ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続き、後編です!


第4話「成長」

プリキュアとシンドイーネのメガビョーゲンの戦いは終わりに近づいていた。

 

沢泉ちゆがペギタンとパートナー関係を結び、水のプリキュア・キュアフォンテーヌへと変身。元々変身しなくても身体能力の高いフォンテーヌはメガビョーゲンを圧倒。キュアスキャンで左胸に水のエレメントさんがいることを知り、浄化は目前だった。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

「メガァ!?」

 

キュアグレースがメガビョーゲンの膝裏を蹴り、後ろへと倒す。

 

「今だよ!フォンテーヌ!!」

 

「メガビョーゲンを浄化するペエ!!」

 

水の模様が描かれたヒーリングボトルをステッキへとかざす。

 

「エレメントチャージ!!」

 

そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。

 

「ヒーリングゲージ上昇!!」

 

ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。

 

「プリキュア!ヒーリングストリーム!!」

 

キュアフォンテーヌはそう叫びながら、ステッキをメガビョーゲンに向けて、水色の光線を放つ。光線は螺旋状になっていた後、メガビョーゲンに直撃した。

 

その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、水のエレメントさんを優しく包み込む。

 

水型状にメガビョーゲンを貫きながら、光線は木のエレメントさんを外へと出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。

 

「「お大事に」」

 

水のエレメントさんは、源泉の中へと戻り、蝕んだ箇所も元に戻っていく。

 

「ふーん、まあまあね。あっちの方もどうにかした方がいいんじゃない? それでも、キングビョーゲン様には勝てないけど」

 

シンドイーネはそう言うと撤退していった。

 

とりあえず戦いが一段落させて、源泉の元へ。

 

「これで自然の声を聞けばいいのね?」

 

フォンテーヌはグレースやペギタンに教えられた通りに、聴診器をかざすと水のエレメントさんが現れた。

 

「体調はどうペエ?」

 

「ありがとうみなさん! ここの温泉はもう大丈夫です! ただ・・・」

 

水のエレメントさんは深刻そうな様子で、グレースに抱きかかえられているラテを見る。

 

「あともう一体、メガビョーゲンを浄化しないとラビ・・・」

 

ラビリンも辛そうな表情だ。それもそのはず、メガビョーゲンを全て浄化しないとラテの体調は元に戻らないのだ。

 

「私の仲間も苦しんでいるはずです。どうか助けてあげてください。私の力も差し上げます」

 

水のエレメントさんはエレメントボトルに自身の力を注いだ。

 

「ありがとう!」

 

「エレメントさんは必ず助けるから!」

 

フォンテーヌとグレースの言葉を聞いた水のエレメントさんは微笑むと源泉の中へと戻っていった。

 

「・・・行きましょう」

 

「・・・うん!」

 

グレースとフォンテーヌは向かう。出現したであろうもう一体のメガビョーゲンを浄化するために。

 

「きっと雑木林の向こうにいるペエ!」

 

ペギタンはラテの言葉を思い出しながら言う。確か、ラテ様は雑木林の方へ顔を向けていたはず、もしかしたら蝕まれたのは・・・。

 

雑木林の中を走っていく二人。すると徐々に病気で蝕まれた地帯が広がっていくのが見えて足を止める。そこはもはや自然とは思えないほどだった。

 

「こ、これは・・・!」

 

「ひどい・・・」

 

唖然とする二人。想像以上だった。周辺の木はもはや赤く染まっており、まるでここだけ世界が変わってしまったかのようだった。

 

雑木林を抜けるとそこはまるで地獄のよう。川はもはや自然にあるような透明感を感じない。

 

「まるで汚染水ペエ・・・」

 

ペギタンも声を震わせていた。

 

「メガビョーゲンはどこラビ!?」

 

「・・・ここにはもういないみたいだね」

 

2人と2匹はメガビョーゲンを探すが、どこにもいない。もう他の場所に移動したかもしれない。だとしたら、下流か、中流か・・・。

 

「クゥ~ン」

 

「ラテ様?」

 

ラテが弱々しい声で鳴いている。体調が悪いのは変わらないが、グレースの様子を見て不安になっているのだろうか?

 

「大丈夫だよ、ラテ。私たちはちゃんとお手当てできるよ」

 

グレースは抱えているラテを励ます。先ほどのメガビョーゲンとの戦いで苦戦していたグレース。ラテはそんな様子を体調で意識が混濁しながらも見ていたのだろう。

 

ラテは撫でられ、グレースからそんな言葉を聞かされたのか、安堵したように眠りについた。

 

「グレース、見て!!」

 

フォンテーヌが何かを見つけたようでグレースに叫ぶ。フォンテーヌの視線には蝕まれた雑木林があった。

 

「川の上流へと向かう方の道、その周囲の木が蝕まれてるの」

 

川の上流へと向かう道、その部分はやけに病気に蝕まれているところが多かった。下流の方を見ているとそちら側の木は病気であまり蝕まれた様子はない。

 

ーーーーまるで来てくださいと言わんばかりのように・・・。

 

「もしかして、この蝕まれた後をたどれば・・・!」

 

「メガビョーゲンがいるかもしれないラビ!!」

 

メガビョーゲンがどっちへ向かったかはわかった。そうと決まれば、あとは向かうだけだ。

 

グレースとフォンテーヌは互いに目を合わせて頷くと、病気を辿りながら走っていく。

 

(エレメントさん・・・待っててね! すぐ助けに行くから・・・!)

 

グレースは心の中でそう決意したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー、私の計算ならもう来るはずですけどねぇ」

 

そういうのは鮭型のメガビョーゲンを生み出したドクルン。実験と称して川にナノビョーゲンを取り憑かせ、メガビョーゲンを生み出した。中流域の川周辺を病気で蝕んだ後、いっそのこと侵略活動を続けようと上流域の開けた川のところへ移動した。

 

メガビョーゲンは黒く病気で汚れた川の中で泳ぎ回っている。

 

「メガ~・・・」

 

「そろそろここ一帯も蝕むところがなくなってきたブル」

 

ドクルンのスタッドがついたチョーカーに化けているブルガルが言う。

 

周囲をよく見れば、確かにもう蝕むところはなくなっているように見える。気のせいか、またさらに大きくなっているように感じる。

 

そろそろ移動する頃合いだろうか・・・。

 

「メ、ガ、メ、ガッ・・・」

 

「んー?」

 

そう思っていると何やらメガビョーゲンの様子がおかしいのが見えた。水面から顔を出してバシャバシャとよじるように動く。

 

しばらくすると水面に顔を引っ込め、尾びれを水上へと突き出す。その様子はまるで逆立ちをしているかのよう。

 

プルプルと身体を震わせると、腹ビレより下の部分から丸い玉のようなものが突き出しているのが見える。それも少しずつ玉が次々と顔を覗かせる。それはまるで産卵をしているかのようだ。

 

「メガ、ビョー、ゲン!」

 

メガビョーゲンの合図に声に合わせながら、ポンという音を立てて、卵は岩場の地面へと落ちた。

 

「ほほぅー?」

 

ドクルンは歩み寄って、玉を拾い上げる。一つ一つの卵の大きさはテニスボールと同じぐらいの大きさだが、まるでブドウのように束ねて落ちていた。

 

「それ、何だブル?」

 

「これは、面白いものができてきたわねぇ」

 

ーーーー帰ったら調べてみようかしらぁ。

 

ドクルンはそう思うと懐に卵をしまいこむ。

 

「いたー!!」

 

「お?」

 

そんなとき、可憐な声が聞こえてきた。ドクルンが振り返ってみるとピンク色の髪をしたもの、青色の髪をしたもの、それぞれステッキを持っている。

 

ーーーー間違いない、プリキュアだ。

 

でも、ダルイゼンとクルシーナの情報では一人だったはず。それなのに人数は二人に増えている?

 

そうか・・・またヒーリングアニマルが新たなパートナーを見つけたのか。

 

でも、ドクルンはそんなことは気にしなかった。例え何人に増えようが、私のやりたいことは変わらない。今のメガビョーゲンがどれだけの力を持っているのか試すだけだ。

 

「これはこれは、プリキュアの二人。随分遅かったですねぇ」

 

ドクルンはニヤリとした笑みを浮かべてそう言う。まるで他人を小馬鹿にしたような笑みだ。

 

「あれは?」

 

「ビョーゲンズのドクルンラビ!」

 

「俺もいるぜブル」

 

声がしたのはドクルンの首に巻きついているスタッド付きのチョーカーから。ブルガルは小さな狼の姿へと戻り、その姿を露わにした。

 

その姿を見て、驚愕したのはグレースの持つステッキの一部になっているラビリンと、同じくペギタンだった。

 

「そんなまさか・・・ガルルン!?」

 

「俺をその名前で呼ぶなブル! 今はブルガルだブル!」

 

ラビリンに名前を呼ばれて嫌悪感を露わにするブルガル。その名前はすでに捨てた名前だ、人間に使われるようなやつに気安く呼ばれる筋合いはない。

 

「知り合いなの・・・?」

 

「僕たちと同じ見習いのヒーリングアニマルだったはずペエ」

 

ちゆが問うと、ペギタンは辛そうな表情で言う。

 

「なんでビョーゲンズなんかにいるラビ!?」

 

「ハッ、俺がどこに行こうと俺の勝手だブル。お前らと一緒なんかにされたくねーんだよ」

 

ブルガルはラビリンの言葉に苦虫を噛み潰したような顔で言う。

 

「ブル? なんだ、ペギタンもいるのか?」

 

「ガ、ガルルン・・・」

 

「ブルガルだブル! お前も一緒になって地球のおままごとなんかしてんのかよ?」

 

ブルガルの見下すような言葉に、ペギタンが少し怒りを覚えた。

 

「おままごとって・・・僕は地球をお手当てするためにーーーー」

 

「それがおままごとなんだブル。大した力も持たないくせに、お前たちにお手当てなんかできるわけがないんだよ」

 

ペギタンはその言葉を受けてショックを受け、昔のことを思い出していた。

 

「フフ。痴話喧嘩するのは構わないのですが・・・」

 

ドクルンがまるで面白いものを見たような顔で言うと、右手の親指で川を指差す。

 

「あれ、どうにしかなくていいんですかぁ?」

 

バシャァ!!!!

 

「メガ~・・・ビョーゲン!!」

 

川から飛び出したメガビョーゲンはプリキュア二人にその姿をさらした。

 

「あんな感じになっちゃってますが?」

 

「大きくなってる・・・!」

 

「きっとさっきの場所とここ一帯が蝕まれたせいラビ!!」

 

メガビョーゲンの大きさに二人は悪寒に似た何かを感じた。メガビョーゲンがいつもと違って禍々しく、気のせいかさっきのメガビョーゲンより大きくなっている気がする。

 

でも、エレメントさんが苦しんでいるんだ。こんなところで怖気づいてなどいられない。

 

「メガ~・・・」

 

そんなことを思っていると、メガビョーゲンが水面から飛び出してこちらへと突っ込んできた。

 

「ぷにシールド!!」

 

ラビリンがそう言うと肉球型のシールドが展開され、メガビョーゲンの体当たりを防ぐ。

 

「う・・・!!」

 

メガビョーゲンに押されそうになるグレース。先ほどのメガビョーゲンよりもパワーが全く違う。成長して強くなっていることがわかる。

 

「はぁぁ!!」

 

「メガ・・・!?」

 

そこへフォンテーヌが横から飛び蹴りを入れて、メガビョーゲンを吹き飛ばす。

 

「大丈夫!?」

 

「うん!」

 

吹き飛んだメガビョーゲンは体勢を立て直すと川の中へと飛び込み、水の中に身を隠す。

 

フォンテーヌの背後へと素早く移動すると、蝕まれた地面から飛び出した。

 

「メガ~!!」

 

「あああっ!!」

 

メガビョーゲンは体を回転させて尾びれを振り回し、直撃したフォンテーヌは吹き飛ばされる。

 

「フォンテーヌ!!」

 

グレースは叫びつつも、メガビョーゲンへと向き直ろうとするが、姿が見えない。

 

「あれ?・・・どこに・・・?」

 

探ろうと周囲を見渡すも、グレースの横からメガビョーゲンは顔を出し、不意をついて黒い光線を放った。

 

「メガ~!!」

 

「え・・・きゃあぁぁ!!」

 

気づくのが遅れたグレースは防御姿勢もままならず、光線を受けて吹き飛んでしまう。

 

すぐに体勢を立て直すグレースだが、またメガビョーゲンの姿が消える。

 

「・・・まただ」

 

「これじゃあメガビョーゲンに近づけない・・・!」

 

グレースとフォンテーヌは背中合わせになって周囲を探るが、メガビョーゲンはまた姿を消してどこにも見当たらない。

 

そんな中、二人の足元からピチャっと水音がした瞬間・・・。

 

「メガ~・・・」

 

「「!?」」

 

「ビョーゲン!!」

 

「「きゃあぁぁぁ!!」」

 

二人は足元に気づいて離れるも、地面から飛び出したメガビョーゲンはその隙をついて尾びれを振り回した。動作が遅れた二人は吹き飛ばされてしまう。

 

「・・・ふむ、やはり健康的な場所でメガビョーゲンを作ると強くなりますねぇ」

 

「知能も増してるブル」

 

ドクルンとブルガルは興味深そうな感じで言う。

 

「う・・・このままじゃ・・・!」

 

グレースはなんとか立ち上がるも、先ほどと同じような行動をしていてもメガビョーゲンも思う壺だ。また、不意を突かれてやられてしまう。

 

「グレース! 二人で探がしてちゃダメよ! お互いに合図して、そこを狙いましょう!」

 

「・・・わかった!」

 

フォンテーヌがそう言うとグレースは再びステッキを構え、自分から探そうとはせずにそのままじっと待った。

 

一方、フォンテーヌはグレースのことを見ながら、来るであろうメガビョーゲンに警戒する。

 

しばらくの間、沈黙が続き、緊迫した状態が続く。じっと待っているグレースの頬に汗が垂れる。

 

「メ~ガ~・・・!!」

 

先に沈黙を破ったのはメガビョーゲンだった。そのメガビョーゲンが飛び出した場所は・・・?

 

「グレース、後ろよ!!」

 

フォンテーヌが叫ぶと、グレースは振り向きざまにステッキの先に溜めていた光線をメガビョーゲンに向けて放つ。

 

「ふっ!!」

 

「メガ~????」

 

光線は命中し、メガビョーゲンがよろける。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その隙をすかさず横からフォンテーヌが飛び蹴りを放つ。

 

「メガァ!?」

 

メガビョーゲンは吹き飛び、病気で汚れている地面を数回跳ねると、体勢を整えて再び川の中へと姿を消す。

 

二人はメガビョーゲンを追うことはせず、再びステッキを構えてじっと待つ。

 

またしばらくの沈黙の後、メガビョーゲンが飛び出してきて黒い光線を放とうとする。

 

「フォンテーヌ、横だよ!!」

 

「!!」

 

フォンテーヌはすぐに横へ振り向き、ステッキをメガビョーゲンへと構えた。

 

「ぷにシールド!!」

 

ペギタンが言葉を発すると、フォンテーヌの持つステッキから肉球型のシールドが展開し、メガビョーゲンの黒い光線を防ぐ。

 

「キュアスキャン!!」

 

フォンテーヌが抑えている間に、キュアグレースは素敵の一部となっているラビリンの顔をメガビョーゲンに向ける。

 

ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中にいる、苦しんでいる様子のエレメントさんを見つける。

 

「水のエレメントさんラビ!」

 

「場所は左腹だよ!」

 

フォンテーヌは少しずつ黒い光線を押し返していく

 

「んん・・・やあぁ!!」

 

「メ・・・ガ・・・メガァ!?」

 

完全に攻撃を跳ね返されたメガビョーゲンが後ろへと少し仰け反る。そこへすかさずキュアグレースが突っ込む。

 

「はあぁぁぁ!!」

 

「メガ~~~!?」

 

頭に飛び蹴りを放ち、喰らったメガビョーゲンは空へと吹き飛ばされる。

 

「おやおや・・・?」

 

ドクルンは上空へと吹っ飛ばされるメガビョーゲンを見てそう言った。

 

「今、ラビ!!」

 

「うん・・・!」

 

花の模様が描かれたヒーリングボトルをステッキへとかざす。

 

「エレメントチャージ!!」

 

そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。

 

「ヒーリングゲージ上昇!!」

 

ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。

 

「プリキュア!ヒーリングフラワー!!」

 

キュアグレースはそう叫びながら、ステッキを上空へと飛んでいるメガビョーゲンに向けて、ピンク色の光線を放つ。光線は螺旋状になっていた後、メガビョーゲンに直撃した。

 

その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、木のエレメントさんを優しく包み込む。

 

花状にメガビョーゲンを貫きながら、光線は水のエレメントさんを外へと出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。

 

「「お大事に」」

 

水のエレメントさんは、川の中へと戻り、蝕んだ箇所も元に戻っていく。

 

「プリキュア・・・面白いですねぇ、フフフ」

 

ドクルンは面白いものを見つけたかのような不敵な笑みを浮かべた。

 

「まあ、今日はこの辺にしておきましょう」

 

ブルガルはドクルンのスタッド付きチョーカーへと戻り、ドクルンはそのまま背を向けて立ち去ろうとする。

 

「ガルルン!!」

 

背後からペギタンの呼ぶ声が聞こえる。ドクルンはそれを聞いて思わず立ち止まる。

 

「少しうまくいったからって調子に乗るなブル。それにビョーゲンズに一緒にいるのは俺だけじゃないからな」

 

「!?・・・それってどういう意味ラビ!?」

 

ブルガルの言葉に衝撃を受けるラビリン。ガルルンの他にもビョーゲンズに寝返った仲間がいる?

 

「またな・・・ペギちゃん」

 

そう言うとドクルンはその場で瞬間移動し、撤退していった。

 

「ペギタン・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

その姿を見て悲しそうな顔をしているペギタンを、フォンテーヌはなんとも言えない顔で見つめていた。

 

その後、蝕まれた川へと聴診器を向けて水のエレメントさんと対面する。

 

「エレメントさん、体調はいかがですか?」

 

のどかが水のエレメントさんに尋ねる。

 

「ありがとうございます、皆さん! ここはもう大丈夫です! ただ・・・」

 

「ラテ様、まだ元気が戻らないラビ」

 

水のエレメントさんはまだ体調が良くならないラテを見ながら言う。浄化に時間がかかった上に、2体も現れたことから症状が緩和できていないのだろう。

 

「では、私の力を使ってください。先ほど、私の仲間にもらったはずです。それをラテ様の首輪に」

 

「これね」

 

ちゆは言われた通りに、エレメントボトルを首輪に付ける。

 

「ワフゥ~ン」

 

すると、ラテはたちまち元気になり、元気な声をあげられるようになったのであった。

 

「・・・・・・・・・ガルルン」

 

一方、ペギタンは辛そうな表情をしながら、敵となってしまった仲間の名前をつぶやくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、とある廃病院では・・・・・・・・・。

 

コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ・・・。

 

先ほど戻ってきたドクルンが地下へと続く階段を降りている音だ。

 

一部が病気で錆びかけている階段を降りきって扉を開けて、中へと入っていく。

 

パチッ!

 

部屋の電気をつけると、そこは10畳ぐらいの広い部屋があり、更に奥にも大きな窓があって何やら部屋があるようだった。

 

その奥の部屋の中には、ドクルンと同じぐらいの少女が呼吸器を付けながらベッドに横たわっていた。奥には心電図のモニターがあるようで、ピコンピコンと音を発していた。

 

ドクルンは部屋の横にある装置のマイクを取る。

 

『どうも~~~ご機嫌いかがですかぁ~?』

 

ドクルンはマイクを通して、部屋の中で眠る少女に声を掛ける。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

部屋の中にいる少女からは声が返ってこない。どうやら眠っているようだ。

 

「・・・ふむ、やはり反応がないわねぇ」

 

ドクルンはそう言うと懐から先ほどの卵を取り出す。それは先ほどメガビョーゲンから拝借したブドウのようにくっついている卵だ。

 

「それってメガビョーゲンから生まれた卵ブル?」

 

「えぇ、そうね。何やらメガビョーゲンと同じ不健康な香りがするのよねぇ」

 

ドクルンが何やらいいことを思いついた顔で言っていると、扉が開く音がした。

 

「でかい音が聞こえるから何なのかと思ったら、あんた戻ってたの?」

 

「・・・別にどうでもいいけど、ここは何?なの」

 

クルシーナとイタイノンだ。それもクルシーナは寝起きを起こされたかのようなしかめっ面をしていて、イタイノンは無表情で部屋を見渡している。

 

「実験室ですよぉ。あの子を人体実験するためのねぇ」

 

ドクルンは不敵な笑みでそう言うと卵を持ったまま、奥の部屋へと向かっていく。クルシーナはそれを聞くとしかめた顔を更に不機嫌にする。

 

「あんたってそういうの好きよね」

 

「おや? 褒めてるんですかぁ?」

 

「別に褒めてないの」

 

ドクルンの言葉をイタイノンが否定する。

 

「っていうか、それ何?」

 

クルシーナがドクルンの持っている卵のようなものを見て、彼女に問う。

 

「ああ、これですか? 私のメガビョーゲンが落としたものですよ」

 

「・・・それにしては、魚の卵みたいなの」

 

「でも、ただの卵じゃないみたいなんですよねぇ」

 

ドクルンは部屋へと入っていくと、ぶどうみたいについている卵を1個ずつ取って、少女のベッドの周囲へ囲むように置いていく。

 

全て置き終わると部屋から出てきて、窓から少女のベッドの様子を見る。

 

「何やってんの? 卵なんかあっちに並べちゃ意味ないじゃない」

 

「まあまあ、見ていてくださいよ」

 

ドクルンがそう言うと周囲に置かれた卵がプルプルと動き出す。

 

「・・・ん?」

 

クルシーナはしっかりと凝視していた。震える卵から何やら淀んだ何かが伸びてきたかと思うと・・・。

 

「・・・!?」

 

その何かはすべての卵から一斉に飛びかかり、少女を包み込んだ。

 

「!・・・!!」

 

少女の方へと視線を向けると、顔をしかめて苦しそうに顰めているのが見えた。

 

「・・・ふむ、何やら抵抗しているようですねぇ」

 

「・・・へぇ」

 

ドクルンはその様子を見て顔をしかめていた。逆にクルシーナは少女の顔を見てほくそ笑んだ。

 

「面白そうなことになってるじゃない。あの子の顔を苦しそ」

 

クルシーナはどうやら少女が苦しんでいる姿に喜びを感じている様子。

 

「・・・悪趣味なだけなの」

 

イタイノンは無表情で呆れたような声を出していた。

 

「まあまあ。でも、まだ馴染むのに時間がかかるみたいですから、このままにしておきましょう」

 

ドクルンは二人にそう言うと顔を俯かせる。

 

「・・・抵抗なんか無駄なだけなのに」

 

どこの誰に言ったのかはわからないが、クルシーナとイタイノンには聞こえないような声で言うドクルンに、二人は疑念を抱く。

 

「・・・どうしたの?」

 

「なんかブツブツ言って気持ち悪いの」

 

「・・・いえ、何でもないですよ。さてと、お父様に報告に行かないと」

 

顔を上げたドクルンはいつもの口調でそう言うと部屋を出ようとする。

 

「報告って何よ?」

 

「何やら、プリキュアが二人に増えたみたいなんでねぇ。一応、言ってはおかないと」

 

「はぁ!? 増えたの!? ・・・全く・・・シンドイーネもあんたも何やってんだか・・・」

 

ドクルンのお気楽な言葉に、驚きつつも心底面倒臭そうな声を出す。

 

「・・・クルシーナも大概なの。負けて帰ってきたんだから、なの」

 

「うるっさい!! まぐれだからいいんだよ、あんな戦い!! アタシは負けたつもりはないからね!!」

 

キングビョーゲンの元へと向かおうと、クルシーナとイタイノンも部屋から出ていく。

 

3人が部屋から出て行った後、奥の部屋では淀んだ何かが少女の体内へと入ろうとしているのであった・・・・・・。

 




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