ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
今回で原作第26話はラストになります。
この話にかすみに関する不穏な一文を入れていますが・・・・・・どうなっていくんでしょうかねぇ?
クルシーナの生み出したメガビョーゲンと戦う、アスミとかすみ。しかし、肝心なエレメントさんを見つける能力を持っているものがおらず、そこをメガビョーゲンに攻撃されてしまう。
二人はそんなメガビョーゲンに苦戦を強いられていた。
「メッガァ!!!」
メガビョーゲンは目から赤い光線を放つ。
「っ!!」
ドカァァァァァン!!!!
かすみは赤い光線を飛び退いてかわす。
「メガァ!!!」
「っ!!!」
メガビョーゲンはさらにアースに目掛けて、赤い光線を放ち、アースも飛び退いてかわす。
「くっ・・・どうすればいいんだ・・・!?」
「このままだと、体力を消耗してしまいます・・・」
かすみとアースは打開策を見出せず、メガビョーゲンのなすがまま。一方的に、攻撃を受けて体力を削られるのも時間の問題であった。
「メガァ・・・」
そんな中、メガビョーゲンはツルのようなものをかすみに向かって伸ばす。
「! しまった・・・あぁ!!」
ツルはかすみの右足に巻きつき、引っ張られたかすみは転倒してしまう。
「かすみさん!! っ!!」
アースがかすみに向かって叫ぶも、アースの右腕にもツルが飛んで来て巻きつく。
「っ・・・はぁっ!!」
「メガァ!!」
かすみはメガビョーゲンに引き寄せられながらも、黒い光線を放つ。しかし、光線はひまわりの形をした両手に防がれてしまう。
「っ、ふっ!!」
アースは逆にメガビョーゲンへと迫り、飛び上がって攻撃を加えようとする。
「メガァ!!」
「!? あぁ!?」
メガビョーゲンはそれを視認すると、かすみを空中で逆さ吊りのような感じで持ち上げる。
「メェェェガッァ!!!」
「うぅぅ、うわぁぁぁぁぁ!!??」
「!! あぁっ!?」
メガビョーゲンはそのままアースに向かってかすみを投げつけ、アースは直撃を受けて、二人はそのまま地面へと叩きつけられてしまう。
「うっ・・・!」
「くっ・・・!」
「メガァ!!!」
「「!!」」
二人はなんとか立ち上がろうとするが、メガビョーゲンはさらに両手から種のような弾を放って、着弾して爆発させる。
煙が晴れた頃には、その場に倒れ伏している二人の姿があった。
「あらぁ? いつもの威勢はどこに行っちゃったのかしら?」
「くっ・・・!」
「うぅぅ・・・」
クルシーナが二人の姿を見て嘲笑し、アースとかすみは体を起こして立ち上がろうとしていた。
「なんでやられてんのか知らないけど、まあいいや」
今なら二人まとめて倒すチャンスだと踏んだクルシーナはメガビョーゲンの方に振り向く。
「メガビョーゲン、とっととトドメ刺しちゃって」
「メガァ・・・!!」
クルシーナの指示を受けて、メガビョーゲンは目に禍々しいエネルギーを溜め始める。
「うぅっ・・・!!」
かすみは悔しそうな表情でメガビョーゲンを見やる。
「あぁ・・・!!」
アースは呆然とした様子でメガビョーゲンを見る。
「ふふふ・・・♪」
クルシーナは不敵な笑みを浮かべながら、絶望することしかできない二人のことを見つめる。
「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」
「メ、ガァッ!?」
光線を放とうとしたメガビョーゲンの顔面に、3色の蹴りが同時に炸裂し、メガビョーゲンは背後へと倒れる。
「っ!!」
「あぁ・・・!?」
クルシーナはそれに顔を顰め、かすみは、アスミと自分の前に立つ3人の姿を見て、呆然としたような表情を浮かべる。
「何ぃ? 結局、来たのぉ~・・・?」
クルシーナは面倒臭そうな様子で呟いた。
「気づくのが遅れてごめん!!」
「まさか、ビョーゲンズが来てるとは思わなかったわ!!」
「すぐ浄化してーーーー」
3人はそれぞれアースとかすみに話すように言ったが、かすみは・・・・・・。
「・・・いいよ」
かすみの声はどこか暗くなっているような顔だった。
「かすみちゃん・・・?」
「みんな、事情があったんだろ・・・? 遅れたってしょうがないさ・・・」
かすみはプリキュアたちの前に出るとそう呟き、黒いオーラに包まれていく。
「っ!? かすみ!! ダメェ!!」
「また暴走しちゃうよ!!!!」
フォンテーヌはその様子を察して叫び、見たことがあるスパークルは叫ぶもすでに遅く、かすみはオーラの中で変化を遂げ、晴れた際には変貌した姿を晒した。
金色の髪は銀色に変化した赤く禍々しいオーラが漂うものになり、赤く染まった頭の二つのリボン。赤い手袋が黒く変化し、両手に持っている黒いステッキは色こそ変わらないものの、禍々しい赤色のオーラに包まれている。
かすみはまたあの姿へと変貌してしまったのだ。
「へぇ〜、それがドクルンが言ってた噂の姿ってワケ?」
クルシーナは不敵な笑みを浮かべながら、そう察する。
かすみはそれに答えることなく、その場から姿を消すと、いつの間にかメガビョーゲンの顔の横に移動し・・・・・・。
「メガァ!?」
メガビョーゲンの顔面に強烈な蹴りを食らわせて吹き飛ばし、地面へと着地する。
「メェッガァ!!!」
メガビョーゲンはすぐに立ち上がって、目から禍々しい赤色のビームを放つ。
「・・・・・・・・・」
かすみはまたその場から姿を消すと、再びメガビョーゲンの眼前に姿を現す。
「メ、メガァ〜!?」
驚いたメガビョーゲンはとっさにひまわりの形の両手を合唱するように挟む潰そうとするが、かすみは両手を横に広げて防ぐ。
「メ、ガァ〜・・・」
「っ・・・」
かすみはメガビョーゲンの攻撃を抑えつつ、そのまま地面へとゆっくりと降りていく。メガビョーゲンは潰してやろうと力を入れるも、かすみの力も緩む気もなく、メガビョーゲンは苦しい表情を浮かべているのに対し、かすみは感情のない表情でどこ吹く風で押さえつけている。
「っ!! かすみだけにやらせちゃいけないわ!!」
「そ、そうだね!!」
「うん!!」
プリキュアたちはかすみをこれ以上戦わせてはいけないと判断し、エレメントボトルを取り出す。暴走させてしまうときっと悪いことが起きる、それはドックランで起こったあの時から察していたからだ。
「葉っぱのエレメント!!」
「雨のエレメント!!」
「火のエレメント!!」
三人はそれぞれのエレメントボトルをステッキにセットする。
「「「はぁっ!!!!」」」
そして、同時にメガビョーゲンに向かって放つ。
「メ・・・メッガ・・・!?」
それぞれの力を載せた三色の光線はメガビョーゲンに直撃し、怪物は苦しそうに呻く。
「私も参ります!!」
アースもその場からメガビョーゲンの頭の上に飛び上がる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「メガァッ・・・!?」
そこから急降下してメガビョーゲンの上に踵を落とし、怪物を怯ませた。
「ふん・・・っ!!」
「メ、メ、メガァ・・・!?」
かすみはメガビョーゲンの両手の力が弱まったことを見計らって、片手を逆に掴み上へと持ち上げる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ、あぁぁっ!!!!!」
「メガビョ〜〜〜ゲン・・・!?」
そして、そのまま体を回転させるとメガビョーゲンを振り回し、そのまま投げ飛ばした。ものすごい音を立てて、メガビョーゲンは地面へと叩きつけられた。
「す、すごい・・・!」
「メガビョーゲンを投げ飛ばしちまったぜ・・・!?」
それを見ていたスパークルとニャトランは驚いていた。
「ふ〜ん、やるじゃない。着実に強くなってるわね」
クルシーナはかすみの様子を見てそう呟いた。その表情には特に悔しさそうにしている感じは見受けられず、冷静に見ている。
「プリキュアァ!!」
かすみはメガビョーゲンが完全に伸びていることを見て、プリキュアたちに呼びかける。
キュン!
「「キュアスキャン!!」」
それに答えるように頷くとグレースはステッキの肉球に一回タッチして、メガビョーゲンに向ける。ラビリンの目が光り、メガビョーゲンの中にいるエレメントさんを見つける。
「花のエレメントさんラビ!!」
グレース、フォンテーヌ、スパークルはミラクルヒーリングボトルをセットする。
「「「トリプルハートチャージ!!」」」
「「届け!」」
「「癒しの!」」
「「パワー!」」
グレース、フォンテーヌ、スパークルの順で肉球にタッチしていき、ステッキを上に掲げる。すると、花畑が広がっていき、背後には自然豊かな森が広がっていく。
「「「プリキュア! ヒーリング・オアシス!!」」」
3人は一斉にメガビョーゲンへとステッキを構え、ピンク・青・黄色の3色の光線が螺旋状になって放たれる。螺旋状の光線は混ざり合いながら一直線にメガビョーゲンに直撃する。
螺旋状になった光線はそれぞれの色の手へと変化して、3本の手が花のエレメントさんを優しく包み込んでいく。
3色に光るハート状にメガビョーゲンを貫きながら、光線はエレメントさんをメガビョーゲンから外へと出す。
「ヒーリングッバイ・・・」
メガビョーゲンたちは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。
「「「「「「お大事に」」」」」」
花のエレメントさんが宿っていたひまわりに戻っていくと、蝕まれた場所は元に戻っていく。
「ワフ〜ン♪」
体調不良だったラテも額のハートマークが黄色から水色に戻り、元気になった。
「・・・・・・まあ、いいや。帰ろっと」
クルシーナがそう呟くと、フーミンと一緒にその場から姿を消した。
「今日もうまくいったね〜!! イェイ!! イェイ!!」
スパークルはそう言いながらグレースとフォンテーヌハイタッチをして、自分たちを讃えた。
「・・・・・・私も、皆さんと一緒に、お手当てをしたいです」
アースは変身を解いてアスミに戻ると、三人を見ながら寂しげにそう呟いた。
「・・・・・・・・・」
かすみは髪を銀髪から金髪へと戻った後、グレースたち3人を悲しそうな表情で見つめる。
「・・・行こう、アスミ」
かすみはアスミの手を取りながらそう言うと、その場から歩き去ろうとする。
「あぁ・・・!!」
「三人水入らずを邪魔しちゃ野暮だ。私たちは大人しく家に戻ろう」
アスミは三人の方を振り向きながら気にするも、かすみは振り向かずにそのまま前を向いて歩く。
「あ、かすみちゃん、待って・・・!!」
「来るな!!!!」
引き止めようとしたグレースに対し、かすみは大声で拒絶する。
「もう、追求したりしないから・・・三人で楽しんで来い・・・」
「そ、それは・・・」
かすみは冷静な口調に戻してそう言う。グレースは違うと言おうとして、スパークルに止められる。それを言ってしまえば、あることをバラしてしまうことになるからだ。
かすみはそのままアスミを連れて歩き去っていくのであった。
日が落ちてきた頃、かすみとアスミはのどかの家にいた。
アスミは自分の部屋で日記を書き記していた。その横でかすみは膝を抱えて座りながら、太ももの間に顔を埋めていた。
アスミは「ラテさま日記」と書かれた日記を閉じると、窓の外を見つめる。
「ワン! ワンワン! ワンワン!!」
「っ?」
と、そこにラテがアスミとかすみの様子を気にして声をかける。
「すみません、少々考え事を・・・」
「・・・ラテ、のどかたちはいいよな。学校のお友達と一緒に楽しんでいるんだろうな」
「クゥ〜ン・・・」
かすみがラテに気づくと、彼女は寂しげに微笑みながら頭を撫でる。ラテは元気のなさげな彼女を心配した面持ちで鳴いていた。
「あ、そういえば気になったんだが、アスミとラテはどうしてパートナーになったんだ?」
かすみはラテの頭から手を離すと、アスミにそう問いかける。
「あっ、そうでした。私とラテのことも書かないといけませんでしたね」
アスミはかすみの言葉で思い出すと、ラテを自身の膝に置いて話し出した。
「私が誕生したきっかけは、テアティーヌの願いを聞いた地球が私を生み出しました。私は最初、病気で元気のないラテをヒーリングガーデンに帰せば不調は治ると思っていました。でも、ラテは私に一緒にお手当てをして欲しいという願いを受けて、私はのどかたちとお手当てをすることにしました」
「そうだったんだな。今のアスミがいるのは、ラテやのどかたちのおかげか・・・」
「はい♪」
アスミはかすみに微笑みながらそう言うが・・・・・・。
「私はラテをお守りするために生まれました。私はラテがいれば、それで十分なのです・・・」
「クゥ〜ン・・・」
そう呟くアスミの表情はどこか寂しげだった。ラテもどこか心配な様子で鳴く。
「・・・本当にそうか?」
「え・・・?」
「だって、さっきからアスミは寂しそうな顔をしている。それはちゆから教わった悲しいっていうことなんじゃないのか? 本当は、のどかたちと一緒に遊びたかったんじゃないのか?」
かすみは険しい表情をしながら言うも、その顔にはどこか寂しげな様子が見えていた。
「・・・すみません。私、本当は・・・のどかたちと一緒に花火大会に行きたかったのです・・・」
アスミが悲しそうな顔を隠さずに吐露すると、かすみは体をプルプルと震わせ始めた。
「私も、そうだ・・・! 本当はのどかたちと一緒に行きたかった・・・でも、みんな、私たちに隠して行っちゃうなんて・・・友達だと、思っていたのに・・・!!」
かすみは瞳をウルウルと潤ませ、いまにも泣きそうな表情だった。
(のどか・・・どうしてだ・・・私は、みんなが好きなのに・・・)
かすみは心の中でそう考える。すると、かすみの瞳が黒く虚ろになっていき、黒いオーラを発し始める。
(みんなは、私たちが嫌いなんだ・・・だから、私を仲間外れにするんだ・・・そんな奴らなんかいっそのこと病気で苦しんでしまえば・・・!!??)
かすみの心に邪な考えが宿っていく。かすみはそれにハッとなると、首を振って否定する。
「違う違う・・・!! のどかたちにもきっと事情があって・・・!!」
「かすみさん・・・どうしたんですか!?」
アスミは突然、頭を抱え始めたかすみを心配して駆け寄る。しかし、かすみは突然体をプルプルと震わせるのを止めると、アスミの方を見た。
「アスミこそどうしたんだ? また半透明になっているぞ・・・」
「悲しいけど、かすみさんが辛そうにしているのも悲しくて・・・」
「何を言っているんだ? 私は辛くはないぞ・・・」
かすみはそう言いつつも、その瞳は涙目になっていた。
コンコン・・・。
「アスミちゃん、かすみちゃん、いるかな?・・・開けるよ?」
そこへ帰ってきたのどかが声をかけて、扉を開けた。
「アスミちゃ・・・アスミちゃん!? かすみちゃん!?」
「ぁ・・・・・・」
「っ・・・のど、か・・・?」
部屋に入るなりのどかは驚いた。アスミの体は半透明になっていて、かすみは瞳を虚ろにしながらも、その瞳は涙目になっていたからである。
そんな二人を心配してのどかは急いで、彼女たちを連れ出した。
外はすっかり暗くなっており、すでに夜だ。のどかは二人に目を瞑るように言い、二人は目を瞑り、のどかの手を取りながら歩いていた。
「足元、気をつけてね」
「はい・・・」
「でも、どこに連れて行かれるんだ?」
のどかは二人に声をかけながら移動し、やがてある場所へとやってくると二人をその前に立たせる。
「もういいよ。目を開けてみて」
「はい・・・え・・・?」
「なんだ、これは・・・?」
驚いた二人の目の前にあったのは、水の入った木の桶のスイカ、竹で作られた台、そして、ちゆとひなた、妖精たちが待ち構えていた。
「ふふっ♪」
「「「「サプラ〜イズ!!」」」」
のどかは二人の目の前に立つと、みんなと一緒にそう叫ぶ。
「みなさん!?」
「これは・・・?」
二人が驚きの声をあげた、その時だった。
ヒュゥ〜〜〜〜〜〜、ドォン!!
二人の背後に光の玉が打ち上がり、夜空に綺麗な黄色と紫色の花を咲かせた。
「っ、あれは!!」
「花、火・・・?」
「やったぁ〜!! アスミンとかすみっちが驚いたぁ〜♪」
「「・・・え?」」
二人が驚きの声をあげると、ひなたが後ろから二人を抱きしめた。
「アスミちゃんとかすみちゃんを驚かせるために、みんなでこっそりと準備してたんだよ♪」
「驚いてみたいって言ってたでしょ?」
のどかとちゆの言葉に、きょとんとしていたアスミとかすみだったが、全て自分へのドッキリだと認識すると・・・・・・。
「ふふっ。そういうことでしたか♪」
アスミは笑みを浮かべ、半透明だった体も元に戻った。
(私たちに黙って楽しんでたんじゃなかったんだ・・・全ては私たちのために・・・)
「・・・全く、お茶目なことをするなぁ♪ 三人とも♪」
かすみは口では皮肉を言いつつも、その表情には満面の笑みが浮かんでいた。
「ラテもアスミちゃんやかすみちゃんを引き止めようとしたんだけどね・・・」
「まぁ、ラテも知っていたのですか?」
「そうだったのか・・・」
ラテも一緒にのどかたちの計画に参加していたことを知って、驚くアスミとかすみ。
「俺たちも流しそうめんの組み立てに苦労したんだぜ〜」
「ラビリンたちの力作ラビ!!」
「竹を集めるのは大変だったペエ〜」
ヒーリングアニマルたちは流しそうめんの台を作るのに協力していた。
「ふふっ♪ 本番はこれからよ」
「えへへ♪」
ひなたが笑みを浮かべながら取り出したのは、昼間、彼女が持っていた紙袋に入っていた浴衣だった。
「あ、それ・・・」
のどかたちはみんな、自分たちの思い思いの浴衣を着た。
のどかは薄いピンク生地に花柄の模様がある浴衣で、前髪の一部を編み込みしている。ちゆは白池に青色の金魚の模様の入った浴衣で、髪はお団子にまとめている。ひなたは青地にピンク色の花火の模様が入った浴衣で、髪は左側に寄せて盛り、黄色と白の髪飾りでまとめている。
そして、アスミの浴衣は紫地に水色の風車の模様が描かれた浴衣で、髪は三つ編みにまとめて右に垂らしており、かすみの浴衣は黒地に白い葉っぱと花の模様が描かれた浴衣で、髪はハイツインテールにして、そこに黒いリボンを付けている。
「の、のどか・・・に、似合っているぞ・・・」
「ふふっ♪ かすみちゃんも似合ってるよ♪ カワイイ♪」
「っ・・・・・・」
かすみは恥ずかしそうにモジモジとさせながら言い、のどかも彼女の姿を見てそう言うとかすみは顔を真っ赤にさせた。
「それじゃあ、流すペエ!」
台の上にホースから水を流した台の上から、ペギタンがそうめんを流していく。
「これが、流しそうめん・・・!」
「楽しそうだな・・・!!」
アスミとかすみは初めて見る流しそうめんに目を輝かせる。
「ふふっ・・・こうして食べるのよ」
「「「「おぉ〜!!!」」」」
ちゆがお手本としそうめんのうまく箸で掴み、麺つゆにつけて食べ方を教えると、のどかたちは拍手を送った。
「ふふっ♪」
かすみはお椀を持つと、流してくれるそうめんを箸で掴む。
「おっと・・・よし!」
箸で掴んだそうめんを落としそうになりつつも、お椀の中にうまく入れる。
「あむ・・・ズルズル・・・おぉ!! 美味しいなぁ!!」
「「「ふふっ♪」」」
かすみは生まれて初めて食べた流しそうめんに目をキラキラと輝かせる。のどかたちはその様子を見てお互いに笑みを浮かべた。
その後は流しそうめんを皆で食べ始め、楽しんでいると・・・・・・。
ヒュ〜〜〜〜〜〜、ドォン!!!
「ふわぁ〜!!」
「「あはは♪」」
「おぉ〜!!」
また空に花火が上がったと思うと、空に浮かんだのはラテの顔を模した花火であった。
「ラテが空に!!」
「打ち上がったなぁ・・・!!!」
「私たちの学校の生徒の打上くんのお父さんが花火師さんなの♪」
「特別に作ってもらったんだ〜♪」
「あぁ・・・・・・」
流しそうめんに加えて、打ち上げられたラテの花火に、アスミは心奪われていた。
「どう? アスミちゃん、かすみちゃん。たくさんびっくりできた?」
「ええ♪ 私・・・びっくりが大好きになりそうです♪」
「うん♪ 記憶に残る、びっくりになりそうだよ♪」
アスミとかすみも笑顔でそう言った。
(私は、まだここにいていいんだ。のどかたちとこうして楽しい日々を過ごせるのなら)
かすみは心の中で、自分に安堵した。邪な考えなんか関係ない、こうやって楽しいことをしていければ、それで満足だと・・・・・・。
こうして、のどかたちは楽しい夜を過ごすのであった・・・・・・。
のどかたちと出会い、彼女たちの元で友達として過ごし、楽しい毎日を過ごすかすみ。
しかし、ビョーゲンズが起こしたとある事件をきっかけに抗えない運命を辿ることになろうとは、彼女自身はまだ気づくこともなかったのであった・・・・・・。
キングビョーゲンの娘がアジトとしている廃病院、その屋上でクルシーナとフーミンは下界の街に飛び回るある物を見ていた。
「ふーん・・・仲間を増やしたからストームビョーゲンも増えてるのね」
「お姉様、あれ、なんですかぁ・・・?」
クルシーナが興味深そうに見つめていると、フーミンが疑問を抱いてクルシーナに問いかけてきた。
「あれはストームビョーゲン、簡単に言うなら核に集まっているナノビョーゲンの軍勢ね。この街にのさばらせておいて、永遠に病気になるようにしてくれているのよ」
「んぅ・・・プリキュアの住む街に出せばいいんじゃないですかぁ・・・?」
クルシーナがそう説明すると、フーミンはすこやか市に出撃させればいいのではと提案をする。
「そんなに簡単じゃないわよ。制御も難しいし、下手したらアタシたちまで取り込まれちゃうから、簡単にこの街からは出せないのよ」
「そうなんですねぇ・・・」
クルシーナが面倒臭そうに説明すると、フーミンは一応納得する。
「それにしても、あいつら、段々とお手当てができるようになってる。まあ、誰かに助けられて、だけどね・・・」
クルシーナは不機嫌そうな顔でストームビョーゲンを見つめながら、プリキュアがパワーアップしたときのことを思い出す。
ダルイゼンのメガビョーゲンにプリキュアたちは全く叶わず、回転攻撃の一撃で終わるはずだった。その時だった。
パァァァァァァァ・・・!!!
『『!!??』』
突然、何かが光り出し、その姿を見たダルイゼンとクルシーナは驚愕した。その光のもとは吹き飛ばされたプリキュアの3人からだった。光の柱が上がり3人が立ち上がると、その手にはハートに花と水と光の装飾がついた、エレメントボトルが握られていた。おそらく、自然界に宿っているエレメントどもが力を貸したのであろう。
そして、プリキュアたちはあの技を繰り出したのだ。
『『『トリプルハートチャージ!!』』』
『『届け!』』
『『癒しの!』』
『『パワー!』』
グレース、フォンテーヌ、スパークルの順で肉球にタッチしていき、ステッキを上に掲げる。すると、花畑が広がっていき、背後には自然豊かな森が広がっていく。
『『『プリキュア! ヒーリング・オアシス!!』』』
3人は一斉にメガビョーゲンへとステッキを構え、ピンク・青・黄色の3色の光線が螺旋状になって放たれる。螺旋状の光線は混ざり合いながら一直線にメガビョーゲンに直撃する。
3色に光るハート状にメガビョーゲンを貫き、あれだけプリキュアを苦戦させたメガビョーゲンはあっさりと浄化されてしまったのであった。
「・・・・・・・・・」
クルシーナはそれを瞑目しながら思い出す。そして、忘れてはいけないのはあの出来事だ。
「そして、あいつらは・・・この街にも来た・・・!!」
クルシーナはプリキュアどもがこの街に来たことも思い出す。間接的にこちらの世界に引き込んだとはいえ、プリキュアをこの世界に連れて行ったのだ。
プリキュアたちを散り散りにし、地球はすでに奪われているという絶望を突きつけてやろうと考えた。お前たちのお手当ては何をやっても無駄だということを・・・・・・。
しかし、あいつらは決して諦めなかった。自分たち三人娘が融合させたメガビョーゲンに対しても、勝てないと分かっておきながら立ち向かおうとし、最後まで希望を捨てなかった。
いや正確にいえば、絶望を与えたのだ。プリキュアたちは確かに絶望していた。それを止めさせたのは、あの設楽という自分たちを救わなかったヤブ医者がいたからだった。
だから、プリキュアをストームビョーゲンを使って消そうと考え、次いでに消そうと考えた設楽を葬り去ることに成功した。その結果、キュアグレースは絶望し、自分に恐怖を抱かせることに成功したが、結果的にエレメントさんの邪魔が入ってあいつらを消すことは叶わず、逃げられてしまった。
「・・・もうあいつらはここには来させない・・・あの街で絶望させて、苦しめてやる・・・お前らの頑張りなんか無駄だってこともな・・・!!!!」
クルシーナは睨むような表情で街を見つめながら、そう呟いた。
「お姉様ぁ・・・? 何をブツブツ言ってるですかぁ・・・?」
「・・・なんでもないわよ。さあ、あいつらのところに戻ってすこやかまんじゅうでも食べるとしましょうかしらね」
クルシーナはきょとんとしているフーミンにそう言うと立ち上がり、彼女を連れて廃病院の中に戻っていく。
(そろそろ、あの脱走者も迎えないといけないわね・・・アタシたちビョーゲンズの仲間として。さて、どうしようかしら・・・?)
「ふふふ・・・♪」
クルシーナはそう心の中で考えると、不敵な笑みを漏らすのであった・・・・・・。