ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。今回で原作第36話は終わります。
最終決戦までもうすぐです・・・・・・。


第130話「一緒」

キュン!!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

スパークルはステッキの肉球を一回タッチして、ギガビョーゲンに向ける。ニャトランの目が光り、胴体の真ん中辺りにえりこの姿があった。

 

「エリザベス・・・・・・!!!!」

 

スパークルは苦しそうな顔をしているえりこの姿を見て、居ても立っても居られずに飛び出して行く。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ギガァ・・・・・・?」

 

「っ、あぁぁぁ!!!!」

 

スパークルはギガビョーゲンの背中に蹴りを入れる。しかし、ギガビョーゲンには通用しておらず、振り向きざまに張り手を受けてしまう。

 

それでもスパークルは体勢を立て直して着地すると、遊具の上に飛び乗って駆け出し、ギガビョーゲンの前に出る。

 

「やぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルはジャンプをして、パンチを繰り出そうとするが・・・・・・。

 

「ギガァギィ・・・・・・!」

 

「・・・あっ!! きゃあぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは手のひらに数字の「1」のようなものを浮かばせると、それをスパークルへと投げつける。スパークルのパンチは数字に当たると、その数字は爆発してスパークルを吹き飛ばした。

 

「ギガァ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンはさらに数字を生み出して、スパークルに目掛けて投げつけて爆発させる。

 

「雷のエレメント!! はぁっ!!!!」

 

スパークルは煙の中から雷のエレメントボトルをセットして、ステッキから雷を纏った黄色い光線を放つ。

 

「ギガァ・・・ギギギィ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは背中の筆を一本抜き取ると、それで空中にマイナスを描いて撃ち放つ。マイナスが黄色い光線に当たると、その光線は徐々に薄まっていき、しまいには消えてしまった。

 

「っ・・・そんな・・・!!」

 

「エレメント技が無効化されるニャ・・・あの武器をなんとかしないと・・・・・・!!!!」

 

「っ・・・うん!!」

 

スパークルのその光景に驚くも、ニャトランのアドバイスを受けて心を持ち直し、ギガビョーゲンの周囲を駆け出す。

 

「ギーガァ!! ギガァ!!!!」

 

ギガビョーゲンは次々と数字を生み出して投擲していく。スパークルは着弾する数字をかわしていきながら、攻撃のタイミングを伺おうとする。

 

「ギガァ!!」

 

「っ・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンが投げた数字がスパークルに落ちて爆発するも、煙の中から不意をついて飛び出して片手に持っている筆を蹴り落とそうとする。

 

「ギガ・・・ギガギギィ!!!」

 

「うっ・・・あぁぁぁぁ!!!!」

 

しかし、ギガビョーゲンは少しも動揺せずに、その蹴りを避けると筆を持っていない方の手でパンチを繰り出して吹き飛ばした。

 

「あっ・・・ぐっ・・・・・・!」

 

「スパークル、大丈夫か!?」

 

背中から遊具に叩きつけられ、倒れながらその痛みに呻くスパークル。それをニャトランが心配そうに声をかける。

 

「キヒヒヒ・・・いいの、ギガビョーゲン。そのままそいつを叩き潰すの・・・!!!」

 

「ギガァ!!!!」

 

笑い声をあげながらイタイノンが指示を出すと、筆を持っていない方の手を振り下ろした。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

そこへ間一髪グレースとフォンテーヌが同時に蹴りを入れて阻止する。

 

「はぁっ!!!!」

 

「ギガ・・・・・・?」

 

同じく飛んできたアースが強烈なキックを食らわせ、ギガビョーゲンを数メートル後ろへと押しやる。

 

「スパークル、大丈夫!?」

 

「うん・・・それよりも、エリザベスが・・・・・・!」

 

「やっぱり、えりこさんだったのね・・・・・・!」

 

スパークルはそう言うと立ち上がって、ギガビョーゲンを見据える。

 

「ちっ・・・シンドイーネ、大した時間稼ぎにもならなかったの。ギガビョーゲン、潰してやるの!!」

 

「ギガギィ・・・・・・!!」

 

イタイノンは4人集まったプリキュアを忌々しそうにみると、ギガビョーゲンに指示を出す。ギガビョーゲンは眼鏡から赤く禍々しい光線を放つ。

 

「「ぷにシールド!!」」

 

グレースとフォンテーヌはシールドを張って赤い光線を防ぐ。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

 

防いでいる無防備なギガビョーゲンに目掛けて、スパークルとアースがかかと落としを繰り出す。それと同時にギガビョーゲンの赤い光線も止まるが・・・・・・。

 

「ギガァ・・・??」

 

「っ、あぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンには通用していないようで、顔を動かしただけでスパークルは弾かれてしまう。

 

「空気のエレメント!! はぁっ!!」

 

アースはハープを取り出して空気のエレメントボトルをセットすると、ハープから空気の塊を放つ。

 

「ギガギギィ・・・・・・!!」

 

ギガビョーゲンは持っていた筆でバツ印を空中で描くと、それをアースに目掛けて放った。

 

「っ!? あぁぁぁぁ!!!!」

 

バツ印はなんと空気の塊を呆気なく無効化し、そのままアースへと直撃して近くの遊具へと叩きつけられる。

 

「「「アース!!」」」

 

グレースとフォンテーヌ、立ち上がったスパークルが心配して見る中、煙が晴れるとそこには遊具に張り付けの状態でバツ印に拘束されたアースの姿があった。

 

「うっ・・・くっ、うぅぅ・・・う、動けません・・・!!!」

 

アースは体を捩らせてもがくも、拘束された体はビクともしない。

 

「ギガァ・・・・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは屈むように背中の4本の鉛筆を向けると、それをミサイルのように放った。

 

「っ・・・・・・!!」

 

「くっ・・・・・・!!!!」

 

「ギガギギィ・・・!!!!」

 

グレース、フォンテーヌ、スパークルは飛び上がって避けるも、鉛筆は二人を追尾するかのように向かってくるため、凌ぐのに苦戦し、さらにギガビョーゲンは鉛筆を次々と放つ。

 

「っ・・・うっ・・・きゃあぁぁぁぁ!!!!」

 

グレースはピンク色の光線を放ったり、パンチで防いだりしていたが、凌ぎきれずに鉛筆の爆発に吹き飛ばされてしまう。

 

「ギガァ・・・!!!!」

 

「あぁぁぁっ!!!!」

 

ギガビョーゲンはそれを見逃さずに筆でバツ印を描いて放ち、グレースを地面へと叩きつけて拘束した。

 

「グレース!! くっ・・・!!!!」

 

「これキリないんだけど・・・!!!!」

 

フォンテーヌとスパークルは心配していたが、次々と放たれる鉛筆に行く手を阻まれてしまう。

 

「ギーガァ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンはさらに三つ編みツインテールを振りかぶると、そこについている定規が手裏剣のように飛んでいく。

 

「っ、きゃあぁぁ!!!!」

 

「うぅぅぅぅ・・・!!!!」

 

鉛筆に気を取られていた二人は定規の直撃を受けてしまい吹き飛ばされる。

 

「ギガギギィ・・・・・・!!」

 

ギガビョーゲンは持っていた筆で再度バツ印を描くとそれを放った。

 

「ふっ!!!!」

 

吹き飛ばされたフォンテーヌは体勢を立て直して、青色の光線を放つが、バツ印には通用しておらず、そのまま一直線に向かっていく。

 

「そんなっ・・・きゃあぁぁぁぁ!!!!」

 

フォンテーヌはそれに驚いていたが、バツ印が直撃してしまい、木へと叩きつけられて同じように拘束されてしまう。

 

「アース!!グレース!! フォンテーヌ!!」

 

スパークルはギガビョーゲンの攻撃で拘束されてしまった三人の名前を叫ぶ。残るは自分一人だけだ。

 

「キヒヒヒ・・・これで鬱陶しいヤツはいなくなったの・・・!! あとはお前だけなの・・・!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

イタイノンはその様子を見て笑い上げると、スパークルに指を差しながらそう言う。スパークルは気を張りつめたような緊張した面持ちで見つめていた。

 

「ギガギギィ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは手のひらで数字を生み出すとそれを投擲する。

 

「っ・・・・・・!!」

 

スパークルは数字を避けると、攻撃の隙を伺おうとギガビョーゲンの周囲を駆け出す。

 

「ギガァ・・・ギガギギィ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは眼鏡から赤く禍々しい光線を放っていく。スパークルは止まらないように駆け出して、赤い光線を避けていく。

 

「っ・・・全然近づけないんだけど・・・!!!!」

 

「エレメントの力も全部無効化にされちまうニャ・・・!!!!」

 

スパークルはギガビョーゲンの攻撃を避けるも、近づけずに攻撃をできずにいた。

 

「ギガァ・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは背中から鉛筆をミサイルのように放っていく。

 

「うっ・・・くっ・・・あぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルは飛んで避けたり、パンチで吹き飛ばしたりして鉛筆をいなすも、防ぎきれずに爆発に巻き込まれて大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「ギガギィ・・・!!!!」

 

さらにギガビョーゲンは周囲に赤い球体を出現させると、そこから赤い光線を放ち、スパークルの吹き飛んだ先から赤い爆発を起こした。

 

そして、ギガビョーゲンとイタイノンの視線の先にはボロボロになって倒れ伏しているスパークルの姿があった。

 

「うぅぅっ・・・・・・」

 

「「「スパークル!!!!」」」

 

「・・・キヒヒヒ、プリキュア一人じゃギガビョーゲンの前には大したことないの」

 

拘束されている三人がスパークルを心配して見る中、イタイノンは嘲笑いながらそう言う。

 

「・・・・・・っ!!」

 

「うっ・・・くっ・・・・・・!」

 

スパークルは傷つきながらも戦おうとしていて、イタイノンはその光景に口元から笑みをなくした。

 

「・・・まだやる気なの? どうせお前には無理なの。諦めたほうが痛い思いをしなくて済むの」

 

「あき、らめない・・・諦めたくない・・・!! エリザベスを、助けて・・・らむっちも止める・・・!! だって、二人は、あたしの大切な・・・親友だもん・・・!!!」

 

イタイノンはそう言うも、スパークルは反論しながら少しずつ立ち上がっていく。

 

「っ・・・手を焼かせる友達ならいないほうがマシなの・・・!! お前だって、人に勉強を教わったり、縋ったりなんかして、都合のいいように利用しているに決まってるの・・・!!!!」

 

「違うよ!!!! あたしはそんな風にエリザベスとらむっちを思ってない!! エリザベスは小学生の頃からの親友、らむっちは意気地なしだったあたしを変えてくれた親友だもん!! その思いは、小さい頃から、変わってないんだよぉ!!!!」

 

「・・・!!??」

 

イタイノンはそう言い放つも、スパークルはそう訴える。すると、イタイノンは初めて動揺の表情を見せた。

 

らむっちは自分を変えてくれた親友・・・・・・。

 

イタイノンはそんな言葉を信じられず、頭を抱えながら首を振り始める。

 

「黙れ・・・! 黙れなのっ・・・!!!!!! 私は友達なんかいらないのっ・・・!!!!一人でいたほうが、気楽なの・・・!!!!!!」

 

「・・・・・・らむっち、どうしてそんなこと言うの?」

 

「!!」

 

イタイノンは怒りの声を漏らすも、スパークルは悲しそうな声で訴え、イタイノンはハッとしてスパークルを見る。

 

そんな彼女の顔は悲しみに包まれており、瞳はうるうると潤んでいた。

 

「あたしが小学校の授業で困ってた時、話しかけてくれたのはらむっちだったよね? そこからだよね、あたしとらむっちが友達になったの。あたしは友達だと思ってたのに、らむっちは違ったの・・・?」

 

「・・・・・・やめろ、なの」

 

「そのあとエリザベスと友達になって、みんなで一緒に遊んだよね? クラスだって一緒だったし、家で一緒に遊んだじゃん。エリザベスが引っ越しちゃった時だって、一緒に見送ったよね・・・・・・あれも、嘘だったの・・・・・・?」

 

「やめろなの!!!!」

 

スパークルが昔のことを思い返しながら訴えかけるも、イタイノンは拒絶の言葉を吐く。そんな彼女の頭にはひなたと遊んだ時の記憶が甦っていた。

 

「あたしが、プリキュアだから・・・いけないの・・・・・・?」

 

「やめろって言ってるの!!!! ギガビョーゲン、そいつを黙らせるの!!!!」

 

スパークルが再度訴えかけると、イタイノンは首を振って否定し、耐えられなくなった彼女はギガビョーゲンに指示を出した。

 

「ギーガァァァァ!!!!」

 

「っ・・・はぁぁぁぁ!!!!」

 

ギガビョーゲンは筆を持っていない方の手でパンチを繰り出し、スパークルもそれを見て同じようにパンチでぶつかり、二人の力が押し合う。

 

「ぐっ・・・うぅぅぅぅ・・・・・・!!!!」

 

「ギガァァァァ・・・・・・!!!!」

 

スパークルは顔を顰め、ギガビョーゲンはそんな彼女を拳で押しやっていく。

 

「「スパークル!!」」

 

「スパークル、頑張ってください!!」

 

拘束されているグレース、フォンテーヌ、アースはギガビョーゲンと押し合いをするスパークルに応援の言葉を送る。

 

「あたしは、決めたの・・・!! エリザベスを助けて・・・らむっちを取り戻す!! あんなに、仲良しだったんだ・・・!! あたしたちの友情は嘘なんかじゃない!! 嘘なんかじゃないんだよ!!!! あたしはそのためにも・・・この地球をビョーゲンズから守って、エリザベスやらむっちの思いも守るんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

スパークルがそう叫ぶと、彼女の体が光り出す。

 

「ギ・・・ギガガ・・・!?」

 

「っ・・・・・・!?」

 

すると、ギガビョーゲンの拳を徐々に押しやっていき、イタイノンはそれを信じられないように見る。

 

そして・・・・・・・・・。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

「ギ、ギガァ・・・!!??」

 

スパークルはギガビョーゲンの拳を押し返し、ギガビョーゲンをよろけさせた。

 

「雷のエレメント!! はぁっ!!!!」

 

スパークルは雷のエレメントボトルをセットして、ステッキの先にエネルギーをチャージして電撃を纏った黄色い光線を放った。

 

「ギガギィィィ・・・・・・!?」

 

ギガビョーゲンは光線を受けて感電すると、その場から後ろへと轟音を立てて倒れた。

 

「みんな!!」

 

スパークルはその隙にパンチと蹴りでバツ印を砕いて、三人を拘束から解く。

 

「ありがとう、スパークル!!」

 

「すごかったわよ、さっきのパンチ・・・!!」

 

「離れても、敵になっても、友を思う気持ち・・・伝わってきました・・・!!」

 

グレース、フォンテーヌ、アースがスパークルを称えると、彼女は頷く。

 

「行こう!! みんな!!」

 

「ワフ〜ン!!」

 

スパークルの言葉を合図に、ラテは大きく鳴いた。

 

「「「「ヒーリングっどアロー!!!!」」」」

 

4人がそう叫ぶとラテがステッキとハープ、エレメントボトルの力を一つにまとめた注射器型のアイテム、ヒーリングっどアローが出現する。

 

その注射器型のアイテムに、ハートの模様が描かれたエレメントボトルをセットする。

 

「「「「ヒーリングアニマルパワー!! 全開!!」」」」

 

ヒーリングアニマルたちのダイヤルが回転し、その注射器型のアイテムが4つに別れるとグレースにはラビリン、フォンテーヌにはペギタン、スパークルにはニャトラン、アースにはラテの部分で止まり、グレースたち4人の服装や髪型などが変化し始める。

 

そして、4人の背中に翼が生え、いわゆるヒーリングっどスタイルへと変化を遂げる。

 

「「「「アメイジングお手当て、準備OK!!!!」」」」

 

4人は手に持っている注射器のレバーを引くと、虹色のエレメントパワーがチャージされる。

 

「「「「OK!!!!」」」」

 

そして、パートナーのヒーリングアニマルたちがダイヤルから光となって飛び出し、思念体の状態になって現れ、パートナーに寄り添った。

 

「「「「プリキュア!ファイナル!! ヒーリングっど♡シャワー!!!!」」」」

 

プリキュアたちがそう叫ぶと、レバーを押して4色の螺旋状の強力なビームを放った。4色のビームは螺旋状になって混ざり合いながら、ギガビョーゲンへと向かっていき光へと包み込んだ。

 

ギガビョーゲンの中で4色の光は、それぞれの手になって中に取り込まれていたえりこを優しく包み込む。

 

ギガビョーゲンをハート状に貫きながら、4色の光線はえりこを外に出した。

 

「ヒーリン、グッバイ・・・・・・」

 

「「「「「「「お大事に」」」」」」」

 

「ワフ~ン♪」

 

ギガビョーゲンが消えたと同時に、公園とその周囲の木々といった広範囲に渡って蝕まれていたその周辺が元の色を取り戻していく。

 

「・・・・・・ふん」

 

イタイノンはそれを無表情で見届けると、その場から立ち去って行こうとする。

 

「らむっち、いやラモーナ!!」

 

「っ・・・・・・」

 

背後からスパークルの呼ぶ声が聞こえ、イタイノンは無言で振り返る。

 

「エリザベスとラモーナとナターシャは、永遠に親友・・・でしょ!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

イタイノンはそれを聞いて顔を顰めるが、ふと足元を見ると、何かが落ちているのに気づき、拾い上げる。

 

そして、ある記憶が甦った。

 

『エリザベスとラモーナとナターシャは、えいえんにしんゆう!!!!』

 

『ラモーナとナターシャとエリザベスは、えいえんにしんゆう!!!!』

 

『ナターシャとエリザベスとラモーナは、えいえんにしんゆう・・・なの』

 

『『それをえいえんに、ちかいます!!』』

 

『えいえんに、ちかう・・・の・・・!!』

 

『ラモーナ・・・こえがちいさいよ・・・・・・?』

 

『ほら、もっとげんきにいおうよぉ・・・!』

 

『わたし、こういうのにがてなの・・・!!』

 

『もぉ・・・それじゃあ、いみないじゃん・・・ほら、はずかしいならあたしもいってあげるよ・・・・・・ほら、せーの!!』

 

それはひなたとえりことらむが永遠の大樹で一緒に友情を誓い合ったことだった。

 

イタイノンはスパークルから発せられたあの日の言葉を聞かされ、顔を俯かせて体を震わせる。

 

「・・・・・・私は、お前もエリザベスも・・・・・・大嫌いなのっ!!!!」

 

「っ・・・ラモーナ・・・・・・」

 

イタイノンは顔を上げながらそう叫んだ。そんな彼女の顔はいつものような怒りではなく、目に涙を溜めて悲しそうな表情を浮かべていた。スパークルもその表情を見て心を痛めていた。

 

「うっ・・・ぐすっ・・・・・・」

 

イタイノンは顔を両手で覆って、再び背を向けるとそのまま姿を消していった。

 

ビョーゲンズが去った後・・・・・・ひなたは、まだ意識が戻らないえりこに膝枕をしていた。

 

「うんっ・・・・・・」

 

「っ!! エリザベス!!」

 

「あれ? 私は・・・・・・ナターシャ・・・?」

 

「よかったぁ!! よかったよぉ〜!!!!」

 

「っ・・・・・・!?」

 

えりこが目を覚ますとその視界には心配そうに見つめるひなたの姿があった。ひなたはえりこがなんともないことを確認すると、彼女を抱きしめた。

 

えりこは少し戸惑いつつも、冷静になってひなたを抱きしめた。

 

「ナターシャ、ごめんね・・・本当はいっぱい話したいことあったのに・・・!! 久しぶりに会ったから緊張しちゃって・・・!! ナターシャがもっと仲良い子を見つけたから、楽しそうに新しい友達のことを話すから、その・・・ヤキモチ妬いちゃって・・・・・・!!」

 

「エリザベスゥゥゥ・・・・・・」

 

「無事で良かった・・・・・・!」

 

「あたしなんかよりも、エリザベスの方が心配だったよぉ〜!! 急に倒れちゃうんだも〜ん!!」

 

えりこが本心を、その思いを吐露していたが、ひなたはずっと泣きながら話していた。

 

「あっ・・・ラモーナは!?」

 

「っ・・・・・・!!」

 

えりこはらむのことを思い出して、ひなたの体を引き剥がして彼女に訪ねると、ひなたは少し寂しそうな表情をした。

 

「・・・・・・ラモーナは帰ったよ、病院に」

 

「えっ・・・でも、病院にはいないんじゃ・・・ナターシャも突き飛ばされて・・・!?」

 

「エリザベス、悪い夢でも見てたんだよ。ラモーナはそんなこと言ってないし、してないよ。病気が治って動けるようになったから、すこやか市に来たんだって。エリザベスとナターシャのためにも、絶対に治すって言ってたよ」

 

ひなたはそう説明するとえりこは信じられない顔をしていたが、ひなたが詳しく説明するとえりこは顔を俯かせる。

 

「・・・・・・そっか」

 

えりこはそう呟くとゆっくりと立ち上がる。そして、ひなたの方を振り向いた。

 

「じゃあ、ラモーナが帰って来れるように、私たちも仲良しでいないとね♪」

 

「・・・・・・うんっ♪」

 

えりこは笑みを浮かべながらそう言うと、ひなたも笑みを浮かべながらそう言い、笑い合う二人。

 

「「「ふふっ♪」」」

 

そんな二人を、のどかたちは離れたところから微笑みながら見守っていた。

 

(ラモーナ・・・泣いてたなぁ。あたしが、その悲しいことを無くしてあげたい・・・・・・!)

 

そんな中、ひなたはらむを取り戻そうと改めて決意を示した。

 

一方で、その翌日・・・・・・そんなのどかたちの英語の小テストの結果は・・・・・・。

 

のどかは84点、ちゆは言わずもがな100点、そして、ひなたは・・・・・・。

 

険しい表情で見せつけた点数は、25点だった・・・・・・。

 

「なんで!? なんで下がるの!?」

 

「一緒に勉強したわよね!?」

 

しかも、なぜか前回の小テストよりも点数が下がっており、のどかとちゆは驚くしかない。

 

「勉強も大事・・・でも、今はエリザベスの方が大事って言ったのちゆちーじゃん!!」

 

「そ、それはそうだけど・・・・・・」

 

「あの後エリザベスとめ〜っちゃ盛り上がってさぁ〜!! 一緒にいられなくても友情は壊れないって確信したっ。だから勉強するのもうや〜めた♪」

 

「「えぇぇ〜・・・・・・!?」」

 

ひなたは窓の外を見ながらそう宣言すると、のどかとちゆは驚きの表情を浮かべた。すると・・・・・・。

 

「・・・・・・な〜んて♪」

 

ひなたは振り向きながら取り出したのは「受験に約立つ英語問題」と書かれた参考書であった。

 

「のどかっちたちと一緒の高校に行きたい。その気持ちは変わらないもん♪ あはは♪」

 

そう言いながら三人で笑い合うひなたの机の上のスマホの待受画面には、ひなたやのどかたちに加えて、えりこが楽しそうにしている写真が映し出されていたのであった。

 

いつかはらむやしんらたちと一緒に、笑い合える日が来るために・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃・・・・・・。

 

「イタイノン? イタイノン!!!!」

 

廃病院のアジトでは、クルシーナがイタイノンの部屋の扉をドンドンと叩きながら呼んでいた。

 

「アンタの好きなドラマ始まるわよ。見るんじゃないの? ちょっとイタイノン!!」

 

「ほっといてくれなのっ!!!!」

 

「っ・・・・・・・・・」

 

クルシーナが少し怒り口調になりながら扉を叩き続けると、扉から泣き叫ぶような声が聞こえてき、クルシーナは顔を顰める。

 

「何なのよ、アンタ・・・帰ってきたと思ったら、泣きながら部屋に閉じこもって・・・。プリキュアどもに何かされたんだろ? 違うの!?」

 

「うるさいっ!!あっち行けなのっ!!!!」

 

クルシーナはそう呼びかけるも、イタイノンの態度は変わらず門前払いするだけであった。

 

「あっそ!! 勝手にしろよ!! ったく・・・!!」

 

クルシーナは扉を叩くのをやめてそう吐き捨てると、イタイノンの部屋の前を後にする。

 

「何なのよ、アイツ・・・っていうか、なんでアタシがアイツのために呼びに行かないと行けないワケ?」

 

廊下を歩いている間も、クルシーナはイライラしながら不満を垂れていた。

 

「クルシーナ」

 

「ん? ドクルンか・・・何よ?」

 

「ビョーゲンキングダムに来てもらえますか? お父さんが呼んでますよ」

 

「お父様が・・・・・・?」

 

その背後から声をかけたドクルンがそう話すとクルシーナが疑問に思いつつも、背を向けて歩くドクルンのあとをついていく。

 

「・・・・・・・・・」

 

そんなイタイノンはゲーム機に手をつけることもなく、ベッドの上で掛け布団をすっぽりと頭まで埋めて顔を伏せていた。何も考えたくない・・・・・・そんな雰囲気を出しながら・・・・・・。

 

『らむっち・・・・・・大丈夫?』

 

『こんなの大したことないの・・・・・・すぐに治って、戻ってくるの・・・・・・』

 

『じゃあ、退院できたら一緒にもっと遊ぼ!! あたし、かわいいものに憧れてるんだ♪ 治ったら一緒にらむっちもここに遊びに行こうよぉ!!』

 

『・・・楽しみにしておいてやるの』

 

病院に入院していた頃、ひなたがお見舞いに来てくれて、治ったら一緒にここーーーー動物園に行こうと言ってくれた。あの言葉は少し暖かった・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・」

 

それを思い出したイタイノンは体を震わせ始める。

 

「ぐすっ・・・ひっく・・・・・・ナターシャぁ・・・・・・」

 

イタイノンはむせび泣きながら、枕の上を涙で濡らした。心までこんなに痛くなったのは、ビョーゲンズになって初めてであった。

 

一方、ビョーゲンキングダムでは・・・・・・。

 

「カスミーナよ。お前の調整は終わった・・・我の力によってな・・・もうすぐお前はビョーゲンズとして完成する・・・・・・」

 

「ありがとうございます。キングビョーゲン様・・・・・・」

 

カスミーナがクルシーナやドクルンと共にキングビョーゲンと接見をしていた。瞳の赤色を輝かせながら、キングビョーゲンにお礼を言っていた。

 

「今、お前はプリキュアの一人の力を持っているであろう? ビョーゲンズとして完成させるためにはそれを完全に奪い取ることが必要だ。そのプリキュアの力を奪い取り、完全に消滅させるのだ」

 

「わかりました。このカスミーナ、キングビョーゲン様のために完全な存在になりましょう」

 

キングビョーゲンに命じられたカスミーナはすぐにお辞儀をしながらそう答えた。

 

「それで、アタシに何か用なの? ただコイツのビョーゲンズとしての補完を見せびらかしに来たわけじゃないでしょ?」

 

「そうだな・・・・・・クルシーナよ。お前にはこれを与えておこう」

 

「??」

 

クルシーナは不機嫌そうな表情をしながら問いかける。キングビョーゲンはそう言うと、クルシーナの体が赤黒く光る。なんだか体に違和感を感じ、ムズムズする自身の右手を見てみると・・・・・・。

 

「っ!?」

 

右手の甲に今のキングビョーゲンと同じ顔が浮かび上がるのを見て驚くも、その手の甲はすぐにスーッと消えてしまった。

 

「・・・・・・お父様、今の何?」

 

「我の分身だ。お前の体の中に潜ませて、ゆっくりと成長させていくのだ。ドクルンにも埋め込んである。時が来れば、すぐにわかるぞ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ふふっ♪」

 

クルシーナが問いかけると、キングビョーゲンはそう説明し、クルシーナは何も言わずにドクルンの方を見る。ドクルンは笑みを浮かべながら、赤黒いオーラを発して手の甲のキングビョーゲンの顔を見せた。

 

「つまり、アタシたちは保険ってわけね、はいはい・・・わかったわよ・・・・・・」

 

父親の考えることを理解したクルシーナは適当に返事をする。

 

「・・・・・・ところで、イタイノンはどうした?」

 

「・・・・・・知らない。アイツのことなんか知ったこっちゃ無い。ただ様子がおかしいとしか言いようがない」

 

「そうか・・・・・・」

 

キングビョーゲンが逆に問いかけると、クルシーナは冷たく返事をしつつも、状況を話す。

 

「では、ほとぼりが冷めたら我のところに来るように伝えよ。クルシーナとドクルンと同じようなことを施したい」

 

「・・・・・・なんでアタシが」

 

キングビョーゲンがそう命じるとクルシーナはボソリと不満を呟く。なぜか知らないが、今のアイツを見ているとイライラする・・・・・・。

 

「どうした・・・・・・?」

 

「・・・・・・なんでもない。わかったわよ」

 

キングビョーゲンが少し険しそうな声で言うと、クルシーナは素っ気なく返事をしてその場から立ち去っていく。

 

(プリキュア・・・・・・そろそろ潰しておくべきか・・・・・・?)

 

クルシーナは歩きながらも、イタイノンのことを惑わせたであろうプリキュアに対して、そんなことを考えていたのであった。

 

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