「貴方は正気ですかっ!? 何故この様なことが出来るんですっ!!」
ミカエルは映像を見ていて我慢できなくなったのか立ち上がって怒鳴る。シェムハザやサーゼクスも怒鳴りたいにを我慢しているのは丸分かりで、それでも一誠は余裕を崩さない。ただ、玉藻は蔑んだような視線をミカエルに向けていた。
「労働者を使い捨てにするようなブラック企業の社長が偉そうな事言うんじゃねーですよ。貴方、
「別に良いよ、玉藻。俺は自分の性根が腐っている事も、この光景が吐き気を催す邪悪である事も自覚している。でもさ、俺は人が死ぬのを防ぎたいんだ。……死んだ後も人は苦しむからね。だから俺は幾らでも泥を被るさ。君達が分かっていてくれれば其れで良い」
一誠は呟きながら映像に視線をやる。其処はまさに地獄絵図だった。
「総員、撤退! 建物の中に避難しろっ!」
龍の姿となったシャドゥから滴る粘液に触れた者は瞬時に痩せ衰える。いくら攻撃を仕掛けても一向に効果がないと判断したエクソシスト達はゆっくりと歩いて近付いてくる者達を先に始末しようとするも、相手は堕天使の前総督や英雄の子孫。戦意が既に折れかけていた彼らでは敵うはずがなかった。
「キシシシシシ! テメェらが悪ぃんだぜ?
「放ッテオケ、モリア。此奴ラハ自分達ノ事シカ考エテオラヌ。何人巻キ込マレテモ興味ガナイノダ」
「けっ! こんな雑魚の相手をさせるとはよぉ。まぁ、良いや。殺すなって言われてるから死体は手に入らねぇが、マユリが作ったクローンの肉体が有るから十分だな。影だけ頂くぜぇ?」
ゲッコーモリアはエクソシストを押さえつけると影に鋏を伸ばす。すると影は根元から切り落とされエクソシストは気を失った。
「影とは生まれた時から共に居る分身の様な物。それを奪い、魂のない肉体に入れる事で肉体の力と影の持ち主の技術と知識を手に入れる。それが死従七士が一人『怠惰』の将”ゲッコーモリア”。言っておくけど『影を奪われた』人は太陽の下に出さない方が良い。……消滅するからね。本当は人間相手にこんな事したくないんだけど、きっと不満を持ったまま潜伏している奴らはいる。此処で見せしめにしておかないと大勢の犠牲者が出かねないんだ」
「……申し訳御座いませんでした」
一誠の言葉を聞いたミカエルは頭を下げ、サーゼクス達も怒ろうとした自分達を恥ずかしく思う。そして、
(ぷっぷ~! 信じてやんの。いや、大部分は本当だけどさ。ちょっとしんみりした空気出すだけで大人しくなるんだから馬鹿だよねぇ)
気が付かれないように舌を出し、内心で爆笑する一誠であった。そして決着がついたその時、無数の邪龍が出現した。明らかにリゼヴィムの差金だ。
「……絶対馬鹿だろ、アイツ」
「ロスさん、結界発動」
予め予想していた一誠はロスヴァイセに用意させていた結界で邪龍達を閉じ込める。そして一誠達は呆れたような視線を画面に向けていた。
「
『全くだな。俺の様に世界トップレベルにアホ……相棒っ!?』
それから先は一方的な虐殺。シャドゥの体から伸びた触手は邪龍を包み込む様に広がり、捕まった邪龍は一気に骨と皮だけになる。苦悶の声が周囲に響き渡り、やがて全ての魂は一誠に回収された。
《さて、今回の一件は明らかに天界の手落ちじゃな。やれやれ、貴様らと同盟を組んでから厄介事ばかりだ》
ハーデスはミカエル達に嫌味を言いながら後始末の話し合いを続ける。今回の話し合いで決まった事はエクソシスト達の処遇。ゲッコーモリアが奪った影は返上せず、もはや日常生活もままならない彼らの世話は当然の様に天界側が引き受ける事となった。
「は~い。じゃあ、今日は無礼講ってことで宜しく」
その頃、一誠達は祝勝会を開いていた。場所は冥府にある一誠の城の大広間のテーブルに料理が並べられバイキング形式で各自料理を選んでいた。
「あたしケーキが食べたいわ」
「わたしも!」
「ほらほら、口元にクリームが付いているわ。ああ、服に付けちゃって。向こうでお着替えしましょうねぇ♪」
メディアはニコニコしながらありすとアリスを衣裳室にに連れて行こうとする。其処にはメディアが用意したフリフリの衣装が何時の間にか収められていた。
「ランスロットさん。はい、あ~ん」
「ロスヴァイセも、あ~ん」
『リア充共くたばりやがれ。……あ、隊長は一度くたばってるか』
ランスロットとロスヴァイセは人目もはばからずにイチャイチャし、部下の元円卓の騎士達はハンカチ噛みつつ酒を飲む。だが、数人の騎士は既に女性死神とできていて宴を抜け出してデートしていた。
「俺は飲めねぇんだが……」
「僕も飲めないんだけどね」
「なんじゃ、情けない事よなぁ」
エクボとバイパーは酒を飲めないので料理を食べに行きたいが既に酔っ払っているハンコックに捕まって抜け出せない。ちなみにエクボの部下の悪霊やバイパーの部下の幻覚を得意とする霊達は上司を放っておいて存分に呑み喰いし、ハンコックの部下の女性陣も相手が居る者はイチャイチャし、非リア充はハンカチ噛みつつ自棄酒を飲み干した。
「……下らないネ。私たちは研究室に戻るヨ、ネム」
「はい、マユリ様」
《あひゃひゃひゃひゃ!
「あにゃぁっ!? 誰、
「……う、うにゃぁぁぁぁ」
臨界を超えて酒を飲んだベンニーアは暴走。黒歌と小猫に抱きつくと猫耳をモフりまくる。その手の動きはまさにテクニシャンで黒歌と小猫は快楽の海で溺れる。ちなみに巫山戯て酒を飲ましたグレンデルはベンニーアに心の傷を抉られて、同様に古傷を抉られたクロウクルワッハと共に膝を抱えて蹲っていた。
「ご主人様。こうして玉藻とご主人様だけになるのは久し振りですね」
その頃、一誠と玉藻は宴を抜け出してテラスに来ていた。
「全く、何時も他の者がいますからね。少し寂しいのですよ?」
「わ、私は別に寂しくなんかないんですからねっ! でも、ご主人様が二人っきりになりたいって言うんなら……」
「私が申し訳ございません。ささ、二人でゆっくり出来る所に……」
「あらあら、皆さんがっついていますね」
「騒がしい事だ。だが、こういうのも心地よい」
「はっ! 私がかっさらっちまっても良いんだろう?」
「駄目だよ~? ふわぁあ。眠いしベットに行きませんか?」
「あ、あの、久しぶりに頭をナデナデして欲しい…です…」
何故かまた玉藻が増えた状態で……。
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