ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。今回で原作第37話ベースの話は終わります。
カスミーナとの激闘の果ては・・・・・・。


第135話「絶対」

「ケホケホケホケホッ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「クチュン!! クチュン!!」

 

「カハァー・・・ハァー・・・ハァー・・・・・・」

 

グレースたち三人はカスミーナが投下した赤い球体を止めるべく、症状に苦しみながらも直撃に備えてシールドを張った。

 

「っ・・・・・・」

 

視界がぼやけているアースがハープを構えて警戒する中、そのシールドに赤い球体が激突した。

 

「くっ・・・・・・ケホケホケホッ!!!」

 

「うぅぅぅぅ・・・クチュン!! クチュン!!」

 

「うっ・・・ハァー・・・ハァー・・・」

 

三人は赤い球体を押しのけようとするが、充満している花粉のせいで咳やくしゃみ、酸欠状態になったりなどして力をうまく入れられずにいた。

 

「うっ・・・クチュン!!・・・ヤバっ・・・・・・!!」

 

「力が入らな・・・ケホケホケホッ・・・!!!!」

 

「ハァー・・・ハァー・・・うぅぅぅぅ・・・押し返される・・・ハァ・・・!!」

 

赤い球体は徐々にシールドを押していき、三人は押しつぶされそうとしていた。

 

「フハハハハハハハハ!!!!ツブレロツブレロ!! ソンナジョウタイジャオモウヨウニコウゲキガデキルモノカ!!!!」

 

カスミーナはそんな姿を嘲笑いながら、腕を構えて赤い球体を押し込もうとする。

 

「音のエレメント!!」

 

アースはグレースたちをサポートをしようと音のエレメントボトルをセットして、弦を奏でてゲートのような空間をカスミーナの周りに出現させてビームを連続で放った。

 

「ッ・・・ムダナコトヲ・・・!!!!」

 

カスミーナにビームは命中するが、カスミーナは怯んでいる様子はなく、赤い球体を押し込もうとする。

 

「うっ・・・うぅぅ・・・ケホケホケホッ・・・うっ・・・!!!」

 

「クチュン!! ぐっ・・・うぅぅぅ・・・・・・クチュンクチュン!!!!」

 

「ハァー・・・ハァー・・・くっ、うぅぅぅぅ、ケホケホケホケホ!!!!」

 

グレースたち三人は酸欠や症状に苦痛に歪ませながらも押し込もうとするが、赤い球体は重くて動かず、逆に押されている上にシールドにヒビが入り始めていた。

 

「モウゲンカイノヨウダナ・・・・・・!!」

 

割れ始めたシールドを見て、勝利を確信するカスミーナ。プリキュアもくしゃみや酸欠などで集中ができておらず、逆に追い詰められている。押されるのも時間の問題だった。

 

「ケホケホケホケホッ!! こ・・・この、ままじゃ・・・・・・!」

 

グレースは何か打開策はないのか、そういった様子で焦りを感じ始めていた。

 

そんな中・・・・・・・・・。

 

「ラビリンたちは、絶対に諦めないラビ・・・!!!!」

 

「ラビリン・・・・・・ケホケホ!!」

 

「フォンテーヌたちが体調を崩しているなら、僕たちが手助けするペエ!!!!」

 

「ハァー・・・ハァー・・・ペギ、タン・・・・・・」

 

「俺たちはみんなで戦ってるんだからなぁ!!!!」

 

「クチュン!! クチュン!! ニャトラン・・・・・・」

 

ラビリンたちは決して諦めようとはしなかった。グレースたちの調子が悪いのであれば、悪いところを自分たちが補うと、そうカスミーナに主張した。

 

「フン、オマエタチミタイナミジュクナヒーリングアニマルゴトキニナニガデキル!! ショセン、コノセカイハツヨイモノガカツノダ!! ソンナタイチョウゴトキニマケテイルヨウナプリキュアナド、ワタシノオソレルトコロデハナイ!!!!」

 

「ラビリンたちは弱いかもしれないけど・・・グレースを守れるくらいには強くなったと思ってるラビ!!!!」

 

「僕だって、フォンテーヌを支えるくらいには強くなったと思っているペエ!!!!」

 

「俺だってスパークルのことを大切に思ってるんだよ!! 何もない、何も持ってないお前なんかに負けるわけがねぇ!!!!」

 

カスミーナは花粉に侵されて体調を崩すグレースたちをバカにするも、ラビリンは反論して言い返した。

 

「カンゼンナビョーゲンズニナルワタシガオマエタチナンカニマケルモノカ!! ソノムナシイオモイトトモニシノダイチノイチブニシテヤロウ!!」

 

「バカにするなラビ!! グレースたちとラビリンたちの絆は、お前の攻撃なんかよりも硬いラビ!!」

 

「僕たちは負けるわけにはいかないペエ!!」

 

「見せてやろうぜ!! 俺たちの力を!!!!」

 

カスミーナは4本の腕を伸ばしてさらに赤い球体を押し込もうとする。ラビリンたちは強く叫びながら、赤い球体を押し返そうとする。

 

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ラビリンたちは気合を入れて叫び声をあげると、三人のシールドが一つになって赤い球体を押し返そうとする。

 

「タテガアワサッタトコロデムダナコトダ!!!!」

 

カスミーナはそう言い放ちながら、赤い球体の出力を上げていく。

 

「ラビリン・・・・・・ケホケホ・・・私たちも、一緒に・・・!!!!」

 

「ハァー・・・ハァー・・・そう、ね・・・私たちも元気以上のものを絞り出さないと・・・・・・!!」

 

「クチュン!! やろうよ!! みんなで一緒に!! クチュン!!」

 

グレースは症状を出しながらも、お互いに目を見合わせて頷くと体に力を入れ始める。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」

 

グレースたちは一緒に声を張り上げながら、ステッキを少しずつ前へと押して、赤い球体を押しのけようとする。

 

すると・・・・・・・・・。

 

パァァァァァ・・・・・・・・・・・・。

 

グレースたち三人の体が光り始め、背中に天使のような翼が開く。

 

「ナ、ナニ・・・・・・!?」

 

その姿を見てカスミーナは驚きを隠せない。

 

「あれ・・・・・・?」

 

「なんか、体が少し楽になった・・・・・・?」

 

「でも、これならいけるよね・・・!!」

 

この状態になったことで、花粉の影響を受けずにくしゃみや咳、酸欠状態も治っていた。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」

 

グレースたちは体に溢れてくる力を利用して、ステッキを前に出して赤い球体を押す。

 

「グッ・・・ウゥゥゥ・・・・・・!!!!」

 

カスミーナはすっかり先程までの余裕がなくなっており、4本の腕で押し返そうとするも、全く赤い球体は下におちず、少しずつ貸すミーナの方へと押されていく。

 

そして、遂に・・・・・・・・・。

 

「「「はぁっ!!!!」」」

 

グレースたちは叫びながら気合いを入れて前へとステッキを押し出し、シールドが赤い球体を弾き飛ばした。

 

「ッ・・・グアァァ!!!!」

 

赤い球体はカスミーナに直撃し、それによって空中でバランスを崩したカスミーナは地面へと落下した。

 

「やった・・・・・・!!」

 

グレースは地面に落ちたカスミーナを見てそう呟いた。

 

「オノレェェェェェェェェェェェ!!!!!!」

 

カスミーナはすぐに復帰すると、グレースたちに飛びかかってきた。グレースたちは背中の天使の翼を羽ばたかせて攻撃を避ける。

 

「「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

 

「ウアァァァァァァ!!!!っ・・・!!??」

 

グレースとスパークルは同時に空中から蹴りを繰り出し、カスミーナは4本の腕で受け止める。しかし、カスミーナの腕は二人の光の力によって弾かれた。

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「グッウゥゥゥゥゥゥ!!!!」

 

そこへフォンテーヌが飛び蹴りを繰り出し、カスミーナの顔面に蹴りを入れて吹き飛ばした。

 

「コノォォォ!!!!」

 

カスミーナは周囲に球体を複数出現させると、そこから赤い光線を一斉に照射した。

 

フォンテーヌはシールドを張って防ぎ、グレースとスパークルは赤い光線を飛行しながら避けていき、カスミーナへと迫っていく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「グッ・・・・・・!!」

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ウアァッ!!!!」

 

グレースは顔面に蹴りを繰り出し、怯んだところをスパークルが頭上から踵を落として地面へと叩きつける。

 

「ッ、アァァァァァァァ!!!!!!」

 

「っ・・・まだ、立ち上がるのね・・・・・・!!」

 

「ワタシガマケルワケガナイ!! カンゼンナビョーゲンズトナルコノワタシガ!!!!」

 

しかし、カスミーナは再び雄叫びをあげて宙へと浮かび、上空へと飛ぶ。フォンテーヌがそう言って、グレースたち三人が構える中、カスミーナは4本の腕から木の実のようなものを次々と生み出すと撒き散らすように放った。

 

グレースたち三人は投下されるように落ちてくる木の実を避け、天使の翼を広げて上空のカスミーナへと迫る。

 

「火のエレメント!!」

 

「雨のエレメント!!」

 

「「はぁっ!!!!」」

 

「ウッ、グゥゥゥゥゥ、グァァァァァァ!!!!!」

 

スパークルは火のエレメントボトル、フォンテーヌは雨のエレメントボトルをセットし、火を纏った黄色い光線、雨粒を纏った青い光線を放った。カスミーナは怯むも、すぐに光線を振り払った。

 

「実りのエレメント!! はぁっ!!!!」

 

「キクカァァァァァァァ!!!!」

 

グレースは実りのエレメントボトルをセットして、刀身を伸ばして斬撃を放つが、カスミーナは両腕から光弾を放って打ち消す。

 

爆発して黒い煙が立つと、その中からグレースたち三人が飛び出していく。

 

「っ!!??」

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」

 

「アァァァァァァァァ!!!!」

 

グレースたち三人は同時に飛び蹴りを繰り出し、とっさの攻撃で防御できなかったカスミーナの顔面に直撃し大きく吹き飛ばした。

 

「ウアァァァァァァァァ!!!!」

 

カスミーナはそれでも体勢を立て直して再び襲いかかる。

 

「空気のエレメント!! ふっ!!!!」

 

アースは空気のエレメントボトルをセットして、空気の塊を連続で発射する。

 

「ウッ・・・クゥゥゥゥ・・・!!!!」

 

空気の塊はカスミーナに直撃し、カスミーナの動きが止まる。

 

「私もいるということを、忘れないで欲しいです!!」

 

「いけるんじゃない!? 今なら!!」

 

「よし!! 行こう!!」

 

「ラテ、お願い!!」

 

「ワフ〜ン!!」

 

プリキュアたちは今が勝機であると判断し、フォンテーヌがラテに声をかけるとラテは大きく鳴いた。

 

「「「「ヒーリングっどアロー!!!!」」」」

 

4人がそう叫ぶとラテがステッキとハープ、エレメントボトルの力を一つにまとめた注射器型のアイテム、ヒーリングっどアローが出現する。

 

その注射器型のアイテムに、ハートの模様が描かれたエレメントボトルをセットする。

 

「「「「ヒーリングアニマルパワー!! 全開!!」」」」

 

ヒーリングアニマルたちのダイヤルが回転し、その注射器型のアイテムが4つに別れるとグレースにはラビリン、フォンテーヌにはペギタン、スパークルにはニャトラン、アースにはラテの部分で止まり、グレースたち4人の服装や髪型などが変化し始める。

 

そして、4人の背中に翼が生え、いわゆるヒーリングっどスタイルへと変化を遂げる。

 

「「「「アメイジングお手当て、準備OK!!!!」」」」

 

4人は手に持っている注射器のレバーを引くと、虹色のエレメントパワーがチャージされる。

 

「「「「OK!!!!」」」」

 

そして、パートナーのヒーリングアニマルたちがダイヤルから光となって飛び出し、思念体の状態になって現れ、パートナーに寄り添った。

 

「「「「プリキュア!ファイナル!! ヒーリングっど♡シャワー!!!!」」」」

 

プリキュアたちがそう叫ぶと、レバーを押して4色の螺旋状の強力なビームを放った。4色のビームは螺旋状になって混ざり合いながら、カスミーナへ向かっていく。

 

「ソンナモノォォォォォォォ!!!!」

 

カスミーナはビームに対抗しようと、4本の腕と額から赤い球体を溜めるとそこから赤く禍々しい極大のビームを放った。

 

4色の螺旋状のビーム、赤く禍々しい極大のビームが激突する。

 

「キングビョーゲンサマニミトメラレタワタシガマケルハズガナイ!! タニンニタヨラナケレバドウニモナラナイオマエタチナンカトハチガウノダ!!!!」

 

「確かに・・・・・・私も、病気になった時、一人ではどうにもならなかった・・・・・・でも、私は他人や医者のみんなが助けてくれたからこそ、今もこうして生きているんだよ!!!!」

 

「人は、人やみんなのつながりがあってこそ生きていけるものなの!!」

 

「あんたたちみたいに、他人を頼ろうとしない人たちとは違うんだよ!!!!」

 

「私も、グレースたちと出会ったから、一緒にいろんなことを学び、強くなりました・・・私たちのこの絆は決して無駄なものではありません!!!!」

 

カスミーナの主張に、プリキュアたちは反論の言葉を返す。人はつながりがあるから、頼るべき人がいるから強くなれる。

 

「「「「だから、私たちは絶対に負けない!!!!」」」」

 

グレースたちがそう叫ぶと、ビームの勢いが強くなり、赤く禍々しい極大のビームを包み込んでいく。

 

「ナニッ!!??」

 

これにはカスミーナも信じられない様子で見ていた。

 

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」」

 

グレースたちは気合いを集中しながらビームを押し込んでいき、徐々にカスミーナへと近づいていく。

 

「ナゼダ・・・ナゼ、コノワタシガ・・・!!! カンゼンナビョーゲンズニナル、コノワタシガ!!! オマエタチミタイナ、ミナライゴトキニ・・・!!!! ニンゲンナンカニ・・・!!!!!」

 

カスミーナは自分の敗北を認められずに、怒りの言葉を叫び始める。

 

そして、遂に・・・・・・・・・。

 

「グッ・・・ウゥゥゥゥゥゥ・・・ウアァァァァァァァァァ!!!! アァァァァァァァァァ!!!!」

 

4色の螺旋状のビームはカスミーナを包み込み、カスミーナの口から絶叫が上がる。

 

「モウシワケアリマセン・・・・・・キングビョーゲン、サマ・・・・・・ヒーリン、グッバイ・・・・・・」

 

そして、カスミーナの巨木のような体は光に包まれながら消えていった。

 

「「「「「「「お大事に」」」」」」」

 

「ワフ~ン♪」

 

カスミーナが消えたと同時に、カスミーナが蝕んだその周囲の木々の広範囲に渡って蝕まれていたその周辺が元の色を取り戻していく。

 

「ふぅ・・・・・・疲れたぁ・・・・・・今日は本当にどうなるかと思ったぁ」

 

「でも、これでやっと、かすみはカスミーナから解放されたのね・・・・・・」

 

「うん・・・そうだね・・・・・・」

 

「かすみさんはビョーゲンズに連れて行かれてしまったようですが・・・・・・」

 

グレースたち三人はすっかりと疲れ切っていて、ヒーリングっどスタイルから元に戻るとペタンと座り込みながらそう言った。

 

「っ!! しんらちゃんは!?」

 

「「「っ・・・!!」」」

 

グレースがハッとしながらそう言うと、みんなはカスミーナに襲われていたせいで忘れていたクルシーナをきょろきょろと探し始める。

 

「逃げられちゃった、みたいだね・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

スパークルがそう呟くと、グレースは顔を俯かせた。

 

「あ〜あ、カスミーナ、消えちゃったか・・・・・・」

 

「結局、バテテモーダみたいに野心のある奴はこうなるのか・・・・・・」

 

「まあ、別にアタシはどっちでもいいけどね。一応、お父様には報告しなきゃ。さぁ、帰りましょう。っていうか、帰りたいんだけど・・・・・・」

 

その様子を高いところで見届けていたクルシーナとダルイゼンがそう話すと、ふとクルシーナがピンク色の顔をさらに赤く染めた。

 

「どうしたの、顔なんか赤くして・・・・・・」

 

「アンタがアタシをいつまでもそんな持ち方してるからでしょうが・・・!!!!」

 

「持ち方ぐらいで文句は言わなくたっていいじゃん・・・・・・」

 

「アタシは恥ずかしいのよ!!! ったく・・・・・・!!」

 

ダルイゼンが意にも返していない風に言うと、クルシーナは顔を真っ赤にして怒るも、満更でもない様子だった。

 

そして、二人は今度こそ撤退していったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビョーゲンズを撃退後、変身を解いたのどかたちは眠っている中島先生の様子を見ていた。

 

「うん・・・・・・あっ・・・・・・」

 

「先生、大丈夫ですか?」

 

「あら? のどかちゃんたち、いたの?」

 

「ラテが教えてくれたんです」

 

中島先生が目を覚ますと、目の前にはのどかたち4人が心配した面持ちで見つめていた。

 

「ウゥ〜ン・・・・・・」

 

「ラテちゃん・・・ありがとう・・・・・・」

 

「っ・・・ワン♪」

 

中島先生は同じように心配そうに見つめるラテを優しく微笑みながら撫でた。

 

「先生、なんともないラビ・・・・・・?」

 

「ええ、大丈夫よ。ちょっと眠くなっちゃっただけ」

 

「よかったラビ・・・・・・」

 

ラビリンが心配しながらそう言うと、中島先生は同じように笑みを浮かべながら言った。ラビリンはその様子にホッとしたような様子を見せていた。

 

「あっ・・・しんらちゃん・・・・・・!!」

 

中島先生はハッとして、クルシーナを探そうと辺りをきょろきょろし始める。

 

「・・・・・・しんらちゃんは逃げちゃいました」

 

「そう・・・・・・・・・」

 

のどかが少し声を暗くしながら言うと、先生は顔を俯かせるが、すぐに顔を上げた。

 

「でもまあ、また会えるわよね・・・・・・」

 

「そう、ですね・・・・・・」

 

中島先生は少し微笑みながらそう言うと、のどかも口元に笑みを浮かべながらそう言った。

 

「あっ、そうだわ!! 農家さん!! 悪い女の子に突き飛ばされて、怪我してないかしら!?」

 

「あっ、先生!!」

 

中島先生はカスミーナに突き飛ばされた農家さんを心配して、すくっと立ち上がると農家さんの元へと駆け出していく。

 

「先生は、大丈夫そうね♪」

 

「あんなに元気なら、いいんじゃないかなぁ・・・・・・」

 

ちゆやひなたは安心したようにそう言いながら、のどかたちは先生のあとを走っていく。

 

そして、気を失っている農家さんの元で、中島先生は手首に指を当てて脈を測っていた。

 

「・・・・・・うん、なんとも無さそうね」

 

中島先生がそう判断し、のどかたちもホッとしていると・・・・・・・・・。

 

「うっ、うっ・・・あっ!!」

 

「・・・・・・大丈夫ですか?」

 

気を失っていた農家の男性は目を覚ますと、のどかが心配して聞く。

 

「・・・・・・えっと、君たちが助けてくれたのかい?」

 

「・・・・・・あのうさぎさんが教えてくれたんです」

 

「うさぎさん・・・・・・?」

 

そう答えるのどかの後ろには、農家の男性を心配した様子で見つめるラビリンの姿があった。

 

「おぉ! よかった!! 無事だったんだね・・・はははっ」

 

「ラビィ・・・♪」

 

「元気そうでよかったな」

 

「ペエ♪」

 

男性が笑顔を見せると、ラビリンは安堵の表情を見せ、近くの茂みに隠れていたニャトランとペギタンも笑顔を見せた。

 

その後、のどかたちはひなたの家に集まり、農家の男性からもらった沢山の果物をひなたの姉のめいに頼んでパンケーキなどのスイーツを作ってもらい、みんなでそれを食べ始めた。

 

「「「「「「「「いただきま〜す!!」」」」」」」」

 

「ふわぁ〜、美味しい♪」

 

「たくさんのお土産、ありがとう」

 

「どういたしましてペエ」

 

「まあ、ひなたちゃんのお姉さんは料理が本当に上手ね♪」

 

「お姉も喜んで作ってくれたよ♪」

 

みんながそれぞれ食べながら話している中・・・・・・・・・。

 

「ラテ、みなさんとのお出かけは楽しかったですか?」

 

「ワンっ♪」

 

アスミが尋ねると、ケーキを食べていたラテは嬉しそうに答えた。

 

「良いなぁ〜、行きたかったなぁ〜♪」

 

「今度はみんなで行きましょう♪」

 

「っ・・・来年はみんなで行けると良いペエ・・・・・・」

 

ひなたや中島先生の話を聞いたペギタンは、顔を俯かせながらそう呟いた。

 

「・・・・・・行こうぜ、絶対」

 

「ペエ・・・・・・?」

 

「ビョーゲンズから地球を守れば、またいつでもみんなと会えるだろ?」

 

「そうラビ。お手当てじゃなくても、いつでも遊びに来られる世界にするラビ♪」

 

「ワン♪」

 

悲しそうな表情のペギタンに、ニャトランやラビリンはそう言ってペギタンを励ました。

 

「何々? 何の話??」

 

「来年はみんなで行こうぜ!って」

 

「良いわね♪ どこに行こうかしら」

 

「農家さんの果樹園で、フルーツ狩りしたいラビ!!」

 

「秋の美術館巡りもしたいペエ!!」

 

「ふわぁ♪ すっごく楽しそう〜!!」

 

「来年が楽しみですね♪」

 

「ワン!! ワン!!」

 

「ラテもすっごく楽しみなんだね♪」

 

のどかたちやラビリンたちはそんな思いを馳せながら、みんなで笑いあったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃・・・・・・ビョーゲンキングダムでは・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・」

 

部屋に籠っていたイタイノンが部屋の外を出て、ビョーゲンキングダムを歩いていた。

 

「イタイノン・・・大丈夫ネム・・・・・・?」

 

「・・・・・・もう涙は枯れたの。それに、いつまでも引き篭もっていられないの。パパが呼んでるの」

 

心配するネムレンをよそに、イタイノンは淡々とそう返した。もう自分はビョーゲンズからは戻れない、ならばビョーゲンズとして使命を全うするだけだ。そんな思いで自分の父の元へと歩いていく。

 

「イタイノン・・・・・・元気になったんですね」

 

「・・・・・・お前に心配される筋合いなんかないの」

 

「別に心配なんかしてませんよ」

 

そんな行く途中でドクルンが笑みを浮かべながら待っており、イタイノンは素っ気なく返しながら彼女の横を通り過ぎる。ドクルンもそんなことを言いつつも、イタイノンの後を着いて行く。

 

「着いてくるな、なの」

 

「私もお父さんに呼ばれてるんですよ。あなたもそうでしょう?」

 

「・・・・・・ふん」

 

イタイノンは背後を歩くドクルンにそう言うも、ドクルンが反論するとイタイノンは特に相手をせずに前を歩いていく。

 

そして、キングビョーゲンの前へとやってきた。

 

「・・・・・・イタイノン、もう大丈夫か?」

 

「大丈夫なの。心配かけたの」

 

「そうか・・・・・・では、お前にも施させてもらうぞ。我の分身を」

 

キングビョーゲンは心配した面持ちでそう言うと、イタイノンは静かに答える。そして、キングビョーゲンの分身を受け入れるべく、その言葉に頷く。

 

「お父さん」

 

「・・・・・・何だ、ドクルン」

 

「報告があります。それはクルシーナが来てからいいですか?」

 

ドクルンは真面目な表情でキングビョーゲンにそう告げたのであった。

 

一方、廃病院のとある一室・・・・・・。

 

「う、うん〜・・・・・・あっ!?」

 

「・・・・・・起きた?」

 

「こ、ここは・・・・・・」

 

「アタシたちのアジト」

 

ベッドの上で眠っていたかすみが飛び上がるように起きると、クルシーナがベッドの側に座っているのが見えた。

 

「わ、私は・・・・・・何を・・・・・・?」

 

「アンタ、倒れてたのよ、アタシのそばで。連れて帰んなかったら、どうなってたことやら」

 

戸惑うかすみに、クルシーナはあっけらかんと答える。あのまま寝かせておいたら、カスミーナに何かされていただろうとクルシーナはそう考えてアジトまで運んでやったのだ。

 

「クルシーナ・・・・・・・・・」

 

「お礼なんかいらないわよ。言われたって迷惑だし」

 

かすみがクルシーナに何か言おうとして、クルシーナはそれを遮るかのようにそう言うと、クルシーナはベッドから立ち上がる。

 

「さてと、お父様が呼んでるから行くとしましょうかねぇ」

 

「あ・・・私も・・・・・・」

 

「アンタはここで休んでな。お父様の召集にも出なくていいから」

 

立ち上がろうとして着いて行こうとするかすみに、クルシーナはそう告げると部屋の外へと出ていった。

 

かすみはクルシーナの姿を呆然と見つめた後、自分の手を見つめる。

 

「私が・・・完成する・・・・・・のどかが・・・・・・消える・・・・・・?」

 

かすみはカスミーナが話していたことを頭の中で思い出していたのであった。

 

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