ヒーリングっど♥プリキュア byogen's daughter   作:早乙女

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前回の続きです。
二手に分かれたプリキュアたちの、お手当て大作戦が始まります。


第96話「誰?」

 

一方、その頃・・・・・・校舎へと向かっているフォンテーヌとスパークルは・・・・・・。

 

「っ!? 何!?」

 

「どうなってるの・・・!?」

 

向かっている途中で、急に周囲が真っ赤に染まり、病気で蝕まれ始めたことに驚く二人。

 

「さっきまでは何ともなかったのにニャ・・・!!」

 

「急に、病気に蝕まれ始めたペエ・・・!」

 

ニャトランとペギタンもその様子に驚いていた。

 

「急ぎましょう!!」

 

「うん!!」

 

二人は校舎にいるであろうビョーゲンズが何かをしたのかと思い、走って向かっていく。

 

「あ・・・あそこじゃない!?」

 

学校の中へと入り、校舎の近くまで来るとスパークルが赤い泡が付着しているのを発見した。

 

「そうね・・・行ってみましょう!!」

 

フォンテーヌはそれに頷くと、二人は赤い泡を辿っていこうとする。

 

「メガァ!!」

 

その校舎の裏にある庭では、メガビョーゲンが両腕のホースから赤い液体を噴射して泡を付着させながら、着実に病気に蝕んでいた。

 

「っ! カスミーナのメガビョーゲンも動き出したみたいですねぇ」

 

ドクルンは気づいたら、先ほどのメガビョーゲンで音が触れた場所が一瞬で赤く染まったことに驚くも、すぐに不敵な笑みを浮かべた。

 

「いたわよ!! メガビョーゲン!!」

 

「な、なんかいつもより、周りが病気に蝕まれてない・・・!?」

 

そこへメガビョーゲンの元にたどり着いたフォンテーヌとスパークルが現れるも、スパークルは周りの赤い靄が分布がいつもより広いことに戸惑っている。

 

「おや? やっときましたか。でも、少し遅かったですねぇ」

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

ドクルンが笑みを浮かべながら見つめ、その隣には苦しそうに呼吸することえの姿があった。

 

「ことえっち!!」

 

「金森さんに何をしたの!?」

 

フォンテーヌは険しい表情で問い詰める。

 

「ちょっと実験に付き合わせているだけですよ。病み上がりの人間にメガパーツを入れるとどんなテラビョーゲンが生まれるのかのねぇ」

 

「っ!!」

 

ドクルンは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。フォンテーヌは怒りの炎を燃やしそうになるが、テラビョーゲンについての性質を思い出しながら冷静になる。

 

(ドクルンも、クルシーナと同じ、元は人間なのよね・・・?)

 

以前、クルシーナことしんらが人間からテラビョーゲンになったことを知ったプリキュアたち。フォンテーヌは設楽先生の言葉を思い出し、彼が言っていた患者の誰かではないかと考えたのだ。

 

ドクルンも、同じように人間からテラビョーゲンになったのではないかと・・・・・・。

 

「どうして、こんなことをするの・・・!?」

 

「何の話ですか?」

 

「そうやって、無関係の人間にメガパーツを入れたり、周囲を病気で蝕んで苦しめたりすることよ・・・! あなたも元は人間だったのよね!? しんらさんみたいに・・・!!」

 

「っ・・・!!」

 

フォンテーヌが沈痛したような表情で言うと、ドクルンは笑みを消して顔を顰める。

 

「・・・・・・クルシーナが何かしたみたいね」

 

「答えなさい!! どうしてこんなことを・・・!?」

 

ドクルンは呟くように言う中、フォンテーヌは問い詰めようとする。

 

「・・・そんなに知りたいですか?」

 

ドクルンが冷たい声で言うと、フォンテーヌは頷く。

 

「・・・そのメガビョーゲンを浄化できたら一つだけ教えてあげますよ、少しだけね。メガビョーゲン、もっと辺りを蝕みなさい」

 

「メガァ!!」

 

ドクルンはそう答えると、メガビョーゲンに命令を出す。

 

「フォンテーヌ!! 早く浄化しなきゃ!!」

 

「わかってるわ!!」

 

スパークルがそう促すとフォンテーヌは頷いて、二人でメガビョーゲンへと駆け出す。

 

「メェ、ガァ!!!」

 

二人に気づいたメガビョーゲンは両腕のホースを向けて、そこから赤い液体を噴射する。二人はその場から分かれるように飛んでかわす。

 

「ふっ、はぁぁっ!!」

 

フォンテーヌは飛んだ近くにあった木をキックして飛び出すと、メガビョーゲンに蹴りを繰り出す。

 

「メガ!!」

 

「っ、あぁぁ!!」

 

しかし、消火器の固いボディのせいなのかビクともしていないメガビョーゲンは、逆に腕のホースを振るってフォンテーヌを吹き飛ばす。

 

「雷のエレメント!!」

 

スパークルは雷のエレメントボトルをステッキにセットする。

 

「はぁっ!!」

 

ステッキから電気を纏った黄色い光線をメガビョーゲンに目掛けて放つ。

 

「メ!? ガガッ・・・!?」

 

消火器のボディに感電したのか、メガビョーゲンの体が仰け反る。

 

「今だニャ!!」

 

「フォンテーヌ!!」

 

攻撃のチャンスと言わんばかりのニャトランの言葉を合図に、スパークルは飛ぶ。

 

「ふっ!!」

 

フォンテーヌも空中で体勢を立て直すと、再び学校の壁を蹴って飛び出す。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

「メッガ・・・!?」

 

二人は同時に蹴りを繰り出し、メガビョーゲンは背後へと倒される。

 

キュン!

 

「「キュアスキャン!!」」

 

倒れている間にフォンテーヌがステッキの肉球に一回タッチして、メガビョーゲンに向ける。

 

「泡のエレメントさんが、右腕にいるペエ!!」

 

ペギタンの目が光り、メガビョーゲンの右腕の付け根辺りにいるエレメントさんを発見する。

 

「メガビョーゲン!!」

 

その直後、メガビョーゲンはすぐに立ち上がると、足の格納庫のような部分を開いて、そこから赤い玉のようなものを無数発射する。

 

「「っ!!」」

 

「メガァ!!」

 

フォンテーヌとスパークルは飛んでかわすと、メガビョーゲンはそこを狙ってホースの腕を振り回す。

 

「「ぷにシールド!!」」

 

背中合わせになって肉球型のシールドを展開し、振り回されるホースの腕を弾き飛ばしていく。

 

「ふん。さてと・・・!」

 

ドクルンはプリキュアとメガビョーゲンの戦いの様子を見て鼻を鳴らすと、目線を苦しんでいることえへと向ける。

 

「うっ・・・うぅ・・・」

 

「ふふふ・・・♪」

 

ドクルンは不敵な笑みを浮かべながらことえへと近づくと、彼女の手を握る。すると、ことえの手から黒い光を放ち始めた。

 

「!? う、うあぁぁぁぁぁ・・・!!!」

 

途端に一瞬目を見開くと、悲鳴のような声をあげてことえは体を震わせながらさらに苦しみ始めた。

 

「あぁっ・・・あ、あぁ・・・!!」

 

「この娘の中のメガパーツをもっと育ててあげないとねぇ」

 

ドクルンは無意識に振りほどこうとしていることえの手を離さないように握りながら、彼女を見つめる。

 

「っ!! ことえっち!!」

 

「メガァ!!」

 

スパークルはことえの悲鳴が耳に入り、危機に陥っているのを見て叫ぶ。それを隙ありと言わんばかりに足の格納庫から赤い玉を放つ。

 

「スパークル、前!!」

 

「っ!!」

 

「危ない!!」

 

ニャトランが叫ぶも、スパークルはとっさの行動が取れなかった。そこをフォンテーヌが突き飛ばすようにして一緒に飛んで避けたので、赤い玉を食らわずに済んだ。

 

「ご、ごめん、フォンテーヌ・・・・・・!」

 

「早く浄化して金森さんを助けましょう・・・!!」

 

友人が痛めつけられるのが気になるのは仕方がないが、どうしてもそれでメガビョーゲンとの戦いに集中できていない。ならば、早く浄化して助けようとフォンテーヌは考えた。

 

スパークルは頷くと、二人はステッキを構える。

 

「メガァ!!」

 

メガビョーゲンは両腕のホースから白い液体を噴射する。

 

「ぷにシールド!!」

 

スパークルは肉球型のシールドを展開して、白い液体を防ぐ。

 

「氷のエレメント!!」

 

フォンテーヌはその隙に氷のエレメントボトルをステッキにセットする。

 

「はぁっ!!」

 

氷を纏った青い光線をメガビョーゲンに目掛けて放つ。

 

「メガ・・・ビョーゲン・・・!?」

 

光線が消火器のボディに命中し、メガビョーゲンは全身が氷漬けになっていく。

 

「そろそろ、こっちも仕上げに入りましょうかねぇ」

 

「う、うぁぁ・・・ぁぁ・・・! うっ、うぅぅ、うぅぅぅ・・・!! うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ドクルンは握っていることえの手を黒く光らせると、彼女はもっと苦しみ始め呻き声をあげる。体をガクガクと震わせると、悲鳴のような絶叫をあげる。

 

ことえの中の赤い靄が蠢いたかと思うと、彼女の体内から赤黒い靄が勢いよく飛び出す。

 

「よっと・・・! 今度は逃さないわよ」

 

ドクルンはその赤い靄を素手で捕まえて掴み上げる。すると、赤い靄はドクルンの手の中で一つの赤い氷へと姿を変えた。

 

「ふむ・・・大人しくなったわね。まあ、いいわ」

 

ドクルンは赤い氷を見ながらそう言うと、プリキュアとメガビョーゲンの方を見る。

 

フォンテーヌとスパークルはステッキに水のエレメントボトル、光のエレメントボトルをセットする。

 

「「エレメントチャージ!!」」

 

そう言いながら光るステッキの先をハート型の模様を空中に描き、肉球に3回タッチする。

 

「「ヒーリングゲージ上昇!!」」

 

ステッキの先のハートマークに光が集まっていく。

 

「プリキュア!ヒーリングストリーム!!」

 

「プリキュア!ヒーリングフラッシュ!!」

 

フォンテーヌとスパークルはそう叫びながら、ステッキをメガビョーゲンに向けて、青色の光線と黄色の光線を同時に放つ。光線は螺旋状になって混ざっていった後、メガビョーゲンに直撃した。

 

その光線はメガビョーゲンの中に入ると、螺旋状のエネルギーは手へと変化して、4本の手が泡のエレメントさんを優しく包み込む。

 

水型状に、菱形状にメガビョーゲンを貫きながら、光線はエレメントさんを外へと出す。

 

「ヒーリングッバイ・・・」

 

メガビョーゲンは安らかな表情でそう言うと、静かに消えていった。

 

「「「「お大事に」」」」

 

泡のエレメントさんは消火器の中へと戻っていく。

 

「まあ、いいでしょう。目的は達したし、あとはカスミーナに任せましょう」

 

ドクルンは手に持っている赤い氷を見ながらそう言うと、踵を返す。

 

「待って!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

その時、背後から呼び止める声が聞こえ、ドクルンは無言で背後を振り向く。

 

「メガビョーゲンは浄化したわ!! 質問に答えて!!」

 

「・・・ああ、そうでしたね」

 

フォンテーヌが険しい表情で言い、ドクルンは睨むような顔で思い出したかのように呟く。正直、イライラしているようで、心の中で自分が驚くくらい声は冷たかった。

 

「あなたは、一体誰なの・・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・」

 

フォンテーヌの問いにドクルンは無言で睨むも、心の中ではため息をついていた。

 

わざわざメガビョーゲンを浄化しておいて、聞きたかったことがそれか、と・・・・・・。

 

ドクルンはそう考えた後、口を開いた。

 

「・・・賢いあなたならわかるはずよ、ちゆ」

 

「っ!? ど、どうして、私の名前を・・・!?」

 

ドクルンはいつもと口調を変えてそう言うと、名前を呼ばれたフォンテーヌは激しく動揺する。

 

「・・・・・・さあね、自分で考えたらどうですか? それよりも周りを見た方がいいんじゃないですか?」

 

約束どおり、一つだけ質問に答えたドクルンはそう言うと姿を消したのであった。

 

「・・・え、なんで? メガビョーゲン、浄化したはずなのに・・・なんで、元に戻ってないの・・・?」

 

「おかしいニャ・・・どうしてだ・・・!?」

 

スパークルとニャトランは周りを見渡して戸惑いの声を上げていた。メガビョーゲンを浄化したはずなのに、周囲はまだ病気に蝕まれており、それどころか濃く蝕まれているようにも感じる。一体、どうしてなのか・・・??

 

「ねえ、フォンテーヌ・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

困惑したスパークルはフォンテーヌに声をかけるも、彼女はそれに答えずに顔を俯かせていた。

 

(ドクルンが、私の名前を・・・? もしかして、あの娘は、私の知っている人・・・??)

 

何かを忘れている気がする。そんな風に感じたフォンテーヌは、自身がこれまでに関わっていた人を思い出そうとする。そんな中、思い浮かんだのは・・・・・・。

 

もしかして・・・ドクルンは・・・・・・。

 

フォンテーヌの頭の中には考えたくもない最悪な考えが浮かんでいた。もしかしたら、自身が記憶喪失になるぐらいに忘れていた・・・私の友人の・・・・・・。

 

「フォンテーヌ!! フォンテーヌッ!!!!」

 

「っ・・・ご、ごめんなさい・・・どうしたの・・・?」

 

「どうしたの?じゃないよ!! 周りを見て!!」

 

「??・・・っ!?」

 

答えてくれないフォンテーヌに不安を感じたスパークルが叫ぶと、反応したフォンテーヌが振り向く。スパークルにそう指摘されて周りを見て、同じように動揺した。

 

「ど、どういうことなの!? これは!?」

 

「まだこの辺が蝕まれたまま、元に戻ってないペエ・・・」

 

フォンテーヌは信じられないといった表情で見る。ペギタンは気づいていたようで、困ったようにそう答えた。

 

「っ!! もしかしたら、まだ奥の庭にいたメガビョーゲンがやったんじゃ・・・!?」

 

「っ、そ、そうだよね・・・それしか考えられないよね・・・!?」

 

ニャトランがそう考えると、スパークルはまるで忘れていたことを思い出したかのように答えた。

 

「あ・・・金森さん・・・!!」

 

「あぁ!! ことえっちのこと忘れてた!!」

 

二人はドクルンに捕まっていたことえのことを思い出し、辺りを見渡すと地面に倒れているのを発見した。

 

「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

二人は倒れていることえに駆け寄ると、彼女は安らかな寝息を立てながら眠っている。

 

「・・・大丈夫そうね」

 

「よかったぁ・・・!」

 

フォンテーヌとスパークルはそれぞれ安堵の声を漏らすと、ことえを担いで彼女を近くにあるベンチの上に寝かせる。

 

「早く行こうよ、フォンテーヌ!!」

 

「ええ、行きましょう・・・!!」

 

フォンテーヌとスパークルはお互いに頷くと、グレースとアースが戦っているであろうメガビョーゲンの元へと駆け出していく。

 

「ねえ、フォンテーヌ・・・」

 

「??」

 

「あいつ・・・フォンテーヌの名前を読んでたよね・・・?」

 

「っ・・・そうね・・・・・・」

 

二人は先ほどのドクルンの言葉を思い出していた。口調も変わった上に、フォンテーヌのことをちゃんと「名前」で呼んでいた。

 

(ドクルン・・・あなたは、誰なの・・・? 私の・・・何・・・?)

 

フォンテーヌはドクルンのことを考えつつも、グレースやアースの元へと走っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォンテーヌとスパークルが校舎にたどり着く数分前・・・・・・。

 

「メガビョォォォ・・・・・・」

 

かすみが新たに生み出した二体目のメガビョーゲンは、微量な音波を周囲に放ち、一気に周囲を病気へと蝕んだ。

 

「まさか・・・二体目も生み出していたなんて・・・!!」

 

アースは信じられない様子でメガビョーゲンと、近くにいるフードの少女を見る。普通は一体のみを召喚するビョーゲンズが、今回は二体目も生み出した。もうないと思っていたアースたちには考えられないことだった。

 

「しかも、さっきのメガビョーゲンよりも数段大きいラビ・・・!!」

 

「広範囲が蝕まれたせいだよね・・・?」

 

グレースとラビリンも驚いたように見ている。メガビョーゲンは先ほど浄化したものよりも、更なる大きさへと成長していた。

 

「やはりか・・・一体目のメガビョーゲンは予備動作、二体目のメガビョーゲンで完成する感じみたいだな・・・・・・」

 

かすみはメガビョーゲンを見つめながらそう言う。自分の予測は当たっていた。一体目のメガビョーゲンの音波を周囲に当てることによって病気の兆しを作り出し、今誕生させた二体目のメガビョーゲンが音波を放つことによって、一体目が音波を当てた場所を共鳴させて病気に蝕むという感じなのだ。

 

ドクルンにもそう話したが、自身の考えたことがこんなに全部当たるとは思ってもいなかった。

 

「クゥ〜ン・・・・・・」

 

「っ、驚いている場合ではありません。速やかにメガビョーゲンを浄化しましょう」

 

ラテの辛そうな鳴き声が聞こえたことで、アースは我に返り、二人はメガビョーゲンへと構える。

 

「・・・・・・メガビョーゲン、奴らを潰せ」

 

かすみは二人のその様子をみると、メガビョーゲンに倒すように指示する。

 

「メガァァァァ〜・・・・・・!!!!」

 

メガビョーゲンはそれを受けると、口から音波を放つ。

 

「ぷにシールド!!」

 

「うっ・・・っ!? きゃあぁぁぁ!!!! あうっ!!」

 

グレースは前に出て肉球型のシールドを展開して防ぐも、なぜか音波攻撃はシールドを掻い潜ってグレースの体に作用し、彼女は思いっきり吹き飛ばされ、木に叩きつけられてしまう。

 

「グレース!!」

 

そのまま地面へと倒れ伏したグレースを、アースが心配して叫ぶ。

 

「そういえば、お前も音波を浴びていたな、キュアグレース・・・」

 

「うぅぅぅ・・・げほげほっ!!」

 

かすみが思い出したかのように呟く。背中を思いっきり打ち付けたのか、グレースは激しく咳き込む。

 

「グレース、大丈夫ですか!?」

 

「ぐぅぅ・・・だ、大丈夫・・・」

 

「メガビョォォォォォォ・・・・・・」

 

アースが駆け寄ってグレースの体を起こすも、そこへメガビョーゲンが両肩のに2対6本の先端部分から赤いビームを放つ。

 

「っ!!」

 

アースはグレースを担いで飛び、ビームを避ける。そして、グレースをその場に置くと一人メガビョーゲンへと突っ込んでいく。

 

「メガビョォォォォォォォォ・・・!!!!」

 

メガビョーゲンは先端部分から次々とビームを放っていく。アースはビームを掻い潜りながら、メガビョーゲンへと迫る。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「メッ、ガァ〜・・・!!」

 

アースは飛び上がってパンチを繰り出し、メガビョーゲンも片手のチューバのような先端部分で応戦する。二つの攻撃はぶつかり合い、お互い弾き返す。

 

「ふっ!!」

 

「メガァァァァァ〜!!!!」

 

アースが着した直後、メガビョーゲンは顔を上に向けると音波を放ち、そこから無数の光弾が降り注いでいく。

 

アースは駆け出していき、メガビョーゲンへと再度迫る。

 

「空気のエレメント!!」

 

アースは取り出したハープに空気のエレメントボトルをセットする。

 

「はぁっ!!」

 

ハープから無数の空気の弾がメガビョーゲンに目掛けて発射される。

 

「メガビョォォォォォ・・・・・・」

 

メガビョーゲンは両肩と片手にある先端部分からビームを一斉に照射し、空気の弾を打ち消す。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「メェ!?」

 

そこへアースが飛び出して胸に強烈な蹴りをお見舞いし、仰け反るメガビョーゲンだが・・・・・・。

 

「メガァァァァァ〜!!!!」

 

「っ!?」

 

ドカァァァァン!!!

 

メガビョーゲンはすぐに体勢を立て直すと、胸にもあった6本の先端部分からエネルギーを溜め、アースに目掛けて強力なビームを放った。

 

「アース!!」

 

一人戦うアースを心配して叫ぶグレース。そこにかすみが歩いて近づいてくる。

 

「お前はいかないのか? キュアグレース」

 

「っ・・・・・・」

 

かすみは険しい表情でグレースを見つめている。グレースからはフードで表情が見えないが、自分たちを見下しているように見えてしまう。

 

「アースに任せっきりか? 別にいいけど」

 

かすみは見下したような言葉を放つ。そんな心の中では、グレースに酷いことを言ったと心を傷める。

 

そんなかすみに、正体を知らないグレースは意を決して声を掛ける。

 

「ねえ、あなた・・・」

 

「??」

 

「あなた・・・かすみちゃんだよね? そのフードの色といい、黒いステッキといい、そうなんでしょ??」

 

「・・・・・・・・・」

 

グレースの問いかけに、かすみは沈黙する。ここで正体を明かすわけにもいかないため、ごまかすための言葉を考える。

 

そして、考えついた言葉をこの場ではく。

 

「・・・・・・あと二人はどうしたんだ? 二人がいれば、アースには有利になるだろ?」

 

「答えて!! 私の質問に!! あなたは、かすみちゃんなの!?」

 

「・・・・・・・・・」

 

誤魔化しきれていない。グレースの話を反らすどころか、余計に苛立たせてしまっているようだ。

 

こうなったら、バレるのを覚悟で名前を言うしかない。プリキュアに付けられた名前ではなく、ビョーゲンズに付けられた名前に・・・・・・。

 

「・・・・・・私はカスミーナ。それ以上でも、それ以下でもない、ただのビョーゲンズだ」

 

「カスミーナ・・・・・・?」

 

かすみはそれだけ呟くと、グレースの考える時間を与える間も無く、その場から離れていく。

 

(カスミーナ・・・かすみちゃんじゃない・・・?)

 

グレースはその名を聞いた途端、フードの少女がかすみではないと思い込む。しかし、何やら奇妙な引っかかりを覚える。

 

「あぁぁっ!?」

 

そんな中、応戦していたアースはメガビョーゲンに吹き飛ばされて、地面に叩きつけられる。

 

「アース!! うっ・・・!」

 

グレースは痛む体を動かして立ち上がり、アースへと駆け寄る。

 

「アース!!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・グレース・・・もう体力が・・・・・・」

 

アースは息を荒くしながらも立ち上がるが、動きに精彩を書き始めており、体力も尽きそうになっていた。

 

「メガァァァァァ〜!!!!」

 

メガビョーゲンは体にある先端部分から赤いビームを次々と放っていく。

 

「ぷにシールド!!」

 

グレースはアースの目の前に出て、肉球型のシールドを展開してビームを防ぐ。

 

「メガァァァァァ・・・・・・」

 

「うっ・・・うぅ・・・!!」

 

ビームを次々と放っていくメガビョーゲンに苦しい表情をするグレース。ぷにシールドにはヒビが入り始めていた。

 

「メェェェェ〜ガァァァァァァ〜!!!!」

 

メガビョーゲンは両肩、胸、片手にある先端部分にエネルギーを溜め、一斉に太めのビームを放った。

 

「「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

太めのビームはヒビの入ったぷにシールドを簡単に突破し、二人はビームの直撃を受けてしまう。

 

煙が晴れるとそこには倒れ伏している二人の姿があった。

 

「・・・もう終わりか? 早くしないと取り返しのつかないことになるんじゃないのか?」

 

かすみはメガビョーゲンの側によると、二人に投げかける。心の中では二人に立って欲しいと思い込んでいる。

 

「うぅぅ・・・・・・」

 

「あぁぁ・・・・・・」

 

しかし、二人はダメージも大きく、体力も限界のようでなかなか立ち上がることができない。

 

「・・・・・・メガビョーゲン、やれ」

 

「メガビョォォォォォォ・・・・・・!!!」

 

かすみが冷静な声でそう指示すると、メガビョーゲンは再び体にある先端部分にエネルギーをチャージし始める。

 

「うぁ・・・あぁ・・・・・・」

 

グレースは顔だけでも上げると、無情にもメガビョーゲンのエネルギーが溜められていく。

 

「くっ・・・うぅぅ・・・・・・」

 

アースは体をフラつかせながらも立ち上がるが、攻撃は間に合わず、もはやなす術がない。

 

メガビョーゲンがトドメを刺そうと赤い太めのビームを発射する。そんな時だった・・・・・・。

 

「雷のエレメント!! はぁっ!!」

 

そこへ叫び声が聞こえてきたかと思うと、遠方から電気を纏った黄色い光線が飛んでくる。

 

「メガァ〜・・・・・・!?」

 

メガビョーゲンに直撃し、感電して動きが鈍る。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ビョ〜・・・!?」

 

さらに飛び出してきたフォンテーヌが肩に蹴りを入れ、メガビョーゲンを背後に倒す。

 

「二人とも大丈夫!?」

 

「ええ・・・私は大丈夫です・・・・・・」

 

スパークルの言葉に、アースはなんともないことを伝える。

 

「グレース!!」

 

「あ・・・ありがとう・・・・・・」

 

グレースに駆け寄るフォンテーヌが彼女の手を取って立たせる。

 

「・・・ようやく4人揃ったか」

 

その様子を見ていたかすみがそう声を投げかける。

 

「っ、あれって、かすみっちじゃないの・・・!?」

 

「どう見てもかすみよね・・・?」

 

「なんでフード被って、あそこにいんの!?」

 

フォンテーヌとスパークルが姿を見て驚く。どう見てもかすみだが、どうしてメガビョーゲンと戦わず、しかもそばにいるのか・・・??

 

「もしかして・・・校舎が病気に蝕まれたまま戻らなかったのは、かすみの・・・!?」

 

フォンテーヌはその様子にかすみの仕業だと推測し始めるが、グレースがそれに首をふる。

 

「・・・違うみたい。あの娘はかすみちゃんじゃなくて、カスミーナで、かすみちゃんとは別人みたい・・・自分で名乗ってた・・・」

 

「え・・・でも、どう見てもかすみっちだよね・・・?」

 

「もしかして・・・かすみの偽物なのかしら??」

 

グレースはフォンテーヌのその考えを否定するも、どう見てもかすみにしか見えない。もしかしたら、ビョーゲンズが生み出した偽物なのかもしれないと考えた。

 

「メガァァァァァ〜!!!!」

 

そうしている間に、メガビョーゲンは口から音波を放っていく。

 

「今は考えるよりも、メガビョーゲンを・・・!!」

 

「・・・・・・そうね、考えるのはあとにしましょう」

 

アースがそう諭すように言うと、グレースたち三人は頷き、暴れるメガビョーゲンを止めようと構えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、のどかが入院していたすこやか総合病院の病室で異変が起きていた。

 

それはメガビョーゲンの一部である種が取り憑いた患者。それはドクルンにメガパーツを埋め込まれて成長を促進させられた少女であった。

 

赤い靄に包まれながら眠る中・・・・・・段々とメガビョーゲンの一部と、メガパーツと馴染んできたのか、少女の体は人間のような肌から人ではない肌へと変化を遂げていく。

 

次に頭の上に悪魔のようなツノのようなものが生えていく。また、お尻からはサソリの尻尾のようなものが伸びていく。

 

そして・・・・・・少女の目が見開き、その目を赤く光らせた。

 

赤い靄は少女と一緒に浮かび上がると、そのまま開いていた病室の窓から勢いよく飛び出していく。

 

そして、病室にはもぬけの殻のベッドが残されていた・・・・・・。

 

その日、病室に入った看護師によって患者が一人いなくなったということが知らされ、病院内は騒ぎになったのであった。

 

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