ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです!
今回のメガビョーゲンは一回限りのスペシャルなメガビョーゲンです!


第31話「融合」

 

「着いたぞ、出口はここだ」

 

下水道を歩いているうちに、出口へとたどり着いたのどかたちプリキュアの3人とヒーリングアニマルたち、そして彼女たちを引率した設楽。

 

先生は出口の扉を開けて辺りを見渡した後、穴から出ると下水道にいるのどかたちに呼びかける。

 

「よし、お前ら出てこい!」

 

設楽がそう呼びかけるとのどか、ちゆ、ひなた、ヒーリングアニマルたちの順で出てくる。設楽が扉を閉めてしっかりと隠しておく。

 

「この辺に俺の別の拠点があるはずなんだが・・・」

 

設楽が周囲を見渡しながら言う。

 

「ねえ、あれだったりする・・・?」

 

ひなたが指を指した方向に、設楽がそこに視線を向ける。

 

「おう、あれだあれだ・・・っ!?」

 

設楽が円状のステージの向こう側にあるそれに近づこうとするが、設楽はそれを見て絶句する。まだ色をなくしていない白塗りの建物があるのがここにあるはずなのだが・・・。

 

「なんだこりゃ・・・ 俺の拠点が壊されちまってる・・・!?」

 

彼らの目の前に立っていたのは変わり果てた建物の姿だった。全体的に潰れてしまっており、とても中には入ることができなくなっている状態だ。

 

ビィィィィィィィィィィ!!!!

 

チュドォォォォォォォォォン!!!

 

さらに白と黒のイバラビーム、黒い雷撃、白いビームが発射され、のどかたちの背後にある下水道への入り口を直撃して、誰も入れないように破壊された。

 

「あっ、入り口が・・・!」

 

「うぇぇ!? なんで!?」

 

声を発したのどかとひなたを始め、動揺する一同。そんな彼らの元に嘲笑う声が響いた。

 

「しぶとく生きてたわねぇ、プリキュアと設楽先生」

 

街路樹の木の上で右手を広げながら言うのはクルシーナ。

 

「もう死んでるかと思ったの。でも、あえて万々歳なの」

 

そして、ビルのそばから出てきたのはイタイノン。

 

「もう逃がしませんよ。私たちを手こずらせた罰として、全員まとめて病気に蝕んであげますよ」

 

イタイノンとは反対側の木の陰から現れたのはドクルン。

 

三人娘が三方向から現れ、プリキュアと設楽を囲むようにして立っていたのであった。

 

「くっ・・・どうしてここが?」

 

「あなたの拠点をアタシらが補足できないと思ったんですかぁ? ここは今、私たちの世界です。あなた方、人間の生気など手に取るようにわかるんですよ」

 

「つまり、お前の居場所なんかとっくにわかってたの」

 

「アジトなんかに隠れてアタシらの目をやり過ごせてると思ってたわけ? バカね。ここはもう死の世界なのよ。生きている人間がいればわかるに決まってんじゃない。残念だったわね」

 

憎い仇を見ているような顔をしている設楽に、三人娘がが不敵な笑みを浮かべて答える。

 

こいつらは最初から設楽の居場所をとっくに補足していた。自分たちで意図も簡単に探せるのに、あえて怪物に探索をやらせていたのだ。この残酷な奴らは、俺らや怪物をおもちゃにして遊ぶために・・・。

 

完全にはめられた・・・!! 設楽は最初からなんで気づかなかったと心の中でクソッタレと自分を罵った。

 

そんな中、設楽の前に立ったのは3人のプリキュアとヒーリングアニマルたちだった。

 

「お嬢ちゃんたち・・・!!」

 

「設楽先生は下がっててください! ここは私たちが!!」

 

設楽先生を下がらせて、3人はビョーゲンズに立ち向かおうとしていた。

 

「あら? アタシらとやろうっての? お前らのようなひ弱な小娘ごときが?」

 

クルシーナが嘲笑うかのような言葉を吐く。

 

「やるよ!! 私たちは、何度だって!!」

 

「この体が倒れたって、お手当てを諦めないという気持ちは変わらないわ!!」

 

「ラテも、エレメントさんも、頑張ってくれてるんだし! あたしたちは最後まで戦うよ!!」

 

3人は三人娘の言葉では揺るがなかった。お手当てを諦めたくない、諦めるわけにはいかない・・・その気持ちがあれば、その思いは届くはず・・・!!

 

三人娘は3人の言葉を聞いても、表情を全く変えようとせずに、不敵な笑みを浮かべている。

 

「へぇ・・・じゃあ、やってもらおうじゃない」

 

クルシーナがそう言ったことを合図に三人娘が上空を見上げると、3体のメガビョーゲンが姿を現した。

 

「大丈夫なの? メガビョーゲン、だいぶ育ったけど・・・?」

 

イタイノンの言葉は気遣いではなく、見下しの言葉。要するに3人をバカにしているのだ。

 

「散々逃げ回ってたのに勝てるんですかぁ?」

 

ドクルンはメガネをずらしながら、ニヤリとした笑みを浮かべた。

 

3人は自分たちよりも遥かに大きいメガビョーゲンたち、三人娘の言葉に物怖じすることなく、ヒーリングステッキを構える。

 

「みんな、いくよ!!」

 

「ええ!」

「うん!」

「ラビ!」

「ペエ!」

「ニャ!」

 

「「「スタート!」」」

 

「「「プリキュア、オペレーション!!」」」

 

「エレメントレベル、上昇ラビ!!」

「エレメントレベル、上昇ペエ!!」

「エレメントレベル、上昇ニャ!!」

 

「「「キュアタッチ!!」」」

 

ラビリン、ペギタン、ニャトランがステッキの中に入ると、のどか、ちゆ、ひなたはそれぞれ花のエレメントボトル、水のエレメントボトル、光のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。

 

そして、肉球にタッチすると、花、水、星をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまといピンク、水色、黄色を基調とした衣装へと変わっていく。

 

そして、髪型もそれぞれをイメージをしたようなものへと変わり、のどかはピンク、ちゆは水色、ひなたは黄色へと変化する。

 

キュン!

 

「「重なる二つの花!」」

 

「キュアグレース!」

 

「ラビ!」

 

のどかは花のプリキュア、キュアグレースに変身。

 

キュン!

 

「「交わる二つの流れ!」」

 

「キュアフォンテーヌ!」

 

「ペエ!」

 

ちゆは水のプリキュア、キュアフォンテーヌに変身。

 

キュン!

 

「「溶け合う二つの光!」」

 

「キュアスパークル!」

 

「ニャ!」

 

ひなたは光のプリキュア、キュアスパークルに変身した。

 

「「「地球をお手当て!!」」」

 

「「「ヒーリングっど♥プリキュア!!」」」

 

こうして、3人が変身した『ヒーリングっど♥プリキュア』が揃い踏みしたのであった。

 

「やっとプリキュア3人が揃いましたねぇ・・・」

 

「まさに、この時を待ってた感じ、なの」

 

「じゃあ、こっちも3体ようやく揃ったことだし、ドクルン、イタイノン、もっと悪化させてみようか・・・!」

 

「フフ・・・」

「キヒヒ」

「ふん・・・」

 

三人娘はこれまでとは比べ物にならないほどの笑みを浮かべると、それぞれ上空にいるメガビョーゲンに向かって右手を突き出した。

 

「「「融合しろ、メガビョーゲン!!」」」

 

「メガー・・・」

「メガー!!」

「メーガー・・・!」

 

三人娘がそう叫ぶとメガビョーゲンはそれぞれ声を発した後、ある変化をし始める。

 

ガシャン! ガシャン!

 

まず、イタイノンのメガビョーゲンが頭のプロペラを収納し、縦から二つにそれぞれ分かれると黒い3本の爪とプロテクターを身につけたような手のようなものへと変形する。

 

ガシャン! ガシャン! ガシャン!

 

次にドクルンのメガビョーゲンは、頭の中央が正方形のように分離すると中に収納し、中央から管を90度回転させた後にその管と管の間をひし形になるように開くと、まるで腰から足の下半身になったかのように変形した。

 

さらにクルシーナのメガビョーゲンは左右と下から出ているトゲのような触手を中に収納する。

 

ジジジジジジジジ・・・ガシャン! ガシャン!

 

そして、クルシーナのメガビョーゲンに、両腕になったメガビョーゲンと下半身になったメガビョーゲンが電撃的な力によって吸いつけられてくっつくと・・・。

 

「メガビョーゲン!! メガー!!」

 

まるで鎧を着込んだかのようなロボットの形をしたメガビョーゲンが誕生した。不健康そうな顔の目は赤色になっていて凶悪さが増しており、3体のメガビョーゲンが合体したためか力が融合して、ダルイゼンが生み出したメガビョーゲンの倍以上の大きさと化している。

 

「「メ、メガビョーゲンが・・・!?」」

 

「合体した・・・!?」

「合体したペエ・・・!?」

 

「えぇ!? そんなのアリなの!?」

 

「しかも、さっき森で浄化したメガビョーゲンと比べ物にならない大きさニャ!!」

 

プリキュア3人は動揺を隠せない。今までだって、こんなことができるメガビョーゲンは見たことがない・・・!

 

「やりました・・・やりましたよ,、二人とも・・・!!」

 

「へぇ・・・メガビョーゲンってあんなこともできるんだ・・・?」

 

「ちょっとワクワクしたの・・・! あんなメガビョーゲン、興奮するの・・・!」

 

興奮するドクルンを尻目に、クルシーナは興味深そうに合体したメガビョーゲンを見やり、イタイノンは不敵な笑みを隠さない。

 

「あれこそが、地球を病気で蝕む私たちのお父さん、キングビョーゲンの先触れ・・・混沌と蔓延のメガビョーゲン・・・! 素晴らしいですねぇ・・・!!」

 

ドクルンは興奮と笑みを隠しきれない。おそらく今の彼女を見れば、とてつもないほどに目を輝かせているだろう。

 

「メガビョーゲン!!!」

 

ドォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

「「「きゃあぁ!!」」」

 

メガビョーゲンは叫び声と同時に周囲が震えるほどの凄まじい咆哮を放ち、プリキュアたちは吹き飛ばされそうになるも、地面に手をついて踏ん張る。

 

「な、何、あの力・・・?」

 

「パワーが桁違いすぎる・・・!」

 

「っていうか、いきなり飛ばしすぎだし・・・!」

 

あまりの凄まじいパワーに驚く3人。しかし、もっと驚くべき事態が・・・!

 

「え、う、うわぁぁぁぁ!?」

 

グレースが立ち上がろうとして、足を滑らせて倒れそうになる。彼女はうまく足を踏ん張って転倒を防ぐ。

 

「何ともなかった地面が痛んでるラビ・・・!?」

 

「っていうか・・・!」

 

「この街一帯がほとんど病気で蝕まれてるニャ!!」

 

ヒーリングアニマルたちはいつの間にか赤くなっていた地面に驚きを隠せず、しかも、この広場一帯や街一帯、そして森に至るまでの広範囲に渡っての場所が病気に赤く染まっていた。その範囲は半径1キロメートルぐらいだろうか。

 

「う、嘘、全部あいつがやったの・・・!?」

 

「このメガビョーゲン、相当強いわ・・・!」

 

衝撃波だけでも力の凄まじさを思い知らされるプリキュアたち。しかし、こんなことで怯んでいるわけにはいかないと、3人はステッキを片手に前に出る。

 

「あのメガビョーゲン、強すぎじゃない?」

 

「さすがの私も引いたの・・・」

 

「当たり前じゃないですか。お父さんの先触れなんですから」

 

クルシーナやイタイノンには想像以上の強さに驚いていた。ドクルンはまるで当然みたいな言い草だったが・・・。

 

「でも、浄化しないと! 私たちは諦めないって決めたんだから! 行くよ!!」

 

グレースの言葉に他の2人も頷くと、3人は一斉に飛び上がってそれぞれの色の光線を放つ。

 

「メガー!!」

 

メガビョーゲンは光線をまるで受け付けていないようで、逆に口から倍以上の量の病気を吐き出してきた。

 

「うわあぁ!」

「きゃあぁ!」

 

「メガー!!」

 

当たりそうになったフォンテーヌとスパークルは間一髪で交わす。さらに、メガビョーゲンは右腕の片方を操るようにグレースへと振るった。

 

「ああぁ!!」

 

グレースは肉球型のシールドを展開するも、強力な爪攻撃にシールドごと吹き飛ばされる。グレースは空中で態勢を立て直すと近くにあったビルを蹴って飛ぶ。

 

フォンテーヌとスパークルも、一旦地面に着地をした後に飛び上がり、グレースと並ぶ。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

そして、3人は体を一回転させて、メガビョーゲンの顔に目がけて飛び蹴りを放った。

 

「メガー!!」

 

メガビョーゲンは両腕をクロスさせて。3人の飛び蹴りを防ぐ。

 

「ビョーゲン!!」

 

「「「ああぁぁ!?」」」

 

力は押し合うと思われたが、メガビョーゲンはいとも簡単にクロスした腕を振り払って3人を弾き飛ばした。

 

吹き飛ばされた3人はそれぞれ地面へと着地する。

 

「な、何なのアイツ・・・!?」

 

「全然攻撃が通用してないニャ!!」

 

「力の差が、ありすぎる・・・!」

 

「あの鎧のせいで攻撃が全く通ってないペエ・・・」

 

あまりの防御力にぼやくスパークルとフォンテーヌ。メガビョーゲンは攻撃を蚊に刺されたとも思っていないような有様だ。

 

「考えずに戦ったらまた同じことになるだけラビ・・・!!」

 

「一体、どうしたら・・・?」

 

グレースはあまりの強さに動揺を隠せない。このまま策を講じずに戦ったところで結局は森で戦ったメガビョーゲンと同じようにボロボロにされるだけ・・・。

 

「メガビョーゲン!!」

 

そんなことを考える間も無く、メガビョーゲンは胸の装甲を開くと斜め上に白と黒のトゲが生えている赤い玉のようなものを打ち上げる。玉が飛んでいった先はもちろん立っているプリキュア3人の元。

 

ヒュゥ~・・・ドォォン! ドーン! ドォォォォン!

 

「うわあぁぁぁぁ!!」

 

「くっ・・・!」

 

玉は地面に着弾すると爆発を起こして草木が急成長するかのように閃光が上がり、プリキュア3人は飛び上がる。

 

「メーガー!!」

 

「「「きゃあぁ!!」」」

 

その行動を読んでいたかのようにメガビョーゲンは巨体を回転させて突っ込んできた。吹き飛ばされて地面に叩きつけられる3人だが、立ち上がってメガビョーゲンへと向かっていく。

 

「うぅぅ、あの体当たりも結構重いんだけど・・・!?」

 

スパークルがこれまでのメガビョーゲンと力の差を感じてぼやく。なんだ、これは。川でお手当てをしたメガビョーゲンのパンチよりも強力じゃん・・・!

 

3人とも体のあちこちにあっという間に傷ができていた。これではメガビョーゲンを浄化する前に身が持つかどうか・・・。

 

「そうペエ! 動きを止めることさえできたら・・・!」

 

「そうね! 氷のエレメント!」

 

ペギタンの提案に賛同したフォンテーヌは氷のエレメントボトルをステッキにはめる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

フォンテーヌはステッキから氷をまとった光線をメガビョーゲンに向かって放つ。

 

「メ、ガ・・・」

 

下半身に光線を受けたメガビョーゲンは下からゆっくりと氷漬けになっていき、最終的に全体が凍り付いた。

 

「やったペエ!」

 

「いいよー! フォンテーヌ!」

 

「メガビョーゲンの動きを止めたぜ!」

 

「よし、このまま一気に・・・!」

 

メガビョーゲンの動きを止めることができた。少しは希望が見えてきた。このままいけばこのメガビョーゲンを浄化できる・・・!!

 

・・・しかし、このメガビョーゲンの本当の恐ろしさを知ることになるのはここからだった。

 

ピキッ、ピキッ・・・

 

「「「!?」」」

 

氷漬けになっているメガビョーゲンの氷にヒビが入り始める。嫌な予感を感じるプリキュアの3人。

 

「え・・・まさか・・・?」

 

「う、嘘、だよね・・・?」

 

グレースとスパークルが戸惑いの声を上げる中、メガビョーゲンの氷は音を立ててヒビが入っていく。

 

ピキピキ、ピキピキピキピキ・・・!

 

「メガー!!」

 

氷全体にヒビが入り込み、メガビョーゲンの声が聞こえてきたと思うと・・・。

 

パリーーーーンッ!!!!!!

 

メガビョーゲンは中から氷を打ち砕き、体を分裂させた。

 

ハートの枠のような胴体、プロペラへと戻った両腕、下半身の3パーツに分かれてプリキュアたちに襲いかかる。メガビョーゲン特有の不健康そうな顔は胴体にのみ出ている。

 

「そ、そんな・・・!?」

 

「えぇぇ!? 嘘でしょ!?」

 

「3つに分かれた・・・?」

 

グレースはメガビョーゲンが3つのパーツに分かれたことに戸惑っていたが、いちいち驚いている場合ではない。すぐに敵は襲ってくるのだから、次の手を考えなければ・・・。

 

「お、驚いている場合じゃないラビ!!」

 

「3つ分かれたから、1つずつ相手をするペエ!」

 

「分かれたってことは、力も分散してるはずニャ!!」

 

プリキュアの3人はお互いに頷くと、それぞれのパーツに分かれたメガビョーゲンを処理しようとする。

 

スパークルはプロペラへと戻った両腕、フォンテーヌは下半身部分、グレースはハートの枠のような胴体を処理しようとする。

 

「はぁ!!」

 

スパークルはプロペラのパーツに黄色い光線を放つ。パーツは聞いているかのようにビクビクと動きを見せる。

 

「よし! 手ごたえがあるぞ!!」

 

「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

スパークルは動きのにぶったプロペラにパンチを繰り出す。パンチを受けたプロペラはクルクルと縦に回転しながら吹き飛ぶも、すぐにプロペラの刃を下にして高速回転させるとスパークルに向かって体当たりをしてきた。

 

「!? うわあぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

スパークルは空中でとっさに避けて地面に着地するも、プロペラはまるでブーメランのようにこちらへと戻ってくる。

 

「戻ってきたぞーーー!!??」

 

「いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」

 

スパークルは戻ってきたプロペラを必死で避ける。

 

一方、下半身はピョンピョンと大きく跳ねまわり、フォンテーヌはその動きに翻弄されて攻撃のタイミングを掴めずにいた。

 

「くっ・・・!」

 

「動きが読みづらいペエ・・・」

 

フォンテーヌは下半身を目で追いながら攻撃の機会を伺っていた。

 

その時、メガビョーゲンが自分の上を飛び越えようとしているのが見えた。

 

「そこよ! ふっ!」

 

フォンテーヌは青い色の光線を下半身に放つ。食らったような反応を見せると、下半身は180度体を回すと縦に一回転して爪のように振るってきた。

 

「ぷにシールド!! うぅ!」

 

肉球型のシールドを展開して爪攻撃を防ぐも、背後へと3メートルぐらい押される。

 

「強い・・・!」

 

「パーツに分離しても力はかなりあるペエ・・・!」

 

下半身に力の強さを感じるフォンテーヌ。やはり成長している分、パーツに分かれたとしても強力になっていることは変わらない。

 

そんなことを考えているうちに、下半身は2本の爪の先から赤い水をジェット噴射のように放つ。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

フォンテーヌはそれを飛び上がってかわすと、下半身に向かってその勢いのまま飛び蹴りを放った。

 

そして、グレースは大きなハートの枠の胴体のようなパーツを相手にしていた。

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

ハートの枠の胴体に蹴りを入れるグレース。しかし、全く効いている様子はなく、むしろグレースの足の方が参りそうだった。

 

「うっ・・・固い・・・!」

 

「グレース、大丈夫ラビ!?」

 

「メガー!!」

 

「!? ぷにシールド!!」

 

足に感じる痛みに涙目になりそうになるも、その間にメガビョーゲンはハサミのついたトゲのような触手をこちらに振るってきた。

 

グレースは肉球型のシールドを展開して触手を防ぐが、そこへメガビョーゲンがスピードを上げて突っ込んできた。

 

「メーガー!!」

 

「ああぁぁぁ!!」

 

メガビョーゲンの体当たりを受けて吹き飛ばされるグレース。しかし、すぐに態勢を立て直して近くの電柱を踏み台にして蹴り、メガビョーゲンへと飛んでいく。

 

「実りのエレメント!」

 

グレースはステッキに実りのエレメントボトルをセットすると、ステッキの先からピンク色の光の刃を作り出す。

 

そして、飛んだ勢いのままメガビョーゲンへと向かっていく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

グレースはステッキを横へと振るい、斬撃を放つ。メガビョーゲンは攻撃が効いているかのようによろけた。

 

「よし・・・!」

 

「メガビョーゲンがよろけたラビ!」

 

メガビョーゲンをようやく怯ませたことに希望が見えたように感じるグレース。その勢いのままパンチを喰らわせようとするが・・・。

 

「メーガー・・・!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

メガビョーゲンは体を回転させてグレースを弾きとばし、さらに胸の装甲から白と黒のトゲが生えている赤い玉のようなもの無差別にばらまく。

 

「うぅぅ、あぁ!?」

 

ドォォン! ドーン! ドォォォォン!

 

草木が急成長するかのように閃光が上がり、グレースは爆発に吹き飛ぶ。

 

「うぇぇ!? うわあぁぁぁ!?」

 

ドーン!ドォォン!ドォォォォォン!!

 

「な、なんでこっちに!? あぁぁぁ!?」

 

しかも、スパークルとフォンテーヌの赤い玉が飛んできており、パーツに集中していたせいもあって避けきれずに爆発に巻き込まれてしまう。

 

「うおぉ!?」

 

凄まじい爆発にプリキュアとメガビョーゲンの戦闘を見ていた設楽は思わず、腕で目を覆う。

 

「なんて野郎だ・・・ここ一帯を吹っ飛ばす気か!?」

 

設楽は憎々しげに吐き捨てる。あの怪物はよくわからないが、これだけはわかった。

 

ーーーープリキュアの小娘3人と、あの怪物、力に差がありすぎる・・・! プリキュアたちは完全に怪物に遊ばれている。

 

そう悟った設楽は見ているしかない自分に、不甲斐なさと苛立ちを感じるのであった。

 

「うぅぅ・・・うぅぅぅぅ!!」

 

「くっ・・・うぅぅ・・・!!」

 

「ぐ、うぅぅぅ!!!」

 

プリキュアたちは傷つきながらも立ち上がって、メガビョーゲンに立ち向かっていく。

 

「はぁぁ!!」

 

スパークルは黄色の光線をプロペラのパーツへと放つが、プロペラは光線をヒラリとかわすと縦に一回転して3枚の羽のプロペラを爪のように曲げると、そこから黒い雷撃を放った。

 

「あぁぁ!?」

 

スパークルは黒い雷撃を交わすも、その攻撃が向かった先はグレースがいた。

 

「グレース! 危ない!」

 

「えっ・・・きゃあぁ!?」

 

スパークルが叫んだおかげでグレースは気づいてかわすことができたが、黒い雷撃が向かった先はハートの枠の胴体部分であり、胸の装甲を開いて黒い雷撃を受け止める。すると一本の雷のような線ができて、胴体が体を回転させると、プロペラは円を描くように回転させ始めた。

 

「!?」

 

「あれに当たったら危険ラビ!!」

 

「うぇぇ!? ちょ、ちょっとちょっとぉ!?」

 

円を描くように回転させたことで黒い雷撃が迫っていき、グレースとスパークルはたまらず逃げ出す。

 

「あの雷、私の攻撃、なの?」

 

その様子を見ていたイタイノンは感心したように眺めていた。まさか、自分の力を使うようなメガビョーゲンがいるとは・・・。

 

「当たり前じゃないですかぁ・・・何故ならあれは私たち3人のメガビョーゲンなんですからぁ」

 

ドクルンはメガネを上げながら、ニヤけた顔で言う。

 

「フフフ・・・・・・」

 

クルシーナは不敵な笑みを浮かべていた。メガビョーゲンの中にいる、あるものの様子を見て何かを確信したように察していて・・・。

 

「二人がピンチペエ!!」

 

「でも、こっちも攻撃が激しくて・・・!」

 

フォンテーヌは二人の元へと駆けつけようとするが、下半身のパーツが繰り出す爪攻撃を防ぐので精一杯で身動きが取れない。

 

「ひぃぃぃぃ! 追いつかれるぅぅ!!」

 

「なんとかしないと・・・!」

 

グレースとスパークルに一本の雷が迫ってくる。二人は当たりそうになる直前で飛び上がって雷を交わすが、それを狙っていたかのように帯電を終わらせると、ハートの枠のメガビョーゲンが胸の装甲を二人に向けて赤黒い何かを溜め始めた。

 

「え、あれって・・・?」

 

「めっちゃヤバイ奴じゃ・・・?」

 

「メー・・・ガー!!!」

 

グレースとスパークルがそう言った直後に、メガビョーゲンは胸の装甲から二人に目掛けて極太の白と黒のイバラのようなビームを放つ。

 

ドォォォォォォォォォォォン!!!

 

「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

二人にビームが直撃し、散らばるかのように地面へと落ちていく。

 

「グレース! スパークル!!」

 

二人に気を取られたフォンテーヌは、下半身のパーツが2本の爪先から放った白い光線に気づくことができず、足元を凍らされてしまう。

 

「し、しまった・・・!」

 

フォンテーヌは足を動かそうと足掻くが、その隙をついた下半身のパーツが縦に一回転させて蹴り上げるかのように攻撃を繰り出す。

 

「あぁ!!」

 

攻撃を食らったフォンテーヌは上空へと蹴り飛ばされ、そこへプロペラから両腕へと変形したパーツがグーのような形をすると彼女へと突っ込んだ。

 

「きゃあぁ!!」

 

直撃を受けたフォンテーヌは二人とは反対方向へと吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられる。

 

3人を打ち負かしていく3つのパーツは再び合体し、ロボットのような形へと戻る。

 

「メガビョーゲン!!」

 

咆哮をあげるメガビョーゲンに、すでに傷ついてボロボロの3人は諦めずに震える体を奮い立たせて立ち上がり、向かっていこうとする。

 

「メガー!!!」

 

そんなプリキュアたちにメガビョーゲンは顔を上にあげると口から赤い病気を上空へと噴射する。すると、赤い色のイバラのような光線が黒い電撃を纏いながら、まるで隕石のように降り注いできた。

 

プリキュアたちは肉球型のシールドを展開させながら、メガビョーゲンへと向かっていく。

 

ドーン! ドォォォン! ドドォォォォン!! チュドォォォォン!! ドドンドン!! ドォォォォォォン!!!

 

着弾して大爆発を起こしたことによって煙が舞い上がり、地上が見えなくなっていく。ようやく降り注ぐ赤い色のイバラが治まると、煙が晴れていき、そこにはボロボロになって突っ伏しているプリキュアたちの姿だった。

 

「うぅぅ・・・」

 

「くっ・・・ぅぅ・・・」

 

「あぁ・・・ぁぁ・・・」

 

プリキュアの3人は諦めずに立ち上がろうとしていたが、メガビョーゲンはこちらに向かってくるのを許さない容赦ない攻撃を仕掛けようとする。

 

「メガメガメガメガメガメガ、メガッ!!!」

 

ドォン!! ドォン!! ドォォォォォォォン!!!

 

「「「あぁぁぁぁ!!」」」

 

胴体を回転させて短めの赤いレーザーを無差別に乱れ打ちをし、地面に着弾して爆発に巻き込まれて吹き飛ばされるプリキュアたち。

 

それでもなお、立ち上がろうとするが、メガビョーゲンは赤いマフラーのような不気味な紐を胸と両腕から放ち・・・。

 

「あぁ・・・!?」

 

「ぐっ・・・!?」

 

「ぐぇっ・・・!?」

 

プリキュア3人の首に巻きつけた。赤いマフラーはキリキリと音を立てていく。

 

「ぐ・・・うぅぅ・・・!」

 

「くっ・・・ぐっ・・・!」

 

「うぅぅ・・・ぐぅぅ・・・!」

 

赤いマフラーに首を絞められ苦しむ3人。両手をかけて外そうとしているが、これまでに蓄積したダメージのせいか力が入らず、ビクともしない。

 

「お嬢ちゃんたち・・・!!」

 

それを見ているしかない設楽は3人の無残な姿を見て、動揺した様子を見せる。

 

そんな彼女たちの一人、グレースの背後にクルシーナがゆっくりと降りてきた。

 

「もう諦めたら? お前らじゃ敵いやしないんだから」

 

「ぐぅっ・・・ま、だ・・・あぁぁ・・・!!」

 

クルシーナの嘲るような言葉に、グレースは抵抗しようとするが、メガビョーゲンに赤いマフラーを引っ張られ地面へと倒される。

 

「あぅ・・・うぅぅぅ・・・!!」

 

「くぅぅ・・・うぅぅぅ・・・!!」

 

フォンテーヌとスパークルも赤いマフラーに引っ張られて地面へと倒されており、足を捩らせてもがいていた。

 

さらにフォンテーヌの前にはドクルン、スパークルの前にはイタイノンが降りて近づいてくる。

 

「抵抗などして何になるのですか? そんなの苦しいだけでしょうに」

 

「ぐっ・・・ふっ・・・うぅ・・・」

 

ドクルンの言葉に、フォンテーヌは呻き声を上げながら睨みつけている。

 

「大して強くないのに出しゃ張るからそうなるの。無駄に見苦しいだけなの」

 

「んっ、ぅぅ・・・苦、し・・・ぐ、うぅぅ・・・!!」

 

イタイノンが冷たい言葉を吐くが、スパークルは首にかかる苦しさに反応しきれていない。

 

「大体お前ら、ちゃんとあいつらを見なよ。無駄な努力になるだけだぜ?」

 

「ぐぅぅ・・・え・・・?」

 

クルシーナのメガビョーゲンの方を向きながらの意味深な発言に、グレースは苦しさを忘れて耳を疑う。

 

クルシーナが言うあいつらというのは、エレメントさんのこと。そしてそのあとの、無駄な努力という言葉・・・。

 

「ま、まさ、か・・・」

 

「また、ラビ・・・?」

 

グレースはマフラーを掴んでいた両腕を一旦離し、苦痛で震える手を必死に動かしてステッキの肉球を一回タッチして、ラビリンの顔をメガビョーゲンへと向ける。

 

「「キュアスキャン・・・」」

 

ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中の花のエレメントさん、水のエレメントさん、光のエレメントさんの3人のエレメントさんが右肩、左肩、胸の部分にそれぞれいるのを見つける。しかし、3人ともすでに意識がなくなっていて、体はすでに薄く透けている上にノイズが走っていて、すぐにでも消滅してしまいそうな感じだ。

 

「そんな・・・エレメントさんが・・・!」

 

「もしかして、遅かったペエ・・・?」

 

「嘘だろ・・・!? あんな状態なんて・・・!!」

 

ラビリンたち、ヒーリングアニマルはエレメントさんの姿を見て絶句し、瞳をうるうると潤ませる。彼らはエレメントさんのあの状態を知っていた。だからこその、この反応だ。

 

「どうした、の、ラビリン・・・?」

 

「ぐっ・・・一体、エレメント、さんたちに、何、が・・・?」

 

「消え掛かってる、けど、助ければ、いいんじゃ、ない、の・・・?」

 

プリキュアの3人は自分の相棒たちの反応がいまいちわからなかった。あのような状態であれば、まだメガビョーゲンから救い出せるはず、それなのになぜラビリンたちは絶望的な表情をしているのか?

 

そんなヒーリングアニマルたちの反応の意味を説明するかのように、クルシーナがクスクスと笑い出す。

 

「フフフ・・・お前らのお供は、あの状態がわかってるみたいね」

 

「ど、どういう、こと・・・?」

 

「ぐっ・・・エレメント、さんに、何が・・・?」

 

「説明、してよ・・・ニャト、ラン・・・!」

 

プリキュアの3人はそう声を絞り出すと、クルシーナはさらに笑い出した。

 

「アッハハハハ! まだわかんないわけぇ? お前らってホントバカね」

 

クルシーナは何もわかってない3人を嘲笑すると、メガビョーゲンに指をさす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつらはなあ、もう死んだも同然なんだよっ!!」

 

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