ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
イタイノンの発生させたメガビョーゲンに、ひなたはどう対応するのか?


第21話「激痛」

「メガーーー!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

イタイノンが生み出したメガビョーゲンは撮影会の会場を大方蝕んだ後、会場の外を出て唸り声を上げながら少女たちを襲っていた。

 

メガビョーゲンは両腕を振り回して、病気をあちらこちらにばらまいていく。

 

「キヒヒ・・・年頃の少女の悲鳴は格別なの」

 

イタイノンがゆめぽーとの建物の上から逃げ惑う少女たちを見下ろしながら、笑い声を上げる。

 

「ああ・・・可愛いものが汚れていく・・・」

 

ネムレンが複雑そうな表情で下の悲惨な光景を見下ろしている。

 

少女たちは心底どうでもいいが、せっかくの可愛いものや服が汚れていくのは悲しい。これではイタイノンに似合いそうなものをあげられなくなってしまう・・・。

 

その漏らした声を再度耳に拾ったイタイノンが、ネムレンに顰めた顔を近づける。

 

「お前・・・不満があるんだったら、はっきり言うの・・・!!」

 

「だ、だから不満なんかないってば~~! そんなに顔を近づけて私を見ないで~・・・!!」

 

ネムレンは顔をリンゴのように真っ赤にさせると、体を光らせた後にイタイノンのカチューシャに戻った。

 

「・・・なんで顔が真っ赤だったの?」

 

イタイノンは別に嫌がらせをしたわけでもないのに、ネムレンの言葉に拍子抜けし、怒りが冷めて首を傾げるばかりであった。

 

「あら、あんたもいたの?」

 

「ん?」

 

艶のある女性の声が聞こえてきたかと思うと、そちらを振り向けば見覚えのある同僚ーーーーシンドイーネの姿が。そして、ゆめぽーとの奥を見れば、シンドイーネが生み出したであろうメガビョーゲンの姿もあった。

 

イタイノンはそれを見た途端に、心底嫌そうな顔をする。

 

「なんだ、シンドイーネなの・・・」

 

「・・・何よ、その不満そうな顔は?」

 

シンドイーネが顰めた顔をすると、イタイノンはそっぽを向きながらため息を吐く。

 

「おばさんと場所が被るなんて、なんか不服なの・・・」

 

「なんですって! あたしだって、アンタみたいな小娘と一緒にいるなんて嫌よ!」

 

同僚同士で、いい大人の女と小さな娘が喧嘩といういつもの光景を繰り広げていると・・・。

 

「大体お前、それ・・・」

 

「な、何よ・・・?」

 

イタイノンはシンドイーネのツノを指差しながら言う。ツノには何やらピンクの斑点みたいな模様が。

 

「ツノに何、ゴミをつけてきてるの? おしゃれのつもりなわけ?なの」

 

「ゴミ言うな!そうよ! あたしが好きだからつけてきてんのよ! 悪い!?」

 

イタイノンは、ムキになるシンドイーネに背中を見せる。

 

「・・・別に、どうでもいいけど、なの」

 

「キーッ! 相変わらずムカつくやつね!!」

 

ゴシックロリータに興味なさげに返されると、地団駄を踏み始めるシンドイーネ。

 

「お前は、相変わらず文句ばかりでうるさいやつなの・・・」

 

イタイノンとシンドイーネの間にバチバチと火花が散っているような感じの光景。

 

ーーーーああ、騒がしい・・・。

 

イタイノンはため息をつく他なかった。もうこいつに関わるのはよそう・・・・・・。

 

「ああ、信じられない・・・!! せっかくのイベントがめちゃくちゃじゃん・・・!」

 

そこへ騒がしい声が聞こえたきた。イタイノンが再度見下ろしてみれば彼女にとっては最も潰すべき敵がいた。

 

「・・・キュアスパークル、やっと会えたの」

 

イタイノンは獲物を見つけたように不敵な笑みを浮かべて言った。

 

「ニャトラン、行くよ!」

 

「おいおい、その前に二人を連れてこようぜ!」

 

「そんなの待てないって! 今すぐここを守んなきゃ!! アタシ一人でなんとかするし!!」

 

「メガビョーゲンが2体もいるんだぜ!! 絶対に呼んできた方がいいって!!」

 

「それならどっちもあたしが相手するし!!」

 

「だけどよ・・・!」

 

ニャトランはひなたが戦闘慣れをしていないのと、メガビョーゲン二人に絶対叶うわけがないと判断しているのだが、ひなたは守ると言って聞き入れない。

 

「ほら、ニャトラン!!」

 

「わかったよ! スタート!!」

 

「プリキュア、オペレーション!!」

 

「エレメントレベル、上昇ニャ!!」

 

「「キュアタッチ!!」」

 

ニャトランがステッキに変わると、ひなたは菱形のボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。そして、肉球にタッチすると、星のような光線が現れ、白衣が現れ、黄色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

光のプリキュア、キュアスパークルに変身した。

 

「嫌だ・・・また、プリキュアじゃないの」

 

「さっきから騒がしい声が聞こえてたの」

 

「それ早く言いなさいよ!」

 

「なんでお前なんかのために、なの・・・」

 

プリキュアの出現に心底嫌そうな顔をするシンドイーネと、イタイノンはそっけない声で言い放ち、捲したてる彼女に辟易としていた。

 

「お前一人で何しに来たの? まさか、私たちを止めに来たわけ? なの」

 

「そうだよ! これ以上好き勝手させない!」

 

「ふん、鬱陶しいわね・・・メガビョーゲン、やっちゃって!」

 

「ビョーゲン!メガァ!!」

 

シンドイーネの宝石のような体に滑車のついたメガビョーゲンは口から病気を吐き出す。

 

「ふっ!はぁ!!」

 

スパークルは飛び上がってかわし、ステッキから黄色の光線を発射するも、メガビョーゲンの宝石のような体に跳ね返されてしまう。

 

「ふっ!」

 

施設の柱を蹴って、メガビョーゲンの顔を蹴りつける。

 

「可愛いのいっぱい台無しにして! せっかくあんなに楽しんでたのに・・・!! 」

 

ひなたはのどかとちゆと一緒に楽しんでいたことを思い返す。二人と一緒に撮影会のアクセサリーを選んでいたときは本当に楽しかった。それを台無しにするなんて許せない・・・!!

 

「絶対に元通りにしてみせる!!」

 

スパークルはそう言って、一人メガビョーゲンへと立ち向かっていく。

 

「あんなのを可愛いとか言ってるなんて趣味の悪いやつなの・・・・・・」

 

「・・・・・・むぅ」

 

「・・・ネムレン?」

 

イタイノンは不満の声を漏らすカチューシャに違和感を感じて、声をかける。

 

「・・・ニャトラン、あんなやつと・・・・・・」

 

「おい!ネムレン・・・!」

 

頭の上でブツブツと何かを言っているネムレンに、声を荒らげるイタイノン。

 

「は、な、何ネム?」

 

「・・・お前、さっきから何をブツブツ言ってるの?」

 

「・・・なんでもないネム」

 

ネムレンはしばらくの沈黙の後、一人言の原因を言わずにむくれたような声を出した。イタイノンはその言葉にため息を吐く。

 

「お前らの痴話喧嘩なんか興味ないの」

 

「な、何を言っているネム!? あ、あいつとはそんなんじゃないネム!!」

 

イタイノンがボソッと口にした言葉に、慌て始めるカチューシャ。

 

そうしている間に、スパークルはメガビョーゲンが伸ばしてくる手を避けて横に飛び、壁を踏み台にして蹴りを入れる。しかし、宝石のような体にはビクともしない。

 

「硬ッ・・・!」

 

あまりの硬さにスパークルは攻撃を与えるどころか、こちらの足が参ってしまいそうな痛さを感じる。

 

「残念でした。そんなへなちょこキックじゃビクともしないわよ」

 

小馬鹿にするシンドイーネ。スパークルは屋根の上へと飛び移ってメガビョーゲンを見下ろす。

 

それを見ていたイタイノンは・・・・・・。

 

「やっぱり、弱いやつなの」

 

スパークルの姿を見て、失望といったような感じで思うしかなかった。

 

「メガ!!」

 

「やっと帰ってきたの」

 

撮影会のブースの外を大方蝕んで戻ってきたメガビョーゲン。イタイノンはスパークルとメガビョーゲンを同時に見ながら、彼女は悪い顔をし始める。

 

「キヒヒ・・・・・・」

 

一方、屋根の上でシンドイーネのメガビョーゲンの様子をうかがっているスパークル。動きが鈍そうなメガビョーゲンは彼女を探している模様。

 

「こいつ、すごい頑丈・・・・・・!」

 

「でも、デカイから体は重そうだな!」

 

二人がそうやって油断をしていた、その時・・・・・・!!

 

シュシュシュシュシュッ!!! ドスッ!!

 

「! がぁっ・・・・・・!?」

 

突然、腹部に痛みが走り、体が吹き飛ばされるような感覚。ふと、下を見てみると、彼女の腹部に巨大なホイールのようなものが直撃していた。

 

スパークルが突然、攻撃を受けたことに驚愕するニャトラン。

 

「えっ・・・・・・?」

 

それを認識した、その瞬間・・・・・・!

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

スパークルははるか遠くまで吹き飛ばされていった。

 

「メガビョーゲン!!」

 

それを見たイタイノンのメガビョーゲンは弾かれて戻ってきたホイールを右腕にキャッチすると、馬のような身のこなしで屋根を軽々と飛び移り、吹き飛ばされたスパークルを追った。

 

イタイノンも同様に、屋根の上へと飛び移る。

 

「ちょっと! 何、邪魔してんのよ!?」

 

シンドイーネが不満そうに漏らすも、イタイノンはこちらを不機嫌そうな顔で見つめてくる。

 

「・・・ふん、その邪魔な奴を吹き飛ばしてやったんだから、むしろ感謝してほしいの」

 

イタイノンはそう吐き捨てると、メガビョーゲンを追いかけて飛んでいく。

 

「あ、ちょっと! もお・・・まあ、でもお邪魔虫がいなくなったからいいか」

 

シンドイーネはそう言うとメガビョーゲンに指示をして、さらに病気を拡大させようとする。

 

「あ、いた、メガビョーゲンよ!」

 

「気づくのが遅くなっちゃった!」

 

しかし、そこへメガビョーゲンの騒ぎを聞きつけて、のどかとラビリン、ちゆとペギタンが駆けつけてきた。

 

「もおー!あいつだけだと思ったのに、他のお邪魔虫もいたわけ!?」

 

シンドイーネがプリキュアの二人がいることを視認すると、心底イラついたような声を出す。

 

「シンドイーネ!」

 

「あれ? そういえば、ひなたちゃんは!?」

 

二人はシンドイーネを見つけたが、ひなたの姿がないのを不審に思っていた。

 

「あのうるさいじゃじゃ馬娘だったら、イタイノンが吹き飛ばしていったわよ」

 

「イタイノンが!?」

 

「早く助けに行かないと・・・!!」

 

そうとなれば、追っていったメガビョーゲンとイタイノンに追い詰められているかもしれない・・・。プリキュアと言っても、助けに行かないと危険だ。

 

しかし、ゆめぽーとではシンドイーネのメガビョーゲンがいる。今、ここを離れたら、一帯を完全にメガビョーゲンに侵しかねられない。

 

「でも、まずはこいつをなんとかするラビ!」

 

「行くわよ!」

 

「うん!」

 

のどかとちゆはヒーリングステッキを構える。

 

「「スタート!!」」

 

「「プリキュア、オペレーション!!」」

 

「エレメントレベル、上昇ラビ!!」

「エレメントレベル、上昇ペエ!!」

 

「「「「キュアタッチ!」」」」

 

ラビリンとペギタンがステッキに変わると、のどかは花の模様が描かれたボトル、ちゆは水の模様が描かれたボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。そして、肉球にタッチすると、のどかにはハート、ちゆには水のような流れの光線が現れ、白衣が現れ、ピンク色、水色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

「「重なる二つの花!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

のどかは花のプリキュア、キュアグレースに変身。

 

「「交わる二つの流れ!」」

 

「キュアフォンテーヌ!」

 

「ペエ!」

 

ちゆは水のプリキュア、キュアフォンテーヌに変身した。

 

「・・・ふん、二人になったところで同じことよ。メガビョーゲン!」

 

シンドイーネはメガビョーゲンに倒すように指示するも、怪物はそのプリキュアを探している模様。頭の悪いメガビョーゲンにイライラしたシンドイーネは大声を出す。

 

「プリキュアはあっちよ!!」

 

「メ、メガ!? ビョーゲン!!」

 

シンドイーネに指摘されて、プリキュアを視認したメガビョーゲンは口から病気を吐き出す。

 

「「はぁ!!」」

 

グレースとフォンテーヌは、ステッキからピンク色と水色の光線を発射する。しかし、メガビョーゲンの宝石のような体に弾かれてしまう。

 

グレースとフォンテーヌは壁を蹴って踏み台にし、メガビョーゲンの顔に蹴りを入れる。

 

「メ、ガァ・・・!?」

 

スパークル単独の蹴りよりも効いたのか、少しよろけるメガビョーゲン。

 

「「キュアスキャン!!」」

 

その隙に、フォンテーヌがエレメントの場所を特定する。ペギタンの目が光り、メガビョーゲンの中にいる、苦しんでいる様子のエレメントさんを見つける。

 

「宝石のエレメントさんペエ!」

 

どうやら宝石の体の中に閉じ込められている模様。

 

「だから、固かったのね・・・」

 

フォンテーヌはメガビョーゲンに蹴りを入れて、足が少ししびれるような感じがしたが、宝石でできているとわかると納得できた。

 

「メガー!!」

 

メガビョーゲンは足元の滑車を動かすと、プリキュアに高速で迫り、拳を叩きつけようとする。

 

「ぷにシールド!!」

 

グレースは肉球型のシールドを展開して、拳での攻撃を防ぐ。

 

「はぁぁぁ!!!」

 

それを押さえ込んでいる隙を狙って、フォンテーヌが背後から後頭部に蹴りを入れ、メガビョーゲンをうつ伏せに倒す。

 

「メガメガメガメガメガメガメガ!!」

 

しかし、メガビョーゲンはすぐに立ち上がると滑車を動かして二人に向かって高速で動きながら、こちらに迫ろうとする。二人はそれを飛んでかわす。

 

「フォンテーヌ!氷のエレメントボトルを使うペエ!」

 

「わかったわ!氷のエレメント!」

 

フォンテーヌはステッキに氷のエレメントボトルをかざす。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

フォンテーヌはステッキから青い光線を放つと、屋根を凍らせる。

 

「メ、ガッ!?」

 

メガビョーゲンは凍結した部分に滑車を滑らせて背後へ転び、その瞬間氷漬けになった。

 

「ええ!? 氷で!?」

 

シンドイーネは心底動揺していた。

 

「今よ!グレース!」

 

「うん!」

 

グレースは花の模様が描かれたヒーリングボトルをステッキへとかざす。

 

「エレメントチャージ!!」

 

そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。

 

「ヒーリングゲージ上昇!!」

 

ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。

 

「プリキュア!ヒーリングフラワー!!」

 

キュアグレースはそう叫びながら、ステッキを上空へと飛んでいるメガビョーゲンに向けて、ピンク色の光線を放つ。光線は螺旋状になっていた後、メガビョーゲンに直撃した。

 

その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、宝石のエレメントさんを優しく包み込む。

 

花状にメガビョーゲンを貫きながら、光線は宝石のエレメントさんを外へと出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。

 

「「お大事に」」

 

宝石のエレメントさんは宝石の中へと戻り、このメガビョーゲンが蝕んだ箇所のみもとに戻った。

 

「何なのよもう!! プリキュア! 今に見てらっしゃい!!」

 

シンドイーネは心底悔しそうに去っていった。

 

ビョーゲンズが一人去ったものの、撮影会の会場は完全に戻っている様子はない。

 

「・・・まだ、病気で蝕まれた箇所が残ってるわ。イタイノンもメガビョーゲンを発生させているんじゃないかしら?」

 

「そうだね・・・ラテも元気になってないし・・・」

 

グレースはぐったりしているラテを抱きかかえて、聴診器を当てる。

 

(くるくる回る機械は、あっちの林の方で泣いてるラテ・・・)

 

「あっちの林って、ゆめぽーとの外にある林・・・?」

 

「クゥ~ン」

 

ラテが何かを訴えるかのように弱々しい声を上げる。

 

「どうしたの? ラテ」

 

再び聴診器を当てると・・・・・・。

 

(ひなたがピンチラテ・・・)

 

「ええ!?」

 

驚愕するグレース。まさか、ひなたちゃんがイタイノンに追い詰められている・・・?

 

メガビョーゲンと戦う前の恐れていた事態が起こり、動揺した表情を見せる。

 

「とにかく行ってみましょう!」

 

「うん!」

 

グレースはそう言って、足を踏み出そうとした・・・・・・その時・・・・・・。

 

ドクン!!!!

 

「!!??」

 

突然、心臓がバクバクとし始め、何やら体が締め付けられるような感覚に陥る。

 

あれ、この症状・・・前にも・・・でも、何か違う・・・・・・?

 

「どうしたの? グレース?」

 

走ってこようとしないグレースに、フォンテーヌが足を止める。

 

「う、ううん、何でもない。行こう!」

 

グレースは気のせいだと自分に言い利かせながら、フォンテーヌと一緒に戦っているであろうひなたの元へと向かった。

 

「フフフ・・・・・・」

 

その様子を見て、柱に隠れていた少女が不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のどかとちゆがメガビョーゲンと戦う数分前・・・・・・・・・。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ドーン!!!!!!!

 

イタイノンのメガビョーゲンのホイール攻撃に、遥か彼方まで吹き飛ばされたスパークルはゆめぽーとの近くの林の中へと墜落した。

 

「痛ぁ・・・・・・」

 

「おい、スパークル!大丈夫か!?」

 

「う、うん、なんとか・・・・・・」

 

スパークルはそう言いながらも、立ち上がった際には横腹を抑えていた。どうやら、先ほどのホイールをダイレクトに食らい、肋骨に何本かヒビが入った模様。

 

「メガビョーゲン!」

 

そこへ糸車型のメガビョーゲンと、後をつけてきたイタイノンが現れる。

 

「キュアスパークル、やっと二人きりになれたの。キヒヒ・・・ギタギタにしてやるから、覚悟するの・・・!」

 

「くっ・・・!」

 

スパークルは戦闘態勢をとるも、横腹を抑えて顔を少し苦痛に歪めている。

 

「はぁっ!」

 

スパークルはステッキから黄色の光線を放つ。

 

「メガ!!」

 

メガビョーゲンは両腕を振り回して、黄色い光線をはじき返した。

 

スパークルは一本の木に向かって走り出して飛ぶと、幹をキックしながらその反動でメガビョーゲンを蹴りつけようとする。

 

「メガー!!」

 

メガビョーゲンはスパークルの攻撃をかわすように飛び上がると、そのままスパークルのそばに落下して衝撃波を起こす。

 

「うわぁ! うぅ・・・」

 

スパークルは吹き飛ばされて態勢を立て直すも、顔を苦痛に歪め、横腹を押さえ始める。

 

(横腹の痛みがさっきよりも増してきた・・・)

 

「大丈夫か!? やっぱり、二人を呼んできた方が・・・!」

 

「ダメ! そんなことをしているうちに、ここ一帯があいつに侵されちゃう! あたしがなんとか止めないと・・・!」

 

ニャトランはプリキュアの二人を呼んでくることを提案するも、スパークルはその隙にここ一帯を病気に蝕まれることを危惧して動こうとしない。

 

「メガメガメガメガメガ、ビョーゲン!!」

 

そうしているうちにメガビョーゲンは両腕と支柱となっている体を高速回転させると、その勢いで右腕についているホイールを投げ飛ばしてきた。

 

「!! ぷにシールド!!」

 

パリンッ!!!!

 

「きゃあぁ!!」

 

スパークルはステッキから肉球型のシールドを展開するも、高速で放たれたホイール攻撃の前にシールドは呆気なく粉砕され、スパークルは吹き飛ばされてしまう。

 

うまく倒れないように態勢を立て直したものの、そこへ馬のように突進してきたメガビョーゲンが視界に入る。

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

メガビョーゲンの突進を食らってしまい、木の幹へと叩きつけられるスパークル。

 

「スパークル! 大丈夫か!?」

 

「うぅ・・・あ、ぐ・・・!」

 

スパークルは立ち上がろうとするも、今の攻撃で横腹をさらに痛めたのかステッキを持っていない方の手で押さえつけて、表情は苦痛に歪んでいた。

 

「メガ、メガー!!」

 

メガビョーゲンはスパークルが立ち上がるのも待たないまま、体を左向きに半回転させた後、左腕の糸巻きから糸をスパークルにめがけて発射する。

 

「あ、し、しまっ・・・!!」

 

倒れていて避ける態勢も作れなかったスパークルはなすすべなく、糸に拘束させられてしまう。

 

バチバチバチ・・・!!

 

スパークルはもがいて拘束を解こうとするも、さらに巻きついたところからメガビョーゲンが糸へと電気を流し込んだ。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

電気を浴びせられたスパークル、そしてステッキのニャトランは絶叫を上げる。まるで体が引き裂かれると言わんばかりの激しい痛みが襲った。

 

「ぐぅぅ・・・うぅぅぅ・・・!!」

 

スパークルは電撃を浴びせられながらも、拘束を解こうともがいているものの、電撃による攻撃と横腹の痛みが原因で体に力が入らず、拘束を解くことができない。

 

やがて電流が止むと、スパークルは煙を体から出しながらも表情は気絶しそうな状態になっている。

 

「メガー!! ビョーゲン!!」

 

「うわあぁぁぁ!! がっ・・・!」

 

メガビョーゲンは拘束していた糸を解くと、左腕を振り回してスパークルを殴りつけた。木の中へと吹き飛ばされたスパークルはガサガサと木の葉の音を立てた後、地面へと落ちる。

 

スパークルはそのまま変身を解除され、元のひなたへと戻ってしまった。

 

「ウニャ!!」

 

ニャトランもステッキから追い出されて、元のネコの姿に戻ってしまった。

 

「くっ・・・うぅ・・・あ、へ、変身が・・・!!」

 

(か、体に力が・・・・・・)

 

ボロボロになったひなたは立ち上がろうとするも、起き上がれずに倒れ込んでしまう。

 

「キヒヒヒヒ!」

 

イタイノンが笑いながら、彼女の側へと近づいてくる。

 

「最初から仲間を連れて来ればよかったんじゃないの? お前一人でも大して強くないくせに、出しゃばろうとするからそうなるの」

 

「うぅ・・・・・・!」

 

ひなたが痛みに苦しむ中、イタイノンはそんな無様な姿をあざ笑う。

 

「お前みたいな考えなしに、あいつらだって迷惑しているに違いなの」

 

「!!!」

 

イタイノンの耳元で囁かれた言葉に、ひなたはショックを受ける。

 

「あたし・・・また・・・?」

 

ーーーー考えなし。

 

そんな言葉に、ひなたは脳裏に蘇るのは2人を撮影会に連れて行ったときのこと・・・・・・。

 

一緒に行こうと二人をゆめぽーとへと連れ出し、撮影会へとやってきた。しかし、ドレスブースでのどかは体調を崩してしまい、結果的に二人に迷惑をかけることになってしまった・・・。

 

しかも、二人にこれ以上迷惑をかけられないと一人でメガビョーゲンを浄化しようとするも、阻止するどころか余計に被害は拡大し、結局は食い止められていない・・・。

 

「また・・・やっちゃった・・・・・・」

 

彼女の言葉と脳裏に浮かぶ映像に酷く落ち込んだひなたはかすれた声でつぶやき、立ち上がる気力をなくしてしまった。

 

「キヒヒ・・・メガビョーゲン、こいつは放っておいて、ここ一帯も蝕んでやるの」

 

イタイノンはひなたの抵抗がなくなったことを確認して笑みを浮かべると、メガビョーゲンに指示をする。

 

「メガビョーゲン!」

 

メガビョーゲンは辺りを病気で蝕むべく、ひなたの元から離れていく。

 

「あ・・・ダ、ダメ・・・!」

 

ひなたはメガビョーゲンに手を伸ばそうとするも、怪物との距離は徐々に引き離されていく。

 

「・・・ふん」

 

ゲシッ!!

 

「あっ・・・!」

 

イタイノンはそんなひなたの肩を蹴り上げると、仰向けへと倒す。

 

「あいつのことは放っておいて、私と少し遊ぼう、なの」

 

「ひっ・・・!」

 

自分のことを頭の上から笑みを浮かべながら見下ろしてくるイタイノンに怯えた表情を見せるひなたは体をうつ伏せにしながら、地面を這って逃げようとする。

 

イタイノンはその様子を不敵な笑みで見つめている。

 

「あ、ニャ、ニャトラン・・・!」

 

ひなたは途中で倒れているニャトランが視界に入り、彼の元へと行こうとするが、イタイノンには呆気なく追いつかれ、負傷している横腹を横から蹴りつけられる。

 

「あっ、ぐっ・・・!!」

 

激痛に痛みに顔を顰め、這う動きを止めてしまうひなた。

 

「キヒヒ・・・逃すと思ってるの?」

 

「ニャ・・・ニャトラン、ニャトラーーーーんぐっ!?」

 

ひなたはニャトランに助けを求めようと声を上げようとするも、イタイノンに口を塞がれてその声を掻き消されてしまう。

 

「キーキーうるさいやつなの・・・大人しくしろなの・・・!」

 

「んんぅ! んぐぅ!!」

 

イタイノンは暴れるひなたの足を押さえつけながら、口を塞いだ手を後ろへと引っ張って座らせるような体勢にすると、左手で口を塞いだまま自分の胸へと寄せる。

 

「んぅ・・・んむ・・・!?」

 

ひなたは顔を上げると、そこにはこちらを愉快そうに見るイタイノンの顔が映った。

 

「プリキュアは痛みに苦しむとどういう顔をするのか?なの。ちょっと試したくなったの」

 

イタイノンはそう言いながら右の人差し指に電気を纏わせると、それをひなたに見せつけるように人差し指を差し出す。

 

「ん・・・!? んんぅ! んんぅ!!」

 

ひなたはそれを視認した途端、汗がどっと出て怯えた表情をし始め、イタイノンの左腕を外そうと両手をかけ、足をバタバタと動かしながらもがき始める。しかし、イタイノンは彼女が暴れるのを調整しながら動いているため、もがいても状況が変わらない。

 

自分と離れた距離にいるニャトランに手を伸ばすも、体は全く動こうとせず手が届かない。ニャトランも先ほどの電撃でのダメージが尾を引いているのか、目を覚まそうとしない。

 

(ニャトラン! ニャトラン! 助けて・・・!)

 

心の中でニャトランに助けを求めるひなた。彼女の表情は恐怖で涙目になっていた。

 

「キヒヒ・・・大丈夫なの、そんなに怯えなくても。すぐに気持ちよくなるから、なの」

 

イタイノンはそう言いながら、電撃をまとった右の人差し指をひなたの首に当てがった。

 

「んん゛っ!?」

 

人差し指を当てがわれた瞬間、ひなたの首にいまだかつてないほどの激痛が走った。

 

「ん゛、ん゛ん゛っ! んん゛ぅぅ!! んんぅんん゛!!」

 

ひなたの塞がれた口から濁ったようなうめき声が聞こえ、彼女のもがき方も一層激しくなる。両手はイタイノンの手をかきむしるが如く動かしており、両足も激しく動かしている。しかし、イタイノンは体を押さえ込むように動かしているため、激痛からは逃れられない。

 

痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイ・・・!!

 

耐えきれないほどの激痛がひなたの脳を支配し、もはや痛みのことしか考えられなくなっていく。

 

「んんんん゛っ!! んんん゛ぅぅ!! んん゛ぶぅぅぅ!!! んぐ、んんん゛ぅ!!!」

 

ひなたは体を必死に動かしているが、イタイノンは左手で口を押さえながら胸に引き寄せるような形で彼女の体も押さえ込んでいるため、激痛はいつまでも彼女の脳裏へと溜まっていく。

 

イタイイタイイタイイタイイタイイタイ、クルシイ、イタイイタイイタイイタイイタイ・・・!!!

 

激痛に苦しみながら激しく抵抗するひなた。しかし、その動きもだんだんとゆっくりとなっていく。両手はイタイノンの左手をペチペチと叩くような動作になり、足の動きももぞもぞと動くような弱々しい感じへと変わっていく。

 

イタイヨ・・・イタイ・・・クルシイ、クルシイヨ・・・イタイ・・・!!

 

タスケテ・・・・・・!!

 

あまりの激痛にひなたの目がチカチカと点滅し始める。ひなたの精神力も徐々に削られていっていく・・・・・・。

 

「キヒヒヒヒ・・・・・・」

 

ひなたの恐怖と苦痛に悶える姿を間近で感じ、笑い声をあげるイタイノン。抵抗する彼女を止めるのは面倒だが、それでこんな表情を見れるというのはまた格別だ。

 

しかも、このゆめぽーとに寄ってくる少女たちを襲うよりも、心地がいい・・・。

 

しかし、そんな快感はもうすぐ終わりのときを迎えようとしている。

 

「んん・・・ん・・・ぁ・・・ぁ・・・」

 

ひなたはもはや呻き声も弱々しくなり、両手の抵抗もイタイノンの手を掴んだまま、ピクピクと体を震わせるだけ、足も無意識に激痛を抑え込むかのように膝に力を入れているだけだ。

 

やがてその痙攣も止まっていき、ひなたの目からハイライトが消えると・・・。

 

パタン。

 

ひなたの両手はパタリと地面へと落ち、首もがくりと下を向いた。目はまるで生きる意志があるかのように開かれたままだ。

 

イタイノンは動かなくなったひなたの口から左手を離すと、倒れないように近くの木に運んで寄りかからせ、彼女の頬をペチペチと叩く。しかし、彼女は何も反応を見せない。

 

ひなたは肉体的苦痛とそれによる精神的な苦痛に耐えかね、脳が動きをシャットアウトしてしまったのだ。

 

「あーあ、壊れちゃったの・・・」

 

イタイノンはわざとらしくそう言うと、彼女を木に寄りかからせてその隣に座り込む。

 

「こうしてみると、お前のそういう顔も可愛いの・・・」

 

ひなたの顔を手でこっちに向かせると、目から光が消え、ポカンと口を開けたままにしている顔が見えてくる。それを見て、イタイノンは年頃の女の子のような笑みを見せる。

 

「・・・ぁ・・・」

 

彼女の右手を強くつねってみる。ひなたは少し眉を顰めはしたが、痛みに反応しただけで動こうとする気配がない。

 

「キヒヒ・・・・・・」

 

イタイノンはその様子に優しい笑みを浮かべると、ひなたの頬にキスをする。

 

「メガー!!」

 

そんなとき、ドシンドシンと地面を踏み鳴らす声が聞こえ、それが近くなっていく。メガビョーゲンが戻ってきた証だ。

 

イタイノンはメガビョーゲンが戻ってきたことを確認すると、メガビョーゲンが向かった先がどうなっているか確認してくる。林の外を覗いてみると、建物や芝生、花畑、水馬などの大半のものが病気に蝕まれていくのが確認できた。

 

「・・・そろそろ、この建物以外に範囲を広げるとするの」

 

イタイノンは不敵な笑みを浮かべると林へと戻り、動かないひなたを右肩に担ぐとメガビョーゲンへと向き直る。

 

「メガビョーゲン、あっち」

 

「メガー!!」

 

メガビョーゲンと共に場所を移動しようと林の外へと出た、その時・・・・・・。

 

「いたわ!! メガビョーゲンよ!!」

 

「ひなたちゃん!!」

 

そこへ駆けつけたのは、担いでいるひなたの仲間であるプリキュアのグレースとフォンテーヌ。どうやらシンドイーネのメガビョーゲンを浄化して、こちらに向かってきた模様。

 

「ちっ、鬱陶しい奴らが来たの。メガビョーゲン!」

 

「メガー!!」

 

舌打ちをしたイタイノンがメガビョーゲンに指示を出すと、怪物は飛び上がって二人に襲いかかる。二人はそれを飛び退いてかわす。

 

「「はあぁぁぁぁ!!」」

 

グレースとフォンテーヌはステッキからピンクと水色の光線をメガビョーゲンに向かって放つ。

 

「メガー! メガー!!」

 

メガビョーゲンは光線を右腕を回してはじき返した後、左腕を回して病気をばらまく。二人はそれを最小限の動きでかわしていく。

 

「メガメガメガメガメガメガ!! ビョーゲン!!」

 

メガビョーゲンは体を支柱に高速回転をさせると、右腕についているホイールを投げ飛ばす。二人はそれを飛んでかわしたが、ホイールは地面にバウンドした後、ブーメランのように回転しながらこちらへと戻ってきた。

 

「!? うわぁ!!」

 

戻ってきたことに気づいたグレースは間一髪でかわす。

 

「!! はぁ!!」

 

フォンテーヌはホイールを空中でかわすと、メガビョーゲンに向かって蹴り返す。

 

「メガー!?」

 

メガビョーゲンも自分のホイールが吹き飛ばされたとわかると、大慌てでとっさにかわす。しかし、その背後には、イタイノンとひなたの姿が。

 

「!?」

 

イタイノンはホイールがこちらに飛んできたことに気づくと、飛び上がって退避する。これでも、まだ俯いたまま動かないひなたの姿が。

 

「危ない!!」

 

グレースはとっさにジャンプして、ひなたの前に立ち、肉球型のシールドを展開し、回転するホイールを受け止める。

 

「ひなたちゃん、逃げて!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

グレースはホイールを押さえながらひなたに離れるように言うも、彼女は俯いたまま全く反応を示さない。

 

「ひなたちゃん・・・?」

 

「・・・・・・・・・」

 

グレースはひなたの様子がおかしいことに気づくも、その漏らした声でさえもひなたには届いていなかった。

 

「うぅ・・・邪魔しないで・・・! はぁっ!!」

 

ホイールはグレースを押しつぶそうと回転速度を上げていく。

 

グレースはそれでもホイールをなんとか抑えこみ、そのままメガビョーゲンへと返した。

 

「メ、ガ!?」

 

ホイールはメガビョーゲンの後頭部へと当たり、怪物はうつ伏せで倒れ込んだ。

 

「全く・・・私に向かって攻撃してくるとは何事なの・・・!」

 

空中へと逃げ込んだイタイノンはメガビョーゲンに向かって顰めた顔を見せる。

 

「まあでも、もうあの小娘は壊れたから終わりなの」

 

ひなたに駆け寄るグレースの姿を見て、イタイノンは不敵な笑みを浮かべた。

 

「ひなたちゃん、どうしたの? なんで何も言わないの?」

 

グレースはそう言ってひなたの肩を揺らすも、彼女からの返事はない。

 

「ひなたちゃん! ひなたちゃん! 返事をしてよ!!」

 

グレースの悲痛な叫びと共に、彼女の体をガクガクと揺らす。そうすると、一瞬だけひなたの顔が見えた。

 

「え・・・・・・?」

 

嫌な予感がした。そういえば、肩を揺らしたにしては軽すぎる。まるで、人形を揺らしているかのようだった。

 

まさか・・・まさか・・・!!

 

グレースは両手でひなたの顔を優しく掴み、その表情を真正面から見つめようとした。

 

「!?」

 

グレースは絶句した。それは信じられないような光景だった。

 

撮影会に連れてきてくれた友人の顔は、それは。

 

瞳孔が開ききっていて一切の輝きはなく、小さく口を開けたままの、悲惨な表情だった・・・・・・。

 

そして、彼女の体の中には赤く蠢く何かが淀んでいたのであった。

 

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