ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
今回で原作第34話は終わります。
次回は正直言って番外編みたいなエピソードだと思ってます。
お楽しみに。
「んぅぅぅ・・・!!!!」
「うっ、くっ、ぅぅぅぅぅぅ・・・・・・!!!!」
黒い翼をはためかせて赤い光線を押し込もうとするフーミン。それに対して、ぷにシールドで防ぐも苦しそうに呻いているスパークル。実力差はどう見ても明らかであった。
「ぐっ・・・きゃあぁぁ!!!!」
ぷにシールドにヒビが入っていき、赤い光線はそれを突破するとスパークルに直撃した。
「んぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「うっ・・・!? っ・・・!!」
それを見たフーミンはとっさに黒い翼を広げるとスパークルへと迫り、追い打ちをかけるかのようにパンチを繰り出す。攻撃に呻いていたスパークルもそれに気づくとなんとか防いで飛びのく。
「「スパークル!!」」
そんなスパークルを、グレースとアースは援護をしようとするが・・・・・・。
「おねぇ~さ~ん!!」
「っ・・・!!」
そこへヘバリーヌが急降下してアースに蹴りを繰り出し、アースは腕を交差させて受け止める。
「久しぶりにヘバリーヌちゃんと遊ぼ♪」
「っ・・・・・・」
ヘバリーヌとアースはお互いに押し返して、ヘバリーヌは後退するように下がって地面に着地する。
「よっと!!」
「っ、はぁっ!!」
ヘバリーヌは直後に片足から黒い竜巻を放ち、アースもハープを取り出して弦を奏でると無数の風の刃を放って、黒い竜巻を相殺する。
「おぉ~!! お姉さん、そんなこともできるんだねぇ~!」
「ヘバリーヌ!! もうこんなことはやめてください!!」
「なんでぇ? ヘバリーヌちゃんは楽しいのになぁ~」
「私は、楽しくありません!!」
能天気な発言をするヘバリーヌに、アースは訴えるも、ヘバリーヌにはどこ吹く風だ。
「そ~れっ!!!」
「っ!! はぁっ!!!!」
ヘバリーヌは高く跳び上がると、体をクルクルと回転させながら黒い竜巻を纏ってスクリューキックのようにアースへと突っ込む。アースも応戦しようと飛び上がって、蹴りを繰り出すが・・・・・・。
「ぐっ、あぁぁぁ!!!!」
回転がかかっている分、ヘバリーヌの方が強く押し負けて吹き飛ばされてしまう。
「よっ、とぉ!!!」
ヘバリーヌはそのまま地面に突っ込んで着地し飛び上がると、空中へと吹き飛んだアースの方へと飛ぶ。
「やぁぁぁ!!!」
「うっ、あぁぁ・・・!!!!」
ヘバリーヌは両手に風を纏うと、そこから黒い竜巻を放ってアースを観客席へと吹き飛ばした。
「アース!!!」
「ギガギガギガ・・・!!!!」
グレースが心配して叫ぶも、そこへ新聞記者のギガビョーゲンが片手の手のひらを突き出すと、そこにある丸いレンズのようなものからカメラ音と共に光線を放って周囲を蝕む。
キュン!
「「キュアスキャン!!」」
グレースはギガビョーゲンにされた人を確かめるべく、ステッキの肉球を一回タッチしてギガビョーゲンへと向ける。ラビリンの目が光り、ギガビョーゲンの右肩部分にいたのは・・・・・・。
「っ!? 益子くん!?」
グレースはギガビョーゲンの内部にいた人に驚いた。それはすこやか中の新聞部の益子道男だったからだ。
「くっ・・・うぇ!? なんで、新聞部が・・・!?」
スパークルはフーミンと拳の応戦をしつつ、同じように驚いていた。新聞部の益子がどうしてギガビョーゲンにされているのか・・・・・・。
「なんかね~、生き生きしていたのがいたから、その子をギガビョーゲンにしてあげたの~。そしたら、すっごい気持ちよ~くしてくれそうなギガビョーゲンになってくれたんだよぉ~!」
「もしかして・・・ちゆちーを追ってきてたりとか・・・?」
「益子くんの一生懸命な気持ちをギガビョーゲンに変えるなんて・・・・・・」
ヘバリーヌがそう話すと、スパークルはちゆを追ってきたんだろうと推測し、グレースは益子の気持ちを利用したことに心を痛める。
「・・・感傷している場合じゃないラビ!! 早く元に戻すラビ!!」
「うん!!」
ラビリンが叱咤すると、グレースは頷いてギガビョーゲンを止めようと駆け出していく。
「はぁっ!!!!」
「ギガギィ・・・?」
グレースから背後から飛んで蹴りを食らわせるが・・・・・・。
「っ・・・あぁぁ!!」
やはり一人では無謀なのか、ギガビョーゲンには通用しておらず、逆にギガビョーゲンからの振り向きざまの張り手を受けてしまう。
「ギギギガ・・・・・・!!」
パシャ!! パシャ!! パシャ!!
ギガビョーゲンは胸のレンズを伸ばすと片手で持って構え、カメラのシャッター押すような音を出したと同時にレンズから赤いリングのようなものをグレースに放つ。
「っ・・・ふっ、はぁっ!!」
グレースは着地をすると同時にそれに気づいて、リングをパンチや蹴りで弾き飛ばし、攻撃が間に合わないものはジャンプでかわす。
「ギギギガ・・・ギガギガ・・・!!」
パシャ!! パシャ!! パシャ!! パシャ!! パシャ!!
ギガビョーゲンはさらにシャッター音を鳴らすとレンズからさらに赤いリングを放つ。
「ふっ・・・くっ・・・うぁぁぁ!?」
グレースは赤いリングを弾いてはいるものの、次々と放出される上に縦横無尽に飛び回るリングに防戦一方で、遂には複数のリングがグレースの体を囲み、拘束してしまった。
「ギガギガ・・・!!!!」
「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
その隙をついてギガビョーゲンは片手のレンズから赤い光線を放って、防御ができないグレースを吹き飛ばした。
「んぅぅぅぅ・・・!!!!」
「はぁぁぁっ・・・!!!!」
一方、スパークルとフーミンは互いの拳がぶつかり合い、さらに目に見えないほどの高速で動いて、お互いに攻撃をぶつけ合う。
「雷のエレメント!! はぁっ!!!」
スパークルは距離を取って雷のエレメントボトルをステッキにセットし、雷を纏った黄色い光線を放つ。
「っ・・・んぅぅぅ!!!!」
「うぅぅぅ・・・・・・!!!!」
フーミンは翼を広げて光線を飛んでかたなく避けると、左右の翼を羽ばたかせて無数の黒い羽を飛ばす。羽は着弾して爆発を起こし、スパークルは思わず腕で顔を覆って防御する。
そんなスパークルの背後に、フーミンが口を開いて禍々しいエネルギーを溜める。
「っ!? ぐっ、うぅぅ・・・うぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!!!」
スパークルは背後に気づいて振り向くも、その直後にフーミンは口から赤い音波のような光線を放ち、それをまともに浴びたスパークルはその不快音に耳を塞ぐも、苦痛に耐えきれずに悲鳴をあげてしまう。
「んぅ!!」
「っ、あぁぁぁぁ!!!!」
フーミンは口から音波を放つのを止めると、間髪入れずに片方の3枚の黒い翼を振り下ろしてスパークルを吹き飛ばした。
「んぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「っ・・・!?」
スパークルを転がしたのも束の間、フーミンはすぐに飛び上がって左右の翼を投下し、スパークルはなんとか立ち上がって間一髪で避ける。
「な、なんか攻撃のペースが激しすぎるんだけど・・・!?」
「全然こっちが攻撃できないニャ!!」
スパークルがフーミンにしては攻撃のペースが早すぎることに戸惑う。まるで自分に恨みを晴らすかのような容赦のない攻撃だ。嵐のように仕掛けてくる攻撃に正直、怖くて叶わない。
「んぅぅぅぅぅっ!!!」
「っ・・・うっ!!!!」
そんなことを考える余裕もなく、フーミンがこちらに高速で突っ込んできた。スパークルはとっさにぷにシールドを展開して防ぐも、勢いが強くシールドごと吹き飛ばされて、競技場の壁に叩きつけられた。
「ぐっ・・・・・・!」
「スパークル、大丈夫か!?」
「う、うん・・・なんとか・・・・・・」
ニャトランが心配する中、スパークルは顔を顰めつつも返事を返す。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
一方のフーミンは息が荒くなっており、それでもスパークルのことを変わらずに睨みつけていた。
「ねぇ、ちょっとだけ、話し合わない・・・?」
「っ、お前と話すことなんかないですぅ!! 目障りなお前なんか、潰してやるですぅ!!」
「なんで、そんなことがしたいの・・・・・・?」
スパークルはフーミンを落ち着かせようとするが、フーミンは首を振りながら拒絶し、今でも飛びかかってきそうな様子だ。スパークルはその理由を問いかける。
「お前の・・・お前のせいでイタイノンお姉さまがおかしくなったですぅ・・・!!!!」
「っ、らむっちが・・・!?」
「お姉様はゲームをしている時に全く集中できてないですぅ・・・その度にイライラして、いつも呟いているのがお前の名前ですぅ・・・!!!!」
「らむっち・・・・・・」
スパークルはフーミンの言葉を受けて考えていた。らむは、イタイノンは明らかに自分のことで苦しんでいる。だから、もしかしたら、らむを元の姿に戻すことができるのかもしれない。
「っ、何を安心してるですぅ・・・!!?? お前がお姉様の代わりに苦しめばいいですぅ・・・!!!!」
フーミンはスパークルの様子に怒り出すと、6枚の黒い翼を一気にスパークルに投下する。
「っ!! はぁっ!!!」
「っ・・・あんたの仲間、みんなやられちゃってるみたいだけどぉ〜?」
「っ・・・・・・」
一方、フォンテーヌはシンドイーネと交戦していた。シンドイーネは拳をぶつけ合いながらも挑発的な態度を取るが、フォンテーヌは意に返さず距離を取る。
「ツバサさんの思いを、パワーをこんなことに使わせない!!」
フォンテーヌはシンドイーネの方を見ながら叫んだ。
「ライバルならちょうどいいじゃない。いなくなったほうがさぁ?」
「違う!!」
フォンテーヌはそう呟いてシンドイーネにキックを放つと、彼女はそれを両腕で防いだ。
「彼女がいてくれるから、かつての友の思いがあるから、私はもっと跳べるの!!」
「ライバルなんて、邪魔で目障りでムカつくだけよ!! 使えるような奴は利用できるけど、ライバルなんか消えりゃいいのよ!!!! それに何よ、友の思いって? そんなのは最初からありなんかしないのよ!!!!」
シンドイーネは叫びながら両腕でフォンテーヌを弾き飛ばすと、すかさず襲いかかる。
「っ・・・!?」
「はぁっ!!!!」
「あああぁ!!」
フォンテーヌはシンドイーネの攻撃を避けると、そのまま回し蹴りを放ってシンドイーネを吹き飛ばした。
「ほら〜、やっぱり焦ってるじゃ〜ん・・・・・・」
ヘバリーヌはシンドイーネのその様子を呆れたように見ていた。いつものシンドイーネであれば、あんな感情的に襲いかかるようなことはしないだろう。
ビュンッ!!
「ふっ!!」
「おぉ?」
そこへ復活したアースが飛び出してキックを繰り出し、ヘバリーヌはそれを足で受け止める。
「お姉〜ちゃん! まだ遊んでくれるんだぁ〜?」
「遊びではありません。これはお手当てです!!」
「ンフフ♪」
睨みつけるアースに対し、嬉しそうな表情を浮かべるヘバリーヌ。二人の攻撃が再びぶつかり合う。
「ギガァ〜!!」
そんな中、ギガビョーゲンがフォンテーヌの背後に迫っていき、パンチを放つとフォンテーヌは上空へと跳んで回避する。
するとギガビョーゲンもフォンテーヌを追って飛び上がった。
「・・・もっと・・・もっと、高く・・・・・・っ」
フォンテーヌはそう呟きながら空高く飛んでいくと、一定の高さへと来たところで自身の体を180度回転させた。
「雨のエレメント!! はぁぁぁ!!!!」
「ギ・・・・・・ギガ・・・・・・!?」
フォンテーヌはステッキに雨のエレメントボトルをセットすると、上空から水色のエネルギー派を勢いよく放ち、ギガビョーゲンをその勢いのまま地面へと叩き落とした。
一方、フーミンとスパークルは・・・・・・。
「・・・・・・っ!?」
「うっ・・・・・・!!」
スパークルは顔を顰めながらもぷにシールドと手で全ての黒い翼を受け止めており、その光景にフーミンは驚愕した。
「ど、どこにそんな力が・・・・・・!?」
「ぐっ・・・わかんない・・・わかんないけど・・・・・・らむっちを助けたいって考えたら、とっさに受け止めることができたの・・・・・・!!」
「っ・・・お姉様のことを引き合いに出すなですぅ!!!」
スパークルの発言にますます苛立ったフーミンは全ての黒い翼を一旦戻すと、一気に叩きつけるように振り下ろした。スパークルは横に跳ぶようにして避ける。
「雷のエレメント!! はぁっ!!!!」
「っ・・・!? うっ!!」
スパークルはステッキに雷のエレメントボトルをセットすると、雷を纏った黄色い光線をフーミンに目掛けて放つ。フーミンは黒い翼を戻すが、間に合わず攻撃に顔を顰める。
「はぁぁっ!!!」
「っ・・・!? あぁぁぁ!!!!」
スパークルはその隙を見逃さずに横飛びで蹴りを放ち、フーミンを壁へと叩きつけた。
「はぁっ! ふっ!! やぁっ!!!!」
「ほっ!! よぉ!! とぉ!!!!」
ヘバリーヌとアースはお互いにパンチとキックの応酬を繰り返していた。
「ンフフ〜、お姉〜さん!楽しいね〜!!」
「っ、ふっ、はぁっ!!!」
そんな中、ヘバリーヌは喜びを口にする。アースはそんな言葉に耳を貸さずに、パンチとキックの攻撃と防御を繰り返す。
「っ・・・・・・はぁっ!!!!」
「おっと・・・・・・やぁっ!!!!」
お互いにパンチとキックで弾き飛ばされ、それでも尚二人は駆け出し、お互いの渾身の蹴りが空中でぶつかり合い、二人の周りに風が吹き荒れる。
そんな中・・・・・・。
「っ、なにすんのよ!!!!」
フォンテーヌに吹き飛ばされたシンドイーネが起き上がり、両手をフォンテーヌの方に突き出して、攻撃するためのエネルギーを溜めるのが見えた。
「っ・・・・・・!?」
「おぉ・・・?」
アースはそれに気づくととっさに足を弾き飛ばして、後ろに下がるとハープを取り出す。弦を奏でて周囲に風を巻き起こし、ヘバリーヌに竜巻を放つ。
「そ〜れっ!!!!」
ヘバリーヌは片足を横薙ぎに振って黒い竜巻を放ち、二つの風がぶつかり合って爆発を起こす。
「お姉〜さん!・・・あれっ?」
ヘバリーヌはアースに声をかけようとしたが、煙が晴れた時にアースの姿はない。そんな時、ヘバリーヌの上空を何かが飛んでいくのが見えた。
「あ〜!? お姉さん!! もっと遊ぼ〜よ〜!!!!」
自身から離れてフォンテーヌの元に向かおうとするアースに、ヘバリーヌはプリプリと不満を垂れる。
「空気のエレメント!!」
「うっ! あぁぁっ!?」
アースは空気のエレメントボトルをハープにセットして、凄まじい風を放つとシンドイーネに直撃させて、上空へと吹き飛ばした。
「ふっ!!」
「ギガギガ・・・ギガギガ・・・ギガギガギガギガ!!!!」
一方、グレースも復帰して飛び出すと、ギガビョーゲンは胸のレンズからシャッター音と共に赤い光弾を放つ。
「実りのエレメント!! はぁっ!!!!」
「ギギギ・・・ギガ!?」
グレースは避けながら実りのエレメントボトルをセットして、ピンク色の光弾を放つとギガビョーゲンの胸のレンズに命中させて、爆発と共にヒビを入れる。
「ふっ!! はぁっ!!!!」
「ギギギ・・・ガガガ・・・!?」
グレースは地面に降りて駆け出して観客席に飛び移ってからギガビョーゲンへと跳ぶと、そのまま胸のレンズへとキックを繰り出し、レンズを破壊した。
「氷のエレメント!! はぁっ!!!!」
「ギ、ガァ・・・ギガギガ!?」
そこへフォンテーヌが氷を纏った光線を地面に放ち、凍った地面に足を滑らせたギガビョーゲンはそのまま後ろ向きに転倒しそうになる。
「火のエレメント!! はぁっ!!!!」
「ふっ!!!」
さらにスパークルが火のエレメントボトルをセットして火を纏った光弾を放ち、アースが弦を奏でて強力な風を起こしたことで、ギガビョーゲンは地面へと転倒した。
「みなさん、今です!!」
「ワウ〜ン!!!!」
アースの言葉を合図に、ラテが大きく鳴き声を上げる。
「「「「ヒーリングっどアロー!!!!」」」」
4人がそう叫ぶとラテがステッキとハープ、エレメントボトルの力を一つにまとめた注射器型のアイテム、ヒーリングっどアローが出現する。
その注射器型のアイテムに、ハートの模様が描かれたエレメントボトルをセットする。
「「「「ヒーリングアニマルパワー!! 全開!!」」」」
ヒーリングアニマルたちのダイヤルが回転し、その注射器型のアイテムが4つに別れるとグレースにはラビリン、フォンテーヌにはペギタン、スパークルにはニャトラン、アースにはラテの部分で止まり、グレースたち4人の服装や髪型などが変化し始める。
そして、4人の背中に翼が生え、いわゆるヒーリングっどスタイルへと変化を遂げる。
「「「「アメイジングお手当て、準備OK!!!!」」」」
4人は手に持っている注射器のレバーを引くと、虹色のエレメントパワーがチャージされる。
「「「「OK!!!!」」」」
そして、パートナーのヒーリングアニマルたちがダイヤルから光となって飛び出し、思念体の状態になって現れ、パートナーに寄り添った。
「「「「プリキュア!ファイナル!! ヒーリングっど♡シャワー!!!!」」」」
プリキュアたちがそう叫ぶと、レバーを押して4色の螺旋状の強力なビームを放った。4色のビームは螺旋状になって混ざり合いながら、ギガビョーゲンへと向かっていき光へと包み込んだ。
ギガビョーゲンの中で4色の光は、それぞれの手になって中に取り込まれていたツバサを優しく包み込む。
ギガビョーゲンをハート状に貫きながら、4色の光線はツバサを外に出した。
さらにもう一体のギガビョーゲンにも向かっていき、光へと包み込む。4色の光は、再度それぞれの手になって中に取り込まれていた益子道男を優しく包み込み、同じように貫きながら外に出した。
「ヒーリン、グッバイ・・・・・・」
「「「「「「「お大事に」」」」」」」
「ワフ~ン♪」
ギガビョーゲンが消えたと同時に、競技場内に広範囲に渡って蝕まれていたその周辺が元の色を取り戻していく。
「あ〜あ、終わっちゃった〜。いけると思ったんだけどなぁ〜」
ヘバリーヌは残念そうに呟くと、吹き飛ばされたフーミンの元へと飛ぶ。
「フーちゃん、帰るよ〜・・・」
「んぅぅ・・・悔しいですぅ・・・!!!!」
ヘバリーヌがそう声をかけると、起き上がったフーミンは怒りの表情で悔しそうにしていた。
「シンド姉〜!!」
そして、シンドイーネにも声をかけるが・・・・・・。
「っ、あんたたちが一番目障りで邪魔なのよ・・・!!!!」
シンドイーネはヘバリーヌに返事をせず、プリキュアを睨みつけながら呟いて、お先に帰ってしまった。
「・・・シンド姉ったら変なの。すっごくつまんない」
「・・・・・・ふん」
ヘバリーヌがつまらなそうに呟き、フーミンが不機嫌そうに鼻を鳴らす。そして、フーミンはスパークルのことを見据える。
「・・・・・・・・・」
スパークルを睨みつけるように見た後、フーミンはヘバリーヌと共に撤退していったのであった。
「・・・っ、うっ・・・あっ」
「あっ・・・よかった・・・!」
気を失って横になっていたツバサが目を覚ますと近くにはちゆが立っていて、安堵の表情を浮かべていた。
「・・・どうしてここに?」
ツバサは体を起こしながら、ちゆに尋ねた。
「あのままさよならできないもの・・・ライバルとは・・・」
「っ・・・あ、あのっ・・・この前はごめんなさい。あんな酷いこと言って、あなたが世界を目指さないからって、私にあなたを責める資格なんてないわ・・・でも、これだけは信じて欲しいの!! 私、本心からあなたと・・・・・・」
ツバサが謝る中、ちゆは彼女に手を差し伸べた。
「次は世界で・・・!!」
「えっ・・・・・・?」
「私も世界を目指すわ!! もっともっと高く跳ぶ! あなたには負けないわよ、ツバサ!」
「っ・・・ちゆ」
ツバサは差し伸べられたちゆの手を取って立ち上がった。
「ふふっ」
「次は・・・世界で!!」
ちゆとツバサはお互いに笑みを浮かべて握手を交わす。
「「「ふふふっ」」」
その様子をのどかたちは離れた場所から見守っていた。
一方、その頃・・・・・・。
「う〜ん・・・はっ!? こ、ここは!? 僕は一体何を・・・!?」
同じように目を覚ました益子は訳も分からず、あたりをキョロキョロとしていたのであった。
ツバサが旅立った、その翌日・・・・・・。
すこやか中学の陸上部の練習。高い位置に立てられる棒、その前にちゆは立っていた。
「・・・すぅ・・・はぁ・・・・・・」
跳ぶ前に呼吸を整えたちゆは、前を見据えて駆け出し、今日も走り高跳びを練習していた。
(跳んで見せる・・・・・・世界へ!!)
キングビョーゲンの娘たちがアジトとする廃病院、そこにはヘバリーヌとフーミンが帰還していた。
「あ〜あ・・・結局、何もできなかったねぇ〜・・・・・・」
「悔しいですぅ・・・あんな考えなしのプリキュアに負けるなんて・・・・・・!」
クルシーナとイタイノンのために出撃はしたものの、結局失敗して戻ってきた二人は悔しい思いを胸に廊下を歩いていた。
「お姉ちゃんになんて言おう〜・・・・・・?」
「合わせる顔もないですぅ・・・・・・」
二人はすっかり気落ちした様子であった。特に地球を蝕めたわけでもなければ、成果を得たわけでもない、完全に無駄な時間を過ごした気分だ。
と、そこへ・・・・・・・・・。
「な〜に、落ち込んでんの?」
「「っ!!」」
背後からかけられる声に振り向くと、そこには普段通りのクルシーナとイタイノンがいた。
「お姉ちゃん・・・・・・?」
「お姉様もいたですかぁ・・・?」
「いるに決まってんでしょ。アタシたちのアジトなんだから」
「お前たち、今日は疲れてるの・・・休んだほうがいいの・・・・・・」
目を丸くする二人に、クルシーナは訝しげな様子で言い、イタイノンはいつものように淡々と言うと、二人を抜いて先へと歩いていく。
「クルシーナお姉ちゃん!! ノンお姉ちゃん!!」
「「??」」
ヘバリーヌが真面目なトーンを呼ぶと、足を止めて振り向く。
「お姉ちゃんたちは・・・なんともないの・・・・・・?」
「・・・・・・何がよ?」
「だって、お姉様たち・・・最近、様子もおかしくて、元気のない様子だったですぅ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「最近、上手くいってなかったから・・・お姉ちゃん、落ち込んでるんじゃないかなって・・・・・・」
ヘバリーヌとフーミンがそう言うと、クルシーナとイタイノンはお互いに顔をあわせる。
「落ち込む? アタシが?」
「・・・・・・ふっ」
クルシーナとイタイノンはお互いに不敵な笑みを浮かべると、ヘバリーヌとフーミンへと向き直る。
「まさか! アタシたちが落ち込む出来事があるわけないでしょ? ビョーゲンズなんだから」
「思い違いにもほどがあるの・・・・・・」
「「っ??」」
クルシーナとイタイノンが笑みを浮かべながらそう言うと、ヘバリーヌとフーミンは首をかしげる。そんな二人にクルシーナは近づいていく。
「っ・・・お姉ちゃん?」
「んぅ・・・・・・」
「そりゃあアタシやイタイノンだって、ビョーゲンズとして活動をしていれば感傷の一つぐらいは浸るわよ。元々は人間なんだからさぁ。アンタたちは気に病む必要は無いの」
クルシーナは二人をワシワシと撫でながらそう言う。
「そもそも、アンタらなんかに心配される筋合いなんかないし」
クルシーナはそれだけ言うと、二人から手を離して元いた道を歩いていく。
「お前たち、これやるの。美味しいものを食べれば元気が出るの」
入れ替わりにイタイノンが優しい微笑を浮かべながら近づき、二人にすこやかまんじゅうを一個ずつ手渡す。そして、同じように踵を返しながらクルシーナと合流し、歩き去っていく。
「「・・・・・・・・・」」
ヘバリーヌとフーミンは渡されたまんじゅうを呆然と見つめた後、前にいる二人の背中をみる。
「お姉ちゃん!! ヘバリーヌちゃん、今日もいっぱい活動したよ!! 地球を病気に蝕んで、い〜っぱい気持ちよくしたんだよ!! 失敗はしちゃったけど・・・・・・」
ヘバリーヌは二人の背中にそう叫ぶと、また足を止めて振り返る。
「・・・・・・そう。これからも頑張りなさいよ」
「・・・・・・ふっ」
クルシーナは優しい笑みを浮かべながら、イタイノンは微笑を浮かべる。
「さーてと、明日からどんどん蝕んでやるわよ!!」
「お前のそのやる気、暑苦しいだけなの・・・・・・」
「なんですってぇ!? 逆にアンタは寒気がするわね!!」
「どういう罵倒なの・・・・・・?」
二人は喧嘩をしながらも、今度こそ前を向いて二人の前から歩き去っていった。
「・・・・・・・・・」
二人の背中を見つめる中、ヘバリーヌは撫でられた頭に触れる。
そんな彼女の頭の中にある映像がフラッシュバックされる。病院生活中、自分が誰かに撫でられるような、そんな温もり・・・・・・その手は大人の女性の手であった。
「ヘバリーヌちゃん・・・・・・誰かに撫でられたことがある・・・・・・?」
ヘバリーヌは真面目なトーンで、そう呟いたのであった。
「・・・・・・・・・」
そして、フーミンの頭の中にもある映像がフラッシュバックした。笑顔を向ける少女たち、その二人はクルシーナとイタイノン、ハキケイラに容姿がそっくりな子だった。
「んぅ・・・・・・?」
もしかして、自分はどこかで彼女たちと会ったことがあるのだろうか・・・・・・?
ヘバリーヌとフーミンは、覚えているようで覚えてない、何やら頭の中に靄がかかっている。そんな煮え切らない思いにしばらくの間、戸惑っていたのであった・・・・・・。