ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
クルシーナとの対決!! そして、あいつとの最終決戦です!!


第134話「巨木」

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

ギガビョーゲンと交戦中のフォンテーヌたち。フォンテーヌとスパークルは同時にキックを繰り出す。

 

「ギガァァァァ」

 

「「あぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

しかし、ギガビョーゲンには通用しておらず、ギガビョーゲンの両肩のポリバケツから大きなゴミを食らって地面へと吹き飛ばされる。

 

「音のエレメント!!」

 

アースは音のエレメントボトルをセットして、ハープから音波を放つ。

 

「ギーガァァァァ!!!!」

 

「っ!?」

 

ギガビョーゲンは両手の送風機から赤い竜巻と光線を放って、音波を打ち消しそのままアースも吹き飛ばす。

 

「うっ・・・やっぱり普通の攻撃が効いてない・・・・・・」

 

「エレメント技も消されてしまいます・・・・・・」

 

「こうなったら根気強く攻撃して、隙を見つけるしかないわね・・・・・・」

 

ギガビョーゲンに吹き飛ばされた三人はギガビョーゲンを見据えながらそう言い、再び立ち上がる。

 

「ギガァァァァ!!!!」

 

ギガビョーゲンは両肩のポリバケツからゴミを放ち、三人は同時に飛び上がる。

 

「ふっ!! やぁっ!!!!」

 

「はぁっ!!」

 

「ふっ!!」

 

三人は空中で飛んでくるゴミを蹴りやパンチで弾き飛ばしていく。

 

「氷のエレメント!! はぁっ!!」

 

フォンテーヌは氷のエレメントボトルをセットして、冷気を纏った光線をゴミの一つである玉のようなものに目掛けて放ち、氷漬けにする。

 

「スパークル!!」

 

「OK!! はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「ギガァ・・・・・・!?」

 

フォンテーヌはそのままそれをスパークルへと蹴り飛ばし、スパークルは思いっきり蹴りを入れてギガビョーゲンに命中させて怯ませる。

 

キュン!!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

フォンテーヌは地面に着地して、ステッキの肉球を一回タッチしてギガビョーゲンに向ける。ペギタンの目が光り、胸の部分に職員の男性がいるのを見つけた。

 

「職員の男性はあそこペエ!!」

 

ギガビョーゲン内の職員の男性を捕捉したプリキュアたち。あとは浄化に移るだけだが・・・・・・。

 

「ギーガァァァァァァァァ」

 

復帰したギガビョーゲンは両肩のポリバケツを上に向けると複数の赤い球体を上空に目掛けて放つ。すると、それらの赤い球体から無数の光線が降り注いだ。

 

「きゃあぁっ!!!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「なんと無茶苦茶な・・・・・・!!!!」

 

プリキュアたちは広範囲の不意を突かれたような攻撃に、驚きつつもなんとか避ける。

 

「ギーガァァァァ・・・・・・!!!!」

 

ドカン!!ドカン!!ドカン!!!!

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

さらにギガビョーゲンが黄色い目を光らせると、なんとまき散らされたゴミが爆発を起こし、スパークルは巻き込まれて吹き飛ばされてしまう。

 

「スパークル!!」

 

「ギガァァァァ・・・・・・!!!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

フォンテーヌはスパークルを心配して叫ぶが、ギガビョーゲンは両手の送風機から竜巻きを放つ。フォンテーヌはとっさにシールドを張って防ぐも押されて木々の方へと吹き飛ぶ。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ギガ・・・・・・?」

 

そこへ横からアースがキックを繰り出して怯ませるが、ギガビョーゲンはすぐに片方の送風機から光線を放ち、アースは飛んで避けた。

 

「空気のエレメント!!」

 

アースはハープに空気のエレメントボトルをセットし、空気の塊を放つ。

 

「ギガァァァァ・・・・・・!!!!」

 

ギガビョーゲンは送風機から竜巻を放って、空気の塊にぶつけて相殺した。

 

一方、グレースは・・・・・・・・・。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

グレースとクルシーナはお互いにパンチやキックを繰り出し、その応酬を繰り返していた。

 

「っ!! あぁっ!!」

 

クルシーナは隙をついてグレースの腹部に手を当てがうと、そこからピンク色の光弾を放って吹き飛ばす。グレースは着地して倒れないようにするが、そこへクルシーナが駆け出す。

 

「・・・・・・・・・」

 

「っ!!」

 

クルシーナは蹴りを繰り出し、グレースはそれを避けつつパンチを繰り出そうとするが、クルシーナはそれを片手で受け止める。

 

「っ・・・・・・・・・」

 

「ふん・・・・・・・・・」

 

「っ!? あっ!?」

 

グレースはパンチを押し込もうとするも、クルシーナはグレースを持ち上げて後方へと放り投げ、さらにピンク色の光弾を連続で放つ。グレースはうまく受け身を取って、シールドを張り光弾を防ぐ。

 

「お前らにアタシらを阻止しても無意味だと思うけどね」

 

「そんなこと、ないもん!!」

 

クルシーナは不機嫌そうな表情で挑発するが、グレースはそれに反論してエレメントボトルを取り出す。

 

「実りのエレメント!! はぁっ!!」

 

実りのエレメントボトルをセットし、ステッキから木の実型のエネルギー弾を放つ。

 

「・・・・・・・・・」

 

クルシーナは片手を前に出すとそのエネルギー弾を受け止め、自分の口元へとそのエネルギー弾を持っていき吸収していく。

 

「っ・・・・・・!!」

 

「エレメントの力が・・・・・・!?」

 

グレースとラビリンは驚いたようにクルシーナの様子を見る。

 

「・・・・・・・・・」

 

クルシーナは4つの禍々しい球体を出現させて、それらを全てグレースへと投擲していく。

 

「っ・・・うっ・・・・・・!!」

 

グレースはシールドを張って弾を防ぐも、炸裂した際の爆発が凄まじくグレースは顔を顰める。

 

「ふん・・・・・・・・・っ!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

クルシーナはさらに人差し指からピンク色の禍々しい光線を放ち、シールドを打ち砕いてグレースを吹き飛ばした。

 

「っ!?」

 

「ふっ・・・・・・♪」

 

「あぁぁっ!!!」

 

吹き飛ばされたグレースの背後にクルシーナが瞬間移動をして現れ、そのまま片手からイバラのようなビームを放って打ち上げる。

 

「っ!!!!」

 

「うっ・・・っ!!」

 

クルシーナはさらに打ち上げた先に瞬間移動して、両手を組んでハンマーを作るとそれをグレースに振り下ろし、地面へと叩きつけた。

 

「・・・・・・この程度なわけ?」

 

「うっ・・・・・・」

 

「はぁ・・・呆れた。この程度で先生を助けようと息巻いてるなんて、本当にダサっ」

 

クルシーナは倒れ伏しているグレースに挑発の言葉を吐くと、グレースへと近づいてその場で地面に手を叩きつける。すると、イバラのような植物が地面から生えてくる。

 

「っ、ぐっ・・・痛っ・・・!! あっ・・・あぁ・・・・・・!!」

 

植物はグレースを磔のようにして拘束すると、彼女を持ち上げる。イバラが手や体に食い込み、グレースが苦痛に呻く。さらにグレースから白い光が発せられ、イバラの植物の方へと流れていく。

 

「そのままお前の元気を吸い取ってあげる、のんちゃん。そうすれば、また一緒にいられるでしょ? 大好きな先生と一緒にね♪」

 

「あぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」

 

クルシーナは不敵な笑みを浮かべながら、先生が眠る切り株へと腰掛けてグレースの姿を眺める。グレースは体から力が抜けて行くのを感じ、瞼が重くなっていくのを感じるようになっていく。

 

ドカァァァァァァァン!!!!

 

「ん?」

 

そこへ爆発音が響き、クルシーナが視線を向けるとそこにはボロボロになって倒れているフォンテーヌとスパークル、そして息を荒げながらも立ち上がっているアースの姿があった。

 

「ほら、あっちも終わりみたいだし。大丈夫よ、死なせはしないから。死んだら悲しいでしょ?」

 

「ぁぁ・・・・・・ぁ・・・・・・」

 

グレースは視線を向けて言葉を失い、絶望を覚えた。

 

「せん・・・せい・・・・・・」

 

グレースは自身の体からだるさを感じながら、ゆっくりと目を閉じていく。

 

『農家さんの農園がどうなってもいいのか!!??』

 

『大丈夫だ、私は並程度ではやられん・・・!!!!』

 

「っ!!!!!!」

 

その時だった、あの時のかすみが言い放った言葉が頭の中に甦る。かすみは生きることを諦めていなかった、あんな状態になっても自分を守ろうとしていた。

 

「・・・まだ、だ・・・・・・」

 

「??」

 

「まだ、諦めたく、ない・・・いや・・・諦めちゃ、ダメだ・・・!! 私はかすみちゃんを助けて・・・先生を助けて・・・しんらちゃんを救うんだ・・・!!!! こんな、ところで・・・諦めるわけにはいかない・・・!!!!!!」

 

グレースは睨みながら力強く叫ぶと、グレースの発せられるオーラが強くなる。そのオーラはグレースから元気を吸い取ろうとした植物へと注ぎ込まれ、そして・・・・・・・・・。

 

「っ・・・・・・!!!!!」

 

「っ!! なんですって・・・・・・!?」

 

勢いよくオーラを発すると植物は消滅していき、グレースは拘束から解かれた。これにはさすがのクルシーナも目を見開いて、驚きの声をあげた。グレースの背中には白い天使のような翼が生えていたからだ。

 

「そうよ・・・・・・私たちは諦めるわけにはいかないわ・・・・・・!!」

 

「だって、もう諦めないって決めたんだもんね・・・・・・!!!!」

 

「二人とも、行きましょう!!」

 

フォンテーヌとスパークルも自分たちが言っていたことを思い出して再び立ち上がり、ギガビョーゲンを見据える。アースはその様子に笑みを浮かべると、ギガビョーゲンへと構えた。

 

「しんらちゃん!!!!」

 

「っ・・・!!!!」

 

グレースはそのまま低く飛ぶとクルシーナへと迫り、勢いを乗せたパンチを繰り出す。クルシーナはその拳を交差させた腕で受け止めるも、クルシーナは背後へと押されていく。

 

「何よ・・・どこにそんな力が・・・!?」

 

クルシーナはグレースの予想外の力に驚きつつも、交差させた腕を解いて弾き飛ばす。

 

「っ・・・ふん!!!!」

 

クルシーナは距離を置いて周囲に球体を出現させると、それらを全て再びグレースへと投擲する。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

グレースは翼を羽ばたかせて少し飛び上がると、上空から蹴りを繰り出す。それを赤い球体が阻もうとするが、発せられたオーラの力で全てを消滅させていく。

 

「っ!!?? っ!!!!!!」

 

クルシーナは咄嗟に足を叩きつけて樹木の壁を作り出すも、グレースの蹴りは壁を打ち砕き、クルシーナはその勢いで吹き飛び、背中から木へと叩きつけられた。

 

「グレース!! まずはギガビョーゲンを!!」

 

「うん!!」

 

クルシーナをひとまず撃退したグレースはラビリンにそう促されると、フォンテーヌたちの元へと向かっていく。

 

「ギーガァァァァァァ!!!!」

 

「「ぷにシールド!!」」

 

ギガビョーゲンは両手の送風機から竜巻と光線を放ち、フォンテーヌとスパークルは同時にシールドを張って防ぐ。

 

「音のエレメント!!」

 

アースは音のエレメントボトルをセットして、ハープの弦を奏でてゲートのようなものをギガビョーゲンの周囲に出現させ、そこからビームを連続で発射する。

 

「ギ・・・ギガ・・・・・・」

 

その攻撃にギガビョーゲンは攻撃の手を止め、動きも止まる。

 

「今ペエ!!」

 

「一気に畳み掛けるぞ!!!!」

 

「雨のエレメント!!」

 

「雷のエレメント!!」

 

「「はぁっ!!!!」」

 

ペギタンとニャトランの声に頷くフォンテーヌとスパークルはそれぞれ雨のエレメントボトル、雷のエレメントボトルをセットし、同時にギガビョーゲンの頭上に放つ。すると、黒い雲が出現し、稲光を発生させると真下にいるギガビョーゲンへと雷を落とした。

 

「ギガ・・・ガガガガ・・・!!??」

 

ギガビョーゲンに雷が直撃し、ギガビョーゲンは感電して痺れた。

 

「お待たせ、みんな!!」

 

「ラテ、お願いします!!」

 

「ワフ〜ン!!」

 

そこへグレースが合流しみんなは頷くと、アースが呼びかけたことでラテは大きく鳴いた。

 

「「「「ヒーリングっどアロー!!!!」」」」

 

4人がそう叫ぶとラテがステッキとハープ、エレメントボトルの力を一つにまとめた注射器型のアイテム、ヒーリングっどアローが出現する。

 

その注射器型のアイテムに、ハートの模様が描かれたエレメントボトルをセットする。

 

「「「「ヒーリングアニマルパワー!! 全開!!」」」」

 

ヒーリングアニマルたちのダイヤルが回転し、その注射器型のアイテムが4つに別れるとグレースにはラビリン、フォンテーヌにはペギタン、スパークルにはニャトラン、アースにはラテの部分で止まり、グレースたち4人の服装や髪型などが変化し始める。

 

そして、4人の背中に翼が生え、いわゆるヒーリングっどスタイルへと変化を遂げる。

 

「「「「アメイジングお手当て、準備OK!!!!」」」」

 

4人は手に持っている注射器のレバーを引くと、虹色のエレメントパワーがチャージされる。

 

「「「「OK!!!!」」」」

 

そして、パートナーのヒーリングアニマルたちがダイヤルから光となって飛び出し、思念体の状態になって現れ、パートナーに寄り添った。

 

「「「「プリキュア!ファイナル!! ヒーリングっど♡シャワー!!!!」」」」

 

プリキュアたちがそう叫ぶと、レバーを押して4色の螺旋状の強力なビームを放った。4色のビームは螺旋状になって混ざり合いながら、ギガビョーゲンへと向かっていき光へと包み込んだ。

 

ギガビョーゲンの中で4色の光は、それぞれの手になって中に取り込まれていた職員の男性を優しく包み込む。

 

ギガビョーゲンをハート状に貫きながら、4色の光線は職員の男性を外に出した。

 

「ヒーリン、グッバイ・・・・・・」

 

「「「「「「「お大事に」」」」」」」

 

「ワフ~ン♪」

 

ギガビョーゲンが消えたと同時に、周囲に広範囲に渡って蝕まれていた木々や地面が元の色を取り戻していく。

 

「くっ・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・しんらちゃん」

 

ギガビョーゲンを浄化後、木に寄りかかりながら呻くクルシーナへと近づくプリキュアの4人。グレースが声をかけると・・・・・・。

 

「・・・・・・何?」

 

「先生は病気で蝕まれた世界なんか望まないよ。先生は誰よりもしんらちゃんのことを気にしてた。それはしんらちゃんもわかってるはずだよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

クルシーナは不機嫌そうに淡々と言うと、グレースは先生が思っていることをそう訴える。それを聞いたクルシーナは黙って目を逸らす。

 

「・・・・・・お前らに先生とアタシの何がわかるっていうのよ?」

 

「わかるラビ!! 先生はクルシーナに対して甘いラビ!! だから、先生はクルシーナのことを大切に思っているラビ・・・・・・例えクルシーナがビョーゲンズだとしてもラビ・・・!!!!」

 

「見習いのヒーリングアニマルごときにそんなことを語られるなんてねぇ・・・ふふふ♪ お前も少しは成長したってことかねぇ?」

 

クルシーナは顔を顰めながら言うと、ラビリンがそう訴え、クルシーナは笑いながらそう言った。

 

「しんらちゃん、私は・・・・・・」

 

「いいからさっさとやったら? でも、アタシは諦めないからね・・・!!!!」

 

グレースが何かを言おうとして、クルシーナはそれを許さないと言わんばかりに遮って、自身を攻撃するように促す。

 

「っ・・・・・・・・・!!」

 

「グレース・・・・・・・・・」

 

何も抵抗しようとしないクルシーナに、グレースは顔を俯かせて躊躇する。そんなグレースにラビリンが声をかける。

 

グレースはラビリンに視線を向けて、優しく微笑んだ。

 

「ラビリン・・・私は大丈夫・・・・・・」

 

不安そうなラビリンにグレースはたった一言、それだけを言うと再びクルシーナに向き直る。クルシーナを浄化しようと花のエレメントボトルを取り出そうとすると・・・・・・。

 

ゴォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

 

「っ!! あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そこへ突然、赤く禍々しいコウモリのような形をした集団がプリキュアに目掛けて襲いかかり、4人は吹き飛ばされて転がる。

 

「?・・・・・・何?」

 

クルシーナはなんだかよくわからないといったような表情をし、飛んできた方向を見てみると・・・・・・。

 

「・・・・・・何よ、あれ?」

 

そこには巨大な木の姿をした怪物が宙に浮いていた。頭の赤く禍々しく生い茂った木の周りには無数の、よくみればナノビョーゲンのような姿をしたものが飛び回っており、枝のような長い腕が4本生えていて、下を見てみると蛇のような長い尻尾のようなものが生えていた。

 

顔はどう見てもキングビョーゲンと同じような顔だが、あれはキングビョーゲンではない。しかし、あれはギガビョーゲンでもなければ、テラビョーゲンらしき姿でもない。

 

「キュアグレースゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

 

巨木の怪物は上空に向かって恨みが篭ったような雄叫びをあげる。

 

「うっ・・・・・・な、何、あの怪物・・・!?」

 

「ギガビョーゲンじゃないみたいだけど・・・・・・?」

 

「なんだか邪悪な気配を感じます・・・・・・!!」

 

「なんか、私のことを叫んでる・・・・・・?」

 

プリキュアたちも突然、現れた巨木の怪物に戸惑っている様子だった。

 

「カスミーナ・・・・・・暴走してるわね・・・・・・」

 

「カスミーナ!?」

 

「あれが、カスミーナなの!?」

 

「外見が全然違うんだけど・・・!?」

 

クルシーナがボソリと呟くと、あの巨木の怪物がカスミーナだということにますます驚く。

 

「ユルサン!! ユルサンゾ!!!! ブッツブシテヤル!!!!!!」

 

巨木の怪物ーーーーカスミーナはそう叫びながら周囲に赤く禍々しい球体を出現させると光線を放ち、元に戻っていた木々を再び病気へと蝕んでいく。

 

「クチュン!!」

 

「ラテ!!」

 

すると、地球の危機を感じることができるラテがくしゃみをして体調を崩し始めた。

 

「カスミーナを止めなきゃ!!」

 

グレースの言葉に、プリキュアのみんなは頷くとカスミーナへと駆け出していく。

 

「ふぅ・・・・・・・・・」

 

プリキュアがカスミーナを阻止しようと向こうへといったため、ようやく一人になったクルシーナは一息つく。

 

シュイーン!!

 

「??」

 

「・・・・・・心配して来てみたけど」

 

「・・・・・・ふん、心配なんかしてないくせに」

 

空気の裂くような音が聞こえて来たかと思うと、クルシーナの目の前にダルイゼンが現れた。

 

「何、あれ?」

 

「カスミーナよ、あいつ。プリキュアに負けて、体から飛び出して来ちゃったみたい」

 

「・・・・・・俺がキュアグレースに入れたメガパーツみたいなものか」

 

「そうね。カスミーナは元々メガパーツよ。アタシでもわかる。自分で入れたメガパーツによって、カスミーナができたんでしょ」

 

「・・・・・・でも、体から離れてあんなことになる?」

 

「・・・・・・知らないわよ。そこにある適当なものにでも取り憑いたんじゃない? それか、あいつからは邪な気配を感じるけど、それが暴走してるんじゃないの?」

 

クルシーナとダルイゼンはプリキュアと交戦する巨木の怪物を見ながらそう話していた。すると、ダルイゼンがクルシーナに近づき・・・・・・。

 

「え・・・ちょっ、何のつもりよ・・・・・・?」

 

「お前を連れて帰るだけ。なんか問題?」

 

「よりによって、何でその持ち方なのよ・・・・・・!?」

 

ダルイゼンがお姫様抱っこしたことに戸惑いつつも、クルシーナは視線を逸らす。その表情は少し恥ずかしさのせいか、頬に赤みがかっていた。

 

「キュアグレース・・・次は絶対に潰すからね・・・・・・」

 

クルシーナはグレースを見つめながらそう言うと、そのままダルイゼンと共に姿を消していった。

 

「ウアァァァァァ!!!!!!」

 

「「「「っ!!」」」」

 

怪物と化したカスミーナはプリキュアに襲い掛かる。プリキュアたちは突っ込んできたカスミーナを飛んで避ける。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルは避けてからカスミーナへと飛ぶと、顔面にキックを繰り出す。

 

「っ・・・ジャマダアァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

「あぁぁぁ!!!!」

 

しかし、カスミーナには通用しておらず、蛇のような尻尾でスパークルを吹き飛ばした。

 

「実りのエレメント!! はぁっ!!」

 

グレースは実りのエレメントボトルをセットして、ピンク色の光弾をステッキにチャージして放つ。

 

「ムダダッ!!」

 

カスミーナは口からナノビョーゲンのような姿をした赤く禍々しいコウモリを無数吐き出すと、それらを全てグレースに目掛けて飛ばした。

 

「っ・・・うっ・・・・・・あぁぁ!!」

 

飛んで来たコウモリはピンク色の光弾を打ち消し、そのままグレースへと襲い掛かる。シールドを張れなかったグレースは腕を交差して防御するも、そのまま背後へと吹き飛んで転がる。

 

「グレース!! スパークル!!」

 

「アァァァァァァァァ!!!!」

 

フォンテーヌが吹き飛ばされたスパークルを心配する中、カスミーナは雄叫びを上げながら周囲に赤く禍々しい球体のようなものを出現させて、そこから赤いビームを放ち、着弾したところから赤い爆発を起こしていく。

 

すると、その爆発を起こしたところが赤く蝕まれていく。

 

「くっ・・・・・・早く止めないと・・・!!」

 

「氷のエレメントを使うペエ!!」

 

フォンテーヌは暴れるカスミーナを見上げながら言い、ペギタンの助言に従ってエレメントボトルを取り出す。

 

「氷のエレメント!! はぁっ!!」

 

氷のエレメントボトルをセットして、冷気を纏った青い光線を放つ。

 

「キクカァッ!!!!」

 

「っ・・・!!!!」

 

光線は頭の生い茂った葉に直撃するが、葉の部分が凍りついただけで聞いておらず、カスミーナはお返しに頭を揺らして赤い木の実を振り落として、爆発させる。フォンテーヌは飛んで避ける。

 

「ハァァァァァァァ!!!!」

 

「っ!? きゃあぁぁぁ!!!!」

 

しかし、飛んだ先にいつの間にかカスミーナが降り、頭突きを食らって吹き飛ばされてしまう。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「っ!! コノォッ!!!!」

 

「っ・・・・・・!!」

 

アースは横から蹴りを入れてカスミーナを怯ませるも、怒り任せにアースを振り払うように腕を動かし、アースは飛び退いて距離を取る。

 

「ハァァァァァァァァ!!!!」

 

「っ・・・ふっ!!」

 

カスミーナは4本の腕から花のようなエフェクトを出現させると、そこから一斉に赤色の光線を放つ。アースはそれらを避けて、再びカスミーナへと向かっていく。

 

「音のエレメント!!」

 

アースは音のエレメントボトルをハープにセットして、弦を奏でて音波を放つ。

 

「グッ・・・・・・!」

 

「これなら・・・!!」

 

音波を浴びてカスミーナの動きが止まり、アースはこれなら通用すると思った。

 

「・・・・・・ダト、オモッタカ??」

 

「っ!? あっ!! ケホケホッ!!」

 

しかし、実際は通用していないカスミーナは余裕の口調でそう言うと、口から赤い粉のようなものを吐き出し、アースへと浴びせた。

 

「っ・・・・・・!!」

 

そこへカスミーナが上空からアースへと突っ込み、アースはそれに気づいて飛んで避ける。すると・・・・・・。

 

「っ!?」

 

突然、アースの視界の焦点が合わずに歪み、ピントが合わなくなる。

 

「っ!! しまっ・・・あぁぁぁぁ!!!!」

 

そこへ不意に背後から現れた蛇のような尻尾を食らい、地面へと叩きつけられてしまう。

 

「はぁ・・・はぁ・・・うっ・・・・・・!」

 

グレースは何とか立ち上がるも、すでに連戦で体力もなくなってきており、息を荒くしていた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・もう、体力が・・・・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・諦めちゃ、ダメよ・・・まだ、終わってないんだから・・・・・・」

 

フォンテーヌとスパークルの二人も、同じように息を荒くして体力も限界のようだった。

 

「キュアグレースゥゥゥゥゥ」

 

「っ!!!!」

 

そこへグレースに恨みがましいような唸り声を上げながら上空に現れ、グレースはステッキを構える。

 

「オマエダケハユルサン!! ワタシハモウスコシデビョーゲンズトシテカンセイシタノニ!! ソレヲフミニジッタオマエトニセモノハゼッタイニユルサナイ!! クルシメテツブシテヤル!!!!」

 

「ビョーゲンズとして完成・・・・・・?」

 

「どういうことラビ・・・・・・っ、来るラビ!!」

 

「ハァァァァァァァァ!!!!」

 

カスミーナの言葉に疑問を抱くグレースに、間髪入れずにカスミーナが突っ込み、グレースは飛んで避ける。

 

「っ!! な、何・・・? ケホケホッ!! クチュン!!」

 

すると地面に叩きつけた衝撃でカスミーナの頭の生い茂った部分から赤い粉が放出され、頭上を飛んだグレースは赤い粉を浴びてしまう。

 

「な、何なの、これ!? ケホケホッ!!!! クチュン!!」

 

「赤い、粉・・・? でも、何か・・・・・・クチュン!!」

 

その赤い粉は近くにいたフォンテーヌとスパークルにも降りかかって同様に浴びてしまう。スパークルは吸い込んでしまったようだが、フォンテーヌは片手で鼻や口を抑える。しかし、くしゃみが出てきた。

 

この赤い粉は一体何なのか・・・・・・?

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そこへアースがカスミーナに目掛けて飛び蹴りを繰り出す。

 

「ハズレテルゾ・・・??」

 

「っ?? あぁっ!!」

 

しかし、カスミーナからずれて繰り出されており、逆に木の腕のパンチを受けて吹き飛ばされる。

 

「アース!!」

 

「ヨユウダナ? ズイブン・・・!!」

 

「っ、クチュン!! きゃあぁぁぁ!!!!」

 

フォンテーヌはアースを心配するも、そこにカスミーナが頭突きを繰り出す。フォンテーヌは避けようとしたが、くしゃみが出て思うように動けず、頭突きを受けてしまう。

 

「フォンテーヌ!! クチュン!! な、なんでくしゃみが・・・クチュン!!」

 

「ウガァァァァァ!!!!」

 

「っ、あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルはフォンテーヌを心配するが、くしゃみのせいで集中力が途切れており、そこをカスミーナの振り回した蛇のような尻尾に吹き飛ばされてしまう。

 

「フォンテーヌ!! スパークル!!」

 

「アトハオマエダッ!! キュアグレースゥゥ!!」

 

カスミーナは無数の赤い花を出現させると、そこから光線を連続で放つ。

 

「ぷにシールド!!」

 

「っ・・・こ、粉が・・・ケホケホケホッ!! クチュンクチュンクチュン!!!!」

 

グレースはシールドを展開して防ぐも、着弾して爆発したところから赤い粉が舞い、それを吸い込んだグレースは咳き込み、連続してくしゃみが出てしまう。

 

「ウガァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

「クチュン!!クチュン!! っ、きゃあぁぁぁぁぁ!!!!」

 

それにより集中できないグレースはシールドごと頭突きで吹き飛ばされ、背中から木へと叩きつけられる。

 

「フン・・・ドイツモコイツモドウシタァ? ズイブントチョウシガワルイミタイダガ・・・?」

 

カスミーナは体を震わせながらも立ち上がろうとしているプリキュアたちを見下ろす。

 

「くっ・・・クチュン!! クチュン!! はぁ・・・はぁ・・・」

 

「うっ・・・ケホケホッ、クチュン!! はぁ・・・はぁ・・・」

 

「クチュン!! クチュン!! ケホケホケホッ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

グレース、スパークル、フォンテーヌは赤い粉のせいでくしゃみや咳をしていて、息も荒くしていた。さらにそれで咳き込みも激しくなって、顔に脂汗をにじませていた。

 

「きっと、あれは花粉ね・・・・・・ケホケホケホケホッ!!!! 私たち・・・あれを吸って、ケホケホケホッ、体に異変を起こしてるんだわ・・・クチュンクチュン!!」

 

フォンテーヌは咳やくしゃみに苦しみながらも、赤い粉の正体が花粉であることを見つけ出す。

 

「え・・・クチュン!! じゃあ、この咳もくしゃみも・・・ケホケホケホケホケホッ!!」

 

「この花粉が原因なのですか? っ・・・・・・!!」

 

スパークルは驚きながらも咳やくしゃみに苦しみ、アースはぼやける視界を花粉のせいなのではと解釈しつつ、再び視界がぼやける。

 

「クチュン!!クチュン!! ケホケホケホケホケホケホケホッ!! はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!」

 

グレースはくしゃみや咳を繰り返し、汗を滲ませながら息を荒くさせていた。

 

「ソウカ、ワタシノカフンヲアビタンダナァ? ナラバ、モットアビセテヤロウ・・・!!」

 

カスミーナは歪んだ笑みを浮かべたような表情を浮かばせると、そのまま口から赤い粉を吐き出して、周囲の花粉の濃度を濃くする。

 

「うっ・・・ケホケホケホ、ゲホゲホゲホゲホゲホッ!!!! クチュンクチュン!! はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・ゲホゲホゲホゲホッ!!!!」

 

「ゲホゲホゲホゲホゲホゲホッ!! ちょっ、そんなに濃くしたら、苦し・・・ケホケホケホケホケホ、カハッ・・・!!」

 

「ゲホゲホゲホゲホ!! ゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホッ!!!! カハッ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ、ァッ・・・ハァ・・・」

 

それによって口や鼻を手で抑えるプリキュアたちだが、咳やくしゃみが酷くなり、止めることができない。それによって呼吸にも影響を及ぼしていた。

 

「うっ・・・・・・っ!! 目が痒いです・・・!!」

 

一方の、アースは花粉の濃度が濃くなったことによって、目が余計にぼやけ始め、涙が出始めた。

 

「フハハハハハハ!! クルシメクルシメ!! コノママココイッタイゴトケシテヤル・・・!!!!」

 

カスミーナは笑いながらそう言うと上空へ高く飛び、4本の腕を天に掲げると赤い球体のようなものを溜めはじめた。その球体はチャージするごとに大きくなっていく。

 

「おいおい、あれはまずいんじゃないか・・・・・・!?」

 

「農家さんの果樹園だけじゃなくて、職員のみんなが手入れしているお花畑やゴミ拾いをしている自然が大変なことになるペエ・・・・・・!!」

 

「止めないとラビ!! グレース、大丈夫ラビ!?」

 

「ケホケホケホッ!! クチュン!!クチュン!! うん・・・咳やくしゃみは止まらないけど・・・クチュン!! 大丈夫だよ・・・!!」

 

「クチュンクチュンクチュン!! ケホケホケホケホケホケホケホッ!! 苦しいけど・・・動けるよ・・・!!!!」

 

「ケホケホケホケホケホッ!! 私も辛いけど・・・うっ、ゲホゲホゲホッ・・・・・・止めなきゃ・・・・・・!!」

 

ラビリンたちはこのままではここ一帯を消されかねないとグレースたちに呼びかける。三人は舞う花粉に顔を顰めながらも、表情に諦めの顔はなかった。

 

三人は体を動かして集まると、ステッキを構える。

 

「キエテナクナレェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」

 

カスミーナは作り出した巨大な木の実のエフェクトがかかった赤い球体をそのまま下へと投下した。

 

「ゲホゲホッ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「クチュン!! クチュン!!」

 

「カ、ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「「「ぷにシールド!!」」」

 

ラビリンたちがそう叫び、グレースたちが症状に苦しむ中、彼女たちのステッキからシールドが展開された。

 

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