ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
今回は後日談的な話なので、短めです。
オリストはこれで終わりです。次回より本編に戻っていきます。お楽しみに。
「イタイノン!!」
プリキュア三人とフーミン、両者の間に現れたイタイノン。
「ひなた!!」
フォンテーヌが見据えるその彼女の手にはひなたの姿があった。
そして、その背後から空気の塊に乗ってきたかすみが現れ、そこから降りてイタイノンの側に並ぶ。
「っ、かすみちゃん・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
グレースに名前を呼ばれたかすみはゆっくりと彼女の姿を見据える。
イタイノンはその間に近くにある木へと移動すると、ひなたにもたれかからせるように置く。
「・・・・・・・・・」
「ひなた!!!!」
イタイノンは眠っているひなたを黙って見つめる。そこにかすみから解放されたニャトランが彼女に寄り添う。
「ひなたぁ〜、よかったぁ〜!!!!」
「・・・・・・・・・」
ニャトランが泣きながら彼女に抱きつく中、イタイノンは何も声をかけずに目を瞑ると彼女に踵を返して歩いていく。
「ま・・・待って・・・・・・」
「・・・・・・!」
背後からひなたの声が聞こえきたため、イタイノンが背後を振り返るとひなたはいつの間にか意識を取り戻して、こちらに手を伸ばしていた。
「待ってよぉ・・・・・・らむっち・・・・・・」
「っ!!??」
ひなたからそう聞いて、イタイノンは驚愕した。そんな兆しなどなかったはず、どうしてこいつは自分の人間の頃の名前を知っているのか・・・・・・??
「また一緒に・・・遊ぼうよぉ・・・・・・一緒に山で虫取りに行ったり、おしゃれをしたりしてさぁ・・・・・・」
「っ・・・・・・!!」
ひなたが儚げな声で自分に呼びかけてくる。イタイノンは一瞬呆然としていたが、拳を握りしめて歯を食いしばった後、再び顔を前に向け歩き出す。
「帰るの!! フーミン、カスミーナ・・・!!!」
「はいぃ・・・お姉さまがいるなら幸せですぅ・・・・・・」
「・・・・・・ああ」
イタイノンは声を荒げながら、フーミンとかすみに叫ぶ。フーミンは嬉しそうに微笑みながら、かすみはひなたを見ながらもイタイノンについていく。
(ひなた・・・・・・)
イタイノンは心の中でひなたのその言葉に対する返答を返していた。
「おい、待てよ!!!! なんでひなたを助けたんだよ・・・!?」
ニャトランが背後から問いかけるように叫ぶ。すると、イタイノンは再び足を止めると口を開く。
「・・・別に、そいつが死んだら面白くないだけなの」
イタイノンはそれだけ淡々と告げると、フーミンやかすみと共にその場から姿を消した。
「らむっちぃ・・・・・・」
ひなたは三人がいなくなったその場所に、泣きそうな儚い声でそう呟いた。
「「「・・・・・・」」」
グレースたち三人はその様子をなんとも言えない表情で見つめていた。
その後、プリキュアの変身を解いた三人とひなたは発電所の発電機に聴診器をかざし、雷のエレメントさんの様子を伺っていた。
「エレメントさん、大丈夫ですか?」
『はい! 私はもう大丈夫! 元気です!!』
ちゆが尋ねるとエレメントさんはなんともないということを告げる。
「・・・・・・・・・」
同じように聴診器をしていたひなたは俯いた状態のまま、表情は悲しそうな色をしていた。
「ひなたちゃん・・・・・・?」
それに気づいたのどかはそう呟きながら、ひなたの表情を伺っていた。
その後、図書館へと戻るためにのどかたちは来た道を歩いていた。
「すっかり遅くなっちゃったわね・・・・・・」
「まだ全然、本を読んでません・・・!」
ちゆの言う通り、空はすっかり夕陽が見えていて、もうすぐ帰らなきゃいけない時間だった。
「私もまだ全然読んでな〜い・・・!」
のどかも内心アワアワしていた。ビョーゲンズに対処していて課題が全く進んでおらず、それにもうすぐ門限の時間も迫っている。
「それじゃあ、選んだ本は借りて帰りましょうか」
「ふわぁ〜、それいいね〜」
ちゆがそう提案すると、のどかは笑顔で賛成していた。
「図書館の本は持ち出せるのですか?」
「ええ。専用のカードがあるから、本と一緒に受付に出せば借りることができるの」
「っ!! 図書館の物語を、家でも・・・!!」
ちゆがアスミにそう説明すると、彼女は瞳をキラキラと輝かせた。
「本を読み放題ラビ!!」
「でも、図書館の本を借りれる数は決まってて、普通は一人4冊か5冊ぐらいまでなの」
「そうなのペエ・・・??」
「全部持って行けるわけではないのですね・・・・・・」
「えぇ〜! 全部一気に借りられないラビ〜!?」
「そもそも、図書館のあんな量の本読み切れないわよ・・・・・・」
喜ぶラビリンに、ちゆがさらに補足的な説明をするとアスミとペギタンは理解する。ラビリンは不満を口にしていたが、ちゆは苦笑しながら答える。
みんながそんなお話に盛り上がる中、ひなただけは俯きながら歩いていた。
「ひなたちゃん?」
「うぇ? え? どうしたの??」
それに気づいているのどかがひなたに声をかけると、彼女はハッとしたように答える。
「ひなたこそどうしたの? 元気ないみたいだけど・・・」
いつもはテンションの高いひなたが話に加わってこないことが気になり、ちゆが尋ねる。
「・・・・・・・・・」
ひなたは一瞬顔を俯かせるように考え、みんなの方を見て口を開く。
「あのね、イタイノンのことなんだけど・・・・・・」
「??」
「あの娘、らむっちなの・・・あたしの小さい頃の幼馴染・・・・・・」
「・・・・・・え?」
ひなたはイタイノンが自分の小さい頃の友人だと告白すると、のどかは唖然とした表情になる。
「どういうこと・・・・・・!?」
「ひなたのお友達だったのですか・・・!?」
ちゆとアスミが戸惑ったように問いかけると、ひなたは頷く。
「あたし思い出したの・・・小さい頃に一緒にいた友達のらむっちのこと・・・・・・口調も一緒だったし、服装もあの時とそっくりだった。だから多分、イタイノンはらむっちなんだよ・・・!!!!」
「そっくりさんってことはねぇのかよ・・・!?」
ひなたが記憶を頼りに告白すると、ニャトランは勘違いではないのかと推測する。しかし、ひなたは首を振ってその可能性を否定する。
「あたし、わかるの・・・あれがらむっちだって・・・!! よくわかんないけど、わかるの・・・・・・!!」
ひなたはどうやらで錯覚で友人だと思っている様子。でも、それでもイタイノンが友人だということを否定はできなかった。
「しんらちゃんと一緒だ・・・!!」
「イタイノンも人間だったのはわかってたけど・・・・・・」
「まさか、ひなたの友達だったなんて思わなかったペエ・・・・・・」
のどかとちゆたちは互いに顔を見合わせる。しんらがクルシーナになったのも驚いたが、まさかのひなたの友人がビョーゲンズになっているのも意外だった。
「らむっち・・・なんでビョーゲンズになっちゃったのかな・・・? あたし、昔何か酷いことしちゃったのかな・・・? それが原因でらむっちは・・・!!」
「落ち着いてひなた!!!」
ひなたがネガティブな思考になって、自分が原因でビョーゲンズになったと思い込もうとしたため、ちゆが静止する。
「ひなたはその、らむさんに何かひどいことをしたって思い当たる節はあるの?」
「ない、けど・・・・・・」
「だったら思い込んじゃダメよ!!」
「でも・・・・・・!」
ちゆはそう諭そうとするが、ひなたの不安は解消されている様子はない。
「救おうよ!!!」
「っ・・・・・・!!」
「どんなことがあっても、私はしんらちゃんを救うって決めたの。そのために私は前に進むことを決めたの。ひなたちゃんもそのらむちゃんが悪さをしているんだったら、止めなきゃ・・・!!!!」
「あたしに・・・できるのかな・・・・・・??」
のどかの言葉にも、ひなたは迷っていた。自分が原因でビョーゲンズになったかもしれないのに、そんな自分に友達を救うことができるのだろうか・・・・・・??
「できます!!!」
「っ!!」
「私たちはプリキュアです。あらゆる地球の自然や生きとし生けるものをお手当てをするために戦っています。人間でも・・・友達でも・・・救いたいという気持ちがあれば救うことができるはずです!!!」
アスミの力強い言葉に、ひなたの心は揺れる。そして、そんなひなたの手をのどかが取った。
「だから一緒に戦おう!! 4人で!! 大切なものを取り戻すためにも!! 私たちなら、きっとできるよ!!!!」
のどかは満面の笑みでひなたにそう伝えた。
「・・・・・・ありがとう、みんな。優しいね、らむっちと一緒で」
ひなたはのどかに微笑み返しながらそう言った。
「さあ! 早く本を借りて課題をやりましょう!!」
ちゆは手をパンパンと叩きながらみんなをまとめると図書館に行こうとするが、ふと公園が近くにあり、その時計に目が入る。
「あぁぁ!? 大変!! 早く戻らないと図書館が閉まっちゃうわよ!!!!」
「「「「えぇぇぇ!!??」」」」
ちゆがそう言うと、アスミ以外のみんなが驚く。時計はすでに図書館が閉館する数分前を指していたのだ。
「早く走って!!」
「急ぐラビ!!」
「借りないと宿題ができないよ〜・・・・・・!!!!」
「あたしも、一人で宿題ができるかわかんないんだけど〜・・・!!!!」
「宿題は普通そういうものよ!! 手伝ってもらわないで一人でやるのよ!!!」
「でも、本をどこに置いたっけ〜!?」
みんなは急いで、選んでいた本を借りるために図書館へと走っていくのであった。
(あれ? そういえば・・・あの時の絵本、どこにいったっけ?)
ひなたはそんな中、心の中で持っていたはずの絵本がないことに疑問を抱いていたのであった。
「何?? カユイザが・・・??」
「ええ、プリキュアにやられてしまいましたね。私、見てました」
その頃、ビョーゲンキングダムでは三人娘とフーミン、かすみが今回の作戦でカユイザが消滅したことをキングビョーゲンに報告した。本当は報告したドクルンが独断で始末したのだが、そのことは黙って置いた上でキングビョーゲンに話した。
「ぬぅ・・・ヒエールに続いて、カユイザまでやられたか・・・・・・」
「あいつら、ヒーリングガーデンでも単体で地球を癒せるヒーリングアニマルを病気に侵すぐらいの精鋭だったわよね」
キングビョーゲンが悔しさを隠さずに話すと、クルシーナは思い返したように話す。
「ふん・・・あいつは私に鬱陶しく絡んできたからいい気味なの」
「戦いはお姉様の勝ちですぅ・・・!!!!」
「・・・・・・おふざけをしているのではないのですよ」
イタイノンはそっぽを向きながら淡々と切り捨て、二人が争うことを知っていたフーミンが調子付いて言うと、ドクルンは冷淡に諭す。
「でもさぁ、あいつらまでプリキュアにやられちゃったってなると少し考えないといけないんじゃないの? アタシの見立てでも、プリキュアどもは確実に強くなってるわよ」
「ふむ・・・そうだな。こちらも体制を整えなければならぬかもな」
「まあ、アタシたちもちょっとは考えるけどね」
クルシーナはいつも通りに行ったところで同じことの繰り返しになると懸念を話すと、キングビョーゲンはそのことに同調する。
実のところ、ヒエールはクルシーナが見捨てたために消滅したわけだが、その話には敢えて触れていない。
「こちらも少しは善処しよう。我の復活にも影響するかもしれぬからな」
「はーい」
「わかりました」
「・・・わかったの」
「はいですぅ・・・・・・」
「はっ!!」
キングビョーゲンの娘たちとかすみが返事をしたところで、今日の会合はお開きになった。
その後、廃病院のアジトへと戻ってきたイタイノンはクラリエットの眠る地下室へとやってきていた。
イタイノンは手に持っているひなたの体の中で育っていたテラパーツの赤い靄の一部をクラリエットに与える。すると、クラリエットを包んでいる赤い靄がうねうねと激しく蠢く。
「・・・・・・・・・」
イタイノンはそれを黙って見つめると、踵を返して背を向ける。そして、懐から何かを取り出す。
それは、ひなたが持っていたはずの絵本だった。
「・・・・・・・・・」
イタイノンは絵本を見つめながら、ある記憶を思い返していた。それはひなたと人間だった自分が一緒に笑い合っている姿だ。
『また一緒に・・・遊ぼうよぉ・・・・・・一緒に山で虫取りに行ったり、おしゃれをしたりしてさぁ・・・・・・』
自分が立ち去る寸前に、ひなたが手を伸ばしながら言っていた言葉。あの様子を見て彼女は完全に記憶を取り戻している、そうしか見えなかった。
イタイノンは一瞬顔を顰めると、絵本を懐にしまうと地下室の部屋を後にしていく。
「ひなた・・・・・・もう、遅いの・・・・・・遅すぎたの・・・・・・」
イタイノンはそう呟きながら、自分の部屋へと戻ろうとしていた。
「あっ・・・・・・」
しかし、そのとき何かを思い出したかのようにとある部屋へと方向転換した。
一方、かすみは自身の部屋のベッドで寝転がり、天井を見ていた。
「ふぅ〜・・・・・・」
かすみは今日の疲れを表すかのように、深く息をはいた。
今日も大変だった。カユイザの作戦に付き合わされ、一緒に地球を侵略活動。そこにプリキュアが現れ、キュアグレースと一対一の戦いに持ち込んだ。あの時は本気を出していなかったとはいえ、キュアグレースには敗北。
結果的にカユイザの思惑通りにことが進んだが、そのあとにイタイノンの様子を見に行って欲しいと頼まれ、向かった先には大穴があって、中に入ると病気で苦しんでいるひなたとイタイノンの姿があった。
いろいろなことがあったから、今日はもう寝ようと横に寝返りを打って目を瞑ろうとした。
コンコンコンコン。
「??」
ドアをノックする音が聞こえ、ベッドから起き上がって入口の扉を開ける。
「イタイノン?」
そこにはこちらを無表情で見つめるイタイノンの姿があった。
「カスミーナ、ちょっと付き合え、なの」
「??」
イタイノンから言われた唐突な言葉に、かすみは首を傾げつつも彼女についていく。
連れて来られたのは病院の外にあるテラス席であった。
かすみとイタイノンは向かい合うように座ると、イタイノンは箱を取り出すとテーブルの上に置きフタを開ける。
「っ・・・これは!!」
中に入っていたのは笑顔が焼印されている様々な色のまんじゅうーーーーすこやかまんじゅうであった。
「これ、お前にやるの」
「ほ、本当か・・・・・・!?」
「・・・・・・嘘ならお前にはやらないの」
イタイノンはかすみにまんじゅうを食べるように言うと、かすみは瞳をキラキラとさせる。
「じゃ、じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・・・・」
かすみは恐る恐るまんじゅうを手に取ると、ビニールの包みを剥がして一口かじる。
「うんぅ〜、美味しい〜!!!!」
かすみは興奮するほどに感嘆すると、手に持っているまんじゅうを口に頬張ると、箱に入っている次のまんじゅうに手を伸ばす。
包みを剥がしてまんじゅうを口に入れて頬張ると、また次のまんじゅうに手を伸ばす。
「・・・・・・・・・」
イタイノンは次から次へとまんじゅうへと手を伸ばすかすみを呆然と見ていた。
「はむ、はむ・・・んぅ〜、この味も最高だな〜!!!!」
それを他所にかすみは御構い無しに、すこやかまんじゅうを食べ続ける。
「お前・・・少しは遠慮するの・・・!!」
「んむぅ? 食べていいと言ったのはイタイノンだろ?」
「ぐっ・・・・・・!」
あまりにもハイスピードで食べるかすみにそう諭すイタイノンだが、かすみが指摘すると悔しそうな表情を見せる。
「ふんっ・・・!!」
だが、すぐにそっぽを向いて鼻を鳴らした。
「さっきのお礼か? 私はいらなかったぞ。だって、仲間を助けるのは当然だろ?」
「っ・・・・・・!!」
バッ!
「あっ・・・!?」
「だったら、もうやらないの・・・!!!」
かすみのその言い方に怒りを覚えたイタイノンは箱を取り上げてそう言い放つと、テラス席を立ち上がって廃病院へと戻っていく。
「そ、そんな・・・ま、待ってくれ・・・!! 悪かった・・・悪かったから・・・もっと食べさせてくれ・・・!!!!」
かすみはその言葉に呆然とした表情を浮かべると、涙目になりながらイタイノンを追いかけていく。
「お前はもう十分食ってるの・・・!!!」
「まだ足りない・・・足りないんだぁ・・・だから頼む、もっと食べさせてくれ・・・!!!!」
「あとは私の分なの・・・!!!!」
「食べかけでもいいからぁ・・・!!」
「やかましいのっ!!!!」
かすみが懇願して、イタイノンが拗ねたように拒否するという和やかな会話を繰り広げながら二人は廃病院の中に戻っていく。
「ふふふっ・・・・・・♪」
「イタイノ〜ン、頼むよ〜・・・・・・!!」
イタイノンは笑いを零しながら、その背後を泣きそうな声のかすみが追いかけていたのであった。
一方、同じく戻ってきたドクルンの部屋では・・・・・・。
「さて・・・これらの使い方をどうしようかしら?」
ドクルンが見つめるデスクの上には、カユイザを始末して回収した大量のメガパーツのようなものがあった。
「これは私たちの一部がパーツになったということでいいのかしらね? テラパーツってことかしら?」
カユイザを氷漬けにしてバラバラにした際に、その氷が赤い靄に侵食されて自分たちが生み出したテラパーツと同じような色となったことから、これはテラパーツで間違いないだろうと考える。
ドクルンはテラパーツの一つを手に取ると、それを見つめる。
「どういう使い方が・・・・・・」
ドクルンは自分たちがテラパーツをどのように使用していたのかを思い返す。プリキュアの三人にこのテラパーツを埋め込んだ。確認ではキュアグレースがクルシーナ、キュアスパークルがイタイノン、そして自分がキュアフォンテーヌに埋め込んでいる。それ以外では全く使用していない。
「ふむ・・・・・・」
他の使い方を考える。テラパーツは色が違えども、メガパーツに形は似ている。メガパーツのときは人に埋め込んだり、メガビョーゲンを急成長させるのに利用した。
だが、その使い方では面白くない気がする。せっかくのテラパーツをそのようなことで無駄遣いしたくはない。
ふと考え付いたのは、あまりビョーゲンズらしくないかすみを進化させるためにメガパーツを使用したことだ。その結果、かすみは進化を遂げてメガビョーゲンを召喚できるようになった。
この際、相手ではなく自分に使うというのはどうだろうか。その反面、クルシーナからは生み出したばかりのテラビョーゲンに埋め込んだ結果、怪物のような姿になったことも聞いている。
だが、そういうスリルを味わうのも悪くはないかもしれない。究極の存在である自分がこのテラパーツを埋め込んだらどうなるのか。
「ふふっ、ものは試しね♪」
ドクルンは不敵な笑みを浮かべながらそう呟くと、手に持っているテラパーツを躊躇なく自分の体に押し当てる。
ズズズズズズ・・・・・・。
自身に当てたテラパーツがドクルンの体の中に入り込んでいく。そして・・・・・・。
ドックン!!
「ぐっ・・・・・・!?」
その瞬間、ドクルンの体に激痛が走り、彼女は胸を抑えて始める。
「なる、ほどね・・・カスミーナも、こんな苦しみを味わってた、のね・・・・・・」
カスミーナも感じていた死ぬほどの痛みと苦しみ、今は自分がそれらを味わっている。
ドクルンが表情を苦痛に歪める中、彼女の体から禍々しいオーラが溢れ出していく。
「ぐっ、うぅぅぅ・・・うっ・・・!! うああああああああっ!!!!!」
そして、ドクルンの絶叫が上がったと共に禍々しいオーラが大量に溢れ出し、包まれていくのであった・・・・・・。