BanG Dream!~青薔薇との物語~   作:TRcrant

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第4章『文化祭』
第12話 始まる準備


それはある日の某所でのやり取りだった。

そこにいたのはリサと明美の二人だった。

 

「へぇ、奥寺君って意外と頑固なところもあるんだね~」

「ええ。かなりね」

 

話の議題は明美の幼馴染でもあり、リサと同じクラスの一樹のことだった。

 

「しかも、無茶をするから手に負えない。いつか倒れるんじゃないかって心配で仕方がないのよ」

「わかる! アタシもおんなじことを感じてるから」

 

リサの脳裏に浮かびあがったのは、自分の幼馴染のことだった。

 

「今はまだ私がいるからいいけど、来年とかでクラスがバラバラになった時が一番心配よ。無茶する上に抱え込んだりすれば、いずれは限界も来るはずだからね」

「……その時は、二人で奥寺君のことを支えてあげようよ。アタシたち、幼馴染コンビにかかれば、へっちゃらだよ」

「……そうね。貴方の幼馴染に関しては、私には力になれそうにはないけど」

 

”幼馴染コンビ”の歓談は、それからしばらく続くのであった。

それは、ある日の某所での一幕だった。

 

 

 

BanG Dream!~青薔薇との物語~   第4章『文化祭』

 

 

 

時間の経過と言うのは早いものだ。

この間まで春だと思っていた季節は、すでに夏も終わる頃合いだ。

 

(思い返すと、色々あったっけ)

 

羽丘には、何とかだけど慣れることはできた。

未だに、好奇のまなざしを向けられてはいるけど、今井さんや森本さんがフォローしてくれるおかげで何とかなっている。

もし、二人が同じクラスでなければ、僕は間違いなく不登校になっていただろう。

冗談抜きで、そう思わざるを得なかった。

 

(期末試験も、予想通りの感じだし。この流れで行けば大丈夫かな)

 

中間試験では、あえて80点以上の高得点を全教科で出した。

それは、クラス平均を知るための策だった。

成績でいい点数を残しておくことが、学費の全額免除の条件に含まれている以上、いい成績を残しておくのは重要だ。

とはいえ、とびぬけていい点数をとると角が立つ。

 

(それで嫌な思いをたくさんしてるからな)

 

今でもあの時のことは覚えている。

小学生の時に、ある教科で満点をたたき出した時に、先生から”カンニングをした”と決めつけられた時のことは。

あの時は、父さん達や啓介たちが怒り狂って猛抗議してくれたおかげで、再テストを行って身の潔白を証明することができた。

その一件以来、僕はクラス平均よりも少しいい成績をとるように調整をするようになった。

誤差などはあるが、一応優等生の枠にギリギリ入るぐらいのレベルを維持できているはずだ。

 

(とはいえ、学年順位で6番なのは驚いたけど)

 

期末試験後に配られる成績表に書いてあった学年順位に、僕は驚きを隠せなかった。

僕としては10番目ぐらいを狙って成績を残していたと思っていたのだが、予想が外れていたようだ。

今のところ学園側から呼び出しなどがないので、特に問題はないようだけど。

 

「それでは、多数決により出し物は『喫茶店』になりました」

 

そんなことを考えている最中に、どうやら話が決まったのか、進行役のクラスメイトの言葉に、教室内に拍手の音が鳴り響く。

今決めているのは文化祭の出し物だ。

案として出たのは、『お化け屋敷』に『縁日』と『執事喫茶』の三つがあった。

最初の二つはともかくとして、問題なのは最後の『執事喫茶』だ。

内容はシンプルで、店員は全員執事の格好をするとのこと。

問題なのは僕も執事の格好をさせられるうえに、僕のみセリフが『おかえりなさいませ、お嬢様』みたいな感じのがあることだった。

こんなのはまだいいが、さらによく聞くとかなり気障なセリフまであることが判明した。

明らかに、狙いが分かるうえに、そのような恥ずかしいことを僕がするわけもなく、『執事喫茶に決まったら僕は、不登校になってでも拒否しますっ』と宣言したのは記憶に新しい。

この宣言が効いたのかは知らないが、最終的には普通の喫茶店の形で収まった。

とはいえ、僕が執事服を着るのは変らないが、恥ずかしいセリフがなくなっただけましだ。

そんな経緯があって決められた出し物……喫茶店を成功させるべく、準備が始められることになった。

 

 

 

 

 

「奥寺君、悪いけど資材を持ってきてもらえる?」

「わ、わかりました!」

 

文化祭の準備も佳境となるこの時期、僕は主に力仕事を担当している。

こういう時にこそ男の真価が問われるというものだ。

それに走り続けていれば、周りの視線やら居心地の悪さなども忘れられるというメリットだってある。

 

「奥寺君、大丈夫? さっきから走り続けてるけど」

「大丈夫! このくらいで倒れるほどやわじゃないから!」

 

心配そうに声をかける今井さんに、僕はそう言いながらも資材を取りに資材置き場に向かって駆けて行く。

文化祭の準備ということもあり、バンドの練習もお休みだったりするので、力が有り余っているのだ。

 

「失礼します」

 

倉庫から、目当ての資材をもらった僕はそれを手に元来た道を戻っていく。

 

(今日は暑いな)

 

僕は足をいったん止めると、これでもかというほどに照り付ける太陽を見上げる。

もうすでに9月も中旬と言うのに、真夏日に近い気温が続いている。

 

(これが地球温暖化というやつか)

 

そんなことを考えながらも、僕は教室に向かって駆けていった。

 

「資材持ってきたよ」

「ありがとう! それ端に置いといて」

「オーケー!」

 

持ってきた資材を邪魔にならない場所によせておく。

 

(そこそこ形になってきたかな)

 

みんなの頑張りのおかげで、教室内の装飾はいい感じに出来上がりつつあった。

そして、クラスの女子との関係もいい感じだ。

お互いに、距離をつかめたのが一番大きな要因だと思うが、半年ほどかかってようやく僕も普通に過ごせるようになりつつあった。

その最たるのが、文化祭の出し物を決める際の騒動でもあったりするわけだけど。

 

(このままずっと同じクラスだったらいいのに)

 

そう思わずにはいられなかった。

 

(今度、レポートに書いてみようかな)

 

テスト入学をしている僕には、月に一度レポートを書いて提出することが義務付けられている。

これはこの学園で過ごすにあたって、感じたことをそのまま書くというもので、改善点や要望なども併せて書いていく。

学園側は、このレポートをもとに共学化しても大丈夫なように、準備を進めていくらしい。

要するに、僕の書いているレポートが今後入学するであろう男子生徒の学園生活がいいものとなるのか否に関わっているのだ。

とはいえ、僕としてはただ単に感じたことをそのまま書くだけなので、それほど大変ではないのだが。

 

「奥寺君、ベニヤ板をもらってきてほしいんだけど」

「わかりました!」

 

(とはいえ、ここまでくるとちょっときついかな)

 

振り返ってみると今日は一日中走り続けていたような気がするんだが……。

 

(まあ、いっか)

 

じっとしていても落ち着かないし、別にいいかということで結論づけた。

 

「奥寺君!」

 

僕が教室を後にして資材置き場に向かって駆け出そうとしたところで、今井さんが慌てた様子で呼び止めてきた。

 

「アタシも行くよ」

「え? でも……」

 

今井さんの申し出はとてもありがたかったが、同時に申し訳なさも感じた。

どちらかと言うと、重労働を女子にもさせることが特に。

 

「良いっていいって、ここはおねーさんに甘えちゃいなよ」

 

そう言ってウインクをする今井さんに、僕は

 

「前にも言ったけど、お姉さんって……そんなに歳離れてないよね?」

 

とツッコミを入れる。

 

「もー、男の子なんだから、細かいことは気にしないの! さ、行こう行こう」

「………わかりました。お願いします」

 

これ以上断っても戻りそうもなさそうだったので、僕は今井さんと一緒に資材置き場に向かうことにするのであった。




書く内容がもうないという状況。
完全にプロットをミスりました。

1年生編はすでに前作ですべて書き尽くしており、もう書く内容がないということに今更気づきました。
流石に、前作の内容を書くわけにもいかないですし……。
とりあえず、時間の流れを一気に早めて、2年生編(つまりは、バンドストーリー1章の話)に行くと思います。

とか言いながらのどんでん返しをするのが私だったりしますので、温かい目で見ていただけると嬉しいです。
そして、お気づきかもしれませんが、ヒロイン候補の名前をタグに追加いたしました。
もしかしたら、これからも増えていくかもです。


それでは、また明日お会いしましょう。
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