ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter 作:早乙女
プリキュアから逃げ帰ってきた、シビレルダだったが・・・・・・。
原作第28話がベースの話は、あと2話ぐらいで完結予定です。
「クルシーナ様ぁぁぁ!!!」
クルシーナは目の前の光景に、不機嫌そうな表情を浮かべていた。なぜなら、地球を蝕むと豪語していたシビレルダが逃げ帰って来た上に、プリキュアの連中を連れて来たからだ。
「クルシーナ様、この小娘たちが寄ってたかっていじめようとするんですの〜、なんとかしてくださいまし!!」
「・・・・・・・・・」
シビレルダがクルシーナの背後に回って、庇ってもらおうとするが、不機嫌そうなクルシーナは無言だった。
「クルシーナだ!!」
「あぁ〜!!あんた、のどかっちとかすみっちをどこにやったのよ!?」
「のどかとかすみさんはどこにいるんですか!? 早く解放しなさい!!」
プリキュアたちはクルシーナの姿を視認すると、のどかとかすみを返してもらおうとする。
「・・・お前らバカなの? 見りゃわかんだろ。あいつらはいないよ」
「のどかとかすみをどこにやったの!?」
かすみに渡したことを知らないプリキュアたちはクルシーナを問い詰めようとする。
「お前らに教える義務なんかあると思う? アタシは今、機嫌が悪いんだからさぁ」
シュイーン!
「あ・・・」
ゲシッ!!!
「あぁぁ!?」
クルシーナは不機嫌そうな声でそう言うと、シビレルダの背後へと瞬間移動をすると彼女の背中を蹴り飛ばす。
「・・・アンタ、テラビョーゲンなんだろ? 進化したアンタがプリキュアごときに遅れを取るはずなんかないと思うけど?」
「で、ですが、クルシーナ様・・・ワタクシは・・・!」
クルシーナが威圧しながらそう言うと、シビレルダは体をガタガタと震わせる。何やらプリキュアと戦うことに怯えているようだが、そんなことをビョーゲンズの幹部であり、娘でもあるこの女が許すはずもなかった。
「戦えないって・・・? ハッ、最近生まれたばかりのビョーゲンズですら戦えるのに?」
「違います!! でも、ワタクシは・・・」
「言い訳なんていらねぇんだよ。とっととプリキュアを倒せ!! メガビョーゲンがダメならお前がやるんだよ」
「っ・・・」
「やれないなら、お前をアタシと一つにするけど? その代わりお前の存在と自我は無くなるけどね」
シビレルダの話の途中で遮りながらクルシーナは高圧的な口調で言う。お前が戦えないなら、お前を吸収して自分の力とするしかない。脅しのような発言だが、クルシーナの目は本気だった。
シビレルダは身を震わせるが、断れば自分が消されてしまうため、やらないと言うわけにはいかなかった。
「・・・わかりましたわ。ワタクシがプリキュアを倒して見せます」
「・・・ふん」
シビレルダからその言葉を聞いたクルシーナは、特に何も答えずに木に寄りかかって静観を始めた。
「ちょっと!! あんた、そういう言い方ってあんの!?」
「酷すぎます・・・!!」
「あなたが相手をすればいいじゃない!!」
プリキュアたちはあんまりな行いに怒りを露わにする。彼女が戦えなければ、クルシーナ本人がやればいいのに、それを脅して無理矢理やらせようとするなんて、無慈悲にもほどがある。
「そいつを浄化できたら相手をしてやるよ。ほら、シビレルダ!」
クルシーナはそれをどこ吹く風で聞き流し、シビレルダに命令する。
「お覚悟!!」
シビレルダはその場から立ち上がると、プリキュアたちは警戒して構える。振り向きざまに日傘を構え、ピンク色の光弾を放つ。
「「ぷにシールド!!」」
フォンテーヌとスパークルは、肉球型のシールドを展開して光弾を防ぐ。しかし、そんなプリキュアたちの背後にシビレルダが現れる。
「「「っ!!」」」
「ふっ!!!」
「「「あぁっ!!」」」
シビレルダは日傘を薙ぎ払うように振るい、三人を吹き飛ばす。三人は転がされるも、なんとか立て直して踏ん張る。
「っ!?」
「はぁっ!!」
シビレルダはまずアースに狙いをつけ、日傘を構えるとピンク色の光弾を次々と放つ。アースはそれを交わしつつ、シビレルダへと迫っていく。
「はぁぁぁぁっ!!」
「っ・・・!」
アースはパンチを繰り出し、シビレルダはそれを片手で受け止める。
「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」
そこへフォンテーヌとスパークルが蹴りを放つが、シビレルダは日傘を開いて盾のように防ぐ。
「みんな、邪魔ですわ・・・!!!!」
「「「きゃあぁぁ!!!!」」」
シビレルダはそうぼやくと、それぞれの方向に受け流して体を回転させて三人を吹き飛ばす。
「っ、強い・・・!」
「やっぱり、テラビョーゲンですね・・・」
「でも、負けるわけにはいかないし・・・!!」
プリキュアたちはそう言いながらも立ち上がるが、シビレルダは閉じて日傘を構えるとピンク色の光弾を連続で放ち、爆発を起こす。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
「っ!!」
その爆発の煙からフォンテーヌが飛び出してパンチを繰り出すも、シビレルダは受け止めて後ろへと受け流す。
「やぁぁぁぁぁぁ!!」
「っ、はぁっ!!」
「っ・・・!」
次にスパークルが蹴りを放つも、シビレルダは日傘を彼女の腹部に挿して吹き飛ばす。
「空気のエレメント!!」
アースが取り出したハープに空気のエレメントボトルをセットする。
「ふっ!!」
ハープから無数の空気の弾がシビレルダに向かって発射される。
「ふん!」
シビレルダは日傘を開くと、高速で回転させて赤い風を起こし、空気の弾を吹き飛ばした。
「っ!! あぁっ!?」
それに驚いたアースはそのまま放たれた赤い風に飲み込まれる。
「「アース!!」」
二人はアースを心配するが、そのフォンテーヌの近くへシビレルダが一気に詰め寄る。
「はぁっ!!」
「うっ!?」
シビレルダは閉じた日傘を腹部へと刺突させ、隙を突かれたフォンテーヌは目を見開いて苦痛に呻く。
「きゃあぁぁ!!」
そこへシビレルダはさらに回し蹴りを放って、フォンテーヌを吹き飛ばした。
「フォンテーヌ!! 許さない!!」
シビレルダへと怒ったスパークルが飛び出し、パンチと蹴りの応酬を繰り出す。しかし、シビレルダはパンチを手で受け流したり、蹴りを避けたりと最小限の動きでいなしていく。
「はぁっ!!」
「っ・・・ふっ!!」
「あぁっ!?」
スパークルは踵を落とすも、シビレルダは日傘で受け止め、さらに持っていない方の手でピンク色の光弾を放って吹き飛ばす。
「・・・・・・・・・」
クルシーナはその戦いの様子を黙って静観していた。その表情は不機嫌そうな表情だが、真剣に見ていた。
特にシビレルダを見ていて、何かを思い出しそうな感じだった。
シュイーン!
「!!」
と、そこへ風を切ったような音が聞こえてきたかと思うと、振り向けばダルイゼンの姿があった。
「・・・何しにきたワケ?」
「お前のテラビョーゲンの様子を見に来ただけだけど?」
「正確に言えば、アタシのじゃないけどね。アタシが促進させてやったけど」
ダルイゼンはクルシーナの隣に近づきながらそう言うと、彼女は不機嫌そうな表情を崩さずに言った。
「・・・どういうこと?」
「話してたか覚えてないけど、アタシらは元々キングビョーゲンの娘として4人同時に生まれて、一緒に配下になるはずだったの。クラリエットお姉様、アタシ、ドクルン、イタイノンのね。あいつはおそらく、そのクラリエットお姉様の赤い靄が患者の女に取り憑いて生まれた存在だと思ってんの。アタシは単にそれをメガパーツで成長が早く終わるように促進させてやっただけってこと」
「・・・ああ、そういうこと」
ダルイゼンが尋ねると、クルシーナは説明する。
「・・・・・・・・・」
二人は話を終わらせると、再びプリキュアとシビレルダの戦いを傍観する。
「キュアグレースはここにいないんだな」
「・・・脱走者が連れてったわよ。まあ、もう脱走者でもないけどね」
「脱走者って、この前のあの女のことか。俺たちと同じ気配の」
ダルイゼンはキョロキョロと見渡してキュアグレースがいないことを呟くと、クルシーナが淡々と話す。
「ええ。今日からアタシたちの仲間になるのよ」
「でもあいつ、メガビョーゲンは作れるのか?」
「作れないけど、作れるようにしてやるさ。あ・・・!!」
クルシーナは淡々と答えていたが、すぐにハッと思いついたように反応した。
「そうだ。あいつにもちゃんと名前を与えてやらないとねぇ」
脱走者にもしっかりとしたビョーゲンズとしての名前をくれてやろうと不敵な笑みを浮かべた。
「氷のエレメント!!」
フォンテーヌは氷のエレメントボトルをステッキにセットする。
「はぁっ!!」
ステッキから氷を纏った青い光線をシビレルダに向かって放つ。
「ふっ!!」
シビレルダは日傘を開いて回転させて、光線を受け止める。
「雷のエレメント!!」
スパークルは雷のエレメントボトルをステッキにセットする。
「はぁっ!!」
ステッキから電気を纏った黄色い光線を放つ。
「っ・・・ぐぅっ!!」
シビレルダは同じように日傘で受け止めるが、そこから通して自身が痺れてよろけ出す。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
そこへアースが飛び上がってこちらに蹴りを繰り出す。
「うぅぅぅ・・・!!!!」
シビレルダは咄嗟に同じように日傘で受け止めるが、力を殺しきれずに背後へと吹き飛ぶ。
「いけるよ!!」
「ええ!!」
スパークルとフォンテーヌは、徐々にシビレルダを押していっていると確信を得ると、二人で同時に飛び上がり、飛び蹴りを繰り出す。
「っ! きゃあぁ!!!!」
シビレルダは咄嗟に日傘を構えるが、力を抑えきれずに日傘ごと吹き飛ばされて転がる。
「アース、今よ!!」
フォンテーヌの言葉を合図に、アースが浄化の構えを取る。
「アースウィンディハープ!」
持っていたハープに風のエレメントボトルがセットされる。
「エレメントチャージ!!」
アースはハープを手に取って、そう叫ぶとハープの弦を鳴らして音を奏でる。
「舞い上がれ! 癒しの風!!」
手を上に掲げると彼女の周りに紫色の風が集まり始め、ハープへとその力が集まっていく。
「プリキュア! ヒーリング・ハリケーン!!!」
アースはハープを上に掲げてから、それを振り下ろすとハープから無数の白い羽を纏った薄紫色の竜巻のようなエネルギーが放たれる。
そのエネルギーは一直線にシビレルダへと向かっていく。
「っ・・・!!」
シビレルダは迫り来るエネルギーに目をギュッと瞑るが・・・・・・。
キュイーン!
その間にクルシーナが割って入り、エネルギーを片手で受け止める。
「? クルシーナ様・・・?」
「・・・ふん」
クルシーナは自分の後ろで膝をついているシビレルダに鼻を鳴らすと、手のひらにバラのような花を生み出すと目の前のエネルギーを吸収していく。
風のエネルギーは少しずつ吸収され、小さくなっていく。
「そ、そんな・・・!!」
「アースの浄化技が・・・!!」
「吸収されていくニャ・・・!」
アースは浄化技をクルシーナに吸収されていくことに動揺する。そうしている間に、風のエネルギーはバラの中に収まっていき、遂には消えてしまった。
「やっぱり、あいつには普通の浄化技は・・・!」
「全く通用してないペエ・・・・・・」
フォンテーヌは以前、クルシーナに完敗を喫したことを思い出す。あの時も、自分たちの浄化技を吸収され、倍にして返されたのだ。
「・・・・・・・・・」
アースの浄化技を吸収したクルシーナは手のひらのバラを消滅させると、自分の腕を振りながら見つめる。
「クルシーナ様・・・!」
「っ・・・・・・」
そこへシビレルダの声が聞こえ、クルシーナは顔を顰めた。
「助けてくださったのですね!! ワタクシ、感無量ーーーー」
ドスッ!!!!
「・・・・・・え?」
シビレルダが嬉しそうな声を出すが、それを遮るかのように彼女の体が揺れた。一瞬、彼女は何が起きたのかわからなかったが、衝撃を受けた場所を見てみる。
すると、クルシーナがシビレルダの胸にメガパーツを押し当てていた。
それを見てシビレルダは動揺して、ガクガクと動かしながらクルシーナの顔を見る。
「ク・・・クルシーナ、様・・・?」
「・・・ふん」
声を震わせながら言うシビレルダに、クルシーナは不敵に笑う。そして、まるで押し込まれるかのようにメガパーツがシビレルダの体の中に入っていく。
ドックン!!!!
「うっ!? ぐっ・・・うぅぅ!!」
シビレルダはその直後、胸を押さえて苦しみ始め、後ずさりをし始める。
「い、一体・・・なに、を・・・??」
「見りゃわかんでしょ。アンタにメガパーツを入れてやったのよ」
「な・・・な、ぜ・・・?」
シビレルダは苦しみながらも問いかけると、クルシーナは不敵に笑いながら答える。シビレルダは理解できなかった。なぜメガパーツを自身の体に入れる必要があったのか。
「・・・アンタが使えないからに決まってんだろ。プリキュア一人まともに倒せないし、メガビョーゲンも大したことない。そんなアンタでも、せめてアタシの実験の役には立てよ」
「そ・・・そん・・・な・・・・・・ぐっ・・・う、うぅぅぅ・・・!!!!」
クルシーナの冷酷な言葉に、シビレルダは絶望の表情を浮かべる。そして、それに呼応するかのように彼女の体から紫色の禍々しいオーラが溢れ出す。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
シビレルダが耐えきれなくなって悲鳴のような絶叫をあげると共に、彼女の体が紫色の禍々しいオーラに包まれていく。
「っ・・・一体、何が起こってるの!?」
「クルシーナが、メガパーツをあいつに入れて・・・?」
フォンテーヌやスパークルが凄まじい轟音に驚く中、禍々しいオーラに変化が起きていた。シビレルダを包むオーラは等身大の大きさから、さらに大きくなっていき、メガビョーゲンほどの大きさになる。
そして・・・・・・。
「ウゥゥゥ・・・ウゥゥゥゥゥゥ・・・!!!!!」
禍々しいオーラが晴れると、現れたのは赤い翼のようなものを生やし、姿はそのままに怪物と化したシビレルダであった。
「うぇぇ!? でっかくなった!?」
「メガパーツの力に耐えられなくなって、暴走しているんだわ・・・!!」
スパークルとフォンテーヌは怪物となったシビレルダを驚いたように見ている。
「ウァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
シビレルダは雄叫びのような咆哮を上げると、ドリルのような髪型を上に突きあげてそこから赤い光線を発射した。すると、それは周囲の木々に当たって赤い靄に包んでいく。
「ふーん・・・テラビョーゲンにメガパーツを入れるとああいうふうになるのね。まあ、こいつの場合は力に耐えきれなかったからだと思うけど、まあ、あいつはどうせ失敗作ね・・・」
クルシーナは怪物と化したシビレルダの様子をつまらなそうに見ていた。
「失敗作ですって!?」
「ひどいじゃん!! そんな言い方!!!!」
「なぜあんなことをするのですか!? あなたを慕っていたビョーゲンズを、あんな姿にするようなことを!?」
クルシーナの冷酷な言葉に、プリキュアたちは口々に怒りの声をあげる。シビレルダがまともに戦えないにしても、あそこまでする必要があったのか。
「心外ね。アタシはあいつを役立てようとしているだけよ。ああいう姿になっちゃえば、少しは力も増すってもんでしょ。運が良かったわね、あいつも」
クルシーナは不敵に笑いながらそう答えた。
「仲間をあんな風にしておいて、なんてこと言うの!?」
「ふーんだ。それよりもあいつをお手当しなくていいの? 放っておいたら取り返しのつかないことになるけど?」
フォンテーヌの咎めるような声も、クルシーナは平然と受け流し、不敵に笑いながらそう言った。
「フォンテーヌ!! 今はシビレルダを止めましょう!! クルシーナたちはその後です!!」
「くっ・・・わかったわ・・・!」
アースの言葉に、フォンテーヌは納得がいかない感情を抱きつつも、3人でシビレルダを止めるために向かった。
「クルシーナ!!」
クルシーナはその背後を無表情で見つめていると、今度はダルイゼンの声が聞こえてくる。
「お前、何をやってるんだ!? せっかく生まれたテラビョーゲンをあんな風にして!!」
「・・・あら、普段は何の興味も持たないようなアンタが、そんな声も出せるんだ?」
ダルイゼンの咎めるかのような声に、クルシーナがどこ吹く風で意外そうな感じで言った。
「お父様の快楽を満たせないような奴なんか必要ないわよ。メガビョーゲンを生み出せても、使えない奴はいたって邪魔なだけよ。だったら、アタシが都合よく利用してやろうと思ってね。まあ、ちょっとした実験もあったし」
「っ・・・これじゃあ、俺たちがやってる意味が全くないだろうが・・・!!」
クルシーナの言葉に、ダルイゼンは拳を握りしめ、悔しそうな表情になりながらそう言う。
そんなダルイゼンに、クルシーナは笑みを浮かべながら肩に手を置く。
「安心しなさいよ。ドクルンにも密かに協力はしてもらってるから、もっと強くて有能なテラビョーゲンを生み出すための作戦をね」
「っ・・・ふん!」
ダルイゼンは何か納得がいかないと言ったような反応をすると、これ以上は何も言わずに引き下がって、プリキュアとシビレルダの戦いを傍観し始める。
「ウァァァァァァァァァァ!!!!」
シビレルダは咆哮を上げながら、赤い光線を周囲にはなって、赤い靄へと蝕んでいく。どうやら完全に正気を失っている様子だ。
「シビレルダ、やめなさい!!」
そこへプリキュアたちが駆けつけ、フォンテーヌが咎めるように叫ぶ。
「ウゥゥ? ウァァァァァ!!!」
唸り声を上げるシビレルダは大きな日傘を生み出すと、それを閉じた状態のまま向け、そこから赤ピンク色の禍々しい巨大な光弾を放つ。
プリキュアの3人は飛んで避けると、着弾した光弾は凄まじい爆発を起こす。
「「はぁぁっ!!」」
フォンテーヌとスパークルはステッキからそれぞれの色の光線を放つ。
「ウゥゥゥ、ウァァ!!!」
シビレルダは両腕でガードすると、それを振り払うように交差して腕を広げる。
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
アースは高い位置から飛んで、シビレルダに向かって蹴りを放つ。
「ウゥゥ!? ウァァァァァァァァァ!!!!」
蹴りはシビレルダの胸に直撃するも、少し後ろによろけただけで、シビレルダはすぐに咆哮を上げるとドリルのような髪を逆立てて、小さな日傘のようなものを複数生成するとそれをプリキュアにめがけて放つ。
「「ぷにシールド!!」」
「うっ・・・!!」
「うぅぅぅ・・・!!!!」
フォンテーヌとスパークルは肉球型のシールドを展開するも、激しい攻撃に吹き飛ばされそうになる。
「うっ・・・・・・」
シールドを張れないアースは両腕を交差させて耐えようとするも、体はボロボロになっていく。
「ウァァァァァァァァァ!!!!」
「「きゃあぁぁ!!!」」
その隙をついてシビレルダは背中の翼を広げて、フォンテーヌとスパークルへと飛び出すと拳を叩きつけて二人を吹き飛ばす。
「フォンテーヌ!! スパークル!!」
「ウゥゥゥゥゥゥゥ・・・ウァァ!!」
アースが二人を心配して叫ぶも、それに気づいたシビレルダが口から赤とピンクが入り混じった禍々しい光線を放つ。
「っ!? きゃあぁぁぁ!!!!」
アースは為す術もなく赤い光線に飲み込まれて吹き飛ばされてしまう。
「うぅぅ・・・あいつ、強くなってるし・・・!」
「っ・・・テラビョーゲンからさらに進化したから、パワーも増しているわ・・・!」
スパークルとフォンテーヌはぼやきながらも立ち上がり、シビレルダに立ち向かおうとする。
「いい加減諦めたら? お手当て続きでもう体力のないお前らに浄化なんか不可能よ」
そこへクルシーナが挑発して煽る。
「まだ疲れてないし!! 全然やれるもん!!」
「私たちは諦めないわ!!」
その言葉に二人は強気な口調で返す。プリキュアたちはお手当てを諦めようという意思はどこにもなかった。
「雨のエレメント!!」
フォンテーヌは雨のエレメントボトルをステッキにセットする。
「火のエレメント!!」
スパークルは火のエレメントボトルをステッキにセットする。
「「はぁっ!!」」
「ウゥゥゥ、ウゥゥゥゥゥゥ・・・!!」
二人は同時にステッキから光線をシビレルダに向かって放つ。シビレルダは大きな腕で光線を防ぐように動かす。
「はぁぁぁぁぁ!!!!」
「ウァァ!?」
そこへアースが勢いよく飛び上がって蹴りを放ち、腕に直撃するとシビレルダは数メートル吹き飛ばされる。
「ウァァァァァァァァァ!!!!!!」
しかし、シビレルダは倒れることなく踏ん張るとさらなる咆哮を上げ、翼を広げて飛び出し、三人に向かって両手を叩きつける。
「「はぁっ!!」」
三人はそれを飛び上がってかわすと、フォンテーヌとスパークルはそれぞれの色の光線を放つ。
「ふっ!!」
アースは空中で腕から風を放って、シビレルダの動きを抑制しようとする。
「ウァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
シビレルダは口から先ほどよりも大きな赤とピンクが入り混じった光線を放ち、三人の攻撃を吹き飛ばす。
「きゃあ!!」
「うわぁっ!!」
「あぁっ!!」
その波状攻撃に思わず三人は目を覆う。そして、その隙にシビレルダはいつの間にかプリキュアの頭上へと姿を現していた。
「ウァァァァァァァ!!!!」
「あぁぁっ!!??」
シビレルダは手のひらを開いて種のような光弾をスパークルに向かって放つ。スパークルは降り注ぐ光弾の直撃を受けて吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられた。
「スパークル!!」
「ウゥゥゥゥゥゥウァァァァァ!!!!」
「きゃあぁっ!!」
フォンテーヌがスパークルを心配する間も無く、シビレルダは急降下して蹴りをフォンテーヌに食らわせ、そのまま地面へ踏み潰すように叩きつけた。
「スパークル!! フォンテーヌ!!」
「ウァァァァァァッ!!!!」
「っ!? うっ・・・!!」
心配するアースに、シビレルダは日傘のようなものを出現させて放つ。アースは両腕を交差させて攻撃に耐え抜くのが背一杯だ。しかし、その隙にシビレルダが目の前にいて手が迫っていた。
「!! あっ!?」
アースは逃げる動作もできずに、シビレルダの巨大な手に捕まる。そして、そのまま地面へと放り投げ、アースは地面に叩きつけられた。
「「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」」
「はぁ・・・はぁ・・・うぅぅ・・・はぁ・・・」
プリキュアの三人は体を震わせながらも立ち上がるが、すでに呼吸は乱れていて、表情にも疲れが見えていた。
それでも三人は諦めずに、シビレルダに立ち向かおうとするが・・・・・・。
「ウァァァァァァァァ!!!!」
「「「きゃあぁっ!!」」」
「ウァァァァァァ!!!!」
「あぁぁっ!!」
シビレルダは巨大な拳を振るってフォンテーヌとスパークルの二人を吹き飛ばし、口から赤とピンクの禍々しい光線を放ってアースを吹き飛ばした。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・ウァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
シビレルダはまるで勝利を確信したように大きな咆哮を上げる。しかし、完全に自制心を無くしている彼女はどう見ても暴走状態だ。
「うっ・・・」
「あぁ・・・」
「あぁぁ・・・・・・」
プリキュアの三人はこれまでのダメージが蓄積しているのか、倒れ伏して呻いたまま動かない。
「ふふふ、もう限界なんじゃないの? いい加減現実を受け入れなよ。お前らがどんなに努力をしたところで、それが結果なんだってさぁ?」
クルシーナは傷ついて倒れているプリキュアに向かって嘲笑の言葉を浴びせる。どんなにお手当てを諦めないと言っても結果がこの通りでは、努力など何の意味も無い。それがこいつらはどうしていつまでたっても理解しないのか?
そんなクルシーナの考えとは裏腹に、プリキュアの三人の顔は諦めの色を見せなかった。
「私は、絶対に諦めないわ・・・だって、4人とかすみとの5人で誓ったんだもの・・・どんなに絶望的な状況に陥ろうとも、絶対にやめたりなんかしないって!!」
「だって、あたしたちが諦めたら・・・楽しいことも、いろんな思い出も作れなくなっちゃう・・・だから、あたしたちがやめたら、何も守ることなんかできないんだよ!!!」
「私は、ラテやみんなのために頑張らなくてはならないのです・・・この素晴らしい地球や人々のため、そして友達のかすみさんやのどか、ちゆ、ひなたのためにも、このお手当てをやめるわけにはいきません!!!!」
プリキュアは動かない体とは裏腹に、強い口調でクルシーナの言葉に反論した。三人はどんなに困難な状況でも、諦めないことが重要だと、その力のおかげでこれまでの危機を乗り越えられると、だからお手当てを諦めるわけにはいかないと、そう信じているのだ。
「・・・もう聞き飽きたんだよ、そんな言葉」
「ウゥゥ・・・ウァァァァァァァァァァァ!!!!」
クルシーナのつまらなそうに吐き捨てる言葉、それに呼応するかのようにシビレルダが雄叫びをあげた。
「ほら、こいつもそんな言葉が嫌いみたいねぇ・・・」
クルシーナは何かを察しているかのように言う。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・!!!!!」
まるでその通りかのように、シビレルダは三人にトドメを刺そうと口から赤とピンクの入り混じった禍々しいオーラを溜め始める。
プリキュアの三人は先ほどの口調とは別に、疲労とダメージで動けずにいた。
そして、まさに口から光線を放とうとした・・・・・・その直後だった・・・・・・。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「ウァァァ!?」
そこへ誰かが飛び蹴りを放ち、シビレルダの顔面に直撃する。完全に集中力を乱されたシビレルダはオーラの溜め込みを中断させられただけでなく、そのままよろけて押し倒された。
「っ?」
「今のは・・・」
「っ!! やっときたか・・・」
スパークルとフォンテーヌは何が起こったのかわからず、クルシーナはその人物の煙で隠れた影を見て、あいつが来たことを察した。
「みんな!! 遅れてごめん!!」
土埃が晴れ、そこから姿を表したのはのどかが変身したキュアグレースだった。