ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
勉強を始めるひなた、えりことの話し合い、そして・・・・・・。


第129話「勉強」

 

その日、のどかたちは学校の放課後、ひなたに勉強を教えることになり、アスミと一緒にひなたの家へと向かった。

 

「あぁ・・・・・・」

 

「あはは・・・・・・」

 

「むぅぅぅぅぅ・・・・・・」

 

のどかとちゆは苦笑いをし、ひなたは恥ずかしそうに顔を赤くしていた。

 

「あっはっはっは♪」

 

その中には、ひなたの父親であるてるひこが笑顔でいたのだ。

 

「ひなたのテスト勉強に付き合ってくれるんだって? 自分の勉強だってしなくちゃいけないのに、悪いね~、はははっ♪」

 

「こちらこそ、突然押しかけちゃってすみません・・・・・・」

 

「一緒の方が、私も捗るので・・・・・・」

 

「ふふっ、うちのひなたは勉強は苦手だけど、友達を作る才能はあるんだよなぁ~♪ 昔、友達に扱かれてたけど、あんまり成績は振るわなかったんだよなぁ・・・・・・」

 

のどかとちゆに、てるひこは嬉しそうな表情でそう語る。

 

「パパ!! 余計なこと言わないでよっ!! ほら出てって!! しっしっ!!」

 

「はいはい。ちょっとごめんね」

 

「? ワン♪」

 

ひなたは恥ずかしそうに部屋を出て行くように指示をすると、てるひこは膝に乗っていたラテに降りてもらい、立ち上がって部屋を出て行こうとする。

 

「・・・・・・じゃあねっ♪」

 

「シャ~~~っ!!!!」

 

てるひこは部屋を出る前にピースでキメ顔をすると、ひなたは威嚇するような仕草を見せててるひこを追い出した。

 

「はぁ・・・・・・」

 

ひなたはため息をつきながらも、のどかたちと勉強会を始めた。

 

「・・・・・・それで、わからないところはどこ?」

 

「っ・・・わからないところがわからない!!」

 

「? わからないところがわからないってどういうことなのかがわからないんだけど・・・・・・」

 

「うぇっ? わからないところがわからないのがわからないってのがわかんないし・・・・・・」

 

「どうしてっ!? わからないところがわからないっていうのがわからないのがわからない方がわからないわ・・・・・・!?」

 

ちゆとひなたは勉強をするどころか、お互いにちょっと変わったような、終わりそうにない言い合いになっていた。

 

「・・・これいつまで続くラビ?」

 

「あはは・・・・・・」

 

ラビリンが冷めたような表情でそう言うと、のどかは苦笑いをするしかなかった。

 

「あぁ・・・あれじゃあ、いつまで経っても終わらないネム・・・・・・」

 

その様子を窓から覗いていたネムレンは一人心配そうな表情で見つめていた。

 

その後、少し暗くなり始めた頃・・・・・・。

 

「・・・・・・例えばね。この『Satisfaction(サティスファクション)』って単語を見ると、サティスさんっていう外国の人が、『ファクション』ってくしゃみをしているビジュアルが思い浮かばない?」

 

「えぇ・・・・・・?」

 

のどかの英単語を教えていたが、その方法が独特なものだったためにちゆは少し戸惑う。

 

「浮かぶ!! めっちゃ浮かぶ!!」

 

「えっ・・・・・・!?」

 

ひなたがそれがわかったように納得しており、ちゆは驚いた。

 

「でね。くしゃみをすると、すっきり満足するでしょ? だから、satisfactionは満足って覚えられるよ♪ サティスさん、お大事に」

 

「お大事にぃ~・・・って、そんなやり方で本当に覚えられんのかよ!?」

 

のどかがそう教えると、ニャトランもノリツッコミを入れる。

 

「・・・覚えられるっ。のどかっち式連想暗記法、め~っちゃ、あたし向きかも!!」

 

「本当に!? じゃあ、このhundred(ハンドレッド)。百って単語を覚えてみよう?」

 

「うんっ!」

 

ひなたはそう答えると、のどかの指摘した単語をのどかの暗記法で実践して見ることにした。

 

「hundredで思い浮かぶビジュアルといえば・・・?」

 

「ハンド、手♪」

 

「うん♪」

 

「手といえば、指が5本!」

 

「うん♪」

 

最初までは良かったのだが・・・・・・?

 

「ゴホンといえば、風!」

 

「うん・・・・・・」

 

「風邪といえば、熱!」

 

「う、うん・・・・・・?」

 

「熱といえばお湯、お湯といえばお風呂、お風呂といえばシャンプー! シャンプーといえばコンディショナー、コンディショナーといえばトリートメント! トリートメントといえば~!!!!」

 

ひなたは途中から連想するような単語を言っているだけ・・・・・・しまいには・・・・・・。

 

「あれ? 何の話をしてたんだっけ?」

 

「ひなたぁ!!」

 

「ごめんごめん!!」

 

本来の目的すら忘れてしまい、ちゆは咎めるように叫ぶとひなたは平謝りをした。

 

「う~ん・・・・・・・・・」

 

その様子を窓から見ていたネムレンは呆れたような表情となっており、屋根の上へと飛んでいく。

 

「・・・・・・・・・」

 

「プリキュア同士でも、上手くいってないネム・・・・・・」

 

「・・・・・・はぁ。やっぱりあいつに教えるのは時間の無駄なの・・・・・・」

 

言わずもがなといった感じでイタイノンがネムレンをみると、ネムレンはそう言い、イタイノンは首を振りながらそう呟くしかなかったのであった。

 

その後、勉強会を終えたのどかたちはひなたの家で泊まることになり、ひなたの部屋で布団を敷いていた。

 

「・・・・・・そもそものお話になってしまうのですが・・・・・・」

 

「・・・うん?」

 

「別々の学校に通うと、本当に友達ではいられなくなってしまうのでしょうか?」

 

ふとアスミは眠るラテを膝に乗せながら、寝る準備をしていたひなたにそう尋ねた。

 

「・・・結局、そこに戻るのよね」

 

「でもエリザベス、じゃなくてえりこはさぁ・・・・・・あっ、そうだ! のどかっちは転校前の学校の友達と、今でも仲良しだったりする?」

 

ひなたがのどかにそう尋ねる。

 

「私は、あんまり学校にいけなかったからなぁ・・・でもね? 病院で出会ったみんなとは、今でも時々お手紙のやりとりしてるよ♪」

 

「・・・・・・それはしんらっちともやってたの?」

 

「っ・・・うん、本当はお見舞いに行きたかったんだけどね」

 

楽しそうに思い出しながら話をするのどかだが、ひなたにしんらのことを指摘されると一転して寂しそうな表情をし出した。

 

「でも退院した後に、すぐに引っ越すことになって・・・それっきりなんだ・・・しんらちゃんとは・・・・・・」

 

「あっ・・・ごめん。辛いことを思い出させちゃってっ」

 

「ううん・・・いいの・・・・・・しんらちゃんには今も会えてるから、ビョーゲンズとしてだけど・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

辛そうに話すのどかにひなたが謝罪すると、のどかは首を振りながら答えた。

 

「あたしも・・・えりこがいなくなった後、らむっちと一緒にいたけど、急に具合が悪くなって、それっきり別れちゃって・・・・・・で、今、ビョーゲンズになってた・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「それで、別れたらもう友達じゃなくなるんじゃないかって思って、でもあたしは今でも友達だと思っててっ!! えりこもそうだけど、らむっちもそう!! でもえりこも変わってて・・・らむっちも敵になってて・・・・・・」

 

ひなたが心配そうな表情で話していると、そんな彼女の肩にちゆが手を置く。

 

「ひなた・・・・・・らむさんがビョーゲンズになったのはひなたのせいじゃないし、誰も悪くないわ・・・・・・」

 

「ぁ・・・・・・」

 

「それに勉強も大事だけど、いまはえりこさんときちんと話す方がいいんじゃないかしら?」

 

「メールを送ってみたらどうラビ?」

 

「ん・・・・・・」

 

ちゆはひなたにそう言うと、ラビリンと一緒に提案するが、ひなたはどうやら連絡を取ることに迷っている模様。

 

「グジグジ考えたって仕方ねぇだろ? 俺がえりこにメールしてやる!!」

 

ニャトランはそう言いながら、ひなたのスマホをいじり始めた。

 

「あっ!? ちょっ、待って!!!!」

 

「へへ~っ♪」

 

ひなたはそんなニャトランを止めようとするも、ニャトランは頭の上にスマホを乗せながら空中を飛んで逃げ回る。ひなたもそれを追って室内を走り回り始めた。

 

「待って待ってぇ!!」

 

ドタン!!!!

 

「わぁっ!!」

 

「ニャトラン、無理無理っ。返してっ!!」

 

「へへ~ん♪」

 

物音を立てながら動き回り、ちゆはびっくりしてしまう。

 

「ラテ様が起きちゃうペエ・・・・・・」

 

そんな二人にペギタンは注意をし始めた。その時だった・・・・・・。

 

ピロリロ♪ ピロリロ♪

 

「ニャ?」

 

ひなたのスマホが鳴り出して、ニャトランが動きを止める。その隙にひなたはスマホを取り返して、画面を見てみた。

 

「・・・・・・えりこからだ」

 

「えっ・・・・・・?」

 

「何て・・・・・・?」

 

「『明日、用事があってまたそっち行く』って・・・・・・」

 

「それで・・・・・・?」

 

「『時間があえば会おう』・・・っ・・・・・・」

 

ひなたはえりこから送られてきたメールを読み、その言葉が止まった。

 

「どうした・・・・・・?」

 

ひなたに異変を感じたニャトランが尋ねると、ひなたは寂しそうな表情をしながらも次の文を読んだ。

 

「・・・・・・『ラモーナのことも聞かせて』って・・・」

 

「ラモーナ・・・・・・?」

 

「もしかして、らむさんのこと・・・・・・?」

 

ちゆにそう聞かれて頷くと、ひなたは昔のことを思い出す。

 

『うぅぅぅ・・・バイバイ、ナターシャ、ラモーナ』

 

それはらむと二人でえりことお別れした日のこと、えりこは涙ぐみながらひなたとらむの二人の手を取り、笑顔でそう言った。

 

そして、くるりと背を向けて駆け出し、そのまま家族の乗る車へと乗り込むと、その車は静かに走り出していく。

 

『エリザベスとナターシャは、えいえんにしんゆう~!!!!』

 

ひなたも涙を溜めながら笑みを浮かべて手を振り、去っていくえりこを見送った・・・・・・。

 

『・・・・・・・・・』

 

一人背を向けていたらむは少し顔を振り向かせると、口元に薄く笑みを浮かべながら『またね』と口パクで言いながら手を振った。

 

「・・・・・・・・・」

 

昔のことを思い出したひなたは・・・・・・。

 

「・・・・・・あたし、もう1回会ってみる。エリザベスとナターシャ、らむっちは永遠だもんっ!! らむっちのことはあまりよく言えないけど・・・それでも会うもん!!」

 

「「・・・・・・ふふっ」」

 

ひなたはもう一度えりこに会ってみることを決意し、それを聞いたのどかたちは微笑んだ。

 

「お話がまとまりましたね」

 

「ありがとっ、アスミン♪」

 

ひなたはアスミにお礼を言った。

 

「ところで、ナターシャというのは誰のことですか?」

 

「・・・・・・えっ?」

 

アスミはナターシャがひなたのことだとわかっていなかったようであった。

 

「・・・・・・・・・」

 

ネムレンはその様子を見た後、屋根の上にいるイタイノンの上へと飛んでいく。

 

「・・・・・・・・・」

 

「えりこさんと会うみたいネム・・・・・・」

 

「そう、なの・・・・・・」

 

ネムレンの報告に、イタイノンは然程興味もなさそうにそう呟いた。ネムレンはその様子を心配そうに見つめていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、学校が終わって、ひなたはえりこに会いに以前から待ち合わせていた公園へと向かった。

 

気になっていたのどかたちは木の影に隠れて見守っていたが・・・・・・。

 

「「・・・・・・・・・」」

 

ひなたとえりこはベンチに座ってから、何も話す様子がない。

 

「えっ、え〜っと・・・・・・もう、こっちの用事って済ませたの?」

 

「・・・・・・まだ」

 

「そ、そっかぁ・・・あははは・・・・・・」

 

ひなたから話を切り出そうとするも、会話はすぐに終わってしまい、中々本題に入れずにぎこちない様子だ。

 

「き、気まずい空気ペエ・・・・・・」

 

「えりこのやつ、話すことないならどうしてひなたをよびだしたんだよ〜!! これじゃあ、ひなたが可哀想だぜ!!」

 

「し〜っ・・・!!」

 

ひなたたちの様子を見てペギタンやニャトランがそういうと、のどかが静かにするように静止した。

 

その頃、二人は・・・・・・。

 

「らむは、入院してるんだよね・・・・・・」

 

「そ、そうだよ・・・・・・」

 

「・・・・・・この場に一緒に居られればよかったのに」

 

「っ・・・・・・」

 

次はえりこかららむの話を持ち出すも、今度はえりこがボソリと呟いた言葉に二人が暗くなる。

 

「らむのこと、なんで話してくれなかったの?」

 

「うぇっ、えっと、それは・・・・・・」

 

「私たちって、友達じゃなかったの?」

 

「うぅぅぅぅ・・・・・・」

 

少し険しい顔をしたえりこがひなたに問い詰めると、ひなたは頭を抱え出す。ビョーゲンズのことをえりこに言えるわけがないし、病院に入院をしているとしか言い訳をするしかなかった。

 

「それは・・・・・・えりこを心配させたくなかったから・・・・・・」

 

「・・・・・・それ本当?」

 

「えっ・・・・・・」

 

「だって、入院したんだったら、私にすぐ連絡はできるよね? どうして、しなかったの?」

 

「うぅ・・・あぁ、えぇ・・・・・・」

 

ひなたは言い訳をするも、えりこに正論を言われて余計に辛そうな表情をする。

 

「何か、悪い雰囲気ですね・・・・・・」

 

「クゥ〜ン・・・・・・」

 

「イタイノンのことだなんて言えないとなるとなぁ・・・・・・」

 

アスミとラテ、ニャトランは二人の仲が良からぬ方向に行っていることに心配そうに見つめていた。

 

(ダメだ・・・・・・やっぱりあたしたち、もう終わっちゃったんだぁ・・・・・・)

 

ひなたは雰囲気が暗くなるにつれ、仲直りをするのを諦めてしまっていた。

 

「ごめん・・・やっぱ、あたし帰る・・・・・・!」

 

「えっ・・・!?」

 

ひなたはその場から立ち上がって帰ろうとし、えりこは驚いた表情を見せた。

 

帰ろうとするひなたを見て、のどかたちが心配そうに見つめていると・・・・・・。

 

「・・・・・・クチュン!!」

 

「「「「「「・・・・・・!?」」」」」」

 

ラテの体調が悪くなり、のどかたちはハッとしたような表情でラテを見つめる。

 

「っ、待ってーーーー」

 

ズドォォォォォォン!!!!

 

「うわっ!?」

 

それと同時に地響きがひなたとえりこの近くで鳴り響き、二人が見上げると・・・・・・。

 

「あっ!!」

 

「メガ、ビョ〜ゲ〜ン!!!!」

 

ウサギのような頭部と松の木のような体をしたメガビョーゲンが姿を現した。

 

「キングビョーゲン様にお会いするためにも、思いっきり蝕んじゃいなさい!! メガっち!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ん? ほらメガっち!!!!」

 

「メッ、メガッ・・・!?」

 

メガビョーゲンの足元にいたシンドイーネは、メガビョーゲンを変わった名前で呼ぶが、メガビョーゲンは自分のことを呼ばれたと思っていたなかったようで、困惑するような反応を見せた。

 

「何あれ・・・!?」

 

「こんな時に・・・・・・!!」

 

「メガビョーゲェェェン!!!!」

 

ひなたたちが見つめる中、メガビョーゲンは口から赤い光線を吐き出して公園の木々を蝕み始めた。

 

「ナターシャ、こっち!!」

 

「うぇっ?」

 

すると、えりこはひなたの手を取って共に公園から避難し始める。メガビョーゲンはなんとひなたたちが逃げた方向へと進み始めた。

 

「ニャッ!? ヤバい!!」

 

「みんな!!」

 

のどかが声を上げるとみんなは頷き、変身アイテムを取り出す。

 

「「「スタート!」」」

 

「「「プリキュア、オペレーション!!」」」

 

「エレメントレベル、上昇ラビ!!」

「エレメントレベル、上昇ペエ!!」

「エレメントレベル、上昇ラテ!!」

 

「「「キュアタッチ!!」」」

 

ラビリン、ペギタンがステッキの中に入ると、のどか、ちゆはそれぞれ花のエレメントボトル、水のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

アスミは風のエレメントボトルをラテの首輪にはめ込む。すると、オレンジ色になっているラテの額のハートマークが神々しく光る。

 

のどかとちゆは、肉球にタッチすると、花、水をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまといピンク、水色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もそれぞれをイメージをしたようなものへと変わり、のどかはピンク、ちゆは水色へと変化する。

 

ラテとアスミは手を取り合うと、白い翼が舞い、ラテが舞ったかと思うとハートの中から白い白衣のようなものが飛び出す。

 

その白衣を身に纏い、ラテが降りてきたかと思うとハープが飛び出し、さらにアスミは紫色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

衣装にチェンジした後、ハープを手に取り、その音色を奏でる。

 

キュン!

 

「「重なる二つの花!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

のどかは花のプリキュア、キュアグレースに変身。

 

キュン!

 

「「交わる二つの流れ!」」

 

「キュアフォンテーヌ!」

 

「ペエ!」

 

ちゆは水のプリキュア、キュアフォンテーヌに変身。

 

キュン!

 

「「時を経て繋がる、二つの風!」」

 

「キュアアース!!」

 

「ワン!」

 

アスミは風のプリキュア、キュアアースへと変身した。

 

プリキュアに変身したひなたとえりこを助けるべく、メガビョーゲンの阻止へと向かった。

 

一方、ひなたとえりこの二人は・・・・・・。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

えりこはひなたの手を引っ張って走っていく。

 

「メガァ〜!!!!」

 

そこへメガビョーゲンが向かっていく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「メガッ・・・!?」

 

そこへグレースがメガビョーゲンの顔面にキックを放ち、メガビョーゲンを地面へと倒した。

 

「今のうちに!!」

 

「ありがと!!」

 

グレースが指示をすると、ひなたはお礼を言い、えりこは遠くへと避難していく。

 

「メガビョーゲェェェェン!!!!」

 

直後に起き上がったメガビョーゲンはグレースに目掛けて木のような両手から松の葉を弾丸のように飛ばす。

 

「っ・・・!!!!」

 

「メッガ!!!!」

 

「あぁ・・・!!」

 

グレースはそれによって体勢を崩してしまい、メガビョーゲンは右腕を振り下ろしてグレースを地面に叩きつけるも、グレースはなんとか体勢を立て直して地面に着地する。

 

「あっはっは♪ どこまでやれるのかしらね? アリキュア」

 

「? アリキュア?」

 

「っ、アリみたいにちっぽけって意味!! さぁ、踏み潰しちゃいなさい!!」

 

「メガ! ビョーゲン!!!!」

 

メガビョーゲンは踏みつぶそうと右足を振り上げ、一気に振り下ろした。

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

そこへフォンテーヌとアースが現れ、共にキックを放ってメガビョーゲンの体勢を崩す。

 

「はぁっ!!!!」

 

さらにアースはハープを取り出して音色を奏でると、風を吹き起こしてメガビョーゲンを怯ませる。

 

「今です、グレース!!」

 

キュン!!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

アースの声を受けて、グレースはステッキの肉球を一回タッチしてメガビョーゲンに向ける。ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。

 

「木のエレメントさんラビ!!」

 

エレメントさんはメガビョーゲンの首付近にいるのを発見した。

 

「アース、お願い!!!!」

 

グレースはそう言うと、アースは頷くと両手を合わせるように祈り、浄化の準備へと入る。

 

一枚の紫色の羽が舞い降り、ハープのような武器へと姿を変える。

 

「アースウィンディハープ!!」

 

そう呼ばれたハープに、風のエレメントボトルがセットされる。

 

「エレメントチャージ!!」

 

アースはハープを手に取って、そう叫ぶとハープの弦を鳴らして音を奏でる。

 

「舞い上がれ! 癒しの風!!」

 

手を上に掲げると彼女の周りに紫色の風が集まり始め、ハープへとその力が集まっていく。

 

「プリキュア! ヒーリング・ハリケーン!!!」

 

アースはハープを上に掲げてから、それを振り下ろすとハープから無数の白い羽を纏った薄紫色の竜巻のようなエネルギーが放たれる。

 

そのエネルギーは一直線にメガビョーゲンへと向かい、直撃する。

 

竜巻のようなエネルギーはメガビョーゲンの中で二つの手へと変化し、木のエレメントさんを優しく包み込む。

 

メガビョーゲンをハート状に貫きながら、光線はエレメントさんを外に出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていく。

 

「お大事に」

 

木のエレメントさんが松の木へと戻ると、メガビョーゲンが蝕んだ公園周辺が元の色を取り戻していく。

 

「覚えてらっしゃい、ちりキュア!!」

 

シンドイーネは捨て台詞を吐いて去っていく。

 

「・・・・・・あっ、ちりのようにちっぽけって意味よ」

 

・・・・・・かと思いきや、一旦戻ってきて説明した後に今度こそ姿を消したのであった。

 

浄化が終わると、グレースたちは松の木に宿っている木のエレメントさんの様子を見ていた。

 

「・・・・・・体調はいかがですか?」

 

「ありがとう、元気になりました。お友達とお話ししているところを邪魔してしまって、御免なさい・・・・・・」

 

「いいえ、大丈夫です」

 

木のエレメントさんは謝罪の言葉を残すと、松の木の中へと戻っていった。

 

「ひなたちゃんとえりこさんは無事かな・・・?」

 

「遠くへと逃げていったみたいだけど・・・・・・」

 

グレースとフォンテーヌが心配そうにひなたが逃げていった方向を見ていると・・・・・・。

 

「クチュン!!」

 

「「っ!!??」」

 

「ラテ!?」

 

ラテが再びくしゃみをしてぐったりし始め、プリキュアの3人は驚いた表情をする。

 

「また、このパターンラビ・・・?」

 

「診察してみよう・・・!」

 

ラビリンは再び繰り返される別の場所へのビョーゲンズの出現に戸惑うも、グレースは聴診器を取り出して、ラテを診察する。すると・・・・・・。

 

(あっちで、ひなたの友達が泣いてるラテ・・・・・・)

 

「「「っ・・・・・・!!??」」」

 

プリキュア3人はギガビョーゲンが現れたことに驚きを隠せないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数分前、メガビョーゲンから逃げていったひなたとえりこは・・・・・・。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ここなら・・・大丈夫のはず・・・・・・」

 

「エ・・・エリザベス・・・・・・」

 

メガビョーゲンからようやく逃れて、えりこは息を荒くしていて、ひなたはそんな彼女を心配に見ていた。

 

「二人とも・・・・・・」

 

「「っ!!」」

 

と、そこへ二人にとっては聞き覚えのある声、二人がそれに視線を向ける。

 

「ラモーナ・・・・・・?」

 

「っ・・・・・・!!」

 

えりこは驚いたようにその人物を見て、ひなたは複雑な表情を向けていた。

 

「久しぶりなの、エリザベス」

 

「っ・・・私のことをそう言うのはナターシャと、ラモーナだけ・・・・・・あなた、ラモーナだよね? 姿は全然違うけど・・・・・・」

 

「そうなの、お前の知ってるラモーナなの」

 

口元に笑みを浮かべながらこちらを見るイタイノンに、えりこは前に出て問いかけると、イタイノンはそう答える。

 

「エ、エリザベス・・・そいつはね・・・・・・」

 

「ラモーナでしょ? 私たちの友達の」

 

「そ、そうだけど・・・・・・」

 

ひなたはえりこに説明しようとするが、ビョーゲンズの一員であると説明することができずに言葉を詰まらせる。

 

「ラモーナ、私、あなたに話したいことがいっぱいあるの・・・!!」

 

「奇遇なの。私もお前に言いたいことはいっぱいあるの」

 

えりこはそう呼びかけると、イタイノンはそう言いながらえりこに近づいて、顔を近づける。

 

「ラ、ラモーナ? あっ・・・・・・」

 

「キヒヒ・・・・・・」

 

戸惑うえりこをよそに、イタイノンは笑みを浮かべながら口を近づける。

 

「っ、ダメー!!!!」

 

「あっ・・・・・・?」

 

「っ・・・・・・!」

 

何か良からぬことを企んでいると踏んだひなたは二人を突き飛ばして引き離す。

 

「ナターシャ・・・・・・!?」

 

「今のらむっちはエリザベスに触んないで・・・!!!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

突然の出来事に戸惑うえりこの前にひなたが立って睨みつけると、イタイノンも立ち上がって服の埃を払った後にひなたを睨みつける。

 

「もう少しだったのに・・・なの」

 

「エリザベスに悪いことしようとしたでしょ!? いくららむっちでもさせないよ!!」

 

「ナターシャ・・・どういうことなの・・・?」

 

イタイノンは忌々しそうに呟くと、ひなたはイタイノンのやろうとしたことを咎める。えりこは状況をわかっていない様子だ。

 

「エリザベス、これはね・・・・・・」

 

ひなたはこの状況を説明しようとすると・・・・・・。

 

「単純な話なの。私はビョーゲンズで、そいつはプリキュアなの。私たちは敵同士ってわけなの」

 

「えっ・・・ビョーゲンズ? プリキュア? ナターシャとラモーナが敵同士?」

 

イタイノンはひなたが隠そうとしていたことをネタバラシするも、えりこは戸惑いを隠せない様子だ。

 

「病院に行ってたって話は、嘘なの・・・・・・?」

 

「うっ・・・・・・」

 

「どうなの!? ナターシャ・・・・・・!!!!」

 

「っ・・・・・・・・・」

 

えりこはひなたが嘘をついていたことを問い詰めると、ひなたは辛そうな顔をする。

 

「病院に行ってた? そんなの大嘘なの。私はずっとビョーゲンズとして地球を蝕むためにいるの。この汚れきった地球を私たちのものにするために」

 

イタイノンは不敵な笑みを浮かべながらそういうと、そのまま二人の間に割って入るように現れる。

 

「っ、あっ!!!!」

 

そして、そのままひなたを片手で突き飛ばして、えりこから引き離す。

 

「ナターシャ・・・っ!?」

 

「キヒヒヒ・・・・・・」

 

吹き飛ばされたひなたを心配するえりこだが、イタイノンがこちらを振り向きビクッとした反応を見せる。

 

「ラモーナ、ナターシャになんてことするの!?」

 

「お前、こいつに嫉妬してるんだろ? なの。こいつと一緒にいるピンクと青髪のやつに、なの」

 

えりこはイタイノンを咎めるも、イタイノンはそれを無視してえりこの本心を突くようなことを言う。

 

「そ、そうだよ・・・それがどうかしたの・・・!?」

 

「あいつらを、どうにかしたいだろ? なの」

 

「そ、そんなわけないじゃん!! 私はただ嫉妬してただけで・・・!!」

 

イタイノンのその言葉にえりこは強く否定すると、イタイノンは口元から笑みを消す。

 

「・・・ふん、まあいいの。そんなのお前の体に聞けばわかるの」

 

イタイノンはそう言うとえりこへと向き直り、両袖を払うかのような動作をして黒い塊のようなものを出現させ、右手を突き出すように構える。

 

「進化するの、ナノビョーゲン」

 

「ナノナノ~」

 

生み出されたナノビョーゲンは鳴き声をあげながら、えりこに向かって飛んでいく。

 

「い、いやっ・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

えりこは悲鳴を上げながら、ナノビョーゲンに取り込まれていく。

 

そのえりこを主体として、巨大な怪物がかたどっていく。凶悪そうな目つき、不健康そうな姿、そしてその素体を模倣する様々なものが姿として現れていき・・・。

 

「ギガビョーゲン!!」

 

背中に4本の鉛筆と1本の筆のようなものを生やし、三つ編みツインテールにメガネをかけて、女子中学生の制服を着込んだ姿のギガビョーゲンが誕生した。

 

「あぁ・・・エリザベスゥゥゥ!!!!」

 

えりこがギガビョーゲンにされたのを見たひなたは悲痛な叫びをあげる。

 

「ギガァ・・・・・・!!」

 

ギガビョーゲンは空中に無数の球体を出現させてそこから赤い光線を放ち、周辺の広範囲を蝕んでいく。

 

「キヒヒヒ・・・久々にいい気分なの・・・!!!!」

 

イタイノンはギガビョーゲンの様子を見て、笑い声をあげる。

 

「許さない・・・許さないよ、らむっち!!!!」

 

「ふん、お前に許しなんか請う必要はないの。私は私のやるべきことをやるだけなの」

 

「やるべきことって何!!?? エリザベスをギガビョーゲンに変えること!?」

 

「違うの。お前、ヒーリングアニマルから聞かされてないの? 地球を蝕んでパパのために貢献してやることなの。相変わらず忘れん坊なところは変わらないの」

 

イタイノンのやったことに怒りを見せるひなた。しかし、イタイノンはなんでもないかのようにひなたの言葉を冷たくあしらう。

 

「ひなたぁー!!!!」

 

「っ・・・ニャトラン!!」

 

そこへニャトランが飛んで駆けつけてくる。

 

「うぉっ!? ギガビョーゲンかよ!?」

 

「ニャトラン、変身するよ!!」

 

驚くニャトランをよそに、ひなたはプリキュアへの変身を促す。

 

「いや、待てよ!! グレースたちを連れてきた方がいいって!!」

 

「エリザベスが・・・エリザベスが苦しんでるんだよ!! 助けなきゃ!! お願い、ニャトラン!! あたしは、せっかく会えた友達に苦しめたくないの!!!! 今度は無茶しないから!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

ニャトランはギガビョーゲンとは明らかな戦力差があり、グレースを連れてくることを提案するも、ひなたの必死な思いを聞くと悩むように顔を俯かせる。そして・・・・・・。

 

「・・・・・・わかった。正直、時間稼ぎにしかならねぇけど、なんとか止めよう」

 

「っ・・・ありがとう、ニャトラン」

 

ニャトランはひなたの言葉を承諾し、ひなたはお礼を言うとステッキを持ってギガビョーゲンに向き直る。

 

「行くよ!!」

 

「あぁ!!」

 

「スタート!」

 

「プリキュア、オペレーション!!」

 

「エレメントレベル、上昇ニャ!!」

 

「キュアタッチ!!」

 

ニャトランがステッキの中に入ると、ひなたは光のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

肉球にタッチすると、星をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまとい黄色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もそれぞれをイメージをしたようなものへと変わり、黄色へと変化する。

 

キュン!

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

ひなたは光のプリキュア、キュアスパークルに変身したのであった。

 

「ギガァ・・・・・・」

 

ギガビョーゲンは空中に出現させた球体から赤い光線を放って、赤く蝕む行為を繰り返していた。

 

「エリザベス・・・今、助けるからっ・・・!!」

 

スパークルは友達を助けると決意し、ギガビョーゲンへと駆け出していくのであった。

 

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