ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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原作第35話がベースです。
今回は番外編と言ってもいいくらいの話になると思います。


第124話「休暇」

 

「ふわぁ〜・・・・・・・・・」

 

大きなあくびをしながら、ビョーゲンキングダムの赤い世界を歩いているクルシーナ。

 

「随分と大きなあくびですねぇ?」

 

「こいつ、夜中までドラマを見てたの。姑と嫁の醜い罵り合いのドラマなの」

 

「クルシーナはそういうのが好きですねぇ」

 

「悪いかよ・・・??」

 

クルシーナのこのあくびの原因をイタイノンは遅くまで起きてドラマを見ていたからだと説明。ドクルンが不敵な笑みを浮かべながらそう言うと、クルシーナは不機嫌そうに答える。

 

お父様ーーーーキングビョーゲンから呼び出しを受けたビョーゲン三人娘は会うためにビョーゲンキングダムへとやってきていた。きっと例の作戦の進捗について聞きたいのだろうと思ってきたのだが・・・・・・。

 

キングビョーゲンから聞かされたのは意外な発言だった。

 

「それにしてもお父様ったら、どういう風の吹き回しなのかしら? アタシたちにたまには休暇を取れとか言うなんてさぁ・・・・・・恐ろしさしかないんだけど・・・・・・」

 

「怪しすぎて逆に怖いの。むしろ地球を蝕みに行った方がマシとすら感じるの・・・・・・」

 

「今まで厳しくて、怖くした分・・・お父さんも良心の呵責に耐えられなかったんでしょうかねぇ・・・・・・」

 

三人娘は自分の父親に対する勝手なことを言いながら話していた。キングビョーゲンは三人娘、もとい娘たちに休暇を言い渡したのだ。最近のキングビョーゲンは復活に焦っているせいなのか、自分達には厳しい態度を持っている。その中での、例の発言だ。

 

今までのことがある以上、その休暇って言葉は逆に怪しい。でも、せっかく与えられたのであれば、自分たちが生み出した妹たちとどこかで過ごしたいなと思っていた。

 

「まあ、これも日頃の行いの成果だと思って過ごしてもいいのかね」

 

「致し方ありませんね。お父さんが言うのであれば」

 

「暇なのも、逆に辛いの・・・・・・」

 

三人娘は話しながら歩いていると、岩場に腰掛けて考えている様子のグアイワルとその隣に岩を背にして寝転がっているダルイゼンの姿が見えた。

 

「むぅぅぅぅぅ・・・・・・」

 

グアイワルは何やら唸りながら考えごとをしている模様だが、ダルイゼンはそれに不快感を露わにしていた。

 

「アンタら、何やってんの・・・・・・?」

 

「適当に過ごしてるだけだけど・・・・・・」

 

クルシーナが近づいて声をかけると、ダルイゼンは顔を崩さずに淡々と答える。

 

「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・!!!!」

 

「・・・ねぇ、こいつうるさいんだけど? どうにかしてくれない?」

 

「・・・関わりたくないわよ。そいつがそうなってるとロクな目に合わないし」

 

唸り声をやかましく感じたダルイゼンがそう訴えると、クルシーナは素っ気なく返す。

 

「どうせまた変なこと考えてるの。作戦自体、頭が悪すぎなの」

 

「同感ですね。載るだけ無駄ですしね」

 

イタイノンは淡々とそう言い、ドクルンは口元に笑みを浮かべながらそう言った。

 

「うるさいぞ貴様ら・・・俺様は今、実に高度な悩みを抱えている・・・・・・」

 

「・・・・・・どんな悩みなの?」

 

「進化したグアイワル様にふさわしい、豪快で天才的・・・かつ繊細な地球の蝕み方は何かということだ・・・・・・」

 

「・・・言っている意味が良くわかんないんだけど」

 

「豪快で繊細って・・・そんなの無理でしょ」

 

グアイワルの悩みを聞いたあと、クルシーナは顔を顰めながらそう言い、ダルイゼンはそのまま起き上がって何処かへと行ってしまった。

 

「ふっ・・・お前らには無理だろうな。だが・・・進化したグアイワル様なら・・・出来るっ!!!」

 

「・・・・・・はぁ」

 

「・・・・・・真面目に聞いてた私がバカだったの」

 

「やっぱり脳筋は頭も固いんでしょうね・・・・・・」

 

グアイワルの強い意気込みに、クルシーナはため息を吐くと、そう言ったイタイノンとドクルンと一緒にその場から去ろうとする。

 

「そうだ!!」

 

「「「??」」」

 

グアイワルが突然、叫び出したことに三人娘は振り返る。

 

「お前たちにも特別に見せてやろうっ。俺様の豪快で天才的な蝕み方をな・・・!!」

 

「・・・お前のことなんか見たって面白くないの」

 

「自分自慢をしたいだけでしょ」

 

グアイワルが指をさしながらそう主張すると、イタイノンとドクルンは即座に切り捨てる。こいつと一緒に付き合ったところで時間の無駄だと考えたのだ。

 

そんな中・・・・・・。

 

「・・・・・・いいわよ」

 

「「えっ!?」」

 

クルシーナだけは微笑を浮かべながら承諾し、その意外な返事に二人は驚きの声を上げる。

 

「どうせ暇だし、キングビョーゲンの娘として、駒のアンタがどう考えて地球を蝕んでるのか気になるしね」

 

「おぉ!! お前もようやくこのグアイワル様の良さを理解したか!!」

 

「はいはい・・・そうね・・・・・・」

 

グアイワルが嬉しそうにそう言うと、クルシーナは棒読みで適当に返事をする。

 

「クルシーナ、何考えてるの・・・・・・?」

 

「バカに付き合ったってロクなことないって言ってたではないですか・・・・・・」

 

イタイノンとドクルンはそう抗議するが、クルシーナは余裕の笑みを浮かべる。

 

「いいじゃない、別に。どうせアンタらも暇だし、ノープランでしょ。そのバカに茶々を入れて、面白くなるんだったらそれこそいい暇つぶしになるわよ」

 

クルシーナはヒソヒソと二人に話す。どうせやりたいこともないし、たまには幹部の働きぶりを見るのもいい暇つぶしになるだろうと考えた。

 

「まあ・・・クルシーナがそう言うなら・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

ドクルンは一応納得したが、イタイノンだけは不満そうな表情をしていた。

 

「よーし!! お前たち、着いて来い!!」

 

グアイワルは三人娘にそう言うと、一足お先に地球へと向かっていく。

 

「私は別に・・・・・・ひぃっ!?」

 

「いいからアンタも来んの!!」

 

「ふふふっ♪」

 

クルシーナはあくまでも渋ろうとするイタイノンの耳を引っ張りながらそう言うと、三人娘は地球へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、とある島の砂浜にゲートらしきものが出現し、そこから荷物を持ったのどかたちが姿を現した。

 

「ふわぁ~♪本当に南の島だぁ~♪」

 

「ビーチが綺麗ラビ~♪」

 

「日差しめちゃ強~、UVカットクリーム、効くかなぁ」

 

南の島へ到着するとのどかは目を輝かせ、ひなたは手を空にかざしながら空を仰いだ。

 

「ありがとう。連れてきてくれて」

 

「お礼はラテに言ってください。帰りは夕方になりますよ」

 

「ワン♪」

 

ちゆが島に連れてきてくれたことにお礼を言うと、アスミがそう答え、ラテは嬉しそうにしていた。

 

「私も来ちゃってよかったのかしら? せっかくのお友達同士のビーチなのに・・・・・・」

 

そんな中、中島先生だけは中学生がいる中で、大人である自分がこの場にいることに申し訳なさそうにしていた。

 

「いいんですよ。日頃、先生には助けてもらってますから」

 

「ナカッチ先生も一緒に遊ぼうよ〜♪」

 

「私たちはのどかの件で仲良くなった仲間です。子供とか大人とか関係ありませんよ」

 

のどか、ひなた、ちゆは中島先生にそう言う。

 

「ワン♪」

 

「ラテも遠慮しないでって、言ってますよ」

 

「・・・・・・そうね。せっかくのビーチなんだし、大人でも楽しまなきゃね♪」

 

アスミもそう言うと、中島先生はラテを撫でながら笑みを浮かばせた。

 

今回はラテが頑張っているみんなのために、南の島でビーチすることを提案。週末の休日にみんなを誘って、アスミの力で無人島へとやってきたのだ。

 

「「うわぁ〜・・・」」

 

「波だ波だ〜♪」

 

「いっぱい泳ぐペエ〜!」

 

ペギタンとニャトランは波打ち際ではしゃいでいた。すると・・・・・・。

 

「「っ!?」」

 

突如海の中から青白い光の玉が現れ、ニャトランたちの前にやってきた。その光は次第に弱まっていき、中から波のような姿をしたエレメントさんがいた。

 

「海のエレメントさんペエ!!」

 

「まぁ! 随分と可愛い妖精さんね♪」

 

「エレメントさんと言うラビ!! この地球の自然いっぱい存在していて、地球を守ってきているラビ!!」

 

「あぁ・・・この子が話していたエレメントさんね♪」

 

中島先生も可愛く思う中、ラビリンは説明しながら海のエレメントさんに聴診器を当てる。

 

『この無人島にヒーリングアニマルさんが来るなんて珍しいですね!!』

 

「あの! 今日一日、ここで遊ばせてくださいラビ!!」

 

『もちろん! 賑やかなのは嬉しいです♪』

 

ラビリンはそうお願いすると、海のエレメントさんは笑顔で許しを出す。

 

『ところで、プリキュアじゃない人間さんもいるんですね♪』

 

「うん。この人も一緒に遊びに来たんだよ〜」

 

「立派な医者なんですよ♪」

 

『そうなんですね♪』

 

「な、何を話しているのか知らないけど・・・恥ずかしいわ・・・・・・」

 

海のエレメントさんは中島先生について指摘すると、ひなたとのどかがそう話す。中島先生にはエレメントさんの声は聞こえていないが、話している内容を想像して顔を赤くしていた。

 

「「「「今日一日、よろしくお願いします!!」」」」

 

それはともかく、のどかたちは会釈をしながら頭を下げるのであった。

 

のどかたちはオレンジ色のテントを立てた後、水着で着替えて集まった。

 

のどかは赤い水着の上に、ピンク色のシャツと花の描かれた緑色のショートパンツを身につけ、髪は両側に2つ結びにしている。

 

ちゆは紺色と黄緑色のスポーティーな水着で、髪も普段とは違って後ろで1本にまとめている。

 

ひなたは黄色と緑色の可愛いデザインのフリル付きの水着で、髪はいつもより短くまとめている。

 

アスミは紫色の水着に、腰には紫色のパレオを巻いている格好だ。

 

「1、2、3、4、5・・・1、2、3、4、5・・・」

 

のどかたちはみんな砂浜でちゆの号令の元、準備運動をしていた。

 

「ふふふ♪」

 

中島先生はオレンジ色のテントの中で、その様子を優しく見守っていた。そんな彼女はリボンとフリルの付いた白のビキニに、下には黒色のパレオを身につけていて、頭には麦わら帽子を被っている。

 

「なぜ、準備運動が必要なのですか?」

 

「いきなり身体を動かすと、足が攣ったりして危ないのよ。さっ、おしまい」

 

一緒に準備運動をしているちゆが、アスミにそう説明する。

 

「よぉ〜し、泳ぐぞ〜・・・・・・」

 

準備運動を終えて、ひなたは早速海へと入ろうとした、その時だった・・・・・・。

 

ピピィ〜ッ!!!!

 

「ぉ〜っ??」

 

そこへ不意に聞こえて来たホイッスルに動きを止めてしまう。

 

「「「えっ?」」」

 

のどかたちが向いた方向にいたのは、宙に浮かびながらホイッスルを首から掲げていたラビリンだった。

 

「・・・これより!! ビーチバレー合宿を始めるラビ!!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

「ラビリンのことはコーチ!! ラテ様のことは監督と呼ぶラビ!!」

 

突然の合宿宣言にのどかたちが驚く中、ラビリンは砂浜の上に降り立った。そんな彼女の隣には、海と書かれている帽子をかぶり、顎には髭のようなものを生やしたラテの姿があった。

 

パチパチパチパチ・・・・・・。

 

「ラビリン、ラテ・・・まさに『燃えよビーバレ』のコーチと監督みたいです」

 

「え〜へへへ♪」

 

「ワン! ワン!」

 

アスミは拍手しながらそう話すと、ラビリンとラテは喜んでいる様子だった。

 

「燃えよビーバレ?」

 

「ビーチバレーを題材にした、スポ根アニメよ」

 

「あぁ〜、最近ラビリンたちが欠かさず見てるっていう、あれ?」

 

「そうラビ!! みんなとビーチで青春をするのが夢だったラビ〜♪」

 

「ふわぁ〜! 青春〜!!」

 

ひなたはピンときていないようだったが、ちゆとのどかは知っている模様で、ラビリンが言った青春という言葉にのどかは瞳をキラキラとさせる。

 

「・・・青春アニメなの?」

 

「青春スポ根アニメね」

 

「ん〜〜!! スポ根!! 何だかどっちも生きてるって感じ〜!!」

 

よくわかっていないひなたにちゆがそう言う。のどかは相も変わらず瞳をキラキラとさせていた。

 

「さぁ、コーチに付いてくるラビ!!」

 

「はいっ、コーチ!!」

 

のどかとラビリンがそう言いながら砂浜に駆け出していくと、ちゆとアスミもその後をついていくように駆け出していく。

 

「うぇぇ〜!? ちょっと海は〜!? もぉ〜、待ってよ〜!!」

 

あまり乗り気でないひなたは駆けていくみんなの背を見るも、一人置き去りにされるのは嫌なのか頬を膨らませながらもみんなのあとを駆け出していく。

 

「ふふふ、青春ね♪」

 

中島先生はそんなみんなの姿を見守りながら、笑みをこぼしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪快で天才的、かつ繊細な地球の蝕み方を求め、地球へと姿を現すグアイワルと、その暇つぶしと称して彼に着いてきた三人娘。

 

「さて・・・豪快で天才的で・・・ん? あとは・・・まぁいい。とにかく俺様に相応しい蝕み方を考えなくては!!」

 

「言ってること、もう忘れてるの・・・・・・」

 

大きな木の上にグアイワルと三人娘がいるが、自分の言ったことすら覚えていないグアイワルにイタイノンは呆れたように見ていた。

 

「それで? この辺りにアンタらしい蝕み方があるわけ? ただ子供が遊んでいるだけにしか見えないんだけど?」

 

「だから!! それは・・・その・・・ここからその蝕み方を考えるのだ!!!!」

 

「・・・・・・ノープランかよ」

 

クルシーナが辺りを見渡しながらそう問いかけても、グアイワルからは曖昧な答えしか返って凝らず、クルシーナはつまらなそうにしていた。

 

「ん? あら、とうじくんがいますねぇ」

 

そんな中、ドクルンは木の下を見下ろしていると、その近くでちゆの弟であるとうじの姿があるのを見つけた。

 

「赤道直下で編み出した必殺技。激熱!! 直下サ~~~ブ!!!!」

 

「うわぁっ!!??」

 

とうじが何やら技の名前を叫びながら、スパイクを放つ。するとそれは凄い勢いで飛んで行き、思わずとうじの友人は横に避ける。そして、ボールは勢いそのままに地面でバウンドして跳ね返ると・・・・・・。

 

何故かビョーゲンズの4人の方へと飛んできた。

 

「っ!!??」

 

「?? ぶぅっ!!??」

 

それに驚いたドクルンは頭を下げると、目の前へ飛んできたボールはそのスレスレを通過し、そちらに顔を向けたグアイワルの顔面に直撃してしまった。

 

「?? 何やってんのよ?」

 

「なんでグアイワルがひっくり返ってるの?」

 

何の騒ぎがとクルシーナとイタイノンがこちらを向きながら言った。

 

「ボ、ボールがこっちに飛んできたんですよ・・・とうじくん、すごいですね・・・・・・」

 

「はぁ?」

 

ドクルンが冷や汗をかきながらも笑みを浮かべながら言うが、クルシーナはよくわかっていない模様。

 

「危ないだろ、とうじ!!」

 

「あっ、ごめん・・・でも、激熱だから・・・・・・」

 

「関係ないだろ・・・・・・」

 

一方、とうじと友人たちは気づくことなく飛んで行ったボールを探しに行った。

 

「・・・お前、大丈夫なの?」

 

「ぐぅ・・・・・・この俺様に当てるとは・・・・・・!」

 

イタイノンが呆れたように見る中、グアイワルはボールを当たった頬を摩りながら、憎たらしげにとうじたちを見ていた。

 

「なんか何もなさそうね・・・他の場所に行かない?」

 

クルシーナが別の場所へ行こうと提案を出そうとすると・・・・・・。

 

「ん? 悪くない・・・悪くないぞ!! あれだ!!」

 

ふとグアイワルは何かを思いついたかのような表情になった。

 

「あれって、何なの・・・・・・?」

 

「さっきのガキが放ったあれだ!! あれこそ豪快で・・・え~、ん~と、何だっけ?」

 

「変なものが当たったせいで、また自分が言ったことを忘れてるの・・・・・・」

 

グアイワルは何やら良い方法を思いついたようだが、自分の言った目的すら覚えていないイタイノンはさっきのボールがぶつかった衝撃でバカになったのだろうとため息をついた。

 

「さっきよりも、重症ですねぇ・・・・・・」

 

「まぁいい!! あれこそが俺様にふさわしい!! ふっははははは!!!!」

 

「・・・・・・はぁ」

 

高笑いをするグアイワルだが、ドクルンとクルシーナは呆れたように見ている。

 

「・・・・・・で、一体どうすんのよ?」

 

「ふっ・・・・・・俺様には考えがある・・・!!!」

 

「・・・さっき自分が言ったことも忘れている癖にですか?」

 

「どうせ頭の悪い作戦しか考えてないの」

 

「ええい!! うるさい!!!! お前たちは俺にただついてくればいいのだ!!!! 本当にいい考えを思いついたんだからなぁ!!」

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

グアイワルのその発言に、三人娘は怪訝そうに見つめていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷走しそうなグアイワルに三人娘が付き合わされている中、無人島では・・・・・・。

 

「っ!!」

 

「ふっ」

 

「はぁっ!!」

 

ちゆとアスミのビーチバレー対決が繰り広げられていた。運動神経抜群のちゆと、元々身体能力もあるアスミ、二人は互角の勝負をしていてラリーを続けており、それをのどかとひなたは見守っていた。

 

「ふわぁ♪ 二人共カッコいい〜!!」

 

「っ・・・弟が好きで、時々一緒にやるのよ」

 

のどかが歓声をあげると、ちゆがアスミの打ってきたボールを打ち返しながらそう話した。

 

「ふっ!!」

 

「っ!!」

 

ちゆの打ち返したボールに、アスミがスパイクを放ち、それを返そうとするちゆだが間に合わず、ボールはコートの中に落ちてしまい、ちゆも地面に倒れた。

 

「っ・・・あぁ、やっぱり悔しいわね」

 

「すみません、話していたのに、ボールを返してしまって・・・・・・」

 

悔しがりつつも楽しそうなちゆに、アスミは手を差し伸べるとちゆはその手を取って立ち上がった。

 

「ううん。手加減するのはアスリートとして恥ずべきことよ」

 

申し訳なさそうに言うあすみに、ちゆはそう言った。

 

「ラビ。ちゆとアスミに教えることは何もないラビ・・・コーチ感無量ラビ♪」

 

「ワン♪」

 

「青春ね♪」

 

その様子を離れた場所で、ラビリンとラテ、中島先生は見守っていた。

 

「よ〜し・・・私ももっと頑張ろ〜!! ひなたちゃん、お願〜い!!」

 

「オッケー、行くよ〜!!」

 

ちゆとアスミの試合を見て、やる気になったのどかとひなたもビーチバレーをし始める。ひなたは軽くボールをのどかの方へ打ち出した。

 

「はわわわわわわ・・・・・・ふっ!!」

 

ネットを越えて飛んできたボールを返そうと、のどかは腕を突き出すが失敗し、ボールは砂浜にそのまま落下した。

 

「のどか!! いいラビ? オーバーハンドパスで大事なのは、ボールの落下位置に素早く移動することラビ!! それからボールを受ける瞬間、重心はできるだけ下げるラビ!!」

 

そこへラビリンがやってきてのどかに打ち返し方を教えてあげる。

 

「ふわぁ・・・・・・すみません、コーチ」

 

「でも、これでさっきより上手くなったラビ。ドンマイラビ!!」

 

「はぁ♪ はいっ!!」

 

ラビリンの指導と励ましに、のどかは力強く答えた。

 

「・・・なんか意外〜。スポ根のコーチって、もっと怖いと思ってた・・・・・・『根性出せー!!』とか『やる気が足りな〜い!!!!』とか、怒鳴ってそう・・・・・・」

 

「ふふん・・・そんなコーチはもう時代遅れラビ!!」

 

「・・・・・・と、ビーバレでも言ってましたね」

 

ラビリンが得意げに話していると、アスミが近くにやってきて話した。

 

「初心者にはスポーツの楽しさを教えるラビ!!」

 

「・・・・・・と、ビーバレでも言ってましたね」

 

「楽しければ自然とやりたくなるラビ!!」

 

「・・・・・・と、ビーバレでもーーーー」

 

「ふふふっ、全部アニメからの受けおりなのね♪」

 

ラビリンのこの言葉はそのアニメから覚えたようで、中島先生は笑みを零しながらそう言った。

 

「ビーチバレー楽しいよ♪ すっごく・・・生きてるって感じっ♪」

 

「ふふっ・・・それはビーバレでは言っていませんでした」

 

のどかはすごく楽しそうにそう言い、アスミは笑みを浮かべた。

 

「よ〜し!! 今度はのどかとアスミが組んで、ちゆとひなたのペアと試合するラビ!!」

 

「「はいっ!!」」

 

のどかとアスミ、ちゆとひなたは二手に別れて試合を始めるのであった。

 

一方その頃、島の反対側では・・・・・・。

 

ズズズズズ・・・・・・。

 

「ぷはぁ・・・・・・ん〜、悪くないわね」

 

クルシーナがビーチベッドに寝転がりながら、ジュースを啜っていた。

 

「姉さん、こんな感じでいいかい?」

 

「そうそう、そういう感じで丁寧に、あぁ〜そうそう、いい感じですねぇ」

 

ドクルンはハキケイラに日焼け止めクリームを背中に塗ってもらい、気持ち良さそうに日光浴をしていた。

 

「はぁ〜・・・・・・暑いの・・・・・・」

 

イタイノンはパラソルで日向を避けながらも、ビーチベッドの上でゲームと洒落込んでいた。

 

「フーちゃん、気持ちいいね〜」

 

「んぅ・・・すぅ・・・んぅ・・・・・・」

 

ヘバリーヌとフーミンは海の上で浮き輪に乗りながらプカプカと浮かんでいた。

 

「カスミーナ、ちゃんと扇ぎな」

 

「これでいいか・・・??」

 

「そうそう、あぁ〜気持ちいいわね〜♪」

 

そして、クルシーナの横にはかすみが大きな葉っぱでクルシーナを仰いでいた。

 

こんな感じで秋なのだが、すっかり夏気分のキングビョーゲンの娘たちは無人島の小さな浜辺ではあるが、ビーチを楽しんでいた。無論、全員水着姿で人間の肌になっている。

 

クルシーナは赤色のビキニと下半身に黒色のパレオを身につけており、ドクルンは青色のレースアップのワンピース水着、イタイノンは紫色のワンピースのような水着を着ている。

 

ハキケイラは白と紺の競泳水着、ヘバリーヌは黒色のフィットネス水着にショートパンツを身につけ、フーミンはいつものベールを脱ぎ捨ててシースルーの白い水着にスカート風のパンツ、頭には白い帽子を被っている。

 

そして、かすみも紫色の水着を身につけていた。

 

ズズズズズズ・・・・・・。

 

「ぷはぁ・・・・・・で、そこの筋肉バカは何をしているわけ?」

 

クルシーナはジュースを空にした後、岩場の上に立っているグアイワルの姿を不機嫌そうに見ていた。

 

「ふっ・・・・・・赤道直下にふさわしい赤道直下具合だ」

 

「何を言っているのかさっぱりわからないの・・・・・・」

 

「暑い場所だって素直に言えばいいのに」

 

辺りを見渡すグアイワルがそう言うと、ドクルンとイタイノンはその言動に茶々を入れる。

 

「わーい、気持ちいい〜!!」

 

バシャバシャバシャバシャバシャバシャ!!!!

 

「ぶっ!!??」

 

ヘバリーヌが足を思いっきりバタつかせると、間欠泉が吹き出したと言わんばかりの凄い勢いの水しぶきがグアイワルに降りかかり、あっという間に体がビショビショになった。

 

「水も滴るいい男って言うけど、これは水も滴るマッチョだね」

 

「避ければいいのに、あいつはバカなのか・・・・・・?」

 

ハキケイラが面白おかしくそう言い、かすみは怪訝そうな表情を浮かべながらも呆れた言葉を返した。

 

「ぷるぷるぷるっ!! うるさいぞっ、お前たち!! っていうか、俺様を差し置いてビーチで遊んでるんじゃないっ!!!!」

 

「アンタの都合なんか知らないわよ。それにアタシたちはお父様公認の休暇なの。文句言われる筋合いはないし」

 

グアイワルは体を振って水しぶきを飛ばしてから文句を言うと、クルシーナは意に返す事なく切り捨て、手下の小さなコウモリに空のカップを渡してジュースを入れるように命じる。

 

「くっ・・・まあいい!!」

 

悔しそうにしていたグアイワルだが、放っておくことにして、目の前に生えているヤシの木に目をつけた。

 

「とりあえずあれで行くか・・・・・・」

 

グアイワルは早速、両腕を鳴らして黒い塊を出現させる。

 

「進化しろ!ナノビョーゲン!!」

 

「ナノー!」

 

握り拳を合わせながらそう叫ぶと胸を逸らすようなポーズをする。そこからナノビョーゲンが生み出され、ヤシの木へと取り憑いていく。

 

「・・・!?・・・!!」

 

ヤシの木の中に宿るエレメントさんが病気に蝕まれていく。

 

そのエレメントさんを主体として、巨大な怪物がその姿をかたどっていく。凶悪そうな目つき、不健康そうな姿、そしてそれを模倣する様々な自然のものが姿として現れていき・・・。

 

「メガビョーゲ〜ン・・・・・・!」

 

バレー選手のような姿をした、やや小型のメガビョーゲンが誕生した。

 

「あれ? メガビョーゲンなの?」

 

「なんで今更?なの・・・・・・」

 

その光景を見ていたクルシーナとイタイノンは、ギガビョーゲンではなくメガビョーゲンを生み出したことに目を丸くしていた。

 

「メェェ・・・・・・」

 

メガビョーゲンは早速辺りを蝕もうと、口内にエネルギーを溜めていくが・・・・・・。

 

「バッキャロォォォォォォ〜!!!!」

 

「ガァァァァァァ!?」

 

「「「・・・・・・はぁ?」」」

 

「「えっ・・・・・・?」」

 

「??」

 

「んぅ・・・!?」

 

グアイワルは突然メガビョーゲンにビンタを放って吹き飛ばし、それを見ていたキングビョーゲンの娘たちとかすみは驚きを隠せなかった。

 

「何やってんの、アンタ・・・バカなの??」

 

「黙って見てろ!! いいか!! お前の必殺技を完成させるんだ!!」

 

「メガァ?」

 

「早速・・・・・・」

 

クルシーナが心底呆れたように返すと、グアイワルはそれを一蹴して、メガビョーゲンにコーチのように叫び出す。そして・・・・・・。

 

「これから・・・・・・特訓じゃい!!!!」

 

格好までコーチ風に変わり、竹刀まで持って特訓を始めると言い出したグアイワル。

 

「・・・はぁ、くっだらねぇ。カスミーナ、もう仰ぐの止めていいから、ヘバリーヌやフーミンと一緒に海で遊んで来ていいわよ」

 

「あ、ああ・・・・・・じゃあ、遠慮なく・・・・・・」

 

クルシーナはもはや呆れ返ったようにため息を吐くと、かすみにそう命じて昼寝をし始める。かすみはグアイワルの行動に戸惑いつつも、ヘバリーヌとフーミンがいる海へと向かって行く。

 

「・・・・・・・・・」

 

クルシーナはそんなことをしつつも、薄眼を開けてグアイワルとメガビョーゲンの様子を見ようとする。

 

「メガビョーゲンを特訓とか、聞いたことないの・・・・・・」

 

「なんだか面白くなりそうですねぇ・・・・・・ハキケイラも遊んでてください。もうこちらは大丈夫なので」

 

「わかったよ、姉さん・・・・・・」

 

イタイノンも呆れたように見ており、ドクルンは口元に笑みを浮かべつつも、ハキケイラにそう命じる。ハキケイラはグアイワルを冷たい目で見つつ、同じように浜辺へと向かっていくのであった。

 

「行くぞ!!」

 

「メ・・・・・・メガァ!!!!」

 

そして、特訓を開始したグアイワルを、三人娘は呆れながらも見守るのであった。

 

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