ライバルキャラなポジションの仲間やヒロインキャラがいて、色んな人に助けられながら主人公が成長していくのは見ていて面白いですよね。
そんでもって燃える展開があれば言うこと無しです。
この小説もそんな感じにしていければいいなと思っています。
「俺とも戦ってくれないか?」
それは唐突な申し出だった、急に俺と仁の前に現れたこいつはそんなことを言ってのけた。
不敵な笑みを浮かべ、自信たっぷりに戦いを挑んでくるそいつは素人目、それでも他のガンダムゲームとはいえ戦いに身を置くものとして瞬時に理解した。
こいつは強いと。
「随分といきなり・・・」
「悪いが俺が話してるのはお前じゃない。」
間に入ろうとした仁を遮ると、俺を見据えて言い放つ。
「勝負を受ける受けないを決めるのは、コイツだ。」
「・・・・・・」
正直に言うと戦いたくてしょうがない、何度経験しようが勝負に勝つというのは相当の喜びを与える、その余韻が腕の中に残っている。
多分それをわかって挑戦してきたのだろう、応えが解っているかのような表情を見せている。
「わかった、受けよう。」
「そうこなくっちゃあな!」
そいつは俺の応えを聞いて心底嬉しそうな顔をするとバトルシステムを挟んだ向こう側に移動した、俺もバトルシステムの前に立つ。
「おいおい・・・」
「悪いな仁、今度こそ壊しちまうかもしれない。」
その台詞を聞くと仁は諦めたように溜息をつき、観戦場所に下がった。
-PLEASE SET YOUR GPBASE-
「いきなり不躾ですまないな、挑戦を受けてくれて感謝するぜ。」
「白々しいな、応えがわかってる上で声を掛けたくせに。」
俺の返しにハハハと笑うとお互いにGPベースを接続する。
-PLEASE SET YOUR GUNPLA-
「あんな戦い方を見せられればファイターとしてたぎるってもんだ。」
「そう言ってくれるのは嬉しいね。」
軽口を叩きあいながらお互いにガンプラをバトルシステム上に置く、こいつとはどこか妙に気が合う。
こちらは相変わらずのジム改、ただしシールドは先ほどの戦いで破損したので装備してない。
一方相手のガンプラは真紅色に塗装されたドムだった。
「ん、紅いドム?」
そのドムを見て後ろの仁が反応する。
-FIELD RUINS CITY-
「俺の名前は雷電 條だ、お前は?」
「春日井 空。」
「やっぱり!?」
名前を聞いた仁が合点がいったように大声を上げる。
-BATTLE START-
「後ろの奴は知ってるみたいだな。」
「そんなに有名なのか?」
「紅いドムの雷電といやぁここの地区大会上位の常連・・・!」
両機共にカタパルトから射出される、ドムは着地すると猛スピードで正面から接近してくる。
「戦場を駆ける紅い雷迅!」
そのドムをロックしてバズーカを撃つが難なく避けられ、減速もせずに突っ込んで来る。
「そう、俺が!」
「は、速い!?」
あっという間に接近されると至近距離からジャイアントバズの砲口がジム改に向けられる。
「雷電 條だ!」
なんとか上体を逸らし、避けようとするがバズは左腕に直撃し、吹っ飛ぶ。
雷電は追撃に後ずさりするジム改にタックルを食らわす。
ジム改はバランスを崩し、ビルに背中から倒れこむ瞬間にドムにバズーカを放つがそれも避けられ、ドムはビルの陰へと姿を隠した。
「あれに反応できるなんて、なかなかやるじゃないか!」
「ちぃ!」
すぐにジム改を立たせるとビルを背にしてドムを待ち構える、こうすれば少なくとも後ろを取られることはない・・・
「悪くない判断だが甘い!」
ドムが建物の陰から出てくるとジャイアントバズを二発放つ、その弾はジム改には当たらなかったがビルに直撃し、その衝撃でビルが崩れ落ちる。
「しまった!」
何とか落ちてくる破片は避けられたが周りは砂埃が舞い上がり、視界が著しく悪い。
相手がその隙を見逃す筈は無く、砂煙の中からヒートサーベルを持ったドムが出現する。
咄嗟にバズーカを相手に向かって投げ、開いた右腕でビームサーベルを抜く、ドムは投げられたバズーカをヒートサーベルで切り落とし、突っ込んで来る。
ドムが懐に入り込んできた瞬間目の前が真っ白になる、ドムの腹部に搭載されている拡散ビームである。
一瞬の思考、視界は見えないがドムが目の前に居るのは確実、止まってても後ろに下がっても切られて終わり。
「ならば!」
「なにぃ!?」
ジム改のブーストを使い前方に突っ込む、予想どおり目の前にいたドムへのタックルが成功する。
雷電も予想外だったようで一瞬怯むがそこは流石にベテラン、すぐに体勢を立て直す。
反撃の暇を与えてはならんとすぐさまビームサーベルで切りかかるが、ヒートサーベルに防がれた。
「大した奴だ、だが!」
そこでドムは鍔擦り合いの状態から素早く身を引くとリアアーマーにマウントされていたMMP-80マシンガンを抜き銃口を向けて引き金を引いた。
この近距離でマシンガンの斉射を受ければ大抵のMSは耐えることはできないだろう、事実ジム改は弾痕だらけになって倒れこみ、爆散した。
-BATTLE END-
試合終了の電子音声と共にバトルシステムが見せていた偽の廃墟が消える。
バトルシステム上には無惨にもボロボロになったジム改とほぼ無傷の紅いドムの姿。
「手も足も出なかった・・・」
結果としては試合と呼べるものではなかった。
油断や慢心が無かったわけではない、しかしここまでの圧倒的な差を見せ付けられ、愕然とする。
バトルシステムの前で眼を丸くしている空に雷電が近づき、声を掛ける。
「悪いな、久しぶりに腕が立つ相手なんで手加減を忘れた。」
「・・・」
黙って雷電の言葉を聞き入る空。
「まあガンプラを借りていたってことは初心者みたいだし、洗礼だとでも思ってくれ、リベンジならいつでも受けるぜ?」
そう言って自分のドムを片付けると雷電は去っていった。
バトル前と変わり果てた姿になったジム改を回収して仁に渡すと二人はベンチに腰掛け、何事もなかったかのように稼動を再開し、賑わうガンプラバトルを遠目に見やる。
「・・・悪いな、仁。」
「気にすんなよ、ガンプラならまた直せばいいしな。」
予想以上のへこみ具合に軽口を叩きながら励ます仁。
その言葉に申し訳なさを感じつつ空は遠くで行われるガンプラバトルを見る。
バトルに負け、感じたのは悲しみや諦めでなく悔しさだった。
それに負けたとはいえ戦っている最中は確かに高揚感を感じた、楽しいと思っていた。
そこで空の頭に雷電の台詞が反芻し、決意をさせる。
突然立ち上がった空に驚く仁に対し空は力強く言い放つ。
「仁、俺はあいつに・・・」
「雷電 條に勝つ!」
いきなりの決意表明に唖然とする仁だが、決意の意味を知ると嬉しそうな顔に変わる。
「よーし、なら付いて来い空!」
空が仁に連れられてきたのは二人が通う大学の棟の一つ、サークルの部室等を集めた所謂部室棟であった。
二人はその部室棟内の一角にある部屋の前に立つ。
その部屋の表札には「ガンプラ模型部」と書かれていた。
この話に出てきた雷電 條、わかる人には名前を見ただけでわかる思いますがジョニー・ライデンがモチーフになってます。
ちなみにこの話のサブタイトルは「らいでんへきれき」と読みます、意味は「急に雷が鳴り響き、稲妻が走ること。」
颯爽と現れて圧倒的強さを見せ付ける稲妻の様なさまと雷電自身の名前を掛けてたりします。
それではここまで読んでいただきありがとうございました、また次の話でお会いしましょう。