ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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原作第37話がベースです。
今回は中島先生とヒーリングアニマルのこんなお話。
そして、カスミーナの方も動きが・・・・・・。


第131話「秋」

 

ある日のビョーゲンキングダムーーーーそこでは、シンドイーネが鏡の前で顔の手入れをしていた。

 

「実りの秋って気候が良くってやぁね・・・化粧のりも悪くなるわぁ・・・・・・」

 

シンドイーネは愚痴をこぼしながら、自分の顔の肌を見ていた。

 

「シンド姉〜!! 何してるのぉ〜??」

 

「見ての通り、キングビョーゲン様に好かれるために女を磨いているのよ」

 

「それって面白いの〜??」

 

「面白さのためにやってるんじゃないの!! 私はキングビョーゲン様の一番になるためには、顔も肌も綺麗にしないとね」

 

そこにヘバリーヌが近づいて構ってくると、シンドイーネはそういう風に説明する。

 

「うるさいぞ・・・お前たち。読書でもして知識を実らせたらどうだ?」

 

そう二人に話すグアイワルは何やら分厚い本を見ていた。

 

「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

「秋といえば、芸術の秋でもあるよね」

 

そして、ハキケイラは岩場で眠っているフーミンを見ながらキャンパスに彼女の絵を書いていた。

 

「ハキケイラは、何を書いてるのよ?」

 

「見ての通り、そこにいる眠り姫さ」

 

「いや、フーミンでしょ・・・・・・」

 

興味を持ったシンドイーネがハキケイラに詰め寄ると、ハキケイラはそう説明するが、シンドイーネは冷静なツッコミを入れた。

 

「ワル兄が本なんて珍しい〜、何読んでるのぉ〜?」

 

「ふっ、お前には分かるまい。めちゃくちゃ難しい学術書だからな」

 

「だから、何読んでるのぉ〜?!」

 

「だから、お前にはわからんと・・・あっ!?」

 

ヘバリーヌが興味を持って聞くも、本を見たまま言葉を返して教えてくれないグアイワルに、ヘバリーヌはしびれを切らして本を取り上げる。

 

「何をするっ!!」

 

「う〜ん?文字なんか一つもな〜い、ただの写真が乗ってるだけだよ〜?」

 

「どれどれ〜? ふふっ、何よこれ? こんなのが難しい学術書なわけ・・・??」

 

ヘバリーヌは不思議そうに本を見つめながらそう言うと、そこにシンドイーネもヘバリーヌから本を取って覗くとあまりのおかしさに笑った。グアイワルが見ている学術書というのは、ボディービルダーの写真集なのであった。

 

「うるさい!! 返せ!!」

 

「ほ〜ら、ヘバリーヌ!!」

 

「ほ〜い!! 託されたよ〜、シンド姉から〜!!」

 

「おい、遊ぶな!! 返せと言ってるだろ!!!!」

 

「シンド姉、パ〜ス!!」

 

「よっと!! ほ〜ら、アタマデワルさん、こっちですぅ〜♪」

 

グアイワルはシンドイーネから本を返そうとするが、ヘバリーヌに本をパスし、グアイワルがそちらに向かうとヘバリーヌはシンドイーネに本をパスするなどして、グアイワルになかなか返そうとしなかった。

 

「何をやっているんだろうね・・・あの三人は・・・・・・」

 

「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・・・・」

 

ハキケイラはそんな三人を見て呆れたように言い、キャンパスに視線を戻してずっと眠っているフーミンを再び描き始めた。

 

「のんきな奴らね・・・・・・実りの秋なんかに毒されちゃって。少しは地球を蝕みにいかないワケ?」

 

「さぁね・・・・・・」

 

「本人たちにやる気がないのではねぇ・・・・・・」

 

その様子をクルシーナ、ダルイゼン、ドクルンは近くでくつろぎながら見ていた。クルシーナの横にはカスミーナの姿もいる。

 

「そういえば・・・イタイノンはどうしたの?」

 

「・・・・・・引きこもってるわよ、あいつは。この前の出撃から帰ってきてから、一歩も部屋から出てないのよ。なんかプリキュアに惑わされて、泣かされちゃったって感じね」

 

「あいつが、そんな目にねぇ・・・・・・」

 

ダルイゼンがこの場にいないイタイノンのことを聞くと、クルシーナはそう話す。

 

「まあ、そのうち出てきてもらわないと困るんですけどね。お父さんの呼び出しにも応じていないらしいですし」

 

「完全な職務放棄じゃん・・・まあ、俺はどうでもいいけど」

 

ドクルンが本を見ながら話すと、ダルイゼンはあまり興味がなさそうに話す。

 

「さてと・・・めぼしい奴でも探しに行くか・・・・・・クルシーナ、行く?」

 

「付き合うわよ。カスミーナ、行くよ」

 

「わかりました」

 

ダルイゼンはそう言いながら、クルシーナと一緒に歩いていき、その後をカスミーナが淡々と着いていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日ののどかの家では、中島先生がのどかの出張診察へとやってきていた。

 

中島先生は聴診器をのどかの胸に当て、喉や顔などの触診を行なっており、ラビリンはその側でラテのお世話をしている。

 

そんな中・・・・・・。

 

「・・・・・・アルバイト?」

 

「何のお仕事を始めるラビ?」

 

「おまんじゅう屋さんの販売員です」

 

のどかとラビリンが聞くと、アスミがバイトをすることを聞かされる。

 

「そっかぁ!! 行楽シーズンだもんね♪」

 

「・・・行楽シーズン?」

 

「気候が良いからお出かけする人が多いんだよ♪ 美味しいものや楽しい行事もたくさんあるし・・・・・・」

 

「それは、お出かけしたくなりますね♪」

 

「ワン♪」

 

のどかの話を聞いて、アスミも楽しそうな表情を見せる。

 

「楽しそうね♪ でも、秋は肌寒いから、ちゃんと防寒できるものを着て出かけるのよ。はい! 特に異常はないわね。健康そのものよ」

 

「ありがとうございます! 先生」

 

中島先生はアドバイスをしながらのどかの診察を終えると、のどかは笑みを浮かべながrお礼を言った。

 

「そうラビ!! 明日はラビリンたちもラテ様と一緒に秋を巡るツアーをするラビ♪」

 

「それは素敵なご提案ですね」

 

「楽しそうね♪」

 

「うんうん。楽しそ〜♪」

 

ラビリンがそう提案すると、のどかたちは楽しそうな反応をする。

 

「でも、ラビリンたちだけで一緒に行かせるのも心配ね・・・・・・」

 

中島先生はそれと反対に考え込むようなに首を傾げる。

 

「大丈夫ラビ!! ラビリンたちは立派なヒーリングアニマルだから、ラテ様のお手当ても自分たちでできるラビ!!」

 

「ダ〜メ。ヒーリングアニマルと言っても、まだ見習いでしょ? 子供みたいなものじゃない。あなたたちを見守る大人の人が必要よ」

 

「ラビリンは子供じゃないラビ〜!!」

 

ラビリンがそう胸を張って言うも、中島先生は諭すように言うと、ラビリンは本当に子供のような反応を見せる。

 

「ラビリ〜ン、まだそんなこと言うのぉ〜? そういう子には〜・・・・・・」

 

中島先生はラビリンに険しい顔を近づけてじっと見つめると、ガシッとラビリンを抱きしめた。

 

「抱きしめの刑よ〜!! スリスリ〜!!」

 

「ぐっ、うぅぅ・・・やめるラビ!! 苦しいラビ〜!!!!」

 

中島先生は顔で頬ずりをしながらスリスリし、ラビリンがもがきながらそう訴える。

 

「わ、わかったラビ〜!! 中島先生も、一緒に行くラビ〜!!!!」

 

「いい子ねぇ〜!! 本当可愛い〜!! もっとスリスリしちゃう〜!!」

 

「や、やめるラビ〜、潰れるラビ〜・・・!!」

 

ラビリンが観念してそんなことを言っても、中島先生は可愛さ余ってやめようとせず、ラビリンが苦しむ羽目になる。

 

「中島先生は凄いですね・・・あんなに意地を張っていたラビリンが言うことを聞きました・・・!!」

 

「・・・・・・ただ可愛がりたかっただけじゃないかなぁ」

 

アスミが感心したように言うと、のどかは苦笑いをしながらそう言った。

 

「ラビィ!! はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「まぁ! 恥ずかしがり屋さんねぇ〜♪」

 

ラビリンは拘束からなんとか抜け出して息を整え、中島先生はそれを笑顔で見つめる。

 

「はぁ・・・ふぅ・・・ラテ様、明日はラビリンたちにお任せくださいラビ!!」

 

「楽しいツアーにしましょうね♪」

 

「ワンっ♪」

 

ラビリンと中島先生がラテにそう言うと、ラテはとても楽しみな様子で元気よく鳴いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ヒーリングアニマルたちと付き添いの中島先生はラテと共に秋を巡るツアーへとやってきていた。

 

「ニャ〜♪ 秋といえば、やっぱスポーツの秋だよな〜♪」

 

今はチーム分けをして、広い草むらでキックベースをしようとしていた。

 

「スポーツは苦手ペエ・・・・・・」

 

ラビリンたちのチームが守りでニャトランがピッチャーをし、ペギタンは一塁の守り、ラビリンは三塁の守りをしている。

 

「ワンッ!」

 

一方、打席に入ったラテは以前のビーチバレーの時のように目が燃えていたのであった。

 

「ラテちゃん、頑張って♪」

 

そんなニャトランたちの近くでレジャーシートを敷きながら、病院の診療がオフでハイキングウェアを着込んだ中島先生が楽しそうに見守っていた。

 

「ラテ様・・・いっくぜ〜!!!!」

 

ニャトランも気合い十分で、ボールを持って振りかぶる。しかし・・・・・・。

 

ヒュォォォォ〜!!!!

 

「っ!! うわっ!?」

 

ニャトランがボールを投げようとした時に、どこからかビニール袋が飛んできてニャトランの顔に張り付き、ニャトランが投げたボールは投げられずに転がっていってしまう。

 

「ワウ〜ン!!!!」

 

そんなボールをラテはヘディングをし、一塁へと走って行く。

 

「ペエェェェェ〜!! こっちに飛んできたペエ〜!!??」

 

ボールが飛んできたことで慌てふためき、狼狽え始めるペギタン。

 

「任せるラビ!!」

 

そこへラビリンが飛び出して、飛んできたボールを空中でキャッチする。

 

「ありがとう、ラビリン!!」

 

「二人とも危ないわ!!」

 

「「ん??」」

 

ラビリンがフォローしてくれた頃にお礼を言うペギタンだが、そこに中島先生の声が響く。そして・・・・・・。

 

カンッ!!

 

「ラビ!?」

 

「ペエ!?」

 

草むらの奥から転がってきたのは古びた空き缶であり、ラビリンとペギタンはとっさのことで避けられずに缶が直撃してしまう。

 

その間にラテは塁を回ってホームへと帰ってきた。

 

「ワン♪・・・ワフン?」

 

「もご・・・もごご・・・!?」

 

「ラビィ〜・・・・・・」

 

「ペエ〜・・・・・・」

 

「三人とも大丈夫・・・!?」

 

嬉しげに帰ってきたラテが振り向くと、そこにはニャトランがビニールを剥がそうと苦戦していて、空き缶が直撃して伸びたラビリンとペギタンの姿があった。

 

そこへ中島先生が駆け寄って、ニャトランのビニール袋を剥がして、ラビリンとペギタンの側の空き缶を拾い上げる。

 

「ありがと、先生〜・・・ってなんだこれ!? ゴミかよ!!」

 

「なんでここに空き缶があるラビ?」

 

中島先生が持っているビニールと空き缶を見ながら、ニャトランとラビリンがそう言う。

 

「・・・・・・それだけじゃないわ。あっちを見て」

 

「っ!!!」

 

中島先生が空き缶が飛んできた方向を見ながらそう言うと、ペギタンが草むらを掻き分けて奥を見てみる。すると、そこには・・・・・・。

 

「よく見たら、いろいろ落ちてるペエ!!」

 

「何でこんなにゴミが・・・・・・」

 

「・・・きっとここにピクニックに来た人たちが片付けをしないでそのままにしたのね」

 

中島先生は少し悲しそうな表情をしながらそう言った。

 

「??」

 

すると、ニャトランの近くに葉っぱのエレメントさんが近づき、何か言いたそうな様子で跳ねる。

 

ニャトランが聴診器を当ててみると・・・・・・。

 

『この辺は、ピクニックで訪れる観光客さんが多くて・・・ゴミを置いて帰ってしまう人がいるのです・・・・・・』

 

「クゥ〜ン・・・・・・」

 

「ポイ捨てかよ、ひどいな・・・・・・」

 

ゴミが不法投棄されていることを葉っぱのエレメントさんから聞かされて、ラテは悲しそうな表情を見せ、ニャトランは険しそうな表情で怒りを見せていた。

 

「身勝手な人間も多いのよ・・・この地球にはね・・・・・・」

 

中島先生は人生で経験したことを思い出しながら、悲しそうな表情でそう言った。

 

「でも・・・町の職員さんが、ああやって毎日ゴミ拾いに来てくれていますので、職員さんのおかげで、草木がいつも元気でいられます」

 

葉っぱのエレメントさんが示す通り、ニャトランたちの目先では多くの清掃員らしき人たちが熱心にゴミをゴミ袋に集めていた。

 

「ゴミは地球に優しくないペエ!!」

 

「ラビリンたちもこっそりお手伝いするラビ!!」

 

ラビリンたちは人知れず、町の職員たちの手伝いをすることにした。

 

「そうね、ポイ捨ては良くないものね」

 

中島先生はいつの間にか軍手をして、近くにあるゴミをゴミ袋に集め始めた。

 

ラビリンたちは早速観光客の様子を見守ることにした。すると、草むらに寝転がっている2人の男性観光客の一人が空き缶を草むらに放り投げた。

 

ラビリンはすかさず空き缶を男性たちの近くに投げ返した。

 

「ゴミはゴミ箱にラビ!!」

 

「えっ!?」

 

「今、誰かいたよな・・・・・・?」

 

草むらに隠れているラビリンが声をあげてそう言うと、男性たちは驚き辺りを見渡した。

 

「あなたたち〜・・・・・・?」

 

「「っ!?」」

 

今度は前から声が聞こえてきて、向き直るとそこに怖い笑顔を貼り付けていた中島先生の姿があった。

 

「ゴミはゴミ箱に捨てなきゃダメでしょ〜・・・? 目の前に空き缶のゴミ箱があるのに〜・・・・・・」

 

「ひぃっ!? は、はい。すみません!!!!」

 

中島先生が笑みを浮かべながらそう言うと、悲鳴を上げた男性はすぐに空き缶をゴミ箱に入れて、もう一人の男性と共にその場から逃げるように去っていった。

 

「全く、いい大人なのにね・・・・・・」

 

中島先生はそんな男性たちを険しい表情で見つめていた。

 

「ありがとうございます。不法投棄を注意していただいて」

 

「いいえ♪ このぐらいは当然ですよ♪」

 

職員の一人にそう言われた中島先生は笑みを浮かべながらそう言い、しばらくはゴミ拾いを続けた。

 

「ラビ♪」

 

「ペエ♪」

 

「ニャ♪」

 

ラビリンたちはゴミ箱の陰でそれをこっそり見つつ、他に不法投棄をしていない人がいないかしばらくは見廻りにいったのであった。

 

一方、その頃・・・・・・のどかたちの中学校。のどかたちのクラスは美術室で三人一組になって、互いの顔を描き合っていた。

 

「アスミちゃん、アルバイト楽しんでるかな・・・?」

 

のどかは絵を描くひなたの絵を真面目に描きながらそう話す。

 

「後で覗きに行ってみよ? すこやかまんじゅうも食べたいしぃ♪」

 

ひなたはそう話しながらちゆの似顔絵を描いていたが、その絵は少し漫画チックであたりにはキラキラのエフェクトを描き、その右上にはすこやかまんじゅうも描いていた。

 

「ひなた、ここにおまんじゅうはないわよ? 見ているものを描かないと、デッサンにならないでしょ?」

 

ひなたの絵を覗き込んで、そう言うちゆ。そんな彼女は自分の椅子に戻りながら、のどかの似顔絵を描いており、その絵は三人の中ではかなりうまく描けていた。

 

「いいのいいの♪ アートはイルミネーションが大事っしょ!」

 

「イマジネーションね」

 

そう言うひなたに対し、ちゆは苦笑しながらそう言う。

 

「ふふっ♪ ラビリンたちも中島先生と一緒に楽しんでるかなぁ?」

 

のどかは笑いながら、窓の外を見つめるのであった。

 

「ペエ・・・・・・芸術の秋にふさわしい景色ペエ」

 

一方、ゴミ処理の手伝いを終えたラビリンたちヒーリングアニマルと中島先生は、次にお花畑にスケッチブックを持ってやってきており、特にペギタンはその綺麗なお花畑に目を奪われていた。

 

ラビリンたちはその後そんなお花畑の前で、花のエレメントさんをモデルに絵を描き始めた。

 

「ふんふふんふ〜ん♪」

 

ニャトランは鼻歌を歌いながら絵を描いていくが、その絵はどこを描いているのかわからず、決してうまいと言えるものではなく・・・・・・。

 

「もっと真剣に書くペエ!!」

 

「個性的でいいだろ〜?」

 

「個性なら負けないラビ♪」

 

ラビリンはそう言いながら自信満々に自分の絵を見せた。

 

「確かに個性は強いペエ・・・・・・」

 

ラビリンが描いていたのは花のエレメントさん・・・のはずだが、その姿は明らかにラビリンが気に入っていたラベンだるまそのものだった。

 

「ワン♪」

 

「あら〜、ラテちゃん上手ね♪」

 

中島先生もデッサンしつつ、ラテの絵を除きながらそう言った。

 

「ラビ?」

 

「ラテ様もできたペエ?」

 

「見せてくださいラビ!!」

 

それに気づいたラビリンたちがラテの絵を見てみると、ラテはペンを持てないかわりに肉球を上手く使って、花のエレメントさんを描いていた。

 

「肉球に描いてあるラビ♪」

 

「素晴らしい才能ペエ」

 

「心の肉球に響くラビ〜♪」

 

「これぞアート!!」

 

「ワン♪」

 

みんながラテの絵を褒めると、ラテ自身は嬉しそうにしていた。

 

「ふふふっ♪」

 

中島先生はその様子に笑みを浮かべながら、スケッチブックに絵を描いていた。その絵はラビリンたち三人がお花畑で仲良く絵を描いている光景で、その中にラテも一緒に描かれており、その絵は周囲から見ても上手いと言えるほどに綺麗に描けていた。

 

そんな時だった・・・・・・。

 

ザザッ・・・・・・。

 

「っ!? 誰か来たラビ!!」

 

「三人とも、私のそばに隠れて!!」

 

突如足音が近づいてきて、ラビリンたちは中島先生のそばに素早く身を隠す。

 

しばらくして現れたのは町の職員たちであった。彼らは辺りに咲く花に水をやり始めた。

 

「あの人たちは・・・さっきの職員さんたちと同じ人たちかしら?」

 

「ワウン?」

 

中島先生は先ほどのゴミを片付けていた職員たちと同じジャケットを着ていることに気づき、そう推測する。

 

「これは時間がかかりそうペエ・・・・・・」

 

「そうね・・・・・・さすがにここでスケッチはできないかしらね・・・・・・」

 

職員たちが来たことでスケッチが中断されてラビリンたちが困っていると、そこに花のエレメントさんが目の前にやって来た。

 

ラビリンたちが聴診器を当ててみると・・・・・・。

 

『もうしばらくお待ちください。手間暇をかけてくれるからこそ、綺麗なお花が咲いているのです。この美しい景色を保てるのは、あの人たちのおかげです♪』

 

「それなら邪魔しちゃ悪いラビ・・・・・・」

 

「私には何を言っているかわからないけど、ここの職員さんたちは重要なのよね」

 

花のエレメントさんがそう説明すると、ラビリンは止むを得ないと判断し、中島先生は自分なりに何を言っているのか理解に努めようとする。

 

「次の秋を満喫しに行くラビ!!」

 

「スポーツ・・・芸術・・・と、来れば、あれよね!!」

 

ラビリンたちと中島先生は話しながら、次の場所へと移動を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・・・本当にこの辺は自然豊かで不愉快ねぇ・・・・・・」

 

その頃、森の中へとやってきていたクルシーナは不機嫌そうな顔をしながら歩き回っていた。

 

「クルシーナ様。こんな森の中に人間がいるとは思えませんが・・・・・・」

 

「そうかしらね? この辺にハイキングしている奴がいれば、そいつをギガビョーゲンにできるわよ? そうすれば、こんな不愉快な自然ごときを赤く染めてやれるのにね」

 

そんな彼女の後を着いてきているカスミーナは淡々とそう言うも、クルシーナは楽観的な態度でそう言った。森の中に人間の姿があれば、そいつにナノビョーゲンを飛ばしてやれる。そうすればここ一帯を一気に蝕むことができるのだ。適当に人間を見つければいいとそう思っていた。

 

「そう言うアンタはどうなの? こんなところにいたって決着なんか付けられないでしょ? キュアグレースとの」

 

「わかっていますよ。だからこそ、あなたの近くにいれば奴らは絶対に現れます」

 

クルシーナは立ち止まって振り向きながら聞くと、カスミーナは不敵な笑みを浮かべながらそう話す。

 

「ふーん、自分の目的のためにアタシらを利用しようってワケ? 幹部以下のくせに随分と生意気なことするじゃない」

 

クルシーナは口元に笑みを浮かべながらそう言う。

 

「・・・・・・いけませんか?」

 

「いいわよ、別に。探しに行くよりも、それが正解でしょ」

 

カスミーナが笑みを浮かべながらそう言うと、クルシーナはその行為を容認した。

 

「・・・っ・・・!!」

 

クルシーナが歩き出すと同時に、カスミーナは後を着いていこうとするが、歩こうとしたところで胸に手を当て始めた。

 

「・・・・・・偽物め・・・まだ抵抗するか」

 

カスミーナは自分の中にまだいる人格に忌々しそうな表情をする。

 

「? どうしたの?」

 

クルシーナは着いてこようとしないカスミーナに疑問を持ち、再度立ち止まって呼びかける。

 

「いえ・・・なんでもありません・・・・・・」

 

カスミーナはそう言ってごまかすと、クルシーナの後を着いていく。

 

(あいつの中に元のあいつがいるわけね・・・・・・まあ、アタシはどっちでもいいけど)

 

クルシーナは歩きつつもカスミーナに視線を向けながら、そんなことを考えていた。

 

「っ・・・・・・」

 

そんなクルシーナにはもう一つ気になっていたことがあった。木の上で寄りかかったまま、何もしようとしないダルイゼンだ。

 

「目ぼしいもんは見つかったの〜?」

 

「・・・・・・別に。まあ、そのうち見つかるだろ」

 

「・・・・・・相変わらずのだらけっぷりね」

 

「お前だってそうだろ?」

 

クルシーナはダルイゼンと話しながら、その隣の木へと飛び移って座り込む。

 

「アタシは最初に行動して、あとはなんとかなれってタイプなの。最初から何もしてないアンタとは違うの」

 

「・・・・・・どう違うんだよ、そんなに変わらないじゃん」

 

クルシーナはそう主張すると、ダルイゼンは淡々とそう返す。

 

「ダルイゼン様、クルシーナ様、誰か来ますよ・・・・・・」

 

「「??」」

 

カスミーナも同じように木の上に飛び移りながらそう告げると、ダルイゼンとクルシーナは視線を同時に向ける。

 

そこへやってきていたのは・・・・・・・・・。

 

「ツアーのメインイベント!! 収穫祭ラビ!!」

 

「栗がいっぱいね、たくさん獲りましょう♪」

 

ラビリンたち妖精と中島先生は森の中で落ちている栗拾いを行なっていた。

 

「いっぱい落ちてて楽しいペエ♪」

 

「あら、これおっきいわね♪」

 

「おぉ!! いっぱい食えるな〜!!」

 

みんなはそんなことを話しながら、栗を集めていく。

 

「ワンっ♪」

 

「おぉ!! ラテ様も大収穫!!」

 

「ぶどうなんか落ちてたの? 一体どこで・・・・・・?」

 

口に咥えてぶどうを持ってきて楽しんでいたラテに対し、この辺りにぶどうが落ちていたことが疑問でならない中島先生。

 

「あっ・・・・・・そういうことなのね」

 

中島先生は柵を挟んだ向こうに、ぶどうや柿といった他の秋の果物があることに気づいた。

 

「実りのエレメントさん、良い場所を教えてくれてありがとうラビ」

 

ラビリンが穴場を教えてくれた実りのエレメントさんにお礼を言うと、それに答えるようにぺこりとお辞儀をした。

 

「おっ!! あっちにも秋のフルーツがいっぱいあるぜ!!」

 

「あれも採って良いラビ?」

 

ニャトランも柵の向こうのフルーツを見つけると、ラビリンが実りのエレメントさんに尋ねる。

 

「ダメよ、二人とも。これはきっと農家さんのもの。他人のものを勝手に採っちゃいけないわ」

 

先に中島先生がそう言うと、実りのエレメントさんはそれに同調するように首を縦にふる。

 

『そこのお姉さんの言う通り・・・あちらは農家さんが管理してる農園なので・・・・・・』

 

「そっか・・・だったら、採っちゃダメだよな・・・・・・」

 

「これもちゃんと農家さんに返しましょう」

 

「ワン!」

 

実りのエレメントさんがそう言うと納得し、中島先生はラテが持ってきた果物も返そうと拾い上げる。

 

『でも、この手前の森なら野生動物に解放されているので、ご安心ください』

 

「了解ラビ♪」

 

「あの森だったら良いって言ってるのね。わかったわ♪ のどかちゃんたちのためにもいっぱい獲ってあげましょう♪」

 

ラビリンたちはそう言い、のどかたちのために多くの果物を取ろうとする。

 

すると・・・・・・。

 

「あっ、栗だ!! たくさん落ちてる〜!!」

 

「「「「っ!!」」」」

 

「三人とも隠れて!!!!」

 

不意に声が聞こえて誰かがやってくるのを感じた皆。中島先生は妖精たちに隠れるように言い、彼女の側に隠れた。

 

「・・・危ないラビ」

 

「子供がいたのね・・・・・・」

 

「見つかったら大変ペエ・・・・・・」

 

ラビリンとペギタンはこのまま子供がいなくなるのを待とうとするが・・・・・・。

 

「大丈夫。こっそり行けばバレないって!!」

 

「ダメラビ!!!!」

 

「二人とも危ないわよ!!」

 

そんな中、ニャトランは単身中島先生の側から飛び出し、ラビリンはそんなニャトランを止めようと追いかける。そんな二人を止めようとする中島先生だが・・・・・・。

 

ザクッ。

 

「っ!!?? あぁぁぁぁぁぁ〜!!!! ラビィィィィ〜!!!!」

 

ラビリンはニャトランを追いかけるのに夢中になって、足元にあった毬栗を踏んでしまい、痛みから叫び声をあげてしまった。

 

「あっ、うさぎ!!」

 

「ラ、ラビィィィ〜!!!!」

 

「待て〜!!」

 

しかもそのことで少女に見つかってしまい、追いかける羽目になってしまったラビリンは逃げ回り始めた。

 

「ワフン・・・!!」

 

「ペエ・・・!!!」

 

「やっべぇ・・・・・・!!!!」

 

「もぉ!!!!」

 

ペギタンとニャトランはその様子を見て慌て始め、中島先生は二人を止めるべく駆け出す。

 

「ラビリン!! こっち!!!!」

 

「っ!! ラ、ラビィィィ!!!!」

 

中島先生は横からラビリンに声をかけ、ラビリンはこちらへと駆け出す。そして・・・・・・。

 

「よっと・・・大丈夫? ラビリン。足に怪我はない?」

 

「ラビ〜・・・・・・」

 

中島先生がラビリンをうまく受け止めて抱き止める。

 

「あっ・・・ごめんなさい・・・・・・」

 

「大丈夫よ♪ よかったわ、誰も怪我はなかったし。でも、動物を追いかけちゃダメよ。動物って怖がりなんだから」

 

少女が申し訳なさそうにそう言うと、中島先生は笑顔でそう言いながら、しっかりと少女にも注意する。

 

「その人の言う通りだよ」

 

「「??」」

 

そんな二人に声をかけるものがいた。中島先生と少女は振り向くと、そこにいたのは帽子を被った農家の男性だった。

 

「野生の動物は怖がりだから、触ろうとすると逃げちゃうんだ。その子は飼い主がいるみたいだけどね」

 

「そうなんだぁ・・・・・・」

 

「でも、仲良くなる方法はあるよ」

 

男性はそう言うと、近くの木に置かれた小さな小屋みたいなものの前に葡萄を置くと、そこから一匹のリスが顔を出して、その葡萄を食べ始める。

 

「わぁ。可愛い♪」

 

少女は現れたリスに目を奪われている様子で、ラビリンのことは気にしていない様子だった。

 

「ごめんなさい。あなたの土地の近くで騒いでしまって・・・・・・」

 

「いえ、気にしてないですよ。それよりもーーーー」

 

中島先生は頭を下げてその男性に謝罪をすると、男性は笑顔でそう言って取り出したのは細かく切られた果物を小皿に載せて差し出した。

 

「えっ・・・・・・?」

 

「これをあなたの動物たちと一緒にいただいてください」

 

「そんな・・・悪いですよ・・・!!」

 

「いいんですよ。動物を大切にしてくれるあなたにも笑顔になって欲しいですから。では・・・・・・」

 

中島先生は遠慮しようとしたが、男性は小皿を手渡すとその場から離れていった。

 

中島先生とラビリンがそんな男性を見守っていると、隠れていたペギタンたちが近寄ってくる。

 

「優しい農家さんペエ・・・・・・」

 

「きっとあのリスの小屋も農家さんが作ったんだなぁ・・・・・・」

 

「いい人でよかったわね♪」

 

「ラビ。じゃあ、みんなでありがたくいただくラビ♪」

 

中島先生とラビリンたちは男性から貰った果物を持って移動し、中島先生が敷いたレジャーシートの上で早速みんなでそれを食べ始めた。

 

「っ、美味しい・・・!!!!」

 

「めっちゃウマイ!!!!」

 

「凄く甘くてジューシーペエ・・・♪」

 

瑞々しい果実に中島先生やラビリンたちは笑みを浮かべて舌鼓を打っていた。

 

『自然を大事にしている農家さんだからこそ、実りも豊かでおいしいものができるのです』

 

「この街は地球に優しい人たちでいっぱいラビ♪」

 

「ワンっ♪」

 

「俺たち的にもありがたいな!!」

 

実りのエレメントさんの言葉に、ラビリンたちは笑みを浮かべながらそう言った。

 

『それでは、ゆっくりと秋を楽しんでください♪』

 

「案内ありがとうラビ〜♪」

 

実りのエレメントさんはそう言いながら近くの栗の木の中へと戻っていった。その後も中島先生とラビリンたちは実りの秋を満喫していた。

 

その様子を木の上から見下ろしていたクルシーナたちは・・・・・・。

 

「実りの秋ねぇ・・・・・・」

 

「・・・ふん、何が実りの秋よ、くだらない」

 

ダルイゼンはボソリと呟き、クルシーナは不機嫌そうにそう言うと、再び中島先生を見る。

 

「・・・先生ったら、あんな奴らと浮かれちゃって」

 

クルシーナは中島先生がラビリンたちと一緒に遊んでいる姿を見て、不機嫌そうな顔を余計に顰めた。

 

「・・・・・・あの女の人って知り合いなの?」

 

「そうよ。なんか文句ある・・・・・・?」

 

「・・・・・・別に」

 

ダルイゼンがふとそんなことを聞くと、クルシーナは不機嫌さを隠そうともせずに言う。

 

「クルシーナ様、不愉快なのであれば潰せば良いのでは?」

 

「うるっさいわね、アンタは余計なことを言わなくていいのよ・・・!!」

 

クルシーナの様子を見ていたカスミーナがそう助言するも、クルシーナは同じように不機嫌そうな声で反論する。

 

「お前はあれを見て不愉快に思わないのかよ。同じ同僚どもがあんなヘラヘラ笑っててさぁ。一応、仲間だったんだろ?」

 

「僕はあんな泣き虫ウサギなんか知らないウツ。浮かれて使命なんか忘れてればいいウツ」

 

「チッ・・・ああそうかい・・・・・・」

 

クルシーナは帽子になっているウツバットに投げかけると、ウツバットは素っ気なく返し、クルシーナは舌打ちをすると・・・・・・。

 

ドスッ!!!!

 

「ウツッ!?な、何するウツ!?」

 

「ムカついたから殴っただけ・・・・・・」

 

「逐一そんなことされたら、身が持たないウツよ!!」

 

「うるっさい!!!!」

 

「ふぎゃぁ!?」

 

クルシーナはイライラしたのかウツバットをど突き、それに抗議したウツバットにパンチを食らわせて黙らせた。

 

「・・・・・・・・・」

 

ウツバットが静かになると、クルシーナは再度中島先生を見つめる。笑顔の中島先生に何とも言えないような感情を抱いていたのであった。

 

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