイタイノンだが、突然頭に痛みが走る。これは顔を顰めるくらいの頭痛だった。目を見開いた彼女は絵本を見つめる。

 

ズキン!! ズキンズキン!!

 

「っ!! あっ・・・あぁ・・・!!」

 

すると、イタイノンが頭を抑え出して苦しみ始める。今度はハンマーで叩かれたかのような耐えきれない痛み。

 

『ねえ、この絵本のおばけとこの娘、らむっちとあたしの関係だよね!』

 

『どこがなの。どっちもどっちで全然似てないの』

 

『えぇぇぇ、似てるよぉ〜。この怖がりながらも友達になろうとしている娘、らむっちじゃん!』

 

『どっちかと言えばひなたなの。弱虫なこのおばけとダブルパンチなの』

 

『それって、あたしが弱虫で、怖がりってこと!? ひど〜い!!!』

 

「っ!? うっ・・・うぅぅぅ・・・!!!」

 

イタイノンの頭に映像がフラッシュバックしハッとするも、再び苦しみの声をあげる。

 

「え・・・な、何・・・?」

 

「どうなってんだ・・・?」

 

その様子を見つめるスパークルとニャトランは戸惑いの声をあげる。

 

「うぅぅ・・・うぁぁっ・・・あぁぁぁぁ!!!!」

 

イタイノンは頭痛に苦しめられながら、その元凶とも言える本を捨てるように放り投げた。

 

「メッガメガ!!」

 

その先には赤く蝕む行為を続けているメガビョーゲンの姿が。そして、メガビョーゲンがそこに電気を放とうとして・・・・・・。

 

「っ!? ダメー!!!!!!」

 

スパークルはとっさに起き上がって飛び出し、絵本を掴み守るように体の中に抱え込む。そこへメガビョーゲンの雷撃が迫る。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

雷撃がスパークルに直撃して感電し、スパークルが絶叫をあげる。

 

「メガメガァ!!」

 

「うぁぁぁぁぁ!!!!」

 

メガビョーゲンが邪魔だと言わんばかりに、ロボットハンドのような腕を振るってスパークルを吹き飛ばす。

 

「がはっ・・・!!」

 

スパークルは発電所の壁に叩きつけられ、後頭部を強打してしまう。

 

ザザ・・・ザザザ・・・ザザザザザザ・・・・・・。

 

電気を浴びたことなのか、頭をぶつけたことなのか、そのショックでスパークルの頭の中に先ほどの映像が甦る。

 

(あれ? この記憶って・・・・・・)

 

それはスパークルにとっては見たことのある光景だった。それは先ほども見た絵本を一緒に読んだという記憶であった。

 

そのひなたの隣で話している人物のノイズが晴れていく。

 

(??・・・あの娘の姿が出てきて・・・!?)

 

スパークルはその少女の顔を見たときに驚愕した。なんとその人物の顔は・・・・・・イタイノンそっくりだったからだ。

 

(う、嘘・・・?? あの娘って・・・!?)

 

スパークルが呆然と映像を見ていた、その直後・・・・・・。

 

「あぁ!? うっ・・・・・・」

 

「ひなた!! 大丈夫か!?」

 

現実に戻されたスパークルは地面に叩きつけられ呻き声を漏らす。ニャトランの心配する声が聞こえる中、スパークルは体を起こそうとしていた。

 

「だい、じょうぶ・・・!」

 

スパークルはなんとか声を絞り出す。そして、先ほどの映像を思い出していた。

 

(あたし・・・・・・何か、忘れてる・・・・・・?)

 

スパークルが改めて自身の記憶を思い返し、それに違和感を感じ始めた。

 

「うっ・・・・・・!!!」

 

その時、スパークルの胸ぐらが掴まれて持ち上げられる。スパークルが苦しみながらも正体を確かめると、そこには頭痛で頭を抑えながらこちらを怒りの形相で見ているイタイノンだった。

 

「っ・・・お前は、誰なの・・・!? 痛い・・・痛いの・・・!! 頭が痛くて・・・ズキズキして・・・そしたらお前が出てくるの・・・!!!! お前は、何、なの・・・私のことを、知ってるの・・・!!??」

 

「ぐっ・・・うぅぅぅぅ・・・!!!!」

 

イタイノンは痛みに顰めながらも、スパークルをさらに持ち上げて問い詰める。掴まれていることによって首が締まり、スパークルはさらに苦しむ。

 

「っ・・・答えろ・・・なの・・・!!! お前は、私の・・・何なの・・・!!??」

 

「うぁぁ・・・あぁぁぁ・・・!!」

 

イタイノンはさらに腕に力を入れてひねるように動かし、それによってさらに首が締まっていき、スパークルは呼吸が困難になって遂には足をバタバタと動かしながら苦しみ始める。

 

「スパークル!! おいやめろよぉ!!!」

 

「っ・・・・・・」

 

「あっ・・・あ、あっ・・・かはっ・・・」

 

ニャトランがそう訴えるも、イタイノンはスパークルを睨んだままその手を止めようとしない。イタイノンはよくわかっていない頭痛、スパークルは絞め上げられ、二人はお互いのことで苦しんでいる。

 

「メッガメガ、メガァ!!!」

 

「っ!?」

 

そんな時、メガビョーゲンの声が聞こえてイタイノンは我に返る。

 

「この程度で・・・負けるわけにはいかない、の・・・!!!!」

 

「きゃあぁぁ!!!!」

 

イタイノンは侵略活動を続けるメガビョーゲンを見てそう声を絞りながら、掴んでいたスパークルを投げ捨てるように放る。

 

「げほげほげほ!! かはっ!! はぁ、はぁ、はぁ・・・!!」

 

「スパークル!!!!」

 

地面に叩きつけられたスパークルは喉を抑えながら咳き込み、息を整える。

 

「ま・・・ま、って・・・!!」

 

「っ!!」

 

よろよろとフラつかせながらメガビョーゲンの方に向かおうとするイタイノンに、スパークルは酸欠で体をよろけさせながらも背後からタックルするように捕まえる。

 

「スパークル!?」

 

「あんたも、知ってるの・・・? あたしの、こと・・・・・・」

 

「っ・・・・・・!!」

 

「あたしにも、出てくるんだ・・・アンタが・・・・・・」

 

「っ!!??」

 

突然の行動にニャトランが動揺する中、スパークルは声を絞り出して呟くように言う。自身の頭の中にイタイノンが現れると、正確にはイタイノンそっくりの女の子が出てくると。

 

それを聞いたイタイノンは頭痛も忘れて目を見開く。やはり、こいつは自分を知っていると・・・・・・。

 

「っ、うぅぅぅぅ・・・痛い、痛いぃ・・・!!!!」

 

「!? あぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その瞬間、またイタイノンを頭痛が襲った。イタイノンは痛みを誤魔化そうとするかのように体から電気を放電し、スパークルはそれに吹き飛ばされてしまう。

 

「うっ・・・・・・」

 

スパークルは地面に転がりながらも、震える体を必死に立ち上がらせる。

 

「うぅぅぅぅ・・・痛いぃぃ・・・痛いのぉぉぉ・・・・・・!!!!!」

 

イタイノンは頭を両手で抑えながら苦しみ、バチバチバチと放電を繰り返す。そのせいで周囲の木々が焼き切れ、それが発電所の壁に直撃して壊れようとしていた。

 

「っ・・・と、止めなきゃ・・・・・・!!」

 

このままでは周りが被害に遭ってしまうと考えたスパークルは体の痛みを我慢しながら空中に飛び上がる。

 

「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

バチバチバチバチバチ!!!!

 

「っ、あぁぁぁ!!!」

 

イタイノンに目掛けて蹴りを加えようとしたが、放電する雷に当たってしまい、地面へと落下する。

 

「うっ・・・これじゃあ、近づけない・・・・・・!」

 

「どうする・・・・・・?」

 

イタイノンが電気を放出し続けるせいで近づくことができず、ニャトランの言葉でスパークルは考える。

 

イタイノンは頭を抑え始めた時に、電気を放出していたはず・・・・・・だから、あの電気を全て放電させれば頭痛は治まるのでは・・・・・・。

 

スパークルは意を決してもう一度イタイノンへと駆け出す。

 

「ぐっ・・・ぐぅぅぅぅぅ・・・・・・!!!!」

 

イタイノンの雷がスパークルへと向かうも、彼女は雷を避けてイタイノンへと近づいていく。

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルは飛び込むようにして迫り、イタイノンを抱きしめた。

 

「ぐっ!? う、うぅぅぅぅぅぅ・・・・・・!!!」

 

「っ!! な、何をする、の・・・?」

 

スパークルは自身に流れてくる電気に激痛を覚えつつも耐えようとする。それにイタイノンは驚いて戸惑いの声をあげる。

 

「はな、せ・・・! 離せなの・・・!!!!」

 

「ぐっ・・・いや、だ・・・はなさ、ない・・・はなさないん・・・だから・・・・・・!!!!」

 

人が嫌いなイタイノンに耐えられるものではなく、スパークルを振りほどこうとする。しかし、スパークルは激痛に顰めながらもイタイノンを離そうとしない。

 

「離せぇぇぇ・・・・・・!!!!!」

 

バチバチバチバチバチバチバチ・・・ビィィィィィィィィィィ!!!!!!

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

イタイノンはそれに怒り、電気の柱ができるぐらいの放電を放たれる。スパークルは耐えきれずに絶叫をあげた。

 

しかし、その手は離れるどころかむしろ強く掴もうとしていた。

 

「ぐっ、うぅぅぅ・・・・・・!!!!」

 

「スパークル!! 無茶すんなよ!!!」

 

「っ、はな、さない・・・ぜったいに、はなさないんだから・・・・・・!!!!」

 

ニャトランの制止も聞かずに、スパークルはイタイノンをしっかりと掴んでいた。

 

「いい加減、離すの・・・!!!!!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

イタイノンがさらに放電を強く放つと、スパークルからさらに絶叫が響く。

 

そして・・・・・・・・・・・・。

 

ドカァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

電気の柱がさらに太くなると大爆発したような音が響き渡り、黒い煙が舞い上がった。

 

黒い煙が晴れてくると、そこには巨大な大穴が空いており、そこにスパークルとイタイノンの姿が消えていたのであった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スパークルとイタイノンが交戦する数分前・・・・・・。

 

スパン!!! スパン!!!!

 

「うっ!! あぁぁぁ!!!」

 

遠くから狙ってくる謎の襲撃者に、周りを伺っていたアースは左肩と横っ腹に見えない攻撃が命中し、吹き飛ばされてしまう。

 

「「アース!!!」」

 

「っ・・・・・・!!」

 

吹き飛ぶアースを心配するグレースとフォンテーヌ。それをよそにアースは立ち上がり、周囲を警戒する。

 

「っ!! はぁっ!!!!」

 

アースは横から飛んできた見えない攻撃を蹴りで弾き、飛んできた方向を見る。

 

「音のエレメント!!」

 

すかさずハープを取り出すと、音のエレメントボトルをセットする。

 

「ふっ!!!」

 

攻撃が飛んできた方向にハープの音を奏でて、紫色の音波を飛ばす。

 

しかし・・・・・・。

 

スパン!!! スパン!!!

 

「あっ!? きゃあぁぁ!!!!」

 

別の方向から見えない攻撃がハープを弾き飛ばし、さらにまた正面から飛んできた攻撃が腹部に当たって吹き飛ばされてしまう。

 

「遠距離攻撃とは考えましたね。でも、私には通用しません。こっちには瞬間移動もありますから、場所を変えてしまえば無意味なこと」

 

どこかに隠れて狙っているカユイザは遠くから聞こえていない声で呟きながらほくそ笑む。音のエレメントの攻撃を避けて別の場所に移動し、アースを撃ち抜いたのだ。

 

「っ・・・ラビリンたちも加勢するラビ!!」

 

ラビリンの言葉に、グレースは頷くとアースに駆け寄る。

 

「フォンテーヌ、大丈夫ペエ・・・??」

 

「ええ・・・なんとか、戦えるわ・・・・・・」

 

フォンテーヌも痛みを堪えながらなんとか立ち上がり、同じようにアースに駆け寄っていく。

 

三人は背中合わせになって、周囲を警戒する。

 

「背中合わせになって私への死角をなくすという算段ですか。頭を使いましたね。まあでも、そんなことをしても無駄なことですが」

 

その様子を見ていたカユイザはプリキュアに目掛けて片手を突き出して構え、そこから空気の弾を発射した。

 

見えない攻撃はフォンテーヌへと迫り、彼女の足の脛を直撃した。

 

「あっ!? ぐっ・・・・・・!」

 

フォンテーヌは足に走った激痛にしゃがみ込んで抑える。

 

「「フォンテーヌ!!」」

 

グレースとアースがフォンテーヌを心配で見ていると・・・・・・。

 

スパン!!!!

 

「あっ・・・うっ・・・・・・」

 

見えない攻撃は次にグレースの左肩に当たり、痛みに肩を抑え出す。

 

「グレース!!」

 

アースはグレースを心配して見た後、周囲を警戒して構える。

 

「っ!! はぁっ!!!!」

 

アースは正面から飛んでくる見えない攻撃を蹴り飛ばす。

 

スパン!!! スパン!!! スパン!!!!

 

「うっ・・・ぐっ・・・あぁぁぁ!!!!」

 

しかし、すぐに見えない攻撃が体に二回あたり、最後に胸に当たって吹き飛ぶ。

 

「「アース!!」」

 

「うっ・・・・・・立ち止まっててはダメかもしれません・・・!!」

 

吹き飛んだアースは体を起こすと、立ち止まって周囲を警戒するだけではダメと考える。

 

「でも・・・どうやって・・・・・・??」

 

「・・・・・・・・・」

 

周囲を見ているだけではダメ・・・・・・しかし、こちらから遠距離攻撃をしていても相手がどこにいるかがわからない以上、行っても意味がない。では、どうすればいいのか・・・・・・?

 

「・・・もしかしたら、場所を移動してるんじゃないかしら?」

 

「どういうことでしょう?」

 

「あっちはこちらに場所を気取られないように狙って攻撃を仕掛けている・・・っていうことは、さっきの音のエレメントの攻撃を交わして、すぐに移動して別の場所からアースを狙い打ったんだと思うわ」

 

「そんなことをできるのがビョーゲンズに・・・?」

 

フォンテーヌが二人に推測を話す。敵は自分の居場所を探られないように移動しながら狙い撃ち、アースの攻撃をかわしてさらに移動し、別の場所から狙い撃ったのではないかと。

 

「そうだとしか考えられないわ・・・・・・」

 

フォンテーヌはしっかりと断言する。

 

「私の力でなんとかしてみましょう」

 

アースはそう言うと祈るように両手を合わせる。すると、彼女の周囲に風が集まるように纏い始める。

 

すると、アースの体に風が纏わりつくように流れていき、周囲の草木がざわめき始める。

 

アースは目を瞑って聴覚を研ぎ澄ませる。風や空気の流れを味方に取って、敵がどこから攻撃してくるのかを探ろうとしているのだ。

 

「何をしているのでしょうか? ついに諦めましたかねぇ。これはこれで狙いやすいですけどぉ」

 

カユイザはほくそ笑みながらアースに狙いを定めて、手を突き出す。すると・・・・・・。

 

「・・・っ!! はぁっ!!!」

 

アースが何かに気づいたように目を開くと、なんと自分の方に腕をふるって風を飛ばしてきたのだ。

 

「っ!? うっ!!!」

 

風を受けたカユイザは手で顔を覆うようにしながら、その場から姿を消す。

 

「アース、どうしたの・・・?」

 

「向こうに誰かいたラビ・・・?」

 

アースの行動にグレースとラビリンが動揺したように問いかける。

 

「・・・向こうの遠くに淀んだ空気の流れを感じました。今さっきそこに敵はいました・・・!!」

 

アースは風を飛ばした方向に敵がいると確信した。

 

(まさか・・・・・・私の居場所に気づいて・・・・・・??)

 

カユイザは珍しく動揺していた。これまで会った敵、もといヒーリングアニマルの中には自分を倒せる相手はいなかったはず。それをあいつは平然と、あんな方法で居場所を探るなんて普通じゃないと。

 

しかしそう思うと、余計にあいつを潰したいと笑みを浮かべ始める。

 

(これは、狙い甲斐がありますね・・・・・・!!!!)

 

カユイザは再びアースに狙いを定める。

 

「はぁっ!!!!」

 

アースは再びこちらに向かって、風を飛ばしてきた。しかし、カユイザも負けじとそこから姿を消して移動する。

 

カユイザは瞬時に他の場所に身を潜めると、すぐに手を構えて空気の弾を発砲した。

 

「っ! はぁっ!!!!」

 

アースはすぐに気づいて見えない攻撃を蹴り返し、風の力を再び飛ばす。カユイザも瞬時に別の場所へと移動。

 

その後は、一進一退の攻防が続いた・・・・・・。

 

そして・・・・・・・・・。

 

「っ、しまった・・・!!!」

 

「出てきたわ・・・!!!」

 

カユイザは瞬間移動を繰り返していた結果、平衡感覚を失ってプリキュアの前に出てきてしまった。

 

「はぁっ!!!!」

 

「っ・・・!!!!」

 

アースはカユイザに向かって腕をふるって風を放つ。カユイザはとっさにその場から瞬間移動をして避け、風を避ける。

 

「カユイザ!!!」

 

「あら、誰かと思えば弱虫の見習いヒーリングアニマルではありませんか?」

 

ラビリンが現れたビョーゲンズを前に叫び、カユイザは見下したような笑みを浮かべる。

 

「知り合いなの・・・?」

 

「あいつもヒーリングガーデンを襲ったビョーゲンズの一人ラビ!!」

 

「仲間たちをたくさん痛めつけられて、病気にさせられたペエ・・・・・・」

 

グレースが問いかけると、ラビリンは険しい表情を浮かべながら答え、ペギタンはどこか怯えたような表情をしていた。

 

「あなたが私たちを狙っていたのですね・・・!!!!」

 

「はい。メガビョーゲンに夢中の間抜けなあなたたちを狙うのは楽しかったですよぉ?」

 

アースは険しい表情をしているのに対し、カユイザはあっけらかんと答える。

 

「許せません・・・!! ここで今、引導を渡してあげます・・・!!!!」

 

アースは怒りの声を持って構えの体勢を取り、そこへグレースとフォンテーヌが横に並ぶ。

 

「私たちもやるよ!!」

 

「やられっぱなしじゃ終われないもの・・・!!」

 

グレースとフォンテーヌはステッキを構えながらそう言う。

 

「行きましょう・・・!!!!」

 

アースはそう頷くと目の前にいるカユイザを見据える。

 

「何人来ようと返り討ちです」

 

カユイザは不敵な笑みを浮かべながら、片手を突き出すように構えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メッガメガァ!!!!」

 

発電所周辺。イタイノンが不在のまま、メガビョーゲンは頭部のアンテナから電気を放って病気で蝕む行為を続けていた。

 

「あれは、イタイノンのか? 念のため様子を見に来たけど、あいついないな・・・・・・」

 

そこには一時撤退したはずのかすみの姿があった。カユイザの協力を適当に済ませた後、イタイノンの様子が気になってやってきたのだ。

 

いるはずのプリキュアの姿も見当たらない。まだたどり着いていないのか、どこか遠いところで戦っているのか・・・・・・。

 

かすみが発電所周辺を捜索していると・・・・・・。

 

「っ!! なんだ? この大穴・・・・・・」

 

発電所の前に、マンホール・・・いや、それとは比べ物にならないほどの大きな穴が空いているのを見つけた。それにその周辺は地面や木々が少し焼き焦げており、明らかに何かが起こってできたような大穴であった。

 

「周りに誰かがいたわけでもないし、もしかしてイタイノン・・・この穴の中にいるのか?」

 

かすみは辺りを見渡しても、人はすでに逃げ果せているようで、だとしたらこの穴の中にいると考えるのが妥当だ。

 

そういえば、さっきの戦闘もスパークルだけがいなかった。もしかしたら、この中にいるのかもしれないが・・・・・・。

 

かすみは少し大穴を見つめて考えた後、大穴へと近づいていく。

 

「降りてみるか・・・・・・」

 

かすみはそう呟くと懐からダークグリーン色のエレメントボトルを取り出し、黒いステッキにセットする。

 

「ふっ!!!!」

 

黒いステッキの先から空気の塊が出てきて、球体のような空気の塊を作り出される。

 

かすみはその空気の塊の上に飛び乗ると、そのままゆっくりと大穴の中へと降りていく。

 

「スパークル・・・イタイノン・・・・・・」

 

かすみは二人の表情を思い出しながら、大穴の中へと降りていくのであった。

 

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