ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
今回は戦闘オンリーなので、いつもより短めです。
最後に気になる描写も入れてますので、最後まで御覧ください。
ビョーゲンズの二人がいる公園では、二人が作り出したメガビョーゲンが暴れていた。
「メガァァ!!! ゲェン!!!」
シンドイーネの作り出した深緑の長靴を模したような姿に口が付いているようなメガビョーゲンは、飛び上がりながら地面を何度も踏みつけ、その場所が赤い靄に蝕まれていく。
「ゲェン!! ゲェン!!」
何度も何度も飛び上がりながら地面を踏みつけ、病気へと蝕んでいく。
「さあ! どんどん蝕むのよ、メガビョーゲン!!」
シンドイーネは滑り台の上でメガビョーゲンに指示を出していた。
「メガビョーゲン・・・」
ヘバリーヌが作り出したメガビョーゲンは両サイドに付いている羽から小型ミサイルのようなものを発射し、着弾したベンチや草木などを赤い靄に蝕んでいく。
「いいよ~、メガビョ~ゲン♪ どんどん気持ち良くしてあげてぇ~♪」
ヘバリーヌは滑り台の近くで、メガビョーゲンに指示を出す。
「っ、シンドイーネ!」
「ヘバリーヌもいるラビ!!」
「ビョーホッホッホ!! メガビョーゲン!!」
「メガ、ビョーゲン・・・」
そこにプリキュアの3人が駆けつけ、二体のメガビョーゲンの前に立ちはだかる。
「ひどい・・・!!」
「みんな! 行くラビ!!」
「「「スタート!」」」
「「「プリキュア、オペレーション!!」」」
「エレメントレベル、上昇ラビ!!」
「エレメントレベル、上昇ペエ!!」
「エレメントレベル、上昇ニャ!!」
「「「キュアタッチ!!」」」
ラビリン、ペギタン、ニャトランがステッキの中に入ると、のどか、ちゆ、ひなたはそれぞれ花のエレメントボトル、水のエレメントボトル、光のエレメントボトルをかざしてステッキのエネルギーを上げる。
そして、肉球にタッチすると、花、水、星をイメージとしたエネルギーが放出され、白衣のような形を形成され、それを身にまといピンク、水色、黄色を基調とした衣装へと変わっていく。
そして、髪型もそれぞれをイメージをしたようなものへと変わり、のどかはピンク、ちゆは水色、ひなたは黄色へと変化する。
キュン!
「「重なる二つの花!」」
「キュアグレース!」
「ラビ!」
のどかは花のプリキュア、キュアグレースに変身。
キュン!
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
ちゆは水のプリキュア、キュアフォンテーヌに変身。
キュン!
「「溶け合う二つの光!」」
「キュアスパークル!」
「ニャ!」
ひなたは光のプリキュア、キュアスパークルに変身した。
「「「地球をお手当て!!」」」
「「「ヒーリングっど♥プリキュア!!」」」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
変身後、フォンテーヌは長靴のメガビョーゲンにキックを放つ。
「ビョー!! ゲェェェン!!!」
長靴型のメガビョーゲンはそれを飛び上がってかわすと、振り向きざまに踏みつけようとする。
「危ない!!」
「っ!?」
フォンテーヌはそれをなんとか回避すると、そこにある水たまりが水しぶきを大きく上げる。
「えぇぇ!?・・・うぇぇぇぇぇっ!!」
スパークルは運悪く、その飛んできた水しぶきを思いっきりかぶった。
「ブルブルブル!! もお~! 何すんのぉ!!!」
びしょ濡れになったスパークルは水しぶきを払った後、怒った声を上げる。
「メガビョーゲン、やっちゃってぇ~♪」
「メガビョーゲン・・・」
ヘバリーヌに指示されたヘリコプター型のメガビョーゲンは羽に付いているミサイルを放つ。
「っ!?」
グレースは飛んできたミサイルをなんとか避ける。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
お返しにグレースはメガビョーゲンにピンク色の光線を放つ。
「メガビョーゲン・・・」
メガビョーゲンは体を90度前に傾けると、頭に付いているプロペラを回転させて光線を弾き、逆にプロペラから黒い竜巻をグレースに向かって放った。
「!?」
「ぷにシールド!!」
「きゃあぁぁ!!」
グレースはステッキから肉球型のシールドを展開するも、竜巻は勢いが強くシールドごと吹き飛ばされてしまい、電柱へと叩きつけられる。
「グレース!!」
フォンテーヌが声を上げる。
「メ~ガ! メガメガメガメガ~!! ビョーゲン!!!」
長靴型のメガビョーゲンは水たまりをまるではしゃぐようにぴょんぴょんと跳ね回り、飛び上がってスパークルに向かってスライディングを放つ。
スパークルはスライディングを、飛んでくる水と共にかわす。
「ああ、もう!! 全然近づけないし!!!」
攻撃に全く転じることができないことにぼやくスパークル。
「シンド姉のメガビョーゲン、あんなにはしゃいじゃって子供みた~い♪」
「可愛くていいじゃない。あんたのメガビョーゲンはやる気なさそうだけど?」
「声だけでしょ? やる気はあるし、強いよ♪」
ヘバリーヌとシンドイーネがこんな会話をしている中・・・・・・。
「メガビョーゲン・・・」
ヘリコプター型のメガビョーゲンはミサイルを放って、地面や残っているベンチを赤く蝕む。
「っ!? はぁぁぁぁぁ!!!」
グレースはそれに目を見開くと、飛び上がってキックを放つ。
「メガ・・・」
メガビョーゲンは上空へと飛んで、キックをかわすと体を横に90度傾けると体ごと回転させてグレースへと飛んでいく。
「メガビョーゲン・・・」
「ああぁぁぁ!!!」
回転攻撃に吹き飛ばされたグレースは地面へと叩きつけられる。
「グレース!!」
長靴型のメガビョーゲンに苦戦している、スパークルが声を上げる。
「クゥ~ン・・・」
「ラテ様~!!」
二体のメガビョーゲンが暴れていて、無事なベンチで待機しているラテは辛そうな表情を浮かべていた。
「相手になってないねぇ~♪」
「本当、そうねぇ」
「じゃあ、どんどん気持ちよくしちゃってぇ~、メガビョ~ゲン!!」
「どんどん蝕むのよ~!! あんたも!!」
「メガビョーゲン・・・」
ヘバリーヌが指示するとヘリコプター型のメガビョーゲンは羽からミサイルを数発放って着弾させる。
「メガ~!! ビョー!! ゲン!!」
シンドイーネが指示した長靴型のメガビョーゲンは辺りを飛び跳ね回りながら踏みつけていく。
シンドイーネとヘバリーヌは巻き込まれないようにその場から安全な場所へと飛ぶ。
「ふふふ」
「ンフフ~♪」
二人が笑みを浮かべるその視線には、公園の地面だけでなく、ブランコや滑り台、うんてい、鉄棒といった遊具までもが蝕まれ始めていた。
「ああ・・・!!」
絶句するフォンテーヌ。旅館に来てくれた外国人夫婦の娘・エミリーと一緒に遊び、笑顔になるための場所が病気に蝕まれていく。
「ダメー!!!!!」
焦りを見せたフォンテーヌは止めようと飛び出していくが・・・・・・。
「メガ・・・」
「あぁっ!!!」
ヘリコプター型のメガビョーゲンはプロペラから黒い竜巻を放ち、フォンテーヌはそれをまともに食らってしまう。
「フォンテーヌ!!」
吹き飛ばされたフォンテーヌは地面へと叩きつけられる。
「ビョー!!!」
そこへ長靴型のメガビョーゲンが飛び上がったかと思うと、踏み潰そうと襲い掛かってくる。
「くっ・・・ここは・・・!! 大切な、公園なの・・・!!」
フォンテーヌは迫り来るメガビョーゲンを両腕で受け止める。
「ヘバリーヌちゃん、わかんないなぁ〜。こんな何の変哲もない普通の公園なんかどこにだってあるじゃん」
ヘバリーヌは顎に指を当てながらも、妖艶な微笑みは崩さない。
「そうよ、こんな地味な公園のどこがぁ・・・?」
彼女に同調するかのように、シンドイーネは完全に見下したような口ぶりで言う。
「この公園で、あの子が笑ってくれるかもしれない・・・だから・・・!!」
そう言いながら踏み潰されまいと必死に抑え込むフォンテーヌ。
「う〜ん、でも赤く染め上げた方が気持ちいいはずだよね〜♪」
「っていうか、大切とか聞いたら、ますます蝕むたくなっちゃう・・・!!」
「メガァ!!」
「ぐっ、うぅぅぅ・・・うっ、うぅぅぅぅ・・・!!」
その二人の言葉を合図に、メガビョーゲンの踏みつける力に負荷がかかり、さらにはフォンテーヌ自身も受けたダメージが蓄積していて全力を出すことができず、耐え凌ぐのが背一杯だった。
「メガビョーゲン・・・」
ヘリコプター型のメガビョーゲンは、グレースとスパークルに目掛けて黒い竜巻を放つ。
二人は飛び上がってかわすと、スパークルは雷のエレメントボトルをヒーリングステッキにはめ込む。
「雷のエレメント! はぁぁぁぁぁ!!」
「メガ・・・ガガガガ・・・!?」
雷をまとった光線をステッキから放ち、メガビョーゲンに直撃して感電すると動きが鈍くなる。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「メガ・・・!?」
それを横からグレースが蹴りを入れて、メガビョーゲンを吹き飛ばして地面に叩きつける。
「「!! フォンテーヌ!!」」
二人はフォンテーヌが窮地に陥っているのを見るとすぐに駆けつけようとするも、吹き飛ばしたメガビョーゲンがすくっと飛び上がり、コマのように体を高速回転させる。
「メガガガガガガガ、ガァ・・・」
「「きゃあぁぁ!!」」
メガビョーゲンはその状態のまま、高速で飛び出すと二人を吹き飛ばした。
「メガビョーゲン・・・」
二人はなんとか体勢を立て直すも、メガビョーゲンが再び前かがみになって黒い竜巻を放つ。
「「ぷにシールド!!」」
「「うっ・・・!!」」
肉球型のシールドを展開して黒い竜巻を防ぐも、竜巻の勢いが強く二人は徐々に押されそうになる。
「これじゃあ・・・!」
「フォンテーヌを助けに行けないよ・・・!!」
「あのプロペラを止めないとラビ!!」
「な、なんか方法ねぇか!?」
二人は黒い竜巻を防ぎながら、打開策を考える。
ふとスパークルが過去にやったある技を思い出して、この方法なら行けるかもしれないと試してみる。まずはグレースに耐えてもらうように言わなければ。
「グレース! ちょっとそのまま抑えられる・・・?」
「スパークル!? 何をする気なの・・・?」
「いいからいいから!!」
スパークルはぷにシールドを解除すると、すぐに横へと走る。
「ぐっ、うぅぅぅぅぅ・・・!!!」
スパークルがいなくなったことで黒い竜巻の負荷がかかり、グレースは押されていき、電柱へと背中を押し付けられるように叩きつけられる。
「うぅぅぅぅ・・・スパークル、早く・・・!!」
グレースはぷにシールドで黒い竜巻への直撃を防げてはいるが、それでも苦しい表情を浮かべていた。
スパークルは黒い竜巻を横目に走りながら、メガビョーゲンの元へと向かっていく。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
スパークルはステッキから黄色い紐状のエネルギーをメガビョーゲンの回転するプロペラに向かって放つ。
「メ、ガァ・・・!?」
紐状のエネルギーはプロペラにグルグルに絡みつき、回転が止まって竜巻の放出が止まり、メガビョーゲンは体をよろけさせる。
「よし!・・・!? う、うわぁぁぁぁぁ!!??」
「メー・・・ガー・・・!!」
スパークルは作戦がうまくいって喜びの声を上げるも、暴れ出したメガビョーゲンに紐状のエネルギーを逆に引っ張られて振り回されることに。
「ちょっ、ちょっとぉ! 暴れ! ないで! よぉぉぉぉ!!!」
スパークルは叫び声を上げながら、振り落とされまいと必死に押さえ込もうとする。
「スパークル!!」
「あ、あたしはいいから!! フォンテーヌを!!」
「メガガガガ・・・?」
スパークルは押さえ込みながら、ステッキから電流を流してメガビョーゲンを大人しくさせようとする。
「!! うん!!」
その間、動けるようになったグレースはフォンテーヌの元へ。
「メガビョーゲェン!!」
「うっ、うぅぅぅぅ・・・あ、あ・・・!!」
フォンテーヌは必死に押さえ込んでいるが、すでに潰される寸前であり、両腕がプルプルと震えていて力も入らなくなってきた。
「ねえ、なんでそんなに我慢するの〜? 抜けば楽になると思うけどなぁ〜」
「そうよ、何をやっても無駄よ無駄。諦めなさいな」
無駄な足掻きを続けるフォンテーヌに、二人から言葉が投げかけられる。
「ヘバリーヌちゃんはもういいかな〜、メガビョーゲンの様子見てくるね〜♪」
ヘバリーヌは興味をなくした様子で、その場から離れた。
「あ、ぁ・・・!!」
もう・・・ダメ・・・・・・。
このままメガビョーゲンに為すすべがないまま、フォンテーヌはこのまま潰される・・・・・・。
そんな時だった・・・・・・。
「!?」
重かったメガビョーゲンが急に軽くなるような感じがした。
「させないよ! この公園は私たちが守る!!」
前を見ればグレースがメガビョーゲンを下から持ち上げて、フォンテーヌの支えとなってくれていたのだ。
「グレース・・・・・・」
「っ・・・大丈夫! 行こう!!」
「ええ・・・!!」
「「せーの!! はぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
二人は一斉に力を入れて、メガビョーゲンを投げ飛ばす。
「メガガガガ!?」
メガビョーゲンはそのまま地面へと叩きつけられた。
キュン!
「「キュアスキャン!!」」
グレースは肉球を一回タッチすると、ステッキをメガビョーゲンに向ける。
ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。
「あそこラビ!!」
メガビョーゲンの左胸あたりに、雨のエレメントさんが苦しんでいるのが見えた。
「今よ!!」
フォンテーヌとグレースはお互いに頷き合うと、ヒーリングステッキに水のエレメントボトル、花のエレメントボトルをそれぞれはめ込む。
「「エレメントチャージ!!」」
そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。
「「ヒーリングゲージ上昇!!」」
ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。
「プリキュア!ヒーリングストリーム!!」
「プリキュア!ヒーリングフラワー!!」
フォンテーヌとグレースはそう叫びながら、ステッキをメガビョーゲンに向けて、青色の光線とピンク色の光線を同時に放つ。光線は螺旋状になって混ざっていった後、メガビョーゲンに直撃した。
その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、4本の手が雨のエレメントさんを優しく包み込む。
水型状に、花状にメガビョーゲンを貫きながら、光線はエレメントさんを外へと出す。
「ヒーリングッバイ・・・」
メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。
「「「「お大事に」」」」
雨のエレメントさんは、長靴の中へと戻り、そのメガビョーゲンが蝕んだ箇所が元に戻っていく。
「ふん・・・まあ、いいわ。ヘバリーヌにどうにかしてもらいましょ・・・」
シンドイーネはそう言うとその場から消えた。
雨のエレメントさんを助け出すことができて、安心する二人。
「ちょ、ちょっとぉぉぉぉ!! こっちも! 手伝って!よぉ!!!」
「メガビョーゲン・・・!!」
今だにもう一体のメガビョーゲンに振り回されているスパークルがそんな二人に叫び声をあげる。メガビョーゲンはスピードを上げて飛び回りながら、さらには体をプロペラごと回転させてスパークルを振り回す。
「ああ! あんなに広がってる・・・!!」
「早く助けないと・・・!」
「うん!」
背後を振り向くと公園の広範囲が病気で蝕まれている光景だった。二人はメガビョーゲンを止めるべく元へと走る。
「もぉ〜、メガビョ〜ゲン。全然気持ちよくないから振り落としてよ〜!」
「メガビョーゲン・・・!!」
「うわぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!」
ヘバリーヌの不満そうな声にメガビョーゲンは体をいつもより早く高速回転させて、さらに激しく振り落とそうとする。
すると、紐状のエネルギーに亀裂が入り、ステッキの根元から紐状のエネルギーがちぎれた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
スパークルは遠心力で飛ばされてしまう。
「危ない!!」
グレースは飛んできたスパークルをうまくキャッチして受け止める。
「大丈夫!?」
「うー、うん・・・なん、とか・・・で、でも・・・」
スパークルは目をぐるぐると回していたが、なんとか無事な様子。
「あのメガビョーゲン、なんか放ちながら暴れてたから病気が広がっちゃって・・・」
スパークルは押さえ込んでおきながらメガビョーゲンの暴走を止められていないことに、目も当てられないといったような感じで話す。
「大丈夫! 私たちが守るから!!」
「失敗した分、3人で取り返せばいいわ!」
グレースの手の中から立ち上がり、3人はメガビョーゲンの前に立ちはだかる。
「よいしょっと! ほら、メガビョーゲン、やっちゃってぇ〜!」
ヘバリーヌは乗っかりながら絡みついた紐状のエネルギーを足で切って解いてあげると指示を出す。
「メガビョーゲン・・・」
メガビョーゲンは羽からミサイルを数発、プリキュアたちに向かって放つ。
「ふっ!!」
「はぁっ!!」
フォンテーヌはキック、グレースはパンチをしながらミサイルをいなしていく。
「ぷにシールド!!」
「くっ・・・はぁぁぁぁぁ!!!!」
スパークルは肉球型のシールドを展開して、ミサイルを抑え込み、そのままメガビョーゲンへと投げ返した。
「メガビョー・・・!?」
その結果、全てのミサイルが返され、メガビョーゲンの前で爆発する。
「メガビョーゲン・・・メガガガガガガガガガガ・・・」
爆発の煙を払ってメガビョーゲンは体を高速回転させると、まるで自らが小型のつむじ風のようになって、プリキュア3人へと突っ込んでいく。
「!!」
プリキュア3人は散らばって、メガビョーゲンの突撃を交わすも、小さなつむじ風はブーメランのようにこちらへと戻ってくる。
「うわぁ!?」
グレースは目の前に来たつむじ風をリンボーダンスのように反らしながらスレスレで避ける。
「くっ・・・!!」
フォンテーヌも体を横に向けて避けるのもスレスレだった。
「あいつ、どうにかして止めらんないの・・・!?」
「そうだ! スパークル、さっきの紐をもう一回あいつに!!」
「うぇぇ!? もう振り回されるのは嫌なんだけど!?」
「そうじゃねぇよ!! プロペラを結ぶんじゃなくて、あいつの体全体をやるんだニャ!!」
「ああ、そっか・・・!! よし・・・!!」
スパークルは渋々といった感じで、ステッキを構える。
「メガガガガガガガ・・・」
メガビョーゲンはまっすぐこちらに向かってくる。
「今だ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スパークルはステッキから紐状のエネルギーを放つ。そして、その紐状のエネルギーは向かってきた小さなつむじ風を大きく囲むように周り・・・・・・。
「メガ・・・!?」
高速回転をしていたメガビョーゲンの動きを止めた。
「二人とも、今だよ!! やっちゃって!!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
スパークルの言葉を合図に、グレースとフォンテーヌは同時に飛び上がり、メガビョーゲンの上から踵を落とす。
「メガビョー・・・!?」
直撃を受けたメガビョーゲンはそのまま地面へと叩きつけられた。
キュン!
「キュアスキャン!」
スパークルは肉球を一回タッチすると、ステッキをメガビョーゲンに向ける。
ニャトランの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。
「いたぞ!! 風のエレメントさんだ!!」
エレメントさんはプロペラの根元部分にいるのが確認できた。
「行くよ!! みんな!!」
「ええ!!」
「OK!!」
グレースの言葉を合図に3人の体が発光し、彼女たちはミラクルヒーリングボトルをステッキにセットする。
「「「トリプルハートチャージ!!」」」
「「届け!」」
「「癒しの!」」
「「パワー!」」
グレース、フォンテーヌ、スパークルの順で肉球にタッチしていき、ステッキを上に掲げる。すると、花畑が広がっていき、背後には自然豊かな森が広がっていく。
さらにプリキュア3人の背後に、紫色のコスプレ姿をした女神の姿が映し出されていく。
「「「プリキュア! ヒーリング・オアシス!!」」」
3人は一斉にメガビョーゲンへとステッキを構え、ピンク・青・黄色の3色の光線が螺旋状になって放たれる。螺旋状の光線は混ざり合いながら一直線にメガビョーゲンに直撃する。
螺旋状になった光線はそれぞれの色の手へと変化して、3本の手が風のエレメントさんを優しく包み込んでいく。
3色に光るハート状にメガビョーゲンを貫きながら、光線はエレメントさんをメガビョーゲンから外へと出す。
「ヒーリン、グッバイ・・・」
メガビョーゲンたちは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。
「「「「「「お大事に」」」」」」
メガビョーゲンが浄化されると同時に、病気に蝕まれた箇所は元に戻っていく。
「はぁ〜、つまんない・・・お姉ちゃんにお仕置きしてもらお〜・・・♪」
ヘバリーヌはつまらなそうな顔をしてそう言いながら、その場から姿を消した。
廃病院の外のテラス席、クルシーナはとある映像を見ていた。
手下である小さなコウモリの妖精の一匹に、自身が出撃したところを撮影してもらい、それを記録したものを真っ赤な空に映し出してもらうことで映像を見ることを可能にしている。
自身がこれまで出撃してメガビョーゲンを作り出したことはもちろん、その後の病気を蝕む様子や目障りなプリキュアとの戦闘、そして最後には浄化されるところまで記録されており、その隅々まで繰り返して見ながら何かないか探している。
「・・・・・・・・・」
クルシーナは黙って映像を見つつ、時にはさらに乗っているまんじゅうを摘む。
「・・・クルシーナ、何しているの?」
「・・・イタイノンか」
クルシーナが声をした方に振り向くと、カップケーキを抱えたイタイノンが立っていた。
「見りゃわかるでしょ。映像見てんの」
「・・・何の?」
「アタシの出撃の記録。なんかヒントになるもの映ってないかと思ってね」
「・・・そう、なの」
イタイノンはそれだけ答えると、テラスの空いている席、クルシーナの隣の席に着くとカップケーキを摘む。そして、一緒になって映像を見始める。
「クルシーナが全部失敗した出撃の記録なの」
「・・・うるさい、ほっとけ」
イタイノンは馬鹿にするような不敵な笑みを向けると、クルシーナは不機嫌そうに言う。
イタイノンは興味本位で映像を見ていて、その横でクルシーナは小さなコウモリの妖精に「戻せ」と何度も言う以外は黙って見つめていた。
「手下が疲れているんじゃないか、なの?」
「それがどうかしたわけ?」
「映像が少し乱れてきてるの」
「・・・別に見られりゃいいわよ」
イタイノンの指摘にも、問題はないとクルシーナは取り合わずに小さな妖精たちに指示を出す。
クルシーナは他のビョーゲンズが出撃していく中、数日考えていた。プリキュアが得た新たな力、それは3人で一斉に放つ強力な浄化技。それには3人を分断していくしかないが、それを効率よく自分たちが病気に蝕むためにはどうすればいいのかを。
過去の映像を見て、出撃した時やプリキュアとメガビョーゲンの戦闘、あのときに自分たちが見逃している何かがあるはず。それを探すために手下たちに撮らせていた映像を確認していたのだ。
今のところ、映像には何一つその決め手になるものは写っているものはないが、絶対に見逃している何かがあるはず。それが映っていればいいが・・・。
皿の上のお菓子を摘み、何度も何度も繰り返して見ていると、そこに気になるものが小さく映り込んでいるのが見えた。
「? 止めろ」
クルシーナが指示を出すと、映像はその位置で再生を停止させる。
それは競技場をダルイゼンと二人で襲っていた時の映像、キュアグレースと黄色のプリキュアの隅に何かが映っている・・・・・・?
「映像を拡大しろ」
クルシーナがそう命令すると、隅に映っているものを拡大していく。
それは額のハートマークが黄色のヒーリングアニマルの姿だ。しかも、体調が悪そうにぐったりと横たわっているように見える。
あいつ、どこかで見たことがあるな・・・?
まるで、ヒーリングガーデンを襲撃した際にいた、お父様にダメージを負わせたあの力を持った女王、テアティーヌと何か似ているような気がする。
・・・そうか、もしかしたらあいつはあの女王の・・・。
「・・・なるほどね」
「クルシーナ・・・? どうかしたの?」
「イタイノン、この映像を見て」
クルシーナが静かに言うと、イタイノンはノイズが走っている映像を見る。そこには子犬のような動物が映っている。
「このヒーリングアニマルがどうかしたの?」
「いや、少しは地球を病気で蝕むための布石が見つかっただけよ」
クルシーナは手下の妖精が映した映像を消させると、廃病院の角を見る。
「そこに隠れてるんだろ? ドクルン」
彼女がそう呼びかけると廃病院の影からドクルンが姿を見せた。
「おや、気づいてたんですかぁ?」
ドクルンは不敵な笑みを浮かべながら答える。
「白々しい。さっきからそこで見てたくせに。何年一緒にいると思ってんの?」
クルシーナは首を振りながらそう言うと、おもむろにテラス席から立ち上がる。
とりあえず、こいつらに周知はさせておこうとクルシーナは考える。アタシがあいつらを利用して踏みにじってやるために。
「ねえ、アンタたち」
「ん?」
「なの?」
疑問符を浮かべるドクルンやイタイノンに、クルシーナは不敵な笑みを浮かべながら言った。
「ちょっとアタシの検証に付き合ってくれない?」