霊感少年の幽雅な生活 (完)   作:ケツアゴ

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なんか最新刊が肌に合わなかった


霊感もそろそろ終了かなぁ そしたら放置してた子供世代の終わらせて


fate go 昨日登録募集終了したから今日配信だと思ったのは私だけだろうか? メールが来る度にチェックしては残念がっていました


百四話

悪魔社会は滅亡寸前である、それは張本人である悪魔達、正確には伝統と格式高い誇りある純血悪魔の何割かの者を除いた者達の共通認識だ。領地の多くを他神話に取られ、莫大な未払の賠償金を抱えている。

 

「さて、最上級死神として此度のレーティングゲームトップ陣による私の両親への襲撃行為に遺憾の念を表明させて頂こう。なお、同盟相手であるアースガルズ及び須弥山の神々も交渉の結果によっては武力制裁に加わることになっていますが……条件を飲んで頂けますね?」

 

「……はい」

 

 そして、此度の交渉によって悪魔社会の滅亡へのカウントダウンが始まった。

 

 

 

 

 

『愛しき妾の子達よ。お主らに伝えるべき事がある。心して聞くが良いっ!』

 

 それは平和なお昼どき、突如冥界の悪魔領の上空に映像が映し出される。画面に映っているのはハンコックだ。相手を見下しすぎて逆に見上げているという少々滑稽な姿を晒している彼女だが、悪魔達はその姿を馬鹿にする気など微塵も起きず、反対に畏敬の念すら感じていた。

 

「リリス様……」

 

 ハンコックの姿は何時もの黒髪の美女ではなく、本来の姿であるリリスの姿。その姿から放たれるオーラに全ての悪魔が膝を付き頭を垂れた。

 

『さて、こ度この様な場を設けたのは他でもない、貴様達を滅びから救う為だ。簡潔に言おう。悪魔である事を捨て冥府に亡命する民は全て受け入れる準備が整っている。実力主義をうたいながらもその実はチャンスすら与えられぬ者が殆どを占め、殆どの者は秘めているかもしれない才能を開花させれる機会すら与えられない。その為職業選択の幅も狭まっておる。……期限は今月中。邪魔する貴族は冥府の者の手で始末して良いと魔王との協議で決まっておる』

 

 ハンコックから告げられた言葉に動揺する冥界の民達。これがこ度の交渉で手に入れた対価の一つ。皆殺しか民の流出か、二つから選ぶように言われた魔王達は苦渋の決断を行った。

 

 そして動揺する民達の前にもう一人の人物が現れる。レーティング・ゲームの覇者ディハウザー・ベリアルだ。

 

『諸君、私は彼らの提案を飲み、最上級悪魔の地位を捨てて冥府に亡命した。そして今日は諸君に伝えるべき事がある。レーティングゲームで行われている不正に関してだ。ランキングトップ10に入る殆どの者が不正な方法で今の力を手にしている』

 

 そこから彼が語ったのは『王』の駒の存在。製作者であるアジュカが危険と判断し、彼と数名の重鎮の手元に有る其の駒は使用者の実力を十倍以上に跳ね上げる。実は彼の従兄弟であるクレーリアもその事実を知った為に殺害命令が下されたのだ。

 

『……はっきり言おう。この他のにも政治的思惑が絡み開始前から勝敗が決定している試合も存在しており、公式戦は不正の温床となっている。この様な物で夢を掴もうなど考えない事だ』

 

 ゲームの覇者自らのゲームへの否定。それは映像を見守る悪魔達の心に深く突き刺さった。

 

『さて、妾からも再び話しをしよう。転生悪魔が増えても純血主義は変わらぬ。例え成り上がったとしても、実力が有ることを理由に七十二柱の者にはさせられない危険な任務を押し付けられるであろうな。……では、キサマらの選択が最優であらん事を願う』

 

 ここで映像は消え去り、冥界はしばし静寂に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ~、ご苦労様。ハンコックもディハウザー君も頑張ったね。あっ、スタッフの皆もご苦労だったね。ちゃんと約束通り冥府のテレビ局の仕事を回してあげるから安心してね」

 

 一誠は先程流れた映像を制作していたテレビ局のスタジオでヘラヘラ笑う。そのよこには不安そうな顔のでぉハウザーが立っていた。

 

「あの、お約束の……」

 

「大丈夫。君の従姉妹の魂は修復した上でちゃ~んとエリュシオンの片隅にでも送ってあげる。安心して良いよ」

 

「そうですか……」

 

 安心したように胸を撫で下ろすディハウザー。一誠から持ちかけられた契約条件は先程の証言と亡命の代わりにクレーリアの魂を修復してマトモな場所に送るというもの。それが叶えられる事に安心した彼は次の仕事に向けて体を休ませに行った。

 

「……さぁて、此処からが忙しいぞ。なにせ領民の亡命を阻止しようとするであろう貴族達の始末があるだろうからね。彼にも手伝ってもらうけど、人手が幾らあっても足りそうにないよ……」

 

 

 

 

 

 ここ数日最上級死神として多忙な日々を送る一誠だが、彼は学生でもあるので進路相談等の面倒な事も行わなければならない。この日、一誠の父は張り切って新品のスーツを買って来ていた。

 

「其処まで張り切らなくたってさ、もう俺って行き着く所まで出世してるし、適当に催眠で済ませて仕事に戻りたいんだけど」

 

「そう言うな、一誠。既に進む道は決まっているのは知っているが、先生から何時ものお前の様子を聞けるのは今日くらいだし、こうやって形だけでもキチンとしたいんだ」

 

「まぁ別に良いけどさ」

 

 嬉しそうなのを照れから隠しながら制服に皺がないか捜す一誠。台所では玉藻達が台所でお弁当の準備をしていた。

 

「ご主人様、今日のオカズは大好きな肉団子ですよ。沢山入っていますから残さず食べてくださいね?」

 

「俺が君の手料理を残す訳がないでしょ?」

 

《あっしもてつだったでやんすよ》

 

「うん。いい子いい子」

 

 両手で二人を抱き寄せる一誠。その頃黒歌はというと……。

 

「ん~、白音、幾ら何でも口に入りきらないからって鼻からも饂飩を啜らなくたって……」

 

「どんな夢見てるんですか、姉さま。ふっ!」

 

 まだ惰眠を貪り小猫に呆れられている。寝言が気に入らなかったのか小猫は拳を振り上げ、空気を切り裂く轟音と共に振り下ろした。

 

「ひぎゃんっ!? ……も、もう少しまともな起こし方はないのかにゃ?」

 

「有りません。そんな事よりもさっさとシャワーを浴びて着替えて朝ごはんを食べてください。……少し臭いですよ」

 

「まぁ昨日は張り切ったからな~。……白音も彼氏作ったら?」

 

「……興味有りません」

 

「そんな事言って、最近クロウの奴とよく話しているのは知っているわよ」

 

「……話してるだけです」

 

 あから様に視線を逸らす小猫。頬はほんのり赤くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリフトの本拠地にされたアグレアスが見つかった?」

 

《ああ、そうだ。……少し様子を見てきて欲しいのだが》

 

「……難民の受け入れに関する書類はロスさんにでも頼むか」

 

 ロスヴァイセ、残業決定。

 

 

 

 

 

 

 そして一誠がアグレアスに到着するなり巨大なオーラが入り口で待ち構えていた。

 

「リリス、だったっけ? オーフィスの分身の」

 

「ここから先、行かせない」

 

 リリスの力は二天龍の数段上。マトモにやれば一誠でも危ない相手だ。

 

「……仕方ない。相手してあげて、クロウ・クルワッハ」

 

「了解した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついでにグレンデルにポチにアーロニーロにグリンパーチにクドラクに市にブイヨセンにレイナーレに修復したラードゥンの肉体に宿ったエクボにバイパー。あっ、一応皆纏めて倍加しておくか宝玉の中に入って。……六回(六十四倍)で良いか」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 この中の数名は既に二天龍クラス。それの力が六十四倍になり、あまつさえ袋叩き。マトモにやったら危ない、逆に言えばマトモにやらなければ危なくないのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ! 魂と肉片は出来たら取っておいて。残りは僕と一緒にリゼヴィムと邪龍をフクロにしてくるよ」

 

 数分後、リリスは完全に無力化された




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