ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
プリキュアVSビョーゲンズのビーチバレー対決開幕!!


第126話「対決」

 

クルシーナの提案で唐突に始まったビーチバレー対決、両者にとっては不本意ながらもプリキュアチームと、ビョーゲンズチームに分かれてビーチバレーで対決することになった。

 

プリキュアチームのコートには、グレース、フォンテーヌ、スパークル、アースの4人、ビョーゲンズチームのコートには、メガビョーゲン、ドクルン、イタイノン、そしてクルシーナになんの前触れもなく呼び寄せられたヘバリーヌの姿があった。

 

そして、提案者のクルシーナは・・・・・・。

 

カァン!!

 

「さぁ!! いよいよ始まるよ!! プリキュアとビョーゲンズのビーチバレー対決!! 秋の涼しさに負けないくらいの、熱いバトルを繰り広げるよぉ!! 実況はアタシ、クルシーナがお送りしまーす!! そして、解説は・・・・・・!」

 

「医者の中島です。試合を見て話せばいいの? しんらちゃん?」

 

「そうそう!! 好きに話していいわよ。よろしくね、ふふふっ♪」

 

コートの側にいつの間にか長テーブルとイスが設置されており、そこにクルシーナと中島先生が二人で座っている。しかも、中島先生が隣にいる際のクルシーナは穏やかな表情を浮かべていて嬉しそうだった。

 

「うぇっ!? ちょっと!!??」

 

「なんでお前、勝手に実況役になってるの!?」

 

「チッ・・・うるっさいなぁ・・・・・・!!」

 

そこへコートへと立っているスパークルとイタイノンが抗議の声を上げるとクルシーナは不快そうに顰める。

 

「しんらちゃんは、やらないの? ビーチバレー・・・・・・」

 

「自分から勝負を吹っかけてきておいて・・・!!!!」

 

「アタシがやるなんて一言も言ってない。だから、アタシが試合に出ようが、実況してようがアタシの勝手じゃない」

 

グレースとフォンテーヌがそう呼びかける。特にフォンテーヌはクルシーナのことを睨んでいたが、クルシーナはどこ吹く風と言わんばかりに勝手な持論を述べる。

 

「なんて奴だ・・・・・・」

 

「まあ、クルシーナはこういう性格ですからね・・・・・・」

 

それを試合には参加せずに見守るグアイワルと、試合に参加しているドクルンは呆れたように見ていた。

 

「お姉ちゃんがやらないなら〜、ヘバリーヌちゃんがやっちゃうよぉ〜」

 

「ほら、ヘバリーヌがやる気満々よ。なのにお前らと来たら、文句ばっかじゃん」

 

「お前が言うななの!!」

 

「アンタが言うな!!」

 

「あなたが言わないの!!」

 

体を弾ませながらワクワクとしているクルシーナがそう言い放つと、イタイノン、スパークル、フォンテーヌは同時にツッコミを入れる。

 

「うるさいっ、さっさとやれ。初っ端からつまんねーもん見せてんじゃねーよっ。まぁ、面白いか知らないけど」

 

「言うに事欠いて・・・・・・!!!」

 

クルシーナが不機嫌そうにそう言うと、フォンテーヌは非難の視線を向けながら言う。

 

「えっと・・・・・・どうやれば、いいのかな・・・あははは・・・・・・」

 

そんな中、グレースだけは律儀にビーチバレーの対決の仕方を聞いていた。よくみると特にビーチボールがあるわけでもなければ、それを出してくれるわけでもないのだ。

 

「・・・・・・あぁ、言うの忘れてたわね」

 

「相変わらず適当ウツ・・・ふぎゃぁ!?」

 

クルシーナが思い出したかのように言うと、ウツバットが茶々を入れ、その直後に顔面にクルシーナのパンチが入った。

 

「ルールは簡単・・・5ポイントで1セットを先に取った方の勝ち。ボールは自分たちの力を使って生み出した丸い球体を使うこと」

 

「生み出した球体・・・・・・?」

 

「例えば、そこにいるメガビョーゲンだったらヤシの木に付いているヤシの実を使うっていう感じよ、これなら理解できるでしょ?」

 

「私たちだったら、エレメントさんの力を使うっていうことかしら?」

 

「そうそう、そういうこと。それをサーブで打って、ボールを打ち返すというラリーをするってこと」

 

クルシーナは律儀に説明していき、スパークルとフォンテーヌの疑問にもちゃんと答える。

 

「ボールの代わりに、それで打つってことですよね?」

 

「そうよ、っていうかそう説明したでしょ。こんな感じで出して、こう打てばいいわけ!!」

 

アースが質問をすると、クルシーナは手のひらを広げてピンク色の禍々しい球体を作り出して見せ、それを上に打ち上げて球体をスパイクのように打つ。

 

ビュンッ!!!!

 

「ひぃっ!?」

 

ピンク色の球体はスパークルの顔スレスレを通過し、思わず悲鳴を上げる。球体は海へと飛んでいくと、着弾して大きな水しぶきを上げた。

 

「まぁ、こんな感じね」

 

「ちょっとぉ!! 今、あたしに当たりそうになったんですけど!?」

 

「別に当たってないんだからいいじゃない。狙って打ったわけじゃないんだからさぁ?」

 

スパークルが不満の声を上げると、クルシーナはそれを一蹴する。

 

「いや、そういう問題じゃないし!!」

 

「とにかく当たってないからいいのよ・・・!!」

 

「いや、だからぁーーーー」

 

「ごちゃごちゃ言うなっ!!!!」

 

やめようとしないスパークルの抗議の声に、クルシーナが怒鳴って黙らせる。

 

「ねぇ〜、もう始めようよ〜!! そこの黄色のプリキュアちゃんのせいで面白くな〜い!!」

 

「あたしのせいなの!?」

 

ヘバリーヌが顔を膨らませながら不満の声を漏らす。

 

「しんらちゃん、そろそろ始めないの?」

 

「あっ・・・そうだったわね。それじゃあ、試合開始!!」

 

カァン!!!!

 

中島先生にそう言われたクルシーナは咳払いすると、席に付いてハンマーでゴングを鳴らす。

 

「・・・・・・なんで、ゴングなの?」

 

格闘技ではないのに、そんなものを使われることに突っ込まずにはいられないイタイノン。

 

まず最初にサーブを打つのは、メガビョーゲンだ。

 

「メガビョーゲン!! 今度こそ、お前の特訓の成果を見せてやれ!!」

 

「メガァ・・・・・・!!」

 

観客席となっているグアイワルが叫ぶと、メガビョーゲンは頭に生えているヤシの木を一つ取り、目の前に構える。

 

「「「「っ・・・・・・!!」」」」

 

プリキュアの4人は手を前に構えて飛んでくるサーブに備える。

 

「さあ、まずはメガビョーゲンのサーブ!! ヤシの木の怪物が先手を決めるんでしょうか!?」

 

「気合いが入ってるわね!! そのメガなんとかくん♪」

 

「・・・・・・メガビョーゲンね、先生。あと『くん』付けいらないから」

 

クルシーナと中島先生は楽しそうに実況と解説をしている。

 

「赤道直下で編み出した必殺技を、受けてみろ!!!!」

 

「メェェェェェガァ・・・・・・!!」

 

グアイワルがそう叫ぶと、メガビョーゲンはヤシの実を上に放り投げてその場から飛び上がると・・・・・・。

 

「激熱!! 赤道直下サ〜ブ!!!!」

 

「ビョ〜〜〜〜ゲェン!!!!」

 

グアイワルの声に合わせてスパイクのような要領で放つと、放たれたヤシの実は炎を纏ってプリキュアたちへと向かっていく。

 

「出ました!!! メガビョーゲンの赤道直下サーブ!!!!」

 

「うわぁっ!!??」

 

放たれたサーブをスパークルは思わず避けると、ヤシの実は地面に当たって凄まじい砂埃を上げた。

 

「何、今の!?」

 

「すっげぇ威力ニャ!!!!」

 

メガビョーゲンの打つサーブのあまりの威力にスパークルとニャトランは驚く。

 

「ヤシの実は見事にコートにイン!! ビョーゲンズに1点入りましたー!!!!」

 

「1−0ね」

 

メガビョーゲンがサーブを決めたことにより、ビョーゲンズ側に1点入った。

 

「ちょっと!! あんなサーブ打てるわけないし!?」

 

「また文句ですかぁ?」

 

「いちいちうるさい奴なの・・・・・・」

 

スパークルが飛び出した抗議の声に、ドクルンとイタイノンは辟易している様子だ。

 

「伝説の戦士だったらそのぐらい打ち返せるでしょ。いちいち文句言わない!! 次、お前らの番よ。早くサーブを打ちなさいな」

 

「っ・・・・・・!!」

 

クルシーナが実況の声をやめて不機嫌そうな声でそう言うと、プリキュアたちにサーブを打ち返すように促す。それにスパークルは少し悔しそうな顔をしていた。

 

「ひなたちゃん、喧嘩しちゃ、めっ!よ♪」

 

「先生までぇ〜・・・そんなぁ〜・・・・・・」

 

中島先生にも叱られたスパークルは落ち込んだような反応を見せる。

 

「先生・・・・・・状況を楽しみ始めてるでしょ?」

 

「ふふふっ♪ ダメ?」

 

クルシーナが少し呆れたようにそう言うと、中島先生は笑みをこぼしながらそう言った。

 

「私が行くわ!! 水のエレメント!!」

 

フォンテーヌはそう言うと水のエレメントボトルをステッキにセットして、ステッキの先から水色の球体を作り出す。

 

「さて対するプリキュアもサーブを打ちます。何やら青い球体を作り出したようですが・・・・・・」

 

「あれがサーブの球なんじゃないかしら?」

 

「・・・・・・まあ、誰がどう見てもそうよね」

 

クルシーナと中島先生がそんな風に見ながら言う中、フォンテーヌは水色の球体を打ち上げ・・・・・・。

 

「ふっ!!!!」

 

飛び上がりながらスパイクのように打った。

 

「っ・・・ふっ!」

 

ボールの落下地点の近くにいたドクルンがレシーブを打つ。

 

「・・・・・・っ!!」

 

イタイノンが素早く移動すると両手を顔の前に出して、トスをする。

 

「メェェェェガァ!!!!」

 

そして、メガビョーゲンが飛び上がってスパイクを放った。

 

「っ、やぁっ!! あっ!?」

 

飛んできた球体をスパークルがなんとかレシーブで打ち上げるも、ボールは後ろへと行ってしまう。

 

「任せてください!! ふっ!!!!」

 

それをアースが駆け出して、ボールの着地点へと走り、両手を前に突き出してコートへと戻してフォローする。

 

「はぁっ!!!!」

 

ネットの近くへと飛んで来た球体をフォンテーヌが飛び上がって、スパイクで打ち返した。

 

「っ!!!!」

 

「とぉっ!!!!」

 

イタイノンは素早く移動して球体にレシーブを打って横に飛ばし、ヘバリーヌがトスをして打ち上げる。

 

「それっ!!!!」

 

ドクルンが手に冷気を纏って、球体にスパイクを放つ。すると凍り付いた球体がプリキュアのコートに放たれる。

 

「っ、あぁぁぁ!!!!」

 

グレースはそれをレシーブで返すかのように受け止めるも、氷漬けで威力が増した球体に吹き飛ばされてしまう。

 

「「「グレース!!!!」」」

 

三人は吹き飛ばされたグレースを心配して見る。

 

「ここで何か出ましたよー!!!! ドクルンの冷気スパイクゥ!!!! これはプリキュアも返せなーい!!!!」

 

「2−0ね」

 

「冷気スパイクですか・・・・・・いい名前ですねぇ!」

 

「どこがなの・・・・・・」

 

クルシーナが何やら熱く実況していると、ドクルンが反応し、イタイノンが淡々と返した。

 

「っ・・・・・・私は、打ち返したい・・・・・・!!」

 

グレースは立ち上がると球体を迎え撃つべく構える。

 

「メェェェェェガァ・・・!!!!」

 

「また放たれたよー!!!! メガビョーゲンの赤道直下サーブ!!!!」

 

メガビョーゲンは再びヤシの木を取ってスパイクのように放った。

 

「きゃあぁぁぁぁぁ〜!!!!」

 

グレースは再び打ち返そうとしたが、レシーブを受け止めたのにも関わらず力負けして吹き飛ばされてしまう。

 

「おっとグレース!! これは打ち返せない!!!!」

 

「3−0よ」

 

「くっ・・・・・・!!」

 

またビョーゲンズに点数が入ってしまう。グレースは傷つきながらも立ち上がり、闘う意志を失くさない。

 

「グレース、今のよかったラビ!! もう少しでレシーブできるラビ!!」

 

「うん・・・でも、なんて強いサーブなの・・・・・・?!」

 

「ククク、どうだこの威力!! この必殺ワザを生み出すために、地獄の強化特訓をしたからな!!」

 

グアイワルはそう言いながら、自身が行った特訓を話し出した。

 

メガビョーゲンはタイヤで括って腰に巻いたまま、グアイワルを乗せたまま走らせたり、長い距離をうさぎ跳びさせたり、特訓で根をあげたり弱気になっていると、グアイワルは水をかけたり、竹刀で威嚇したりと喝を入れて行く。

 

さらに・・・・・・。

 

「オラオラオラオラッ!!!!」

 

「メガガガ・・・メガァ!!!!」

 

「ひぃっ・・・おい!! こっちにも飛んで来たのっ!!!」

 

トドメにはグアイワルが連続でヤシの実をメガビョーゲンにぶつけまくり、さらにはイタイノンの近くにまで飛んで来て当たりそうになり、怒りを見せていた。

 

「ビッシビシ鍛えてやったぞ!!!!」

 

「メガァ・・・・・・」

 

「メガビョーゲン、顔が疲れてな〜い?」

 

「あんな顔のメガビョーゲン初めて見たの・・・・・・」

 

「それだけ嫌だったんですね、わかります」

 

自慢をするかのようにグアイワルが話を終えると、メガビョーゲンはとても嫌そうな顔をしており、コートにいるビョーゲンズの三人は哀れむような様子で見ていた。

 

「そんな鬼コーチ、時代遅れラビ!! 選手の未来を潰しちゃうラビ!!」

 

「ひどい・・・・・・!!」

 

「引くわぁ・・・・・・」

 

ラビリンとグレースが怒る中、スパークルはその特訓内容に顔を引きつらせていた。

 

「大体、メガビョーゲンに特訓っていうのが間違ってんのよ」

 

「そうなの? しんらちゃん」

 

「・・・・・・先生は反応しなくていいわよ」

 

クルシーナは冷めた様子でその言葉を呟き、よくわかっていない中島先生が反応したため、クルシーナは目を瞑りながらそう言った。

 

「そんな歪んだ指導を・・・アスリートとして認めるわけにはいきません!!」

 

「恐怖が支配する特訓なんて、無意味だということをここで証明して見せるわ!!!!」

 

「なんかえらく熱が入ってるの・・・・・・」

 

「何かの見過ぎな気がしますけどね・・・・・・」

 

アースやフォンテーヌが怒ってそう言うと、イタイノンとドクルンは呆れたような様子だった。

 

「よ〜し!! みんな行こう!!!!」

 

グレースがそう叫ぶと、プリキュアの4人は集まって円陣を組むと真ん中で手を重ねた。

 

「ふんっ、ごちゃごちゃとうるさいわ!!!!」

 

「うるせぇのはお前の声だよ・・・!!!!」

 

「まぁまぁ、しんらちゃん、試合を続けましょう♪」

 

「そうね、さぁ次のサーブはプリキュアの番よ」

 

グアイワルの声に不快感を露わにしていたクルシーナだが、笑顔でそう言う中島先生に気持ちを撮り直して、プリキュアチームにサーブを促す。

 

「じゃあ、行くよ〜!!!! 光のエレメント!!」

 

サーブを打つのはスパークル、ステッキに光のエレメントボトルをセットして、黄色の球体を作り出す。

 

「そ〜れっ!!!!」

 

スパークルは球体を打ち上げると飛び上がり、スパイクのように打ち返した。すると・・・・・・。

 

「メガァ!!??」

 

「おーっと、プリキュアの打ったサーブがメガビョーゲンの顔面に直撃〜!!!!」

 

「これで3−1になったわね」

 

黄色の球体はメガビョーゲンの顔面に直撃してボールはあらぬ方向へと飛んでいき、プリキュア側の初得点になった。

 

「よしっ!!!!」

 

「いいぞ、スパークル!!」

 

「すごいサーブだったわ!!」

 

スパークルはガッツポーズをし、ニャトランとフォンテーヌはそのサーブに感心する。

 

「メガビョーゲン、何してる!!! お前ならもっとやれるはずだ!!!!」

 

「メ・・・メガァ・・・・・・!!」

 

グアイワルの言葉にメガビョーゲンは再び立ち上がると、頭部のヤシの実を1つむしって構える。

 

「食らえ!! 赤道直下サ〜ブ!!!!」

 

「メガビョ〜・・・・・・ゲンッ!!!!」

 

メガビョーゲンは再びプリキュア側に目掛けてサーブを放った。

 

「っ・・・・・・!!」

 

それを見てグレースは単身走り出して、サーブされたヤシの実へと向かっていく。

 

「ボールを返すときに大事なことは・・・!!!!」

 

「落下位置に、素早く移動することラビ!!!!」

 

グレースはサーブの落ちる位置に素早く移動して、受け止める体勢で構えた。

 

「そして重心は・・・!!!!」

 

「できるだけ下げて!!!!」

 

「両手をあげるラビ!!!!」

 

「はい、コーチっ!!!!」

 

「ぷにシールド!! トスっ!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁ!!!!」

 

グレースはシールドを広げてサーブを受け止めると、そのまま上空へはじき返した。

 

「おっと!! キュアグレース、赤道直下サーブを打ち返したー!!!!」

 

「すごいわ!! のどかちゃん!! ラビリンの特訓が活かされたわね〜!!」

 

クルシーナと中島先生がそういう中・・・・・・。

 

「今よ!! 氷のエレメント!! はぁっ!!!!」

 

フォンテーヌは氷のエレメントボトルをセットし、ステッキから氷を纏った光線を放って、打ち上がったヤシの実を氷漬けにした。

 

「ふっ!!!!」

 

「はぁっ!!!!」

 

フォンテーヌはそのヤシの木をトスで打ち、アースがスパイクで打ち返した。

 

「メガァ・・・・・・!?」

 

メガビョーゲンはそれをスレスレのところで避けた。その結果・・・・・・。

 

「おっとメガビョーゲン、球を避けたぞ!! しかも、コートにインしたよ!」

 

「3−2ね」

 

クルシーナが少し呆れたように実況する中・・・・・・。

 

「避けた・・・・・・!?」

 

「勝負しないとは・・・卑怯です!!」

 

「アスリートとして恥を知りなさいっ!!!!」

 

「いや、アスリートじゃないの・・・・・・」

 

「メガビョーゲンですし・・・・・・」

 

「うんうん、そうだよね〜・・・・・・」

 

アースの返した球体を返さなかったことで、アースとフォンテーヌが指を差しながら指摘すると、ビョーゲンズの三人は静かにツッコミを入れる。

 

「うるさいっ!!行けっ!!!!」

 

「メガァ・・・・・・」

 

グアイワルはサーブを放つように指示をし、メガビョーゲンは頭部に手を伸ばすが・・・・・・。

 

「メガ?」

 

「ん? なっ!! 球切れ!?」

 

なんとメガビョーゲンの頭部にヤシの木は残っておらず、グアイワルは驚いていた。

 

「えぇ〜! もう打てないのぉ〜!?」

 

「使えないメガビョーゲンなの・・・!!!!」

 

ヘバリーヌも一緒に驚いていて、イタイノンは冷めた目で見ていた。

 

「ほら、どけなの!! 私がやるの!!」

 

「メガァ!?」

 

「お前は前にいろなの!!」

 

「メガァ・・・・・・」

 

イタイノンはメガビョーゲンの顔面に蹴りを入れて吹き飛ばすと、前に行くように命令する。顔を抑えながらもメガビョーゲンはイタイノンのいた前の位置に出る。

 

バチバチバチバチバチ・・・・・・!!!!

 

イタイノンは手のひらを広げると、雷の球を作り出す。

 

「ふっ・・・っ!!!!」

 

それを上に放り投げて飛び出すと、スパイクを放ってプリキュアへと打ち込む。

 

「うぇっ!?」

 

「落ち着け、スパークル!! さっきのグレースの方法だニャ!!」

 

「あっ・・・そっか!」

 

「ぷにシールド!! レシーブ!!」

 

スパークルはバチバチと光る雷の球体に驚くも、ニャトランが諭すとスパークルは両手を前に出し、シールドを展開して受け止める。

 

「っ・・・はぁっ!!」

 

スパークルは凄まじさに顔を顰めるも、なんとか上へと打ち上げる。

 

「ぷにシールド!! トスペエ!!」

 

「ええ!! はぁっ!!!」

 

フォンテーヌもシールドを展開すると雷の球を打ち上げて、コートの前へと持ってくる。

 

「グレース!!」

 

「うん!!」

 

「ぷにシールド!! スパイクラビ!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

ラビリンの指示もあって、グレースはシールドを展開するとそのまま駆け出してスパイクを放った。

 

「させませんよっ、ふっ!!!!」

 

ドクルンが駆け出して球体を片手で上手く弾く。

 

「ほいっ!!!!」

 

そのドクルンがフォローした球をヘバリーヌがトスをして打ち上げる。

 

「メガァ!!!!」

 

その球をメガビョーゲンが飛び出してスパイクを放って、プリキュアへと打ち返す。

 

「っ・・・・・・あぁっ!!!!」

 

その球はアースへと飛んできたが、彼女は受け止めた途端に感電して吹き飛ばされつつも、なんとか打ち返すも球体は思いっきり後ろへと下がる。

 

「おっと、キュアアース!! 雷の球をうまく打ち返せず後ろへ!!!!」

 

「私に任せて!!」

 

それを見たフォンテーヌはかなり飛んだ球体の元へ持ち前の運動能力を活かして駆け出す。

 

「ぷにシールド!!」

 

「はぁっ!!」

 

フォンテーヌはシールドを張りつつ飛び出し、片手を伸ばして球体を前へと戻した。

 

「スパークル!! スパイクだ!!」

 

「OK!! やあぁっ!!」

 

スパークルは戻ってきた球体を飛び上がってスパイクを放って、ビョーゲンズのコートへ。

 

「メガガガガガ・・・ガァ!?」

 

球体はメガビョーゲンの顔に当たって感電し、メガビョーゲンは吹き飛んだ。

 

「これで3−3ね」

 

「さぁ!! プリキュアチーム追い上げてきた!! 試合も面白くなってきたわよ!!」

 

クルシーナは面白くなったのか、少し興奮気味な実況をし始めた。

 

「くっ・・・私はまだ、負けませんよ!!!!」

 

ドクルンは少し悔しそうな顔をしながらそう言う。

 

「グレース、実りのエレメントボトルラビ!!」

 

「はいっ!! 実りのエレメント!!」

 

グレースはラビリンの指示に従って、実りのエレメントボトルを使い、エネルギーを空中へと放つ。

 

「ラビラビラビラビ!! ど根性ラビ〜!!!!」

 

ラビリンが力を使って、実りのエレメントボトルの力をピンク色の球体へと変え、パワーを貯めていく。

 

「これでサーブを打つラビ!!」

 

「はい、コーチ!!」

 

「サーブは前へと打ち上げて、なるべく自分の手を持っていくように打つラビ!!」

 

「はいっ!!」

 

グレースはピンク色の球体を手に持って構える。

 

「っ、はぁっ!!!!」

 

ラビリンの教えてあげたとおりに、グレースは球体を上へと投げると飛び上がり、自分の手を持って行きながらスパイクのように打った。

 

「メガァァァァ〜!?」

 

メガビョーゲンは放たれた球体を受け止めるも、耐えきれずにそのまま空中へと吹き飛んだ。

 

「これは凄まじい威力だ!! メガビョーゲン!! グレースの放った球体で吹き飛んだ!!」

 

「まぁ!! のどかちゃんったらすごいのね!! 3−4よ!」

 

「さぁ! プリキュアチーム、マッチポイントです!!」

 

中島先生は先ほどよりも感嘆の声をあげ、そしてプリキュアチームは次に点を入れれば勝ちになった。

 

「みんなぁ!! あと1点だよ!!」

 

「気合を入れていくわよ!!」

 

「最後までアスリート魂を強く持ちましょう!!」

 

「えっ・・・もうメガビョーゲン浄化していいんじゃ・・・・・・」

 

プリキュアの3人は気合いが入っていたが、スパークルはメガビョーゲンを浄化できるのではと疲れ切った顔で言っていた。

 

「っ〜〜、本当にグアイワルと同じで使えないメガビョーゲンなの・・・!!!!」

 

「製作者と似てますねぇ・・・・・・」

 

「ええい!! うるさいぞ、お前たち!! メガビョーゲン立て!! お前の力はそんなものじゃないはずだ!!」

 

「メ・・・メガァ・・・・・・」

 

イタイノンとドクルンが生み出したグアイワル共々メガビョーゲンを貶し始め、それにヤケになったグアイワルはメガビョーゲンにそう命令するが、メガビョーゲンの体は震えていて立ち上がるのもやとだった。

 

「どうせ負けでしょうけど、最後までやりますよ。今度は私がサーブを打ちますよ」

 

ドクルンは手のひらで青い禍々しい球体を作り出して、宙へと放り投げる。

 

「はぁっ!!!!」

 

そして、放り投げた球体をスパイクのように放ち、プリキュアのコートへ。

 

「来るよ!!」

 

「えぇ!! スパークル!!」

 

フォンテーヌは落ちて来る球体をスパークルの方へと打ち上げる。

 

「うぇぇっ!! グレース!!」

 

スパークルも飛んできた球体をグレースへと繋げる。

 

「うんっ!!」

 

グレースは頷くと球体の飛んでいく方向へと駆け出していく。

 

「みんなが繋いだボールを・・・!!!!」

 

グレースは言いながら飛び上がり、ボールへと迫る。

 

「届ける!!!!」

 

そして、球体をスパイクするように放った。グレースのスパイクを受けて飛んで行ったボールは・・・・・・。

 

「メ・・・メガァ・・・・・・メガァァァァァ!!!!」

 

再度メガビョーゲンの顔面へと直撃し、大きな砂埃を立てながら着弾した。そして、砂埃が晴れていくと・・・・・・。

 

そこには倒れているメガビョーゲンの姿があった。

 

「はい!! ゲームセット!! この勝負、プリキュアチームの勝利だー!!!!」

 

「やったわね!! みんな!!」

 

クルシーナはいつも以上に興奮してそう叫んだ。ビョーゲンズが負けたのにも関わらず、中島先生と一緒にいるクルシーナは楽しそうだった。

 

「やったー!! やりましたよ!! コーチ!!」

 

「ラビ!! もうグレースに教えることは何もないラビ!!」

 

グレースとラビリンは勝利をお互いに喜び合う。

 

「あ〜あぁ〜、負けちゃったぁ・・・でも、楽しかったぁ〜!」

 

「別に負けても悔しくないの・・・・・・」

 

「クルシーナに付き合わされただけですからね・・・・・・」

 

ヘバリーヌは悔しく思いつつも心底楽しそうな顔をし、イタイノンとドクルンは淡々とした様子だった。

 

「クゥ〜ン・・・・・・」

 

「あっ、そうでした!! グレース、メガビョーゲンの浄化を・・・!!」

 

「あ、うん!!」

 

キュン!!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

ラテが苦しそうにしているのを見たアースに指摘され、グレースはステッキの肉球に一回タッチし、メガビョーゲンに向ける。ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。

 

「あそこだ!!」

 

「うんっ!!」

 

背中の左側あたりに木のエレメントさんを発見し、グレースは花のエレメントボトルを取り出してステッキにセットする。

 

「エレメントチャージ!!」

 

そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。

 

「ヒーリングゲージ上昇!!」

 

ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。

 

「プリキュア!ヒーリングフラワー!!」

 

キュアグレースはそう叫びながら、ステッキを上空へと飛んでいるメガビョーゲンに向けて、ピンク色の光線を放つ。光線は螺旋状になっていた後、メガビョーゲンに直撃した。

 

その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、木のエレメントさんを優しく包み込む。

 

花状にメガビョーゲンを貫きながら、光線は水のエレメントさんを外へと出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。

 

「「お大事に」」

 

木のエレメントさんがヤシの木へと戻ると、蝕まれたコートや砂浜、木々が元に戻っていく。

 

「もっとレシーブの特訓をすればよかった・・・・・・」

 

グアイワルはそう言いながら姿を消していった。

 

「はぁ・・・・・・今日はくたびれただけなの・・・・・・」

 

「クルシーナ、私は疲れたから先に帰りますからね・・・・・・」

 

「プリキュアちゃんたち、またね〜!!」

 

イタイノン、ドクルン、ヘバリーヌはそれぞれそう言うとその場から姿を消していった。

 

「はぁ〜、楽しかった! そろそろ帰るか・・・先生、またね♪」

 

「しんらちゃんもお大事に♪」

 

クルシーナはテーブル席から立ち上がって砂浜へと飛ぶと、中島先生にそう言ってお互いに笑みを浮かべながら手を振ると、そのまま海の方へと駆け出していった。

 

ビョーゲンズが去ったその後・・・・・・。

 

「助けてくれてありがとうございます。皆さん、ビーチバレーお上手ですね♪」

 

「いやぁ〜、それほどでも〜」

 

「うちの選手はみんな優秀ラビ!!」

 

変身を解いたのどかたちは救出した木のエレメントさんと話をしていた。そんな中・・・・・・。

 

「クゥ〜ン・・・・・・」

 

「どうしてでしょう・・・? ラテが元気にならないのです・・・・・・」

 

「うぇっ、なんで!? メガビョーゲンは浄化したんじゃ・・・・・・」

 

なぜかラテの体調が戻っておらず、額のハートマークは黄色いままだった。これはまだどこかでビョーゲンズが活動している証だ。

 

「っ、診察してみましょう・・・!!」

 

何かを思いついたちゆは聴診器を持ってラテを診ることに。すると・・・・・・。

 

(海の方で、カニさんが泣いてるラテ・・・・・・)

 

「カニさん・・・・・・?」

 

「やっぱり・・・・・・!!!!」

 

ちゆは考えていたことが一致したとそう言い、ビョーゲンズがいると思われる海の方を見る。

 

「やっぱり、そういうことだったのね・・・!!!!」

 

「どういうことペエ・・・・・・?」

 

「私たちをビーチバレーの試合に夢中にさせて、そのうちにここ一帯を病気に蝕むつもりだったのよ!!」

 

「「「「「えぇっ!!??」」」」」

 

ちゆが怒りを見せながらそう言うと、それ以外のみんなは驚きの声を上げる。

 

「また騙されたの〜!?」

 

「ひどい・・・!!」

 

「許せないです・・・!!!!」

 

ひなた、のどか、アスミはそれぞれの反応を見せる。その中には落ち込みや悲しさ、怒りの感情で溢れていた。

 

「ラビリンたちの青春を利用するなんて許せないラビ!!」

 

「行くわよ!! みんな!!」

 

妙に怒りに満ちているラビリンとちゆ、アスミは海の方へと駆け出していく。

 

「ちょっと待ってよ〜・・・もう疲れたってばぁ〜・・・・・・」

 

「わ、私も〜・・・・・・」

 

先ほどのビーチバレー対決で疲れた様子ののどかとひなたはみんなより遅れて追いかけていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・何、これ?」

 

帰ろうとかすみたちを迎えにいったクルシーナは呆然とするような光景を目にする。

 

「ギガガガ、ギガギガギガギガ・・・!!!!」

 

海近くの砂浜は広範囲が赤く蝕まれており、そこにはギガビョーゲンが横歩きで走り回りながら、口から赤い泡を撒き散らしていた。

 

「なんで、ギガビョーゲンが・・・・・・?」

 

クルシーナはそう呟きながらもポカンとした表情になる。今日は確か休暇のはずだが・・・・・・?

 

「・・・・・・今日は休暇じゃなかったのか?」

 

「僕にもさっぱりだよ・・・・・・あぁ、姉さん」

 

「ちょっと!! これ何よ!?」

 

近くでそう話しているかすみとハキケイラに、クルシーナが問い詰める。

 

「フーミンの仕業だ。こんなことになったのは・・・!!」

 

「砂浜でカニに眠りを妨げられたからといって、そのカニをギガビョーゲンに変えたのさ」

 

「アタシたちは休暇で来てんのに、なに勝手なことしてんのよ!?」

 

「私にもわからないんだ・・・・・・!!」

 

「フーミンが勝手に始めたんだよ。僕たちの責任じゃない」

 

「っ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

かすみとハキケイラはクルシーナにそう答えると、クルシーナは怒り出すが、意図してやったことではないと知るとため息をつき始める。

 

「これ・・・どうお父様に説明すればいいわけ? しかも、プリキュアがまた来るし・・・・・・」

 

クルシーナは暴れるギガビョーゲンを見ながら困ったような表情をする。この後、本当に面倒なことが起こりそうだと辟易した様子だった。

 

「ギガギガギガギガギガギガギガ!!!!」

 

「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

そんな3人の困った様子も露知らず、フーミンはそんなギガビョーゲンの背中でスヤスヤと眠っているのであった。

 

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