ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
ギガビョーゲン、メガビョーゲンに吹き飛ばされてしまったプリキュアたちは・・・・・・。
「のどか!! のどかぁ!! のどか、起きるラビ!!」
「うっ・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・!! こ、ここは・・・・・・」
ラビリンの呼びかけによって、のどかは意識を取り戻した。辺りを見渡してみると、そこは森の中であった。
「ラビリンたち、ギガビョーゲンの攻撃で遠くまでぶっ飛ばされちゃったラビ!!」
「あっ、そうだったね・・・・・・」
ラビリンに言われて状況を理解するのどか。
「っ・・・ちゆちゃんとひなたちゃんは・・・・・・!?」
「二人ともどこか別の場所にぶっ飛ばされちゃったラビ・・・・・・」
「そ・・・そう・・・・・・」
のどかがそう尋ねると、ラビリンは元気のなさそうな声で呟き、のどかはそれを聞いて顔を俯かせる。
「急いで二人を探しに行くラビ!!」
「・・・・・・・・・」
「? のどか・・・どうしたラビ??」
ラビリンはちゆとひなたの二人を探そうと先に行こうとするが、のどかは座り込んだまま動こうとしなかった。
「私、どうかしちゃったのかな・・・・・・」
「ラビ・・・・・・?」
「さっきだって、エレメントさんの力を使おうとして出なかったし・・・・・・」
のどかは先ほどのギガビョーゲンの戦いで、エレメントさんの力を使えなかったことが気になっていた。
「もしかして・・・これもかすみが関係してるラビ・・・?」
「っ・・・かすみちゃんがそんなことするはず・・・!!!!」
「でも、前もかすみやカスミーナと戦った時もそうなってたラビ・・・完全には否定できないラビ・・・・・・」
「うぅぅぅ・・・・・・」
ラビリンがなんとなくそう発すると、のどかは否定しようとするが、ラビリンに思い当たることを言われ、のどかは否定できなかった。
「でも・・・今はそんなことで落ち込んでいる場合じゃないラビ!! ちゆとひなたの二人を探すラビ!!」
「っ・・・・・・・・・」
「のどかぁ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
メガビョーゲンとギガビョーゲンが暴れている以上、ここで待っているわけには行かないラビリンはなんとかのどかを奮い立たせるような言葉を発し、その懇願の言葉にのどかは辛そうな表情をしながらも立ち上がって一緒に進んでいく。
一方、その頃・・・・・・・・・。
「うっ・・・ちゆ・・・・・・大丈夫ペエ・・・・・・?」
「うん・・・・・・なんとか・・・・・・」
森の中でありながら別の場所に吹き飛ばされたペギタンとちゆはボロボロになりながらも、お互いの無事を確認し合う。
「ここは・・・・・・すこやか山の中ね。私たち、そんな遠いところまで飛ばされたのかしら?」
ちゆは辺りを見渡して、その場所をすぐに把握する。
「とりあえず、みんなを探すペエ・・・・・・!!」
「そうね・・・・・・うっ・・・・・・」
ペギタンの言葉に同調したちゆはそう返事をすると、なんとか立ち上がって森の中を歩いて進もうとする。
「ひなた・・・・・・無事か・・・・・・?」
「体痛いけど・・・大丈夫だよ・・・・・・ぐっ・・・・・・!!」
ニャトランは気にもたれかかったひなたにそう言い、お互いの無事を確認するが、すでにボロボロで特にひなたは右肩を抑えながら痛みに顔を顰める。
「おい、怪我してんのかよ・・・!?」
「だ、大丈夫・・・・・・怪我してるだけだから・・・・・・」
「大丈夫じゃねぇよ!! そんなの!! えっと・・・・・・!!」
ひなたは心配させないように言っているのが、ニャトランには丸分かりだった。ニャトランは何か傷を治療できるものを探そうとするが、ここは森の中・・・・・・そんなものが見つかるわけがない。
「ニャトラン・・・ありがとう・・・・・・心配してくれてるんだよね・・・・・・」
「当たり前だろ!! ひなたは俺の大事なパートナーなんだからよぉ!!」
「だったら・・・このハンカチ、千切ってもいいから傷を結んでよ・・・お気に入りだったけど、言ってられないもんね・・・お願い・・・・・・」
「っ・・・・・・わかった・・・・・・」
ひなたはポケットからハンカチを取り出してニャトランに差し出しながらそう言うと、ニャトランはハンカチを手で掴んでひなたと一緒に引っ張って細く千切った。そして、ニャトランがその切れ端を使って、抑えていた腕を結んで応急処置をした。
「ありがとう・・・ニャトラン・・・・・・」
「少しは良くなったか?」
「うん!! じゃあ、のどかっちとちゆちーを探しに行こう!!」
「そうだな!!」
ニャトランはひなたの手を掴んで彼女を立たせ、二人で一緒にのどかとちゆを探すべく歩き出すのであった。
一方、その頃・・・・・・・・・。
「うっ・・・・・・メガビョーゲンがあんなに強いとは・・・・・・ビョーゲンズの邪悪な力が入ったせいかもしれませんが・・・・・・」
同じようにメガビョーゲンに吹き飛ばされてしまったアスミはボロボロになりながらも、森の中を彷徨っていた。
すると・・・・・・・・・。
「クゥ〜ン・・・・・・ウゥ〜ン・・・・・・」
「っ!! ラテ!!」
体調が悪そうなラテが同じように歩いているのを見つけたアスミはすぐに駆け寄る。
「クゥ〜ン・・・クゥ〜ン・・・・・・」
「ラテ、先生と一緒にいたのではなかったのですか・・・・・・!?」
「クゥ〜ン・・・ウゥ〜ン・・・・・・」
アスミに抱き抱えられたラテは、アスミに何かを訴えるかのように弱々しく鳴いていた。
「何か言いたげですね・・・・・・?」
「ウゥ〜ン・・・・・・ウゥ〜ン・・・・・・」
アスミはラテのその様子から何かを察し、聴診器を取り出すとラテを診察する。
(先生が、かすみに攫われたラテ・・・・・・)
「っ!? かすみさんが、先生を・・・・・・!?」
先生はかすみによって攫われたことを知り、アスミはその事実に驚きつつも虚空を見つめる。
「では、今回のこの騒動も・・・かすみさんが・・・・・・?」
のどかから聞かされた夢の話も相まって、この事件はかすみが起こしたものであるという信じたくない事実を察してしまうのであった。
「のどか・・・・・・もう少しラビ・・・・・・!!」
「ま・・・待って・・・少し・・・休ませて・・・・・・!!」
のどかとラビリンは大きく開けた展望台へと向かっていたが、のどかは完全に息を荒くして歩みがあまり進んでいなかった。
「のどか、頑張るラビ!! あと少しラビ!!」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・本当に、おかしいなぁ・・・・・・ランニングで、体力を・・・つけてるはずなのに・・・・・・!!」
のどかはランニングをしているはずなのに、体力が衰えていることを気にしていた。
「これも・・・かすみが原因ラビ・・・・・・?」
「っ、やめてよっ、ラビリン!! 何でもかんでもかすみちゃんのせいにしないで!!」
「っ・・・ご、ごめんなさいラビ・・・・・・」
ラビリンは思い当たる節を呟くと、のどかは珍しく怒った声で叫び、ラビリンは申し訳なさそうに謝罪する。のどかには自分の調子の悪さがかすみの仕業だということを否定することができず、苛立ちが募っているようだった。
その後、のどかとラビリンは少し気まずい雰囲気を醸し出しながら、ゆっくりと展望台へと向かっていく。
「ちゆ、大丈夫ペエ・・・・・・?」
「大丈夫よ・・・・・・ありがとう、ペギタン」
ギガビョーゲンの攻撃のせいか、足を引きずりながら歩くちゆを心配するペギタンに、ちゆは微笑んでそう答える。
「僕たち、なんで展望台に向かってるペエ?」
「二人がすこやか山にいるんだったら、のどかもひなたもそこに向かうはずよ。あそこは広いから、二人のいるところもわかりやすいしね」
ちゆとペギタンはそんな話をしながら展望台へと向かっていく。
「ひなた・・・・・・怪我大丈夫か・・・・・・?」
「もぉ〜、ニャトランったら心配しすぎ!! 全然平気だよ!! ニャトランが応急処置してくれたおかげだよ〜!!」
ニャトランはひなたを心配していたが、ひなたはいつもの明るい調子で元気さをアピールする。
「俺たち、どこ向かってんだ・・・・・・?」
「ん〜・・・とりあえず高いところに行けば、見えるのかなぁ〜って思ってさ・・・・・・そこに行けばみんないるじゃん!って・・・・・・感じ?」
「なんだよ・・・・・・それ・・・・・・」
ひなたの話すことにニャトランが呆れながらも、二人はとりあえず高いところに向かっていく。
そして・・・・・・・・・。
「あっ、みんなぁ〜!!」
「のどか!! ひなた!!」
すこやか山の展望台にのどか、ちゆ、ひなたの三人が集合し、合流することができた。
「みんな、無事でよかったペエ・・・!!」
「またぶっ飛ばされた時にはどうなるかと思ったぜ・・・!!」
ペギタンとニャトランはそう話しながらお互いの無事を確かめ合うが・・・・・・。
「っ・・・・・・・・・」
「うぅぅ・・・・・・・・・」
のどかは辛そうな表情を浮かべていて、ラビリンは泣きそうな表情をしていて気まずい雰囲気だった。
「二人とも、どうしたの・・・・・・?」
「なんか・・・雰囲気悪いけど・・・・・・?」
「っ・・・な、なんでもないラビ・・・・・・」
「うん、なんでもないよ・・・・・・」
ちゆとひなたは二人の様子が明らかにおかしいと思い尋ねるが、ラビリンとのどかは暗い声でそう誤魔化した。
「みなさーん!!」
「「「っ!!」」」
と、そこへラテを抱えたアスミも合流して、三人の方へと近づいていく。
「アスミン!!」
ひなたとちゆはアスミの姿を見ると、彼女へと近づく。
「アスミも、ここに飛ばされてきたの・・・・・・??」
「はい・・・・・・強くなったメガビョーゲンに吹き飛ばされてしまいました・・・・・・」
「っ!! こっちも小さなビョーゲンズが飛んできて、ギガビョーゲンが強くなったわ・・・!!」
「なんか顔つきも悪〜い感じになったよ・・・!!」
「っ・・・こちらもです!!」
メガビョーゲンが強化され、ギガビョーゲンが強化された・・・・・・お互いにナノビョーゲンが現れて、同じ現象に陥ったことを三人は話していた。
「ビョーゲンズの誰かが放った可能性もあるペエ・・・・・・!!」
「誰かって誰だよ・・・??」
「それは・・・・・・わからないペエ・・・・・・」
ペギタンはそう推測するが、それがわからずに話し方に勢いがなくなる。
「・・・・・・・・・かすみラビ」
「「「「っ・・・!!」」」」
「・・・・・・ラビリン」
今まで黙っていたラビリンが辛そうな声でそう言うと、みんなは驚く。のどかは震えた声でラビリンに声をかける。
「本当は認めたくないけど・・・・・・きっとかすみがやったに違いないラビ・・・・・・」
「ラビリン・・・・・・!!」
「のどかが夢にかすみを見てからおかしくなったラビ・・・・・・だから、かすみが関わっているに違いないラビ!!」
「ラビリンっ!!!!」
「っ・・・・・・・・・」
のどかの静止する声を聞かずにラビリンは話し始め、のどかは声を荒げた。
「やめてよ・・・・・・そんなこと言うの・・・・・・かすみちゃんは私の、みんなの大事な友達なんだよ・・・・・・ラビリンにとっても、大事な友達でしょ・・・・・・かすみちゃんのせいだとか・・・・・・かすみちゃんが悪いみたいなこと・・・・・・言わないでよぉ・・・・・・」
「っ・・・・・・のどかぁ・・・・・・」
のどかはペタンと地面に膝をつきながら泣きそうな声でそう訴え、ラビリンも瞳を潤ませながら泣きそうな声を出す。
「ラビリンだって・・・本当はかすみがやったなんて、信じたくないラビ・・・・・・でも、どう考えたって・・・考えたって・・・かすみがやってないっていうのが見つからないラビ・・・・・・のどかのことや・・・かすみのことで・・・・・・どう言えばいいかわからずに苦しかったラビ・・・・・・!!!!」
「っ・・・ラビリン・・・・・・・・・」
ラビリンも涙を流しながら苦しい心情を吐露し、のどかもそんなラビリンに瞳を潤ませる。
「ラビリンは・・・・・・ラビリン、は・・・・・・!!」
「ラビリン!!!!」
ラビリンは言葉を詰まらせているのか言葉が出ず、それを見たのどかが駆け寄ってラビリンを抱き締める。
「ごめん・・・・・・ごめんね・・・・・・ラビリンの気持ち・・・・・・考えてなかった・・・・・・ラビリンも辛かったんだね・・・・・・なのに、あんなに怒鳴ったりなんかして・・・・・・ごめんね・・・・・・」
「ラビリンも・・・のどかの気持ちも考えずに言って・・・・・・ごめんなさいラビ・・・・・・!!!!」
のどかとラビリンはお互いに涙を流しながら抱き合い、謝罪し合った。
「私も・・・たとえかすみがやっていたとしても、きっと理由があるのに違いないわ。だって、あんなに優しいかすみが悪さでこんなことをするなんて思えないもの・・・・・・」
「あたしだって、かすみっちが自分から蝕みたいなんて、思ってないと思うし・・・・・・かすみっちは大切な友達だもん!!」
「僕もかすみが意図してやったなんて認めたくないペエ!!」
「かすみは大事な仲間だもんな!! 俺たちと戦ってたあいつが、そんなことを望むわけがねぇよな!!」
「私も、かすみさんを信じます。かすみさんが避けていた私を信じてくれていたように、私も友達と認めてくださったかすみさんを、私は信じます!!」
「ワン!!」
ちゆたちを始めとした仲間たちも、仲間であるかすみを信じることにした。かすみは自分たちの大切な友達、そんな友達が、誰よりも優しい友達が、そんなことを悪意でするわけがないと、そう思ったのだ。
「さて、かすみを信じるって決めたところで、これからどうする・・・・・・?」
「まずは、メガビョーゲンとギガビョーゲンを止めないとペエ・・・・・・!!」
「メガビョーゲンなら楽勝じゃない? アースが苦戦してるんだったら、あたしたちが力を合わせれば・・・・・・!!」
「でも、ギガビョーゲンの方も放ってはおけないわ・・・・・・」
「ギガビョーゲンの方は私たちで止められるか・・・・・・心配です・・・・・・」
ニャトランがそう言うも、ちゆ、ひなた、アスミの三人は意見が分かれていて、今後の行動を決めあぐねていた。
「二体とも相手をしよう!!」
「「「っ!!」」」
「まず、このすこやか山から近いのはどこかな? その近くにいる方から浄化していこう!! ここで迷ってたら、病気が広がっちゃう。だから、迷うくらいなら行こうよ!!」
「・・・・・・そうね。ここで考えてるくらいなら、まずは行動ね」
のどかがそう言うと、ちゆは納得したように笑みを浮かべる。
「じゃあ、まずはラテ様にメガビョーゲン、ギガビョーゲンがどこに行ったのか聞いてみるラビ!!」
ラビリンの言葉にみんなは頷くと、聴診器を取り出してラテを診察する。
「ラテ・・・・・・体調が悪いのにごめんね・・・・・・。メガビョーゲンとギガビョーゲンの居場所はわかる・・・・・・?」
(はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・)
のどかはそう問いかけるが、ラテは体調が悪化しているのかのどかの声に反応を返さない。
「ラテ様の症状が重くなってるラビ!?」
「これはちょっとマズいんじゃねぇか!?」
ラテの症状がさらに重くなっていることに、慌て出すラビリンとニャトラン。
「ごめんね、ラテ・・・お願い・・・・・・!! 苦しいのはわかるけど、私たちはこの街も、みんなも、かすみちゃんも救いたい・・・!! だから、教えて!! メガビョーゲンと、ギガビョーゲンの場所を・・・・・・!!」
(はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・)
のどかがラテに申し訳ないと思いながらそう訴えると、ラテは薄目を開けてのどかの顔を見ると力を振り絞ってメガビョーゲン、ギガビョーゲンの場所を探るためか目を瞑り始める。
そして、ラテがその方向に視線を向ける。
(・・・先生と、電車さんは、あっちの方で・・・泣いてるラテ・・・・・・)
「あっちって・・・・・・?」
「二体とも病院の方じゃないかしら・・・・・・!?」
「急いで向かおうよ!!」
メガビョーゲンとギガビョーゲンはラテの視線の方向・・・要するに同時に病院の方角へと向かっていることがわかった4人は向かおうとする。
ーーーーのどか。
「っ!!??」
のどかの頭の中に声が響いてくる。聞いたことのある声、のどかは辺りを見渡し始める。
「のどか、どうしたのですか・・・・・・?」
「何か・・・声が聞こえて・・・・・・」
様子がおかしいことに気づいたアスミに問われるとのどかはそう答える。他の三人は辺りを見渡し、声を聞こうとするが・・・・・・。
「何にも、聞こえないけど・・・・・・?」
「え・・・・・・?」
ひなたがそう答えて、のどかが理解できないでいると・・・・・・。
ーーーーのどか。
「っ!! ほら、聞こえた・・・かすみちゃんの声・・・!!!!」
「・・・・・・ごめんなさい、何も聞こえなかったわ」
「嘘・・・・・・?」
「私も・・・・・・聞こえませんでした・・・・・・」
のどかにまた呼ぶ声が響いてくる。のどかはそう訴えるが、ちゆは首を振りながら答えた。
ちゆちゃんたちには聞こえてない・・・・・・? もしかして、私にしか聞こえてないの・・・・・・?
のどかがそう考えていると・・・・・・。
ーーーーのどか・・・こっちだ・・・・・・。
「っ・・・・・・!!」
ーーーーこっち・・・・・・。
のどかを呼ぶ声がまた聞こえ、のどかはきょろきょろと見渡すと森の中に薄っすらと何が見えた。
「っ、かすみちゃん・・・・・・!?」
「「「っ!?」」」
のどかは遠目からでも黒いフードを深く被っていることから、夢の中で話しかけてきた人物・・・・・・すなわちかすみであることを視認する。のどかが呟いた瞬間、ちゆたちは驚いてのどかが向いている方向を振り向いた。
「かすみ!!」
「かすみっち!!」
「かすみさん!!」
三人は叫ぶように声を上げるとかすみはフード越しながらも、薄く笑みを浮かべてそのまま森の中へと入っていく。
ーーーー私に会いに来てくれ・・・・・・のどか・・・・・・。
「っ・・・・・・待って!! かすみちゃん!!」
のどかの頭の中に再び声を通すと、のどかの叫び声を待たずにかすみは霧のように消えて行った。
「かすみさん、何を考えているのでしょう・・・・・・?」
「少なくとも私たちに何か会おうとしているのは確かね・・・・・・」
「ペエ・・・・・・」
「だったら、あんな風に消えないでこっち来ればいいじゃん!! なんで来ないのか・・・わからないよ・・・・・・」
「そうだぜ!! 俺たちは友達じゃねぇのかよ・・・!?」
ちゆたちはかすみの様子を見て、そんなことを考えていた。
「・・・・・・追わなきゃ」
「「「っ・・・・・・」」」
と、のどかがボソリと呟いたことに他の三人が反応する。
「かすみちゃんが助けを求めてるのかも・・・・・・私が行かないと・・・・・・!!」
「待ってよ!! のどかっち!! メガビョーゲンとギガビョーゲンはどうするの!!?? このままだとあたしたちの街が・・・!!」
「でも、かすみちゃんを・・・・・・放っておけないよ・・・・・・!!!!」
のどかはかすみの元に行こうとするが、ひなたに引き止められる。かすみのことは気になるが、今はメガビョーゲンとギガビョーゲンを止めなければ大変なことになる。のどかもそれは分かっているのだが、苦しんでいる友人を放っておくことはできずに、迷っていた。
「・・・・・・のどかはかすみを追って」
「ちゆちー!?」
「私たちはかすみのために動いているんだもの。のどかがかすみが助けを求めてるかもしれないって感じたなら、地球のお医者さんとしてかすみを助けてあげて。私たちのことは心配しないでいいから」
「ちゆちゃん・・・・・・」
ひなたは驚いていたが、ちゆはのどかにかすみの元へ向かうように言った。
「私も、のどかにはかすみを追って欲しいです。かすみさんと仲直りして、また一緒にすこやかまんじゅうを一緒に食べたいです!!」
アスミは少し欲があったが、かすみに対する思いを吐露した。
「・・・・・・そっか・・・そうだね・・・・・・かすみっちが苦しんでるなら・・・助けに行かなきゃだね・・・・・・」
ひなたはちゆやアスミの思いを察し、のどかの両手を取る。
「っ! ひなたちゃん・・・・・・」
「のどかっち・・・かすみっちを絶対に連れ戻してよ。新作のメニュー、またお姉と考えてるんだ・・・・・・かすみっちにも食べてもらいたい・・・!! だから・・・・・・早く行ってよ!! メガビョーゲンとギガビョーゲンはあたしたちに任せて!!」
「・・・・・・ありがとう、みんな!!」
ひなたはのどかを引き止めるのを思いとどまり、のどかは激励の言葉にお礼を言った。
「ラビリン、行こう!!」
「もちろんラビ!!」
のどかはラビリンに声をかけると一緒に、かすみがいた方向へと駆け出していく。
「気をつけてね!! のどかっち〜!!」
ひなたは手を振りながら、三人はかすみの元に向かうのどかを見送った。
「・・・・・・私たちも、行きましょう」
「はい!!」
「うん!!」
ちゆたちはメガビョーゲン、ギガビョーゲンを止めるべく病院へと駆け出して行くのであった。
一方、その頃・・・・・・のどかの姿を少し視認したかすみは森の中を歩いていた。
「・・・・・・のどか、私を止めにきてくれるだろうか」
かすみはのどかのことを思いながらそう呟いていた。
「のどかちゃんには、会わないの・・・・・・?」
「っ・・・・・・!!」
そんな彼女の後ろを無理やり着いて来ていた中島先生がそう尋ねた。
「・・・・・・お前には関係ない」
「関係ないことないわ。私だってのどかちゃんやあなたのために行動しているもの・・・・・・」
「私は、そんなこと・・・頼んでないっ・・・!!」
かすみは中島先生の言葉に素っ気なく返し、足を早め始める。
「なんで・・・・・・!!」
「・・・・・・・・・」
「なんで、のどかちゃんに会ってあげないの!? のどかちゃんはあなたに会いたがってるじゃない!! なんで、あなたがのどかちゃんに会うために街にひどいことをしなきゃいけないのよ!!??」
中島先生はかすみにそう訴えかけた。その表情は誰から見ても悲しそうな表情だった。
「・・・・・・言っただろ、私はビョーゲンズだ。のどかがプリキュアである以上、こうしなくちゃいけないんだ・・・・・・!!」
「なんで、あなたが・・・・・・そんなことを・・・・・・!?」
かすみは体を震わせながらそう言う。本当はこんなことをやりたくないというのを中島先生は感じながらそう言った。
「・・・・・・私がやらなきゃ、のどかは救えないんだ。私が会いにいけば、きっとのどかは私に優しくしてくれるだろう。でも、それじゃダメなんだ。それでは二人とも幸せにはならない。だから、私がこうやるしかないんだ・・・・・・!! お前にはわからないだろうけど・・・・・・」
「わかるわけないじゃない!! ずっと一緒じゃなくてもいい!! どこかに行って会えなくてもいい!!だから、のどかちゃんたちと一緒に生きればいいじゃない!! あなただけが不幸になるなんてこと・・・・・・そんなの、悲しすぎるわ・・・・・・!!」
かすみはそう胸の内を中島先生に吐露するも、中島先生はそう叫ぶ。すると、かすみは中島先生の元へと歩み寄る。
「・・・・・・私のこと心配してくれているのか・・・・・・お前は優しいんだな・・・・・・ありがとう」
「あなた・・・・・・あっ・・・!?」
かすみは口元に微笑を浮かべながらそう言う。中島先生が何かを言おうとした時、彼女の腹部に衝撃と痛みを感じた。かすみが中島先生にパンチをしたのだ。
中島先生はそのまま前のめりに倒れ始め、それをかすみが受け止める。
「・・・・・・でも、お前をこれ以上巻き込むわけにはいかない」
かすみは意識を失っている中島先生にそう呟くと彼女の体を抱っこして担ぎ、近くにある木のそばに座らせるように寝かせる。
その時だった・・・・・・・・・。
かすみちゃーん!!!!!!
どこかでのどかの自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「のどか・・・・・・私は嬉しいよ。お前がちゃんと探しに来てくれて」
かすみはその場から立ち上がって、虚空を見つめながら微笑む。
「でも・・・・・・私はここでは会わないよ。私を・・・・・・見つけてくれ・・・・・・」
かすみは寂しさを感じさせるようにそう呟くと中島先生をその場に置いたまま、立ち去っていくのであった。
「やはりかすみは面白いな・・・・・・私の常に予想を超えたような動きをしてくれる・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
その様子を上空から見ていたクライナーは不敵な笑みを浮かべながらそう言い、クルシーナは何とも言えないような表情をしている。
「どうした? クルシーナ」
「・・・・・・ここで何かを思ってたって、アンタには言わないわよ」
「ふふふふ・・・・・・冷たいな・・・私の生みの親は・・・・・・」
黙っている様子のクルシーナに、クライナーが問いかけるとクルシーナは素っ気なく返した。
(かすみ・・・・・・本当にアンタ消える気なの・・・・・・??)
クルシーナはかすみが何をしたいのかを察しており、それを不愉快そうに見つめていたのであった。