ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
傷ついたのどかを家に置き、3人でギガビョーゲンを止めようとするプリキュアたちだが・・・・・・。


第119話「胸痛」

 

のどかを家へと残し、ギガビョーゲンの元へ向かうために駆け出したちゆたち3人。街の中へと駆け出し、ギガビョーゲンが暴れたと思われる場所が見えたので行ってみると・・・・・・。

 

「ひどい・・・・・・!」

 

「これ全部、ギガビョーゲンの仕業なの・・・!?」

 

病院近くの木々などが赤い病気に染められており、ちゆたちはその光景に心を痛めていた。

 

「ラテ、お疲れのところすみません。ギガビョーゲンはどこにいますか?」

 

アスミはギガビョーゲンの場所を探るため聴診器をつけて、ラテに当てる。

 

(先生は、あっちの方で泣いてるラテ・・・・・・)

 

ラテは海の方向を向きながら、そう心の声を発した。

 

「ギガビョーゲンはあっちです・・・!!」

 

「行きましょう!!」

 

アスミがラテが示した方向を指差すと、ちゆたちはその方向へと駆け出していく。

 

「ギーガー・・・・・・」

 

ギガビョーゲンは頭部の注射器から禍々しい光線を放って、海周辺を病気に蝕んでいく。

 

「・・・・・・・・・」

 

クルシーナはそのギガビョーゲンの様子を複雑な心境で見つめていた。

 

「カスミーナに、ついてもらえばよかったかな・・・・・・」

 

クルシーナは空を見上げながら、ボソリとそう呟いた。

 

「いたわよ!! ギガビョーゲン!!」

 

「っ・・・!!」

 

そこへ声が聞こえてきたかと思うと、クルシーナはその方向へと振り向く。それを見てクルシーナは笑みを浮かべる。

 

「あら、やっと来たんだぁ?」

 

「クルシーナ!!」

 

「あんたも進化しちゃってたの!?」

 

クルシーナが進化して変貌した姿に、みんなは驚きの声を上げる。

 

「悪い? アタシだって、新たな力を得たいもんね」

 

座りながらそう言ったクルシーナは何かを思いついたように立ち上がる。

 

「ちょうどいいわ・・・相手してくんない? さっきからイライラして辛抱ならなかったのよね・・・!!」

 

クルシーナは黒いピンク色のオーラを放出させながらそう言った。

 

「何でしょう・・・さっきのダルイゼンよりも邪悪というか・・・寒気がします・・・・・・」

 

アスミは先ほどのダルイゼンが進化した時よりも、邪悪な気配を感じており、少し武者震いをしていた。

 

「みんな、とにかく行くぞ!!」

 

ニャトランの言葉を合図に、みんなは変身アイテムを構えた。

 

「「「スタート!」」」

 

「「「プリキュア、オペレーション!!」」」

 

「エレメントレベル、上昇ペエ!!」

「エレメントレベル、上昇ニャ!!」

「エレメントレベル、上昇ラテ!!」

 

「「「キュアタッチ!!」」」

 

ペギタン、ニャトランがステッキの中に入ると、ちゆ、ひなたはそれぞれ水のエレメントボトル、光のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

アスミは風のエレメントボトルをラテの首輪にはめ込む。すると、オレンジ色になっているラテの額のハートマークが神々しく光る。

 

ちゆとひなたは、肉球にタッチすると、水、星をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまとい水色、黄色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もそれぞれをイメージをしたようなものへと変わり、ちゆは水色、ひなたは黄色へと変化する。

 

ラテとアスミは手を取り合うと、白い翼が舞い、ラテが舞ったかと思うとハートの中から白い白衣のようなものが飛び出す。

 

その白衣を身に纏い、ラテが降りてきたかと思うとハープが飛び出し、さらにアスミは紫色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

衣装にチェンジした後、ハープを手に取り、その音色を奏でる。

 

キュン!

 

「「交わる二つの流れ!」」

 

「キュアフォンテーヌ!」

 

「ペエ!」

 

ちゆは水のプリキュア、キュアフォンテーヌに変身。

 

キュン!

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

ひなたは光のプリキュア、キュアスパークルに変身した。

 

「「時を経て繋がる、二つの風!」」

 

「キュアアース!!」

 

「ワン!」

 

アスミは風のプリキュア、キュアアースへと変身した。

 

「・・・ふん。ギガビョーゲン、やっちまいな」

 

「ギーガー・・・・・・」

 

クルシーナの指示を受けたギガビョーゲンは頭部の注射器から赤く禍々しい光線を放ち、さらに辺りを病気に蝕んでいく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

フォンテーヌが空中へと飛び出し、ギガビョーゲンに目掛けてキックを繰り出す。

 

「ギガ・・・・・・」

 

「っ、あぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは手に持っていたカルテのような手で防ぎ、逆にフォンテーヌをはたき落とした。

 

「ギー・・・ガー・・・・・・」

 

「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは再び注射器から赤い光線を放つ。スパークルが光線を避けながら、ギガビョーゲンの顔面にパンチを繰り出す。

 

「ギー・・・・・・」

 

「っ・・・・・・あぅ!!」

 

しかしギガビョーゲンには通用しておらず、スパークルを片手で掴むと地面へと放り投げて叩きつけた。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ガー・・・・・・」

 

アースは強い風を纏って飛び出し、ギガビョーゲンへとキックを繰り出す。ギガビョーゲンはカルテのような手を振り回して防ぐ。

 

「っ・・・・・・」

 

「ギーガー・・・・・・」

 

ギガビョーゲンはアースへと視線を向けると、頭部の注射器から赤い光線を放つ。アースは寸前で空中へと逃げる。

 

「っ、あぁぁぁ!!!!」

 

しかし、ギガビョーゲンは連続で赤い光線を放ち、アースは避けきれずに当たってしまう。

 

「雷のエレメント!! はぁっ!!」

 

「ギガ・・・ガー・・・・・・?」

 

スパークルは雷のエレメントボトルをセットし、ステッキから雷を纏った光線を放つ。ギガビョーゲンはその攻撃によって、動きを止めた。

 

キュン!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

フォンテーヌはその隙に肉球を一回タッチして、ギガビョーゲンへと向ける。ペギタンの目が光り、ギガビョーゲンの胸の部分に中島先生がいるのを発見した。

 

「中島先生・・・絶対に、助けます!!」

 

フォンテーヌはギガビョーゲンへと向かって飛び上がり、そこへスパークルとアースも続く。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」

 

3人は同時にギガビョーゲンに目掛けてパンチを繰り出す。

 

「っ、きゃあぁぁぁ!!!!」

 

それでもギガビョーゲンには通用しておらず、スパークルは顔を動かしただけで弾き飛ばされてしまう。

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

フォンテーヌは空中へと飛び出して、ギガビョーゲンの顔面にキックを放つ。

 

「ギーガー・・・・・・」

 

「っ・・・きゃあぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは顔を顰めただけで、すぐにフォンテーヌを片手のカルテのようなもので吹き飛ばした。

 

その後ろをアースが受け止め、地面へと着地する。

 

「っ・・・やっぱり、強い・・・!!」

 

ギガビョーゲンの強さを再び思い知らされるフォンテーヌ。

 

「ギガ・・・・・・・・・」

 

そんなギガビョーゲンはつけている聴診器のようなものの先端を浮かせると、そこから周辺に赤く禍々しいビームを広範囲に放つ。

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

「うわあぁぁぁぁぁ!?」

 

着弾したビームの爆発を凄まじく、フォンテーヌとスパークルが思わず悲鳴をあげてしまうほどであった。

 

「うぇ・・・あんなの食らったらヤバイじゃん・・・!!??」

 

スパークルが攻撃の激しさに体を震わせていると・・・・・・。

 

「ギーガー・・・・・・」

 

「っ・・・・・・!!」

 

ギガビョーゲンは聴診器からのビームを連続して放つ。プリキュアたちは放たれるビームを各人避けていく。

 

「ギガー・・・・・・」

 

「あっ・・・!?」

 

するとギガビョーゲンはもう片方の手のように形成された包帯のようなものを解くと、空中へ逃げたスパークルを拘束する。

 

「ギー・・・・・・!!」

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンはそのまま勢いをつけて放り投げ、近くの海へと拘束したまま投げ飛ばした。

 

「ギガー・・・!!!」

 

さらにギガビョーゲンは解かれた包帯のところからメスのようなものを突出させると、それを赤く光らせ、それを振るって三日月型の斬撃を放つ。

 

「っ・・・あぁぁぁぁぁ!!!!」

 

フォンテーヌはバク転してそれを避けるも、続けざまに放たれた斬撃を避けきれずに食らってしまい、吹き飛ばされて地面に転がる。

 

「音のエレメント!!」

 

アースはハープに音のエレメントボトルをセットして弦を奏でる。ギガビョーゲンの周りに円状のゲートが開き、そこからビームが連続で発射される。

 

「ギ・・・ガ・・・・・・?」

 

この攻撃によって、ギガビョーゲンは動きを封じられる。

 

「氷のエレメント!! はぁっ!!」

 

その隙を狙ってフォンテーヌが氷のエレメントボトルをセットし、頭部の注射器に目掛けて氷を纏った光線を放つ。

 

「ギガ・・・・・・?」

 

注射器は完全に凍りついて、ギガビョーゲンは光線を放てなくなった。

 

「よし!!」

 

フォンテーヌは完全にギガビョーゲンの攻撃を封じたとそう思った。

 

「・・・・・・ふんっ」

 

「っ!? あぁぁぁ!!!!」

 

そこへクルシーナが人差し指からピンク色の禍々しいレーザーを放ち、アースは直撃を受けて吹き飛ばされてしまう。

 

「アース!!!!」

 

「アタシもいるってこと、忘れてない・・・?」

 

フォンテーヌはアースを心配してみるも、クルシーナが空中へと飛びながら4つの赤く禍々しい球を出現させると、それらを全てフォンテーヌへと投擲した。

 

「っ!!!」

 

フォンテーヌはとっさにぷにシールドを張って、投擲された弾を防ぐも、地面に着弾したものは凄まじい爆発を起こす。

 

シュイーン!

 

「ふん!!」

 

「っ!? きゃあぁぁぁぁ!!!!」

 

その背後からクルシーナが現れ、キックを繰り出してフォンテーヌを吹き飛ばす。

 

フォンテーヌはすぐに地面へと着地して立て直すも、そこへクルシーナがピンク色の禍々しいオーラを手に纏わせて追撃しようと飛びかかる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「っ・・・うっ!!!!」

 

「ふんっ!!!!」

 

クルシーナはオーラを纏ったパンチを繰り出し、フォンテーヌは腕で防ぐも少し吹き飛び、さらに手を広げてピンク色の光弾を連続で放つ。

 

ザパァ・・・・・・!!

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

海の中から復帰したスパークルがギガビョーゲンへと飛びかかり、かかと落としを放とうとする。

 

「ギーガー・・・・・・」

 

「っ・・・あっ!?」

 

すると、ギガビョーゲンは片方のカルテのようなものを引っ込めると、入れ替わりにピンセットのようなものに変えるとスパークルに向かって突き出して、繰り出した足を掴む。

 

「ガー・・・・・・」

 

「うわぁぁぁぁっ!!!!」

 

「ギガー・・・・・・」

 

ギガビョーゲンはスパークルを投げ飛ばすと、もう片方のメスのようなものから斬撃を放って追撃する。

 

「空気のエレメント!! はぁっ!!」

 

そこへアースが飛び出して、ハープに空気のエレメントボトルをセットして空気の塊を放ち、斬撃を相殺する。

 

「っ・・・・・・!!」

 

スパークルは地面へと着地すると、エレメントボトルを取り出す。

 

「火のエレメント!! はぁっ!!!!」

 

ステッキに火のエレメントボトルをセットして、火を纏った光弾を連続で放つ。

 

「ギガー・・・・・・」

 

ギガビョーゲンは片手のピンセットを引っ込めると、カルテを出して光弾を防ぐ。

 

「〜〜っ、攻撃が当たんない・・・!!」

 

「これは厳しいですね・・・・・・」

 

「ギーガー・・・・・・」

 

焦るスパークルとアースに、ギガビョーゲンはカルテを引っ込めて、メスのようなものへと変えると両手の二つのメスを頭上で合わせる。すると、大きな禍々しい赤いオーラの塊が生成される。

 

「うぇ!? 何あれ!?」

 

「ギガァ・・・!!!!」

 

スパークルが慄いている中、ギガビョーゲンはその赤いオーラの塊を投擲する。

 

「「あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

 

二人は赤いオーラの塊を避けきれずに、直撃を受けて吹き飛ばされてしまう。

 

「くっ・・・うっ・・・くっ・・・・・・!!」

 

クルシーナは片腕から生やすイバラの茎を鞭のように何度も振るって攻撃し、防御するフォンテーヌは苦痛に呻く。

 

「はぁっ!!!!」

 

「きゃあぁ!!!!」

 

防戦一方のフォンテーヌに対して、クルシーナは強烈なキックを繰り出して吹き飛ばす。フォンテーヌはなんとか踏ん張って倒れないようにしたが、膝をついてしまう。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「どうした? こんなもんってわけ? アタシはまだまだ相手して欲しいんだけど?」

 

息を荒くしているフォンテーヌに対し、クルシーナは余裕の表情で見つめる。

 

「フォンテーヌ、無理しちゃダメペエ・・・・・・!」

 

「でも、ここで抑えないと・・・この街が・・・・・・!」

 

ペギタンが心配してそう言うも、フォンテーヌはなんとか立ち上がってステッキを構える。

 

「っていうか、今日はキュアグレースはいないのね」

 

「グレースがいなくても、私たちが食い止めるわ・・・!!!!」

 

クルシーナはプリキュアがもう一人いないことを指摘するも、フォンテーヌは強い口調で言い返す。

 

「わざわざこんな先生を助けるために必死になるなんて、バッカみたい」

 

クルシーナは不機嫌そうな表情でプリキュアたちの行動をバカにすると、手のひらを広げて薔薇のような花びらを放出させると、舞っているそれらを全てフォンテーヌへ投擲する。

 

「くっ・・・うぅぅぅ・・・あぁぁぁ!!!!」

 

花びらはカッターのような切れ味で高速で襲いかかり、防御が取れなかったフォンテーヌをボロボロにして吹き飛ばしていく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!!」

 

クルシーナは空中へ飛んでフォンテーヌへと飛び蹴りを繰り出し、直撃を受けたフォンテーヌはそのままクルシーナと一緒に地面へと叩きつけられるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねえ、のんちゃん・・・・・・』

 

『どうしたの? しんらちゃん』

 

『アタシたちの病気って・・・なんで治らないのかな・・・?』

 

『わかんないよ。私も突然体がうまく動かなくなって、苦しくなって・・・・・・』

 

『そうだよね・・・・・・』

 

病院時代、幼い頃ののどかとしんらは自身の病気について話していた。

 

『お医者さん・・・治す気ないのかな・・・・・・?』

 

『そ、そんなこと・・・ないと思う・・・・・・』

 

『だって、私の病気・・・数ヶ月経っても治らないんだもん。お医者さん、治して見せるって言っておいて、私に嘘ついてる・・・・・・?』

 

『それは、違うよ・・・!!!!』

 

そう叫んだのどかにしんらの動きが止まり、ゆっくりとこちらを向き始める。その姿はクルシーナへと変えていた。

 

「しんら、ちゃん・・・・・・?」

 

のどかの姿もいつの間にか現在の姿に戻っており、真っ暗な空間の中、クルシーナがこちらに両手を伸ばしてこちらに歩いてくる。

 

そして、伸ばされたクルシーナの手はのどかの首へといき、彼女の首を掴んだ。

 

「ぐっ・・・ぁ、うっ・・・・・・!」

 

ーーーー助けると言った割には・・・弱いな・・・・・・。

 

「う、あぁ・・・や、やめ、て・・・・・・」

 

のどかはクルシーナの腕を掴んで引き剥がそうとすると、頭の中にカスミーナの声が流れ込んできた。

 

ーーーー自分のことだけ考えていた方が気楽だろうに・・・・・・。

 

「うっ、やめて・・・・・・!!」

 

ーーーー助けるなどという言葉を、お前らが言うか!!!!

 

「やめてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

のどかがそう叫ぶと真っ暗な空間が急に明るくなり、家の天井が目に映った。

 

「のどか!? のどかぁ!! 大丈夫ラビ!?」

 

「ぇ・・・わ、私は・・・・・・?」

 

心配する表情のラビリンが視界に入るも、状況がよくわかっていないのどかはふと体を起こす。

 

「あっ、ぐっ・・・・・・!」

 

「あっ、動いちゃダメラビ!! 怪我をしているラビ!!」

 

「っ・・・・・・?」

 

その瞬間に体に痛みが走り、表情を苦痛に歪ませるのどか。ラビリンが心配してのどかに寄り添う。気がつくと右腕、頭部と腹部には包帯が巻かれており、自分が怪我をしていることを察する。

 

「あ・・・そうか・・・・・・私、かすみちゃんに負けて・・・・・・でも、ギガビョーゲンを止めないといけないって思ったら、体が動いて・・・・・・!」

 

「のどかは本当に無茶しすぎラビ!! あのままギガビョーゲンの浄化に向かって、倒れたときには胸が痛くてどうなるかと思ったラビ!!」

 

のどかは自分がカスミーナ、キュアハザードに敗北を喫したことを思い出す。ラビリンはそんな彼女に抱きついて叫び、涙を流していた。

 

「ラビリン・・・ごめんね・・・・・・」

 

のどかはラビリンを心配させてしまった自分を反省し、ラビリンを抱きしめながら謝罪した。

 

「あ・・・ちゆちゃんたちは・・・!?」

 

「3人で現れたもう一体のギガビョーゲンを止めに行ったラビ・・・・・・」

 

「っ!!!!」

 

のどかはこの場にいないちゆたちのことをラビリンから聞くと、目を見開くとベッドから飛び起きようとする。

 

「あっ・・・うっ・・・!!」

 

「のどかぁ!! 安静にしてなきゃダメラビ!!」

 

のどかは足に痛みが走って膝をついてしまい、ラビリンは行かないように諭す。

 

「行かなきゃ・・・! 行かないと・・・ちゆちゃんたちが・・・・・・!!」

 

「怪我している状態で、戦ってもさっきと同じラビ!! どうしてか体力が落ちているのも心配なのに・・・・・・!」

 

のどかはちゆたちの元へ行こうと足を動かした。ギガビョーゲンは4人でないと浄化できない。自分があの場にいないことで、ちゆたちが足止めしかできず危ないと、のどかは瞬時に考えたのだ。

 

しかし、ラビリンは怪我をしている状態ではやられるだけだと、のどかを安静させようと諭そうとする。それに反してのどかは足を引きずりながらも、ギガビョーゲンの元へと行こうとしていた。

 

「のどか・・・・・・・・・」

 

ラビリンは一人行こうとするのどかを心配そうに見つめていたが、のどかの意思を優先することにして彼女の後をついて行く。

 

のどかは自分の家を飛び出して、街へと向かっていく。

 

「のどか! ラビリンはのどかの選んだことに従うラビ!! でも、体が苦しくなったらすぐに言うラビ!!」

 

「・・・うん。ありがとう」

 

追いついたラビリンがそう言うと、のどかは微笑みながらそう言った。

 

「うっ・・・行こう!!」

 

のどかは体を懸命に引きずりながらも、ラビリンと共にギガビョーゲンの元へと向かっていく。

 

その途中、街の中でギガビョーゲンによって蝕まれた場所へと差し掛かる。

 

「これは・・・・・・」

 

「ギガビョーゲンはきっと、この先にいるラビ!!」

 

「・・・・・・早く元に戻さなくちゃ」

 

のどかは小さく呟きながらそう言うと、ラビリンが指し示す方向へと向かっていく。

 

「行くよ! ラビリン!!」

 

「ラビ!!」

 

のどかはステッキを取り出しながら、ラビリンにそう呼びかけた。

 

「スタート!!」

 

「プリキュア、オペレーション!!」

 

「エレメントレベル、上昇ラビ!!」

 

「キュアタッチ!!」

 

ラビリンがステッキの中に入ると、のどかは花のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

そして、肉球にタッチすると、花をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまといピンクを基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もイメージをしたようなものへと変わり、ピンク色へと変化する。

 

キュン!

 

「「重なる二つの花!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

のどかは花のプリキュア、キュアグレースに変身したのであった。

 

一方、ギガビョーゲンと交戦中のプリキュア3人は、状況を覆せず苦戦を強いられていた。

 

「プリキュア!ヒーリング・ハリケーン!!!」

 

「プリキュア!ヒーリング・フラッシュ!!!」

 

アースはアースウィンディハープから、スパークルはステッキから必殺技を繰り出す。

 

「ギーガー・・・・・・」

 

ギガビョーゲンはメスになっている両腕を頭上で合わせると、赤く禍々しいオーラの球を生成するとそれを投擲する。

 

オーラの球とアースとスパークルの必殺技がぶつかり合うが、やはりギガビョーゲンの攻撃は強く、二人の必殺技は呆気なく突破される。

 

「「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

そのままオーラの球は二人へと直撃してダメージを与えた。

 

「っ・・・やぁっ!! おらっ!!!」

 

「ふっ・・・うっ・・・くっ・・・!!!!」

 

フォンテーヌはクルシーナにパンチで責められて、防御するのが精一杯だ。

 

「はぁっ!!!!」

 

「っ・・・・・・!!!」

 

クルシーナは回し蹴りを繰り出して、フォンテーヌを地面へと吹き飛ばす。

 

「うっ・・・っ・・・!!!!」

 

「くっ・・・・・・!!!!」

 

スパークルとアースは体を震わせながらもなんとか立ち上がる。

 

「うっ・・・くっ・・・!!!!」

 

フォンテーヌも同じようになんとか立ち上がるが・・・・・・。

 

「ギーガー・・・!!」

 

「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

「・・・・・・ふん」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは二本のメスの腕を赤く光らせると、斬撃を放ってスパークルとアースを吹き飛ばし、クルシーナは人差し指からピンク色の禍々しいレーザーを放ってフォンテーヌを吹き飛ばした。

 

「うっ・・・・・・!!」

 

「くっ・・・・・・!!」

 

「あぁ・・・・・・!!」

 

ギガビョーゲンとクルシーナに追い詰められ、ボロボロにされたプリキュア3人。皆、体に力が入らず、意識が混濁していて立つことができない。

 

「パワーアップしたプリキュアの力ってこんなもんなの? ダサっ。少しは期待できると思ったんだけどなぁ」

 

クルシーナは倒れている3人を見下ろしながらそう言った。しかし、その表情に晴れやかな様子はなく、むしろ不機嫌そうな表情だった。

 

「くっ・・・まだ、終わりじゃ・・・ないわよ・・・・・・!!」

 

「諦めたりなんか・・・しないんだから・・・・・・!!」

 

フォンテーヌとスパークルは強気に返しながらも、体を起こせるだけで立つことができない。

 

「医者なんか助けて何になるのよ? 患者に都合のいいことばっかり言って、いつまで経ってもその患者の病気を治してくれない、そんな奴を助けて誰のためになんだっての!!」

 

クルシーナは不機嫌そうな表情で、少々怒りを交えたように語気を強めて言う。

 

「大体そいつはね、自分から罰を与えるようにお願いしてきたのよ。アタシの姿を見るなりして、泣きそうな顔ですがりついてねぇ」

 

「・・・!?」

 

クルシーナの告白に、フォンテーヌが信じられない表情をする。

 

「そんな・・・・・・中島先生が、クルシーナに・・・・・・!」

 

「嘘です!! そんなの・・・・・・!!」

 

「まぎれもない事実よ。アタシが治ってないって言ったら、自分から手を掛けるぐらいにヤバい状態だったわ」

 

フォンテーヌが衝撃に言葉を失い、アースは強い口調で反論するが、クルシーナは肯定して突き返す。

 

「あんたが・・・治ってないって言ったから、先生が落ち込んじゃったんじゃないの・・・!?」

 

「だって、本当に治ってないし。治ってないのに、治ったなんて言うわけないでしょ」

 

スパークルが非難に近い言葉を言うも、クルシーナは悪びれもせずに言い返す。

 

「先生が罰を与えてくれって言ってたんだから、ここで先生を助け出すのは先生のためにならないんじゃないの? それに先生も助かったところで、落ち込んだままになるだろうし、余計なおせっかいだって思うんじゃない? 感情のないギガビョーゲンにしておけば、悲しみもしないわよ」

 

「それは違うわ!! それで放っておいていい人なんているわけないじゃない!!」

 

クルシーナの言葉に反論しようとする、フォンテーヌだが・・・・・・。

 

「何が違うのよ? 先生は助けてって言ったの?」

 

「そ、それは・・・・・・!」

 

「言ってないでしょ? 助けてとも言わないのに、いい迷惑になる奴だっているでしょうに」

 

クルシーナに反論する前に、次々と切り捨てられる。

 

「でも・・・だからって、悲しんでていい人なんているわけないじゃん!! 先生だって、本当はこんなことを望んでいるわけじゃ・・・!!」

 

「お前にアタシと先生の何がわかるってのよ!? 重い病気にもなったこともないくせに!!」

 

スパークルの言葉に、苛立ったような怒りの声で主張するクルシーナ。

 

「先生はアタシに罰を与えて欲しいって言ったのよ!! それが全てなの!! だから、これは正当な行いなのよ!!!! 先生のことをそんな風に言う奴はアタシが許さない!!!!」

 

クルシーナは強い口調に、フォンテーヌたちは何も言うことができなかった。彼女がここまで言うということは、中島先生は本当に願ったのだろう。クルシーナに蝕まれることを・・・・・・。

 

「っ・・・・・・・・・」

 

クルシーナの声が聞こえていたのか、ギガビョーゲンの中で意識を失っているはずの中島先生の眉がピクピクと動いた気がした。

 

「・・・・・・好きなんだね、先生のことが」

 

「っ!!??」

 

背後から聞こえる声にクルシーナはビクッとする。声がする方を振り向くと、そこには表情を曇らせたグレースの姿があった。

 

「「「グレース!!」」」

 

フォンテーヌたちはようやく到着したグレースを見て叫ぶ。

 

「しんらちゃん・・・本当は、先生のことが好きなんだよね・・・・・・」

 

「っ・・・・・・」

 

「だって、ギガビョーゲンを見ていたしんらちゃん、悲しそうな顔をしてた。本当はギガビョーゲンなんかにしたくなかったんでしょ? 私、友達だから・・・・・・わかるもん」

 

「!!??」

 

グレースがそう訴えかけると、クルシーナは動揺する。

 

私が・・・・・・先生のことが好き・・・・・・? 本当は怪物にしたくなかった・・・・・・?

 

・・・・・・痛い・・・!! 胸が痛い・・・・・・!!

 

クルシーナはまた感じないはずの、胸に痛みと苦しみを受け始めた。

 

「違う・・・違うッ!!! アタシは医者なんか大嫌いだ!! 医者なんか、嘘つきで・・・いつまでも病気を直してくれなくて・・・病院に患者をいつまでも縛りつけようとする酷いやつらだッ!!!! そんなの、苦しんで当然なんだよ!!!!」

 

クルシーナは頭を振りながら激昂し、医者に対する憎しみの言葉を吐く。

 

「確かに、医者は治すのは遅いかもしれない。私も、どうしていつまでも治らないのかなと、ずっと病院にいるのかなって、ずっと不安で仕方なかった。でも、先生の優しさがあったから、いつまでも支えてくれたから、私はここにいるんだよ・・・しんらちゃん・・・・・・」

 

グレースはクルシーナの言葉に反論し、優しい微笑みを見せる。クルシーナにはそれが、中島先生の優しい微笑みと重なった。

 

「やめろ・・・・・・・・・」

 

『しんらちゃん、きっと治してあげるわ・・・・・・』

 

「やめろ・・・・・・・・・!!」

 

『辛かったらいつでも私に言ってね。力になれると思うから・・・』

 

「やめろ・・・やめろやめろぉぉぉぉぉッ!!!!!」

 

クルシーナはその微笑みを思い出して、それが胸に突き刺さるように痛くなり、頭を抱えて完全に錯乱していた。彼女はその状態のまま、手のひらを突き出すとピンク色の光弾を連続してグレースに放った。

 

「うっ・・・あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

とっさに出た攻撃に、グレースはまともに食らって吹き飛ばされてしまう。

 

「ギガビョーゲン!!!! その忌々しい笑顔を、今すぐに潰せッ!!!!」

 

「ギー・・・ガー・・・・・・」

 

クルシーナは怒りのままにギガビョーゲンに指示を出し、それを受けた怪物はゆっくりとグレースに近づく。

 

グレースはゆっくりと立ち上がると、静かにギガビョーゲンを見据える。不思議と痛みや苦しみ、だるさを感じなかった。

 

「みんな・・・立てる!?」

 

「「「!!」」」

 

グレースがフォンテーヌ、スパークル、アースに問いかけると3人はお互いに顔を合わせた後、同時に頷く。そして、ゆっくりと立ち上がってグレースの元へと駆け寄る。

 

「中島先生・・・・・・聞こえますか? 私が、必ず助けます・・・!!!!」

 

グレースはギガビョーゲンを睨みながら、そう叫びステッキを構える。

 

「・・・・・・・・・」

 

中島先生は、ギガビョーゲンの中で先ほどのクルシーナの声を聞くかのように、表情は悲しそうにしていたのであった。

 

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