ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
悪のプリキュア戦士、キュアハザードの実力とは?
「はぁっ!!!!」
カスミーナが変身したプリキュア、キュアハザードは黒いステッキを振るって光弾を連続で放つ。
「「「ぷにシールド!!」」」
グレース、フォンテーヌ、スパークルの三人はステッキからシールドを展開して光弾を防ぐ。
「アース!! 今のうちにギガビョーゲンを!!」
「はい!!」
グレースの呼びかけに、アースがギガビョーゲンへと飛び出していく。
「行かせるか!!」
ハザードは光弾を発射するのをやめると、その場から姿を消してアースの前に姿を表す。
「っ!?」
「はぁっ!!」
「あぁっ!!!!」
ハザードはキックを繰り出して、アースを吹き飛ばす。
「やぁぁぁぁっ!!」
「っ・・・・・・!!」
そこへグレースがハザードへと飛び出して、肩を掴み共に地面へと落下していく。
「ふっ!!」
「っ・・・!!」
ハザードは地面へと叩きつけられた流れで、蹴り上げて背後へと吹き飛ばす。グレースは地面へと着地して、ハザードへと向き直る。
「やはり、お前を倒さないとビョーゲンズの祈願は達成できないようだな・・・!!!」
ハザードもステッキを構えてそう言うと、懐から暗いピンク色のエレメントボトルをセットして、ステッキから黒い刀身を伸ばす。
「実りのエレメント!!」
それを見たグレースは実りのエレメントボトルをステッキにセットして、ピンク色の刀身を伸ばす。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」
両者は同時に飛び出して刀身を振るい、刀身と刀身がぶつかり合う。
「みんな・・・今のうちに、ギガビョーゲンを・・・・・・!!」
「うん!!」
「ええ!!」
グレースはハザードを抑えつけながら、フォンテーヌとスパークルにそう言うと二人はギガビョーゲンへと飛び出していく。
「っ・・・・・・!!!!」
ガキン!! ガキンガキン!! ガキン!!!!
刀身と刀身を振るい合い、激しい音を立てていく。
「ふっ!! はぁっ!!!!」
「っ!! やっ!! はぁっ!!!!」
刀身の応酬とそれを避けつつの、途中で蹴りを織り交ぜた攻撃をしつつ、二人は激しくぶつかり合う。
「っ・・・はぁぁぁっ!!!!」
「っ!? ふっ!!!」
するとハザードは距離を取って刀身を地面に突き刺すと、そこからグレースに向かって黒色のオーラが放たれる。グレースは足元でオーラの柱が上がる前に、空中へ飛んで避ける。
シュイーン!!
「はぁっ!!!」
「っ・・・うっ・・・!!」
そこへ空中へと瞬時に現れたハザードが黒いオーラを纏ったパンチをグレースに繰り出す。グレースはとっさに腕を交差させて防ぐも、吹き飛ばされる。
「喰らえ!!!」
「っ、きゃぁっ!!!」
地面に着地をするグレース、そこへハザードが黒い刀身を振るって三日月状にして飛ばし、グレースは刀身で防ぐも爆発を起こして、ダメージを受けてしまう。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・」
「どうした? もう息が上がってるのか?」
グレースは片膝をついて息を荒くしており、それを余裕のハザードが不敵な笑みで見つめる。
「グレース、大丈夫ラビ・・・!?」
「はぁ・・・はぁ・・・まだ・・・戦えるよ・・・!」
ラビリンが心配するも、グレースはゆっくりと立ち上がる。まだ数分しか戦っていないのに、もう息が上がってきた感じだ。
「仲間を一人、こっちに呼んだほうがいいんじゃないのか?」
「はぁ・・・はぁ・・・バカにしないで・・・!!」
挑発するハザードに、グレースは反論するとエレメントボトルを取り出す。
「葉っぱのエレメント!! はぁっ!!」
グレースは葉っぱのエレメントボトルをステッキにセットすると、ピンク色の光弾を連続で発射する。
「ふん・・・・・・」
ハザードは鼻を鳴らすと暗い朱色のエレメントボトルをステッキにセットする。
「ふっ・・・!!!!」
ステッキから放たれる黒い音の波動に光弾は、なんと吸い込まれていき、逆に音波が大きくなっていく。
「嘘・・・・・・?」
「エレメントの力を吸収したラビ・・・!?」
グレースとラビリンはその光景に信じられない表情を浮かべる。
「っ・・・あ、ぐっ・・・・・・」
その呆然とした隙に音波を受けてグレースは動きが止まってしまい、不快音に表情を苦痛に歪ませる。
「はぁっ!!!!」
「っ!? ぐっ・・・・・・!!!」
そこへハザードが低く飛んでキックを繰り出す。グレースはそれに気づいて間一髪で、腕で防ぐも威力が強く、苦しい表情を見せる。
グレースは距離を取って着地し、再びハザードへと駆け出す。
「はぁぁぁっ!!!!」
「ふっ!!!」
グレースはパンチを繰り出し、ハザードは回し蹴りを放ち、手と足がぶつかり合う。
「ふっ!! はっ!! やぁっ!!!!」
「うっ・・・くっ・・・うぅ・・・!!!」
ハザードはこことぞばかりにもう片方の足で蹴りを繰り出し、左右とパンチを連続で繰り出す。グレースは蹴りはとっさに回避するも、パンチは避けきれずに受け止めて呻く。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「うぅぅぅぅ・・・!!!!」
ハザードはミドルキックを腹部に目掛けて繰り出し、グレースはその攻撃に大きなうめき声をあげて吹き飛ぶ。なんとか着地するが、グレースは腹部を抑えながら苦痛の表情を浮かべる。
「はぁっ!!!!」
「っ、うぅぅぅ・・・!!!!」
そこへハザードは容赦なく更にパンチを繰り出し、グレースを吹き飛ばして地面に転がせた。
一方、ギガビョーゲンに立ち向かうフォンテーヌとスパークルは・・・・・・。
「ギガァ・・・・・・」
「はぁっ!!」
フォンテーヌは額帯鏡から光線を放とうとしたギガビョーゲンの顎に蹴りを食らわせる。
「あぁぁっ!!」
しかし、ギガビョーゲンは仰け反るだけで効いておらず、逆に右手でフォンテーヌをはたき落とす。
「ギィ・・・・・・」
「はぁっ!!!!」
そこへスパークルが高速で移動して、攻撃を浴びせる。
「ふっ!!!!」
更にハザードに吹き飛ばされていたアースも合流し、同じようにギガビョーゲンに攻撃を浴びせる。ギガビョーゲンに何度も攻撃を与えていく二人。
「ふっ!!!」
そこへフォンテーヌも加わって、連続で攻撃を浴びせて、ギガビョーゲンの動きを止める。
「おぉぉぉぉりゃぁ!!!!」
スパークルはギガビョーゲンの頭に踵を落とすが・・・・・・。
「うぅ、うわぁぁ!!!!」
ギガビョーゲンには効いておらず、逆に顔を動かしただけで弾かれてしまう。
「フォンテーヌ!!」
「ええ!!」
キュン!
「「キュアスキャン!!」」
フォンテーヌはステッキの肉球に一回タッチして、ギガビョーゲンに向ける。ペギタンの目が光り、ギガビョーゲンの腹部に蜂須賀先生がいるのが見えた。
「先生はあそこペエ!!」
「フォンテーヌ、行きますよ!!」
アースの言葉にフォンテーヌは頷くと、アースは凄まじい竜巻を起こして、自身とフォンテーヌを包み込む。それはギガビョーゲンも思わず、顔を覆うほどの風圧だ。
そして・・・・・・。
「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
風の勢いを利用して、二人は竜巻きの中から飛び出し、同時に回し蹴りを放った。
しかし、それすらもギガビョーゲンに効いていない様子で、ギガビョーゲンは空中の二人に視線を向けて、額の額帯鏡から禍々しい光線を放つ。
フォンテーヌは即座にシールドを張って防ぎ、地面に着地する。
「・・・・・・打たれ強いのね」
フォンテーヌはギガビョーゲンを見つめながらそう言う。
「ギガ!!」
すると、ギガビョーゲンは両手から青白く光る爪のようなものを出す。
「何あれ!? 危ないじゃん!!」
「ギガァ!!!!」
フォンテーヌたちが警戒する中、ギガビョーゲンはその爪を一斉に投擲する。
アースはうまく避けて地面へと着地する。
「っ、ふっ!! うわぁっ!!!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スパークルも避けて地面に着地するが、距離を取ろうとしたところを続けざまに放たれた爪攻撃を受けてしまい、崖の下の海へと落下してしまう。
「スパークル!!!!」
「ガ・・・・・・!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
フォンテーヌが心配して見る中、ギガビョーゲンは腹部の無影灯を伸ばして機関銃のようにミサイルを放ち、それを食らったフォンテーヌも海へと落下していった。
そして、ギガビョーゲンは一人残ったアースに襲いかかろうとする。
「ふっ!!!!」
ギガビョーゲンの繰り出すパンチを瞬時に避け、空中でハープを奏でて風の刃を連続で放つ。
「っ・・・!!」
しかし、それもギガビョーゲンには通用しておらず、ギガビョーゲンはアースを掴むとそのまま地面へと投げ飛ばした。
「っ!! はぁっ!!!!」
「うっ・・・くっ・・・うぅぅ・・・・・・!!!!」
グレースは容赦のないハザードのパンチの応酬を受けて、防戦一方だった。
「うっ・・・はぁっ!!!!」
グレースは首を傾けて避け、その繰り出した隙を狙って、パンチで応戦しようとするが・・・・・・。
「ふん・・・はぁっ・・・!!!!」
「うっ!?」
「っ!!!!!!」
「あぁぁぁっ!!!!」
ハザードは逆にそれを体を動かすだけで片なく避けると、腹部に膝蹴りを食らわし、更に回し蹴りを繰り出して吹き飛ばす。
「っ・・・はぁっ!!!!!」
ハザードは更に攻撃を加えようと、ステッキを右から左に回すと4つの赤く禍々しい光弾を出現させると、グレースに目掛けてステッキを振るうと同時に赤く禍々しい光線を放った。
直撃を受けたグレースは更に吹き飛んで、地面へと転がった。
「うっ・・・うっ・・・!」
グレースはボロボロで呻き声を上げながらも、立ち上がろうとしていた。
「ふっ・・・そろそろ諦めたら?」
その様子を見ていたダルイゼンが笑みを浮かべながらそう言う。
「バラバラのお前たちなんかに勝ち目などないと思うが?」
同じようにハザードも、不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
「はぁ・・・はぁ・・・絶対に、諦めない・・・!!」
「っ・・・!!!!」
息を荒くしながらも再び立ち上がってそう言うグレースに、ハザードは顔を顰める。
「絶対に・・・助ける・・・!! 先生に、もっとたくさんの人を助けてもらうために・・・!!!!」
「ふん・・・馬鹿馬鹿しい・・・! 自分のことだけ考えていた方が気楽だろうに・・・!!」
グレースの言葉に、ハザードは不機嫌そうな表情でそう言う。
「カスミーナ・・・あなたには、わからないかもしれない・・・でも、人は人と支え合うから・・・生きていけるの・・・・・・!!!!」
「っ・・・その言葉をお前らが言うかっ!!!!」
グレースの強気な主張に、激昂するハザード。
「いいだろう。お前のその言葉と、私の力・・・・・・どっちが強いか決めようじゃないか・・・!!!!」
ハザードはそう言いながら、先ほど変身に使ったエレメントボトルを取り出して、黒いステッキにセットする。
すると、黒いステッキに弦のようなものが現れて、手持ちの部分が曲がってボウガンのような形になる。
「エレメントチャージ・・・・・・」
ナノー、ナノー、ナノー!!!!
ハザードはボウガンになったステッキの先で逆ハートマークの模様を空中に描き、ナノビョーゲンの顔を三回タッチする。
「イルネスゲージ上昇・・・・・・」
ステッキのハートマークに黒い光が集まっていき、ボウガン部分に矢のようなものが形成されていく。
「プリキュア・・・イルネス・ストライク!!!!」
ナノー!!!!
カスミーナはそう叫びながら、狙いを定めて引き金を引くと先が矢のような形となったエネルギー波が発射され、一直線にグレースへと飛んでいく。
「グレース、こっちもラビ!!」
「うん!!」
ラビリンの言葉を受け、グレースも花のエレメントボトルをステッキにセットする。
「エレメントチャージ!!」
キュン!キュン!キュン!
グレースは花のエレメントボトルをステッキにセットし、ハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。
「「ヒーリングゲージ上昇!!」」
ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。
「プリキュア!ヒーリングフラワー!!」
グレースはそう叫びながらステッキからピンク色の光線を放つ。光線は螺旋状になりながら、一直線に向かっていく。
かすみの放った矢のような黒い光線、グレースの放ったピンク色の光線、二つの光線がぶつかり押し合う。
「うっ・・・・・・!」
「・・・・・・・・・」
グレースは苦しそうにしていたが、ハザードは表情を全く変えずにその先を見据えている。
「私は・・・負けない・・・!! 先生を、助けるんだ・・・!!!!」
「・・・・・・ふん!!」
グレースはそう叫びながらピンク色の光線の勢いを強くし、ハザードは鼻を鳴らしながら光線の勢いを強くする。
そのエネルギーが大きくなっていくと同時に、大爆発を起こす。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
グレースとハザードは同時に駆け出しながら、実りのエレメントボトル、暗いピンク色のエレメントボトルをセットし、刀身を作り出す。
そして・・・・・・・・・。
ガキン!!!!!!
お互いに刀身を振るって、すれ違いざまに一線しあう。
「「・・・・・・・・・」」
ステッキを振り抜いた状態のまま、動かない二人。そして・・・・・・・・・。
「っ・・・・・・・・・」
その二人のどちらかが、膝をついたのであった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
アースは叩きつけられた地面から飛び出して拳を繰り出し、ギガビョーゲンの拳に防がれながらも懸命に攻撃をし続ける。
渾身の一発もギガビョーゲンに防がれ、アースが距離を取ろうと下がるも、ギガビョーゲンが額から光線を放つ。アースはジャンプをして光線を避ける。
「ギガァ!!!!」
「うっ・・・・・・!!」
しかし、ギガビョーゲンは立て続けに両手から青白い光の爪のようなものを投擲し、アースは攻撃を受けてしまう。
「ギガ・・・・・・」
「っ・・・・・・」
倒れ伏すアースに、ギガビョーゲンは再度両手の爪を出してトドメを刺そうとした。
「雷のエレメント!! はぁぁぁぁっ!!」
「ビョビョビョビョビョ!?」
海に落ちていたスパークルが復帰し、雷のエレメントボトルをステッキにセットし、ギガビョーゲンに目掛けて雷を纏った黄色い光線を放ち、感電させる。
ザッパァ・・・・・・。
「はぁぁぁぁぁ!!!!」
大きな水飛沫を上げてフォンテーヌも復帰し、水のエレメントボトルをセットしたステッキを上にかがけてギガビョーゲンの周囲に水蒸気を発生させて視界を遮る。
その隙にフォンテーヌとスパークルは、アースの元に駆け寄る。
「行け!! アース!!」
ニャトランの言葉を合図に、アースはハープに音のエレメントボトルをセットする。
「音のエレメント!!」
「ギガ・・・・・・」
ギガビョーゲンは水蒸気の中で、プリキュアを見失ったようで辺りを見渡して探していた。
アースはその隙にハープの弦を指で弾くと、ギガビョーゲンの周囲に小さな円のようなゲートを無数に出現させると、そこからビームを連続で発射される。
「ギ・・・ギギ・・・ギガ・・・!?」
ギガビョーゲンはこの連続攻撃によって、動きを封じられた。
「っ・・・あいつらまだ!!??」
ダルイゼンはやられたと思っていたプリキュアたちを信じられない様子で見ていた。
「みんな、遅れてごめん!!」
そこへハザードと戦っていたグレースが合流し、プリキュア4人が揃った。
「行くラビ!!!!」
ラビリンの言葉を合図に、ラテが大きく鳴き声を上げる。
「「「「ヒーリングっどアロー!!!!」」」」
4人がそう叫ぶとラテがステッキとハープ、エレメントボトルの力を一つにまとめた注射器型のアイテム、ヒーリングっどアローが出現する。
その注射器型のアイテムに、ハートの模様が描かれたエレメントボトルをセットする。
「「「「ヒーリングアニマルパワー!! 全開!!」」」」
ヒーリングアニマルたちのダイヤルが回転し、その注射器型のアイテムが4つに別れるとグレースにはラビリン、フォンテーヌにはペギタン、スパークルにはニャトラン、アースにはラテの部分で止まり、グレースたち4人の服装や髪型などが変化し始める。
そして、4人の背中に翼が生え、いわゆるヒーリングっどスタイルへと変化を遂げる。
「「「「アメイジングお手当て、準備OK!!!!」」」」
4人は手に持っている注射器のレバーを引くと、虹色のエレメントパワーがチャージされる。
「「「「OK!!!!」」」」
そして、パートナーのヒーリングアニマルたちがダイヤルから光となって飛び出し、思念体の状態になって現れ、パートナーに寄り添った。
「「「「プリキュア!ファイナル!! ヒーリングっど♡シャワー!!!!」」」」
プリキュアたちがそう叫ぶと、レバーを押して4色の螺旋状の強力なビームを放った。4色のビームは螺旋状になって混ざり合いながら、ギガビョーゲンへと向かっていき光へと包み込んだ。
ギガビョーゲンの中で4色の光は、それぞれの手になって中に取り込まれていた蜂須賀先生を優しく包み込む。
ギガビョーゲンをハート状に貫きながら、4色の光線は蜂須賀先生を外に出した。
「ヒーリン、グッバイ・・・・・・」
「「「「「「「お大事に」」」」」」」
「ワフ~ン♪」
ギガビョーゲンが消えたと同時に、岬に広範囲に渡って蝕まれていたその周辺が元の色を取り戻していく。
「・・・・・・ふん」
ダルイゼンは静かにその場から退却していった。
「なんとか浄化できたわね・・・・・・」
周辺が元に戻ったことに、フォンテーヌが安堵しながらそう呟いた。
・・・・・・その時だった。
「うっ・・・ぁ・・・・・・」
グレースが突然崩れ落ちてそのまま地面へと倒れ伏し、プリキュアの変身が解けてしまった。
「「のどか!!」」
「のどかっち!!」
突然の出来事に驚いた3人はのどかへと駆け寄る。
「のどか!! 大丈夫ラビ!? のどか!!!!」
ラビリンが必死に呼びかけるも、のどかは目を瞑って呻いたまま返事を返さない。
「なんで!? カスミーナには、勝ったんだよね・・・!?」
スパークルはグレースがハザードに勝利して、こちらに駆けつけてきたと思い込んでいたため、倒れたのどかを見て戸惑いを隠せなかった。
「うっ・・・・・・ごめん、ね・・・・・・負け、ちゃった・・・・・・」
のどかはわずかに反応すると、3人に謝罪の声を残してそのまま意識を失った。
「のどか!! のどかぁ!!!!」
ラビリンが動揺して、のどかに必死に呼びかける。
「どうやら・・・限界だったようだな・・・・・・」
「「「っ!!!」」」
そこへ掛けられる声、プリキュアの3人は振り向くとそこには腹部を抑えながらこちらを見るカスミーナの姿があった。
実はグレースとハザードは最後の一閃で相討ちとなっており、これまでのダメージも蓄積していたグレースはギガビョーゲンを浄化した後に、力尽きて倒れてしまったのだ。
「助けると言った割には・・・弱いな・・・・・・」
カスミーナは傷の痛みに顔を顰めながらも、笑みを浮かべてのどかをあざ笑う。
「かすみっち、なんてこと言うの!?」
「私はカスミーナだ・・・かすみなどという偽りの存在ではない・・・!!!!」
スパークルに非難されたカスミーナは逆に反論して訂正する。
「いいえ、あなたはかすみよ。誰がなんと言おうと、あなたはかすみなのよ!!!!」
「黙れ!!!!」
フォンテーヌに睨まれながらそう言われた、カスミーナは激昂する。
「・・・ふん。何とでも、そう言っているがいいさ。またな・・・プリキュア・・・・・・」
カスミーナはすぐに冷静さを取り戻しながらそう言うと、その場から姿を消していった。
「ねぇ、のどかっち、どうするの!?」
「とにかく、まずは家まで運んで・・・・・・!」
慌てるスパークルに、フォンテーヌが冷静にそう言った、その時だった・・・・・・。
「クチュン!!」
「「「「「えっ!?」」」」」
突然、ラテがくしゃみをして再び体調が悪くなり、それを見たフォンテーヌたちが驚きの声をあげた。
「また・・・どこかで別のビョーゲンズが・・・!?」
「っ・・・こんな時にかよ・・・!!!!」
アースはすぐに聴診器を取り出して、ラテに当てる。
(街で、先生が泣いてるラテ・・・・・・)
「「「っ!!??」」」
フォンテーヌたちはラテの心の声を聞いて、中島先生がギガビョーゲンにされたことを知るのであった。
しかしそれを聞いても、のどかは目を瞑ったままだった・・・・・・。
その頃、すこやか市の病院近くの街では・・・・・・。
「ギーガー・・・・・・」
クルシーナの生み出した看護師姿のギガビョーゲンが、ナースキャップを被っている頭部の2本の注射器から赤い光線を打ち出して、辺りを病気に蝕んでいく。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ギガビョーゲンの近くにいた人々が悲鳴をあげて逃げ惑う。
「・・・・・・・・・」
そんな惨状が起こっている中、クルシーナは高台の上でギガビョーゲンを見つめていた。その表情は嬉々したものではなく、むしろ寂しそうな表情であった。
「ギーガー・・・・・・」
ギガビョーゲンはそんなクルシーナの気持ちとはお構いなしに、頭部の注射器から赤い光線を放って広範囲を蝕んでいく。
「・・・・・・・・・」
『しんらちゃん、お加減はどう?』
『ご飯はちゃんと食べないと、元気になれないわよ?』
『辛かったらいつでも私に言ってね。力になれると思うから・・・』
クルシーナの頭の中に浮かぶのは笑顔の中島先生。自分を叱ったこともあったが、あの女性の顔が心に暖かく思えてくる。忘れたはずなのに、忘れられない・・・そんな感情を抱いていた。
「・・・・・・・・・」
自分の胸に手を当て始めるクルシーナ。今まで感じたことのないものがそこに現れていた。
「・・・なんで」
クルシーナは顔を俯かせながら、体を震わせ始める。
「なんで・・・なんでよ!? なんでこんなに・・・・・・苦しいのよ・・・・・・!?」
ビョーゲンズになってから、感じないと思っていた気持ち・・・・・・クルシーナはせっかく楽になれたのに、またこんな気持ちを抱き始めた自分に苛立ちを覚えていた。
そうだ・・・あいつだ。あの女がいるから・・・・・・悪いんだ・・・・・・!
そう感じたクルシーナは振り払うように首を振ると、再びギガビョーゲンの方を見る。
「ギガビョーゲン!! ここ一帯を徹底的に蝕みな!!!!」
「ギーガー・・・・・・」
クルシーナは苛立ち任せに指示を出し、それを受けたギガビョーゲンは注射器から光線を放って次々と蝕んでいく。
「ねぇ、クルシーナ・・・・・・」
「・・・・・・何よ?」
「中島先生をギガビョーゲンにしたこと、後悔してるウツ?」
ウツバットはクルシーナにそう問いかけた。先ほどから中島先生に会った時のクルシーナの様子がどう見てもおかしい。ギガビョーゲンを生み出す前も躊躇している一面を見せており、中島先生をギガビョーゲンにした際も怪物を切なそうに見つめていた。
クルシーナが嫌いな医者とは言え、恩人でもある彼女をギガビョーゲンにしたことを悔やんでいるのではないかと思ったのだ。
「・・・まさか! アタシを苦しめる奴なんか、苦しんでればいいのよ」
「っ・・・・・・・・・」
クルシーナは冷淡な態度を取るも、ウツバットは絶対に本心じゃないと悲しそうな表情を浮かべる。
「さてと・・・場所を移動するか・・・・・・ギガビョーゲン、あっち行くよ」
「ギー・・・ガー・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
クルシーナはここ一帯は完全に蝕めたと判断し、海のある方向へと向かって行く。しかし、その表情はウツバットに取った言動とは逆に、複雑な表情を浮かべていたのであった。
一方、プリキュアたちは、のどかの家へと戻ってきていた。
「とりあえず、ベッドには寝かせたけど・・・・・・」
一旦プリキュアの変身を解き、のどかを自身の部屋のベッドの上に寝かせる。苦しんでいる様子はないが、彼女はまだ目を覚ましていない。
「かすみっちに負けて、ダメージを受けただけだと思うんだけど・・・・・・」
「でも、さっきも息を荒くしていたから・・・・・・心配ラビ・・・・・・」
ひなたは特に大きな大病を患ったわけではないので大丈夫だと思いつつも、パートナーのラビリン同様に心配な様子で見ていた。
「のどかには一旦休んでもらいましょう。ラビリン、私たちはもう一体のギガビョーゲンを・・・!!」
「みんな、気をつけてラビ・・・!!」
ちゆはそう言うと、ラビリンも無茶をしないようにという激励をし、三人は頷くと暴れているギガビョーゲンを止めるべく、のどかの家を飛び出していく。
「のどかぁ・・・・・・」
ラビリンは眠っているのどかを心配そうに見つめていたのであった。